『仏教書総目録』に気が狂う
『仏教書総目録』。
これ、仏教研究のプロ&セミプロは知ってるんでしょうけど、
私は初めて手にしたので、のけぞってしまいました。
たぶん1万点ぐらいの仏教書が、
一言解説とともにずら~~っと並んでおるのです。
目録は300円で売ってるようですが、私は書店でタダで頂きました。
「経典」「各地域仏教」「絵本」から「CD・DVD」まで項目別編集。
仏教書ってたくさんあるなぁ・・・と呆けてしまいました。
ネット上にもこの目録はあって、検索するには便利です。
http://www.bukkyosho.gr.jp/bk/index.asp
でも、やっぱり紙の目録の一覧性は捨てがたい。
全集の各巻タイトルも載ってますし。
『大日本佛教全書』(佛書刊行会編)なんて
全161巻だもの。うふ。気が狂いそう。
『仏教書総目録』No.27 2010年版
仏教書総目録刊行会 300円
クリックで拡大します。経典、多すぎ!
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2本の矢のたとえ(阿含経その8)「箭によりて」
もし家族や恋人が死んでも、
仏の道の人は悲しくもなんともないのでしょうか?
まったく心が動かない?
解脱とはいわば、感情が死滅した状態を目指せ、
ということなのでしょうか?
そんな疑問に、とてもわかりやすく答えてくれる
お経がありました。
「阿含経典」増谷訳3巻に出てくる
「箭(矢)によりて」(相応部36、6/雑阿含 17、15「箭」)です。
(以下、「 」内は増谷訳の引用)
「わたしの教えを聞かない凡夫も、
またわたしの教えを聞いた聖なる弟子も、
楽しい受を感じ、苦しい受を感じ、
また苦しくも楽しくもない受をも感じる。」
同じように苦しみや楽しみを感じるなら、
では凡夫と聖なる弟子の違いはどこにあるのか?
「凡夫は苦なる受に触れられると、
泣き、悲しみ、声をあげて叫び、胸を打ち、
心は狂乱するにいたる。
けだし、彼は二重の受を感ずるのである。
それはたとえば、第一の箭をもって人を射て、
また第二の箭をもってその人を射るようなものである」
同じように、凡夫は、
苦に触れると瞋恚(しんに=いかり)を感じ、
眠れるいかりの素質が彼を捉える。
そして今度は欲楽を求める。
凡夫は、苦受から逃れる方法を、欲楽しか知らないからである。
欲楽を求めると、今度は貪欲の素質が彼を捉える。
つまり凡夫は、
楽を感じても、苦を感じても、それに繋縛されてしまう。
一方で聖なる弟子は、
「苦なる受に触れられても、泣かず、悲しまず、
声をあげて叫ばず、胸を打たず、心狂乱するに至らない。
それは例えば、人が第一の箭をもって射られたが
第二の箭は受けなかったようなものである」
なるほど。
仏の道の人といえども、例えば家族が死んだときに、
第一の矢(苦しいと感じる)のは仕方ないんですね。
第二の矢(泣き叫んだり狂乱して苦に囚われる)に
射られないように自分をコントロールすべし、と。
これなら、できないこともない・・かも!
お経の最後に詩があって、その第3節が印象的です。
「心にそうも、そわざるも、
みなことごとく消えはてて、
清浄無垢の道をゆき
彼の岸にこそ立てるなれ」
誰か日本の文豪が、
「たとえ子供の目が見えなくなっても、
『そうか』と平静でいられる人間になりたい」
みたいな趣旨のことを書いていた気がします。
仏教の知識がまだなかった若い頃に読んで、
やたらと心に残った一文でした。
誰だろう、夏目漱石? 壇一雄?
私は本当にこの文を読んだのか、妄想か・・・。
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手塚治虫『ブッダ』がアニメ化、お釈迦さまの声優は?
手塚治虫の『ブッダ』が、満を持してアニメ映画化されるそうです。
タイトルは『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』(2011年5月28日公開予定)。
ニュースでは、吉永小百合(チャプラの母役)など豪華な声優陣が話題になっていました。
肝心のお釈迦様=シッダールタ役の声優は、吉岡秀隆。
お釈迦さまの声、吉岡くん。 「北の国から」「三丁目の夕日」などなどで有名ですね。
みなさまは、この映画、ご覧になるでしょうか。
私は微妙(DVDになったら観るかな)。
手塚治虫の『ブッダ』自体も、1巻しか読んでない非国民なのです。
読んでない理由のひとつは、今の知識で読むと
本来の仏教と手塚治虫の創作がゴッチャになるから。
実際、ストーリーの軸となる「チャプラ」(声:堺雅人)は、手塚治虫の創作です。
カーストの最下層・シュードラの身分でコーサラ国の勇士に成り上がるけれど、
後に身分がバレて処刑されるという役柄です。
読んでいないもうひとつの理由は、
いわゆる戦後民主主義の平等とか人権のフィルターを通して、
古代インドを描いていたらヤダな、と思ったから。
1巻を読んだだけでは、わかりませんがね。
アニメのシッダールタ。なんかセカイ系っぽいよ。大丈夫かな。
でも、せっかくだからこの機会に読んでみようかな~。
仏教界では、この漫画はどう評価されてるのでしょうか?
映画の公式サイト。まだ何もできてませんが。
http://wwws.warnerbros.co.jp/buddha/
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