こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子などをお届けしています。

 

実は、ユニオンに入ってから、ブログネタになりそうなトンデモ・オーディションにあまり出くわさなくなった…まぁ、ノンユニオンの時に比べると、特に比較的ネタになりやすいようなコマーシャルのオーディションの数が激減しているせいもあるのだが、それ以外はTVのオーディションで、これがはっきり言ってあまり面白くない…というか、前にも言ったように正味1分で終わるので、「はい、次!」「はい、次!」てな感じで、実に淡々と進むのだ…たまぁに、エージェントから送られたSidesや役の情報が間違っていた?!…というトラブルで肝を冷やすものの(下記の過去記事参照)、普段はともかく能率第一最近オーディション・ネタが少ないのは、実はそのためでもある

 

ところが今回,久々にトンデモ・オーディションに遭遇した…他でもない、前回お話しした、突っ込みどころ満載のBreakdownによるインディ映画のオーディションである。

 

そのお話はこちら: 突っ込み満載Breakdown

 

そのオーディションは、マンハッタンのミッドタウンにあるリハーサル・スタジオで、しかも夕方から行われた…プロのキャスティング・ディレクターによるTVやコマーシャルのオーディションは、普通は昼間のビジネスアワーだが、インディ映画の場合は、他に仕事を持っている役者への配慮か、はたまたオーディションをやる方も他に本業を持っているためか…この辺りにも、そこはかとなく素人臭さが漂う

 

さらに、オーディションのSides…これも普通は、役ごとに2~3ページの短いシーンが選ばれるのが普通だが、今回はなんと10ページ以上にわたる長いシーンで、しかも全員が登場する…ちなみに私の役の台詞は5~6個ではあったが、シーン全体に散らばっている…これはどうやってオーディションするのだろう…?10ページ以上のシーンをリーダーと一緒に読むと、リーダーの方がずっと喋っている事になるのだが…しかし、私の台詞の前後だけ抜き出すのは間抜けだし…まさかいきなりグループでオーディション?!…しかし、コールバックならともかく、初っ端からそんな事…?!

ともかく、自分の台詞と、そのキュー台詞(自分の台詞を言う理由となる他の人の台詞)だけは覚え、後はその場の成り行きで…と腹をくくった。

 

さてその当日、アポの20分くらい前に行くと、そのオーディション会場の部屋の前はカオス状態…この時点ですでにトンデモ・オーディションの臭いプンプンアポがあるのに、こんなに混雑しているというのは、ちゃんとオーガナイズできていない証拠なのだ…ともかくチェックインしようとすると、担当者は私にプリントの束を渡し、「自分の写真を見つけて、その横にチェックマークを入れて…」と言う…セルフサービスかい?!…そこで、言われた通りにプリントの中から自分の写真を見つけ、その横にチェックを入れると、今度は別のサインインシートにも記入しろという…ところが、そのサインインシートはユニオン指定のものではなく、そこで求められているのは、名前とユニオン番号のみ…役名、エージェント名、連絡先、アポの時間、実際に来た時間…といった、普通サインインシートに求められるものは一切なし!…おまけに、そのサインインシートが実際に使われ、そこから順番どおりに名前が呼ばれる事は、ついに一度もなかった…じゃぁ、一体あれは何のため?!

 

さらに案の定かなり待たされたが、一体何が起こっているのかさっぱりわからない…廊下のカオスに加わる人はどんどん増えているのに、そこから人が呼ばれて部屋に入っていく様子が全くない何なんやこれ?!

すると、いきなり「○時△分!」と私のアポの時間が呼ばれたので、部屋の方に向かうと、同じく部屋に移動する人たちが10人くらいいた…どうやら複数に同じアポが与えられ、オーディションはグループでやるらしい?!…コールバックならともかく、本当にオーディションでいきなりグループで?!…これで本当に一人一人見られるわけ?!…これには驚いたが、まぁ、その方が早く終わるかもしれない…と思い直した。

 

ところが、部屋の中に入ると、そこにはすでに別のグループがいるではないか?!

しかも、彼らのオーディションはまだ終わっていない様子…てことは、この人たちのオーディションを見てろってか?!…これはあまりにも配慮のないやり方である…たまにノンユニオンのコマーシャルで,時間節約のためにそういう事をするところもあるが、ユニオンのLegitでこれはないだろう?!

 

しかし、これはそのトンデモぶりの、まだほんの序の口に過ぎなかった…

 

(その2へ続く)

 

過去記事(こちらもどうぞ)