商工会・商工会議所等からセミナー講師として依頼されるために -18ページ目

セミナー受講者の会社に訪問するためのトークテクニック

「よいセミナーをすれば、受講者の方から仕事の依頼が来る」…ことは、ほとんどありません。内容が充実していて、受講者にとって当日のテーマがタイムリーで、「すぐにでも仕事を依頼したい」と言われる幸運はごくまれです。

セミナー後のアンケート結果がどれほどよくても、講師自ら動かなければ、仕事の依頼につながることはまずありません。

 

セミナー後、講師の自分から名刺交換に行く

私がセミナーで話すときは、よくうなずく人、メモをとる人、一番前に座って熱心に聞く人などをチェックし、セミナー終了後に自分から名刺交換に行きます。「名刺交換は受講者の側から行くもの」と思っている受講者も多いので、講師側から積極的に名刺交換に行けば喜んでもらえます。

その際、お礼の言葉を添えながら、「よくうなずいてくださったので気分よく話せました」「たくさんメモをとっていらっしゃいましたが、何かお役に立てるようなことはありましたか」「一番前であれだけ熱心に聞いてくださると話にも熱が入ります」といった相手の行動に触れると、さらに互いの距離が近くなります。

 

名刺交換時に相手の住所に触れて、訪問への糸口を作る

名刺交換時、私は相手の住所を見ます。「会社は○○市ですか。実は私の顧客が近所で、よく行くんですよ」と(近くにクライアントがあろうがなかろうが)言い、「またいろいろお話をお聞かせいただきたいので、その顧客に訪問した時にでも御社へお伺いしましたらご迷惑でしょうか」と尋ねます。

「はい、迷惑です」と答える人はまずいません。多くは快諾してくださるので、「近日中に顧客訪問の予定がありますので、そのときにでも事前にご連絡を差し上げますね」と言って名刺交換を終わらせます。

その後、1週間以内に電話をかけてアポを取ります。電話では、私はよく相手と会ったときの会話をはさみます。

「先日の○○セミナーで名刺交換の際、御社近くの私の顧問先に訪問するときは御社にもぜひお伺いします旨をお話ししましたが、○日の○時ごろ、社長はいらっしゃいますでしょうか」。

初回訪問でいくつか相談を持ちかけられたら、即座に解決法を示したいものです。しかし少なくとも相談事のうちひとつは「宿題」として持ち帰り、2度目、3度目の訪問へとつなげましょう。何度も会ううちに顧問契約に至ったケースが、私もいくつもあります。

 

【著作一覧】

◆ 士業のための「生き残り」経営術(角川フォレスタ)

  http://www.npc.bz/book4/

◆ 依頼の絶えないコンサル・士業の仕事につながる人脈術(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book3/

◆ 90日で商工会議所からよばれる講師になる方法(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book2/90days/

◆ 銀行融資を3倍引き出す小さな会社のアピール力(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book1

どんな状況になったら事業をたたみますか

 すでに独立開業している人や独立開業を目前としている人に今こんな話をするのは気が引けるのですが、しかし、引き時の見極めは重要です。引き際を見誤って高金利の消費者金融や商工ローンに手を出し、返済できぬまま倒産・破産に至ったケースを前職でたくさん見てきました。

「もう少し持ちこたえたら何とかなる」という言葉に具体的な施策があれば話は別ですが、そうでなければ何ともならないのが厳しい現実。どんな状況に陥ったら事業をたたむのか、あらかじめ決めておきましょう。

最初に基準を決めておけば撤退に踏み切る決断の時間が短く、傷も浅くて済みます。また、ギリギリの線をいつも意識し続けることで事業計画の見直しや融資申請などの「次の一手」が早めに打てます

 

開業当初の私の場合は、今までにお話しした通り、「通帳残高が生活費2ヵ月分=60万円を切ったら」が境界線でした。

あらためて就職活動を行って新しい会社に入るまで最低でも1ヵ月、初任給までさらに1ヵ月、ということを考えると、貯金ゼロの状態なのに残高が生活費2ヵ月分になるまで粘るという基準は(自分のことながら)あまりにもリスキーでした。

