釈迦牟尼スーパースター ~仏教のつれづれ~ -3ページ目

出たな、如来蔵!シリーズ大乗仏教が完結

たいへん楽しませていただいた春秋社の「シリーズ大乗仏教」全10巻が
この1月にいよいよ完結しました。
10冊目に出たのは『如来蔵と仏性』(巻数としては8巻)。

出たな、懸案の如来蔵…。

安易に一言では言えませんが、これは

「一切の衆生は如来という本性を有している」(『宝性論』)

といったお話です。

汚れちまっているけど、その汚れを取り払えば、みんな本来は仏、みたいな。

日本人でいうと、たぶん95%ぐらいはシンパシーを感じて、
ごく一部の仏教ファンは激しく嫌っているお話です。

激しく嫌っている人は、だいたい『縁起と空―如来蔵思想批判』
(松本史朗先生)などを経由しているのだけど、
松本先生も『如来蔵と仏性』には登場しています。


かくいう私も、如来蔵にはどうも乗っかれないクチ。
乗れなくてもわかりたい(もしかして乗れるかも)と思って
この巻を楽しみにしていました。

第1章の下田正弘先生の部分(90ページぐらいあるよ!)を
読んだところですが、私の頭ではよくわからなーい!
とりあえず、下田先生が、初期仏典は嫌いで大乗仏典が猛烈に好き、
ということはよくわかりました。いや、前からわかってたことだけど。

このシリーズは、あまり本屋さんにない上に、
目次とかも出ていないので、ネットで買うにも躊躇すると思います。
なので、画像でのせておきます。私は春秋社の回しものではないです。


字がちっちゃいけど、拡大したら見えるのではないでしょうか。






ほんと、どの巻も面白いよ!
如来蔵と仏性 (シリーズ大乗仏教)

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ウパニシャッドを読んで改めて…お釈迦さまはやっぱすごい

『原典訳 ウパニシャッド』(ちくま文庫、訳:岩本裕先生)を読んでいる。
膨大にあるウパニシャッドのうち、古代のものごく一部の訳だけど、面白い!

いろんな学匠が説いたものが、断片的に伝わって順序も整理されてないらしいので、
矛盾もあるし、荒唐無稽な神話っぽいのから哲学っぽいのまで収まっている。

その中には、仏教の萌芽らしき思想も散見されて、
先日、「お釈迦さまの言ったことの半分ぐらいはウパニシャッドに出てくる?」
って書いたんだけど、
ウパニシャッドを読んでみると、やっぱお釈迦さますげー!と思った。

阿含経典は、あそこまで体系化して理路整然と、
繰り返し同じことを説いてるってやっぱり驚異的。
もちろん非合理・神話的なところも当然ありますよ、ありますけど、
全体としてひとつの思想体系になってて、現代人にもビンビンくるのは驚異的。
ってことを、再認識した次第です。

仏教ファンなら読んでみるといいですよ。
自分の人生にこれが活かせるとは思えないけど。

お釈迦さまが否定した、
アートマン、ブラフマンとは一体なんなのか?
ってことを考えながら読み進めたいと思います。

つづきは、そのうち。


原典訳 ウパニシャッド (ちくま学芸文庫)

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ミャンマーで仏教徒がイスラム教徒40人を殺害?(涙)

多数派の仏教徒・ラカイン族と、イスラム教徒・ロヒンガ族の衝突が続くミャンマー。
昨日も、こんなニュースが流れた。

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■国連「ロヒンギャ族40人以上殺害」 ミャンマーは否定■
(朝日新聞デジタル 1月25日)

 ミャンマー西部ラカイン州で今月、少数民族ロヒンギャの村人が虐殺されたとの情報をめぐり、国連と同国政府が真っ向から対立している。ピレイ国連人権高等弁務官は23日、「40人以上が殺されたとの信頼できる情報がある」として調査を要求。一方のミャンマー側は「完全な誤報」と反発している。

 同州では一昨年、イスラム教徒のロヒンギャと多数派の仏教徒ラカイン族が2度にわたり大規模に衝突し、少なくとも192人が死亡、14万人が避難民になった。避難民の帰還は進まず、緊張が続いている。

 国連人権高等弁務官事務所が得た情報によると、同州マウンドー郡のロヒンギャの村で9日に8人がラカイン族に殺された。その後、警官がロヒンギャの村人に殺されたことをきっかけに、13日に子どもを含む40人以上が警察やラカイン族に殺害されたという。

 これに対し、イェートゥ大統領報道官は、関係当局などがすでに調査を行ったが、殺害はなかったとし、「外務省が国連に情報が間違いだと伝えた。国連の信頼性が失われかねない」と反論した。国連とミャンマー政府の関係が今後ぎくしゃくする可能性がある。(ヤンゴン=五十嵐誠)
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 誤報であってほしい…でも今回誤報だったとしても、
すでに同じようなことが起きているらしいのだけれど。

 ミャンマーの仏教指導者・ウィラトゥ師(45)が説法会などで過激にイスラム教徒批判を繰り返して、『TIME』誌がウィラトゥ師を表紙にして「仏教版ビンラディン」とも呼ばれているのは、周知のとおり。


 ミャンマーというと、敬虔な仏教徒が多くて、僧侶はちゃんと具足戒受けて守ってるイメージがあるけど、それでも殺生しちゃうのか…。結局、世俗のモメごとには勝てないのだろうか。
 
 民族問題とか政治の問題とか、いろいろあるんでしょうけど、
どっかの村を襲撃して殺したりするのは「少なくとも仏教徒を名乗るな」って
各国の仏教教団は声明ぐらい出してもいいんじゃないだろうか。
 
 いや、過去を振り返るとみんなスネに傷があるから言えないのかしら。

 

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