【ケアグッズ】ケープコッド。~ジュエリー・宝石の研磨・仕上に~ | ネズラー通信編集部のブログ

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こんにちは。
編集長です。

今日は、
二十四節気の「清明」。
万物がすがすがしく明るく美しいころ
とされています。
桜がちょっと速足で咲いちゃっていますが、
今日辺りが暦では、
お花見のシーズン。
桜の舞い散る花びらは
雪のように美しいですね。
博士曰く、
このように花が散っていく植物は
珍しいそうです。
春といえば、桃、沈丁花、椿など
季節を告げる花もたくさんあります。
お天気が生憎の地域もございますが、
ちょっとお出かけの際、
植物に目をやるのも楽しいですよ。

本日は「清明」の漢字のように、
清く、明るく金属を磨ける
「ケープコッド(CAPE COD)」という
北米では非常に有名な
クロスをご紹介します。

名前は合衆国の半島から
由来したのでしょうか。
参考  http://ja.wikipedia.org/wiki/ケープコッド

外見はこんな感じです。
1パックに
10x15cmのウェット磨き布が
2枚入っています。

写真はクロノワールド様より。
http://www.chronoworld.jp/index.html

Amazon.comをご覧になると、
いかに愛されているか
ご理解頂けるでしょう。
日本ではクロノワールド様が
販売されています。
ありがたい!

以前ご紹介した、
【ケアグッズ】ルージュ・クロス。~永遠の愛もお手入れで美しく~
より、
かなり強力な研磨が
出来ます。
従って、
注意点を交えつつ、
使い方の説明をしていきたいと思います。

下記をご覧下さい。

こちらは
倉庫整理や窓口業務をされている方の
私物時計。
思わず、先に磨いてしまいましたが、
仕事がらぶつけることが多く、
キズだらけだったのです。
今はピカピカで、
文字がハッキリと映るほど
新品の状態に戻っています。

先ほどの失敗を活かし(笑)
研磨前。

研磨後。


同じ角度から撮影すれば
よかったのですが、
ピカピカになりすぎて、
ハレーションを起こしたので、
文字が映るよー、という
雰囲気を感じてもらおうと、
このようにしました。
拡大してご覧頂けると、
書籍の文字がハッキリと
映っています。

まず、この研磨クロス、
ケープコッドが使える金属ですが、
銀、金、スズ、真鍮、銅、ニッケル、
アルミ、クロム、ステンレススティール
です。
大抵の時計宝飾品は、
上記の素材で出来ていますよね。
アルミも磨けるので、
サテン仕上のものはNGですけど、
(目的は研磨だ)
アルミのカジュアルな
アクセサリーや時計の磨きクロスにも
持ってこいですね。

あと、
大変研磨する能力が高いので、
力加減次第で、
小さなカスリキズ程度のものから、
マシンで磨くようなノリの
研磨まで
(↑は力が要りますけど)
適います。

・使える金属が豊富である、
・力加減で磨き加減の調整ができる、

素晴らしい2点です。

その分、手あれには注意。
ゴム手袋を僕はしています。

あと2点、
注意を先に書いて
おきますね。

一つはメッキ。
時計宝飾品に現在使われている、
電気めっきの中の真空蒸着めっき
(いわゆるIPメッキ)
くらい、
シッカリとしたものならいいですが、
薄いものは
簡単に剥げてしまうので注意!


あと、
時計なんですが、
研磨したあと、
クロスには化粧水くらい
研磨液が浸さ
れていて、

クリーム状に薬液と研磨された金属が
混じって残ります。

例えば、
ダイバーズウォッチ(潜水時計)なら、
水洗いで流してしまえますが、
古い時計、
例えば懐中時計などは
クロスで拭く、という形になりますね。
ですから、
古い時計には
上述、ルージュ・クロスの方を
オススメします。

艶出しクロスで、
乾燥も出来ますしね。

さて、本題。
ジュエリーの仕上を
ケープコッドと共に
していきましょう。

【ジュエリーを造ろう!(ペンダントのつくり方)。】

の最終段階について、
少し詳しく
加筆します。

前回は、
キャスト上がりの
石枠から作成する過程を
ご紹介しました。

段々と
設備や腕が上がれば、
型の製作も可能ですよ☆
(電気炉など
 高額なものもあるので、
 趣味でされるには
 ポットなどを利用されると
 いいかと思います。)

さて、
ジュエリー製作の
最大のポントは
やはり
「ロウ付け」作業でしょうか。
慣れとしか
言いようがありません。

慣れたら、
数秒で次々と繋げて
チェーンの製作も
可能になります。
(専用バーナーが必要ですが)