あなたはきっと蓄えもおありだと思いますが、再就職が難しい時代だということや、当時の私とは違ってご家族もいらっしゃるかもしれないということを考慮すれば、せめて生活費3~6ヵ月分くらいは預金残高に余裕をもたせることをおすすめします。

 

また、昨日まで独立開業者として働いていた人が(たとえ仕事ゼロの状態でも)、さあ今日から再就職活動だと決めても、なかなかすぐに動けるものではありません。

自分にどんな仕事ができて、それは現在の労働市場に対してどんな価値としてアピールできるのか、そのために履歴書をどう編集していくのか、どんな業種を希望しているのか、雇用条件はどこまで譲れるのかなどを考え始めると、実際の求人に応募するまでにある程度のタイムラグが生じます

となれば、再就職活動の開始時期にも少しゆとりを持ちたいものです。

 

でも私の本心としては、撤退なんて、再就職なんて、してほしくない。あなたがどれだけの決意で独立したのか、同じ開業者として私にも想像できるからです。

「あきらめる」基準を頭の中に置きつつも、融資などの有効な打ち手を「あきらめずに」試し続けましょう。

【著作一覧】

◆ 士業のための「生き残り」経営術(角川フォレスタ)

  http://www.npc.bz/book4/

◆ 依頼の絶えないコンサル・士業の仕事につながる人脈術(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book3/

◆ 90日で商工会議所からよばれる講師になる方法(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book2/90days/

◆ 銀行融資を3倍引き出す小さな会社のアピール力(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book1

月々の売上目標金額はどれくらいですか

「3ヵ月以内にスタッフを雇いたい」「1年以内に駅前へ事務所を移転させたい」などの計画に沿って、月々の売上目標金額をあなたもお持ちだと思います(独立当初の私は「とにかく1ヵ月分の生活費」だけが目標の短絡的・刹那的な創業者でした。反省しています)。目標金額が具体的になると資金繰り計画の見通しが立ちやすく、融資にたいへん有利です。「いや、来た仕事を受けるくらいで…」という漠然とした状態は早く脱しましょう。


売上目標額を決めたら、それを達成するための毎日の行動計画を練ることが大切です。かつての私はただがむしゃらに営業活動を行っており、当然のことながら行動に見合う結果がついてきていませんでした。考えているつもりではあっても実際にはたいした深い考えもなく、あったのは「毎日これだけ動いている」という自己満足のみ。しかしある日、先輩コンサルタントから聞いた「目標設定の3原則」を自分に適用してみると、実際に売上が徐々に上がってきたのです。たいへん有効だったので、みなさんにもご紹介しましょう。


①具体的であること

 具体的とは、「数字」と「固有名詞」が入っていること。たとえば税理士なら、「3ヵ月以内に新規顧問先1件(5万円)を開拓するために仲間の士業10人(○○さん、○○さん…)に2週間に1度以上メールや電話で接触」といったような具体性を持たせましょう。


②(途中でも)測定可能であること

 これも「数字」に関するのですが、①と違うのは、進捗状況をチェックするための数字を設定することです。たとえば1ヵ月の売上目標が30万円というセミナー講師の場合、最初の10日日で10万円分の講師依頼があればよいのですが、仮に1円も入ってなければ「残り20日間で30万円分の講師依頼を得るためにどう動くか」と戦略を見直すことができます。


③達成可能であること

 あまりにイージーな目標では話になりませんが、ハイレベル過ぎてもやる気が出ません。少し背伸びをすれば達成可能なくらいの目標を決め、それが適切かどうかチェックする日を毎月末などに設定しましょう。「少しの背伸び」も、続ければ大きな飛躍につながります。

【著作一覧】

◆ 士業のための「生き残り」経営術(角川フォレスタ)

  http://www.npc.bz/book4/

◆ 依頼の絶えないコンサル・士業の仕事につながる人脈術(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book3/

◆ 90日で商工会議所からよばれる講師になる方法(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book2/90days/

◆ 銀行融資を3倍引き出す小さな会社のアピール力(同文舘出版)

  http://www.npc.bz/book1