『捨てたあと』



何かを捨ててみたあと

一瞬、ぽっかり穴があく

でも、縛られていたような手足が軽くなった気がして

なんだか楽になった気もする




一体何だったんだろうと、ふと自分に問いかける

荷物を下ろしたあと、肩に残っていた重みのあとが何かを物語る

別に誰かと縁を切るわけでもないけれど

一つの区切りとともに、新しい方向に歩いて行かなければならない




昨日までの誰かの声だって、もうざわめきにしか聞こえない自分がいる

この道を歩いていく中で、また誰かと出会い、誰かと別れていくだろう

自分は必ずどこかにいつづけているのに

その場その場で過去の人になったり、新しい未来を感じさせる人になったり、




水が流れるように、人も流れていく

濁った水溜りのような場で体をうずめきってしまわないように

いつも少しずつでも澄み切った風を自分の中に吸い寄せていきながら

新しい自分と新しい明日を創り出していく




豪華で洒落た出逢いなんかじゃなくて

どんなにちっぽけで野暮ったい、ささいな出逢いであっても

一瞬、誰にもわからないように、この地球上に、閃光が走る出逢いもある

そして、この人生のページの上に何かが強く刻みこまれていく




捨てても残るものがある

捨てた方が残っていくのかもしれない

大きく輝いて一瞬にして散る花火のように

それでもしばらく鮮明にこの脳裏に焼き付けられる




もしも全てを失ったとしても

この魂さえ失わなければ

強く生き続けていける


そんな思いになれた時

そんな思いになれる時

もう何が起こっても平安でいられる自分となる

だから、捨てても惜しくない

捨てても惑わない

捨てても満たされる






この宇宙と見えない力でしっかりとつながった自分が見えてくる時

大いなる力が動き出す











2008.9月







この詩は、『思い切り捨ててみよう』の続編みたいなものでもあります。「思い切り捨てて・・・」じゃあ、そのあとどうなるの? どうなったの?みたいな感じ。「捨てる」は物に限らず、関わりへのとらわれであったり、いろいろですが、、、

URL『思い切り捨ててみよう』







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