最初のうちは、
地金を
溶解させてしまう
大失敗をしない限りは、
やり直しは
ある程度可能です。

一度、
ロウ付けしたい箇所は
丹念に研磨して
平たくする必要は
あります。

因みに、
銀の融点は961.93度、
金の融点は1064.43度。
どちらも
純銀・純金の場合です。
出典:松原聰 鉱物図鑑 ヴィジュアル新書P28-29

金細工の場合は、
純金でもいいのですが、
柔らかいですし、
(金の特性、
 展性・延性は面白いです)

22K以下が宝飾品には
向いているでしょう。
金ロウは
主に14Kになりますね。

ガスバーナーを
お使いの方は、
軽く1,500度は出るので
気をつけてくださいね。

固体から液体に変わる前、
真っ赤になるので、
直ぐにバーナーを離せば
間に合うでしょう(笑)

地金から目を離さず
金属という鉱物を
観察することですね。

具体的な
初歩的な失敗としては、
・ロウ付けで溶接したい箇所が
 歪んでしまった。
・銀ロウがあちこちにくっ付いた。

などでしょう。

これらは再度、
バーナーであぶり、
溶接箇所や
銀ロウを
溶かしてしまいましょう。
再度溶接したい金属を研磨して、
チャレンジです!

そのために
砥石があると
大変便利ですよ。
原始的ですが、
先人たちの手間を体験し、
博物館に行くと、
やはり細工には度肝が
抜かれますね。

合金やコンビになると、
融点が違ってくるので
電気炉などの設備が
必要になってきますね。

フラックスをお使いの場合は、
(主に銀細工ですね)
目に入ると失明しますので、
メガネをしてくださいね!

もう二つ、
仕上がりに大きく影響するのは
・研磨
・石のセットですね。

石のセットについては、
フラクチャー(割れ目)や、
石の結晶構造について
若干専門的な
お話になりますので
カットのお話をするとき、
代表的な石で
説明したいと思います。

例えば、
『ダイヤは硬くなんてない』
って言うと
皆さん驚かれるでしょう?
そういった面白い話も
書きたいと思います。

さて、
研磨ですが、
『電動ルーターを使えば
 簡単にできる』、
という声もあるでしょう。

一方で、
基本は基本です。

ヤスリや砥石、
サンドペーパーなど
古来よりの作り方で
研磨方法を身につけると、
何処を磨けば
立体感を失わないのか?
どれくらいの力が必要なのか?
など
勉強になることがいっぱいです。

モノの見方が変わるというか。
ミュージアムにあるものは
一点モノの工芸品。
手作り品です。
ルーターなどない時代に、
ダイヤモンドなどで研磨し、
木や草で艶出しをして、
コツコツ仕上ていたのです。

ルーターで鏡面仕上げを出すのは
簡単でいいです。
僕も
自分の設備に導入します。

一方で、
なかなか鏡面にはなりませんが、
ギラつきのない
自然な鏡面=銅鏡
のような映り方も
美しいと思います。

今回のスタートは
石をセットする前の
ロウ付けが終わった段階。
燃えてこびりついた
フラックスは
ステンレスブラシなどで洗浄しました。

ブラシにより凹凸が見られますね。
世の中には、
手作り時計宝飾品として、
これくらいの仕上段階で
売り物にしている方もいますが、
個性よりも、
今回は王道のレッスンです。


今回は、
ヤスリ、紙やすり、
そして、
ケープコッドを使います。

さて、
紙やすりで凹凸を失くした後、
やはりサテン状になっているので、
この
「ケープコッド」の登場です。

この薬液は
肌に負担がかかるので、
手袋をしましょう。
繊細な仕上げは素手がいいですけれど、
 その後、
 石鹸で手洗いをし
 ハンドクリームを
 しっかり塗りましょうね。

ちなみに僕は、
クロスを3cm四方に切って、
ジップロックに2重にして
保存しています。

随分と
石枠が綺麗になりました。

ヴァンヌーボという
印刷屋さんには
有名な紙の上に置いています。
この紙は、
黒色は真っ黒に、
光沢のある部分は光沢が出るので、
名刺など幅広く使われる紙ですね。

石枠の側面に
黄色のプリントカラーが
映っているのが
お判りでしょうか?

そして、
下記のような
クラシカルなペンダントトップを
作ることができます。



お好みなら、
ルーターで
ピカピカにしてしまっても
いいでしょう。

ファセットの少ないカット、
クラシカルなセット、
華美ではないジュエリー、
それは
僕の個人的な趣味なので、
こういう風になっています(笑)
(あっ、
 バチカン磨くのを忘れたな)

勿論、
今回使った
「ケープコッド」は
研磨クロスですので、
メンテナンスにも使えますね。
作成&メンテナンスに使える
優れものです。

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