こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子、また独断によるツッコミなどをお届けしています。

 

ある時、とある映画のBG仕事をする事になったが、何とそれにはFitting(衣装合わせ)に行かねばならないと言う?!…またニュージャージーまで行かなあかんのか?!過去記事参照)…と思ったら、なんとその衣装合わせのロケーションは、うちの近所にある映画スタジオ?!…まぁ、近所とはいえ、歩けば25分くらいかかる距離だが、ニュージャージーまで行く事を思ったら、可愛いものである…そこで、速攻でOKした…ところが、実はその日、マチネの芝居のチケットを取っていた事を後になってから思い出した?!…もし衣装合わせが朝か夕方なら問題ないのだが、もしマチネとかち合ったら…これは時間を変えてもらうように交渉するか、チケットの方を諦めて、別の日に行くしかないのかもしれない…

そこで、そのFittingのスケジュールが送られてくるまで、ハラハラドキドキものだった…そしてようやくその衣装合わせのスケジュールが届く…私の名前は…あった!朝や!ラッキー!…おかげでチケットを無駄にしなくて済んだ

 

そしてその翌日…私のアポは朝の9時なので、念の為に半時間前に家を出る…そのスタジオまでは、2駅ほどなのだが、その駅からも結構歩くので、地下鉄を使っても20分かかると言う?!…それなら25分歩いた方がええやん?!…と言うわけで、歩いてスタジオまで行った…

 

そこのスタジオに行くのは、実はかなり久しぶりである…単に私がそこでの仕事にブックされないだけなのかもしれないが、少し前に、「このスタジオもクローズした?!」なんて事を誰かから聞いたばかり?!…スタジオがクローズするなんて、そこまで景気悪かったんか?!とかなりショックだったので、それがデマであった事に心底安心した

 

ところが、Google Mapの指示通りに行くと、いきなりゲートに阻まれる?!

 

 

確かこのゲートの手前にセキュリティのブースがあったはずなのだが、そんなものはない?!

どうしたものか…と途方に暮れて、とりあえずそこで道を掃いているオッサンに聞くと、何と私は正門の反対側にいるのだと言う?!…ちなみにそこはブロックのちょうど半ばなので反対側に行くには、大通りまで戻ってぐるっと回って行かねばならない…仕方がないので、そのままぐるっと大回りして行ったが、どういうわけか辿り着けなかった?!…そこで、またそこにいた別の人に聞くと、この反対側へ行けと言われる?!…いや、今、その反対側から来たんやがな…仕方がないので、今度は逆方向から反対側に移動する…と、何とその途中にあるではないか?!見覚えのある風景が?!

 

 

どうやら最初にいた位置から逆方向にぐるっと行けば、そのままたどり着けた様だった…

 

急いでセキュリティに行った時点で、アポの3分前?!…5分前くらいに着くつもりだったので、これには焦って、またもやドキドキしたが、ワードローブのビルの受付にはちゃんと時間前にたどり着けた…

 

ワードローブさんから、2種類の私服の候補を用意する様に言われていたので、それをまず見せると、いくつか気に入ったものがあった様で、それとワードローブにあるものとを組み合わせる様である…撮影は来週だが、そのシーンはちょっと変わった設定だった様で、ワードローブも普通にはないユニークな組み合わせのものを次々に着ては写真を撮る…

 

するとある時、私の持ってきたブラウス飾りボタンが気に入らない様で、いきなりそれを切り取ろうとする?!…そこで「それ、切り取るつもりですか?!」と慌てて聞くと、「Yes」と、当然でしょ?と言わんばかりに、リッパーを持ってくる?!…そしてそれがまさにボタンの縫い目にかかった時、「それ、私の服なんやけど!」と私が言うと、彼女は「Oh, My God! ごめんなさい!てっきり私達の服だと思ってた!」と即座に動きを止めてくれ、ボタンはすんでのところで守られた危なかったぁ~!

 

しかし実は以前、こうしたワードローブ関連の、もっとひどい話を友人から聞いていた…

彼がまだBGをやり始めたばかりの頃、張り切ってお気に入りの一番良いセーターを着ていったら、どうもそのシーンではボロボロの服が必要だったらしく、ワードローブの人はいきなりそのセーターをジョキッと切って、穴を開けたと言う?!あっという間の出来事で、しかも彼はそんな事をされるとは思ってもいなかったそうなので、止める暇もなかったとか…しかも彼は当時まだノンユニオンだったので、そのまま泣き寝入り…これはトラウマになるなぁ

 

また別の友人からも、ある時「ビジネスマンの人質」役のBG仕事に、高いスーツを着ていったら、いきなりそれに汚しをつけられ、スーツを埃だらけにされた…という話を聞いたことがある…ちなみに友人は、それ以来「人質役」は絶対やらない!…と決めているそうである…

 

もっとも、「BGの現場には高価な服は持って行くな!」というのは、もはや我々には常識になっているが、それは何とホールディング内でそういう「良い服」が盗まれる事があるからだと言う?!…そう、ここはニューヨークだったのだ

 

そもそも衣装を用意するのはワードローブの仕事なのに、BGでは当然のように私服を持ってくる事を要求される…まぁ、ユニオンの場合は2着以上の時には、少しだけお金が出るが、それもクリーニング代もカバーできるか怪しい程度…まぁ、最近はユニオンの規定でも、そういう衣類にダメージを与える様な場合にBGの私服を使う事に制限がかけられているそうだが…

 

私も今回初めて、そんなヒヤリとさせられる出来事にあったが、そのワードローブさん本人も動揺していたから、まぁ、わざとではなかったのだろう…それ以降は無事Fittingも終了した…

その日は相当数試着したが、最終的にどれがデザイナーに選ばれるか…ちょっと楽しみでもある…

 

 

★過去記事★