こんにちは。NYで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子などをお届けしています。

TVのオーディション

最近、このブログにオーディションの話題がないなぁ…という事に気づかれた方もおられるかもしれない…実際その通りなのだが、実はオーディションに行っていないわけではないものの、ユニオンに入ってから、まずコマーシャルのオーディションの数そのものが激減…さらに、その行くオーディションの質も変わり、正直のところ、ブログネタになるようなオーディション…すなわち、ノンユニオンの頃の様な、とんでもないぶっ飛びオーディションや、そういった予想外のオーディションで玉砕&撃沈…というようなケースも同じように激減し、さらに最近は自分でオーディションをビデオ録画して、そのリンクを送るというビデオ・オーディション(関連記事:いつでもどこでもが増えた…というような訳がある…

 

また、最近は特にTVのオーディションに行く事が多くなっのだが、このTVのオーディションというのは、こちらの意気込みとは裏腹に、オーディションそのものは、実はそんなに面白くない…まぁ、これがGuest StarやSeries Regularのような大きな役の場合はまた話は別なのだが、悲しいかな、普段行くオーディションの大半は、Co-Starと呼ばれる小さな役…時には台詞1個か2個の所謂チョイ役…そんなチョイ役までしっかりオーディションで選ぶところがニューヨークなのだが、そのオーディションでは、前日に送られたSides(オーディション用の台本)のシーンをカメラの前で演じるだけ…しかもその時には、Slateと呼ばれる自己紹介もせず、いきなりシーンに入る…というのが普通で、しかもチャンスは1回…まぁ、たまぁにキャスティング・ディレクターからの演出が入り、2度目のテイクをやらせてもらえる時もあるが、通常はTVのオーディションは驚くほど早く終わり、所要時間正味1分程…そしてその1分が過ぎると、「ハイ、次…」てな感じで、実に機械的に淡々と進むのだ…泣いても笑っても、勝負は1分で決まる…なので、その1分のための準備は、ものすごく重要である。準備不足だと、その1分で実力をフルに発揮できないからだ。

 

それはとあるTVシリーズの、やはりCo-Starのオーディションだった。

エージェントによると、私は日本人のジャーナリスト役…ただし台詞は日本語で、英語で書かれたSidesを、自分で日本語に翻訳しなければならない…という事らしい。シーンは、「とある会社が不祥事を起こし、その記者会見をしている」という場面だそうだ…

 

ところが、エージェントから送られてきたSidesは、何とその記者会見で質問に答えているExecutive(重役)の方だった?!…ちょっと待てや!ジャーナリストちゃうんかい?!

 

可能性は3つ…① エージェントがボケていて、実は私がオーディションを受ける役は、ジャーナリストではなく、実は重役の方だった。② キャスティング・ディレクターがボケていて、ジャーナリスト役のSidesの代わりに、間違ってExecutive(重役)のSidesを送ってしまった。③それ以外の別な理由による。…私の予想では、答えは①のハラタイラさんに1000点これがわかるあなたは同世代!)…と、ほぼ99%思ったが、一応念のため、エージェントに問い合わせのメールを送る…ところがエージェントの返事は、私の予想を完全に裏切るものだった…

 

(その2へ続く)