久しぶりに旧BCL史の続きともいえる記事です。
BCL史100回を書き終えた後で聴いた国、地域、局等を随時追加していく予定です。
中高生時代のように、夜になったらラジオに首ったけということではありませんので、思いついた時にチラッと書きます。
今回は私のブログ初登場の国、パラオの放送局です。
【メインより長いプロローグ】
この項は私自身が学びつつ、備忘録的に書いたものですから、あまり面白くないと思います。関心のない方は下方の受信証(QSLカード)だけでもチラッとご覧ください。
パラオはミクロネシアの西端、フィリピンのミンダナオ島の東に位置するパラオ諸島で構成する共和国です。ちなみに、パラオ(Palau)はマレー語のプラウ(pulau)(島)に由来するといわれています*。現地語ではpがbに転化し、ベラウ(Belau)と言います。
<パラオの位置(概念図)>
*【註】21世紀研究会編:地名の世界地図.文藝春秋,東京,2001,p.296
パラオは16世紀以降、スペインやドイツの植民地、20世紀に入って日本の委任統治領、第二次世界大戦後は米国の信託統治領となり、1981年、米国信託統治下の自治政府としてパラオ共和国(Republic of Palau,現地語:Beluu ęr a Belau)を発足させました。
その後、1994年に完全独立を果たし、同年、連合国家群(UN,国連)へも加入しました。首都はンゲルルムッド(Ngerulmud)です。
この国が、一般の地図帳でどのように扱われてきたか、少々振り返ってみました。
私の手許にある最も古い日本の学校地図帳です。
友人の兄が高校時代に使い、友人に受け継がれたもので、高校を卒業した友人が不用品として廃棄しようとしていたところ、「捨てるなら俺にくれーっ!」と言って譲り受けたものです。
ミクロネシアにあるカロリン諸島がアメリカの信託統治領(〔ア信〕)としてグアムやサイパンとともに大きく囲まれ、その一角に地域名というより「パラオ諸島」という島名で記載されています。単一の島としては最大のバベルダオブ島ではなくアンガウル島の名が記されています。
アンガウルは日本の影響を強く受けている州で、日本語が公用語のひとつになっているからでしょうか?(実際に使われているかどうかはわかりませんが。)
<帝国書院編集部編:新鮮高等地図 四訂版.帝国書院,東京,1957,p.71>
英国ではどうでしょうか。
私がかつて愛用していた英国の学校地図帳(中等教育向け)では、アジアのページにもオセアニアのページにもパラオはありません。というか、その周辺自体がアジアやオセアニアの地図上では抹殺されています。
世界全図にチョコンと黒点が打たれ、「Palau Is.」と諸島名が記載されてはいますが。
<Willett BM et al :Philips' Modern School Atlas, George Philips & Son Ltd, London, UK, 1982, p.4-5>
私がドイツへ出張した時に買ってきたドイツで発行された地図帳です。
この地図では東南アジアのページに島名をパラオ、国名をベラウと記載しています。最大の島バベルダオブ、当時の首都コロールもあります。
発行年が前2点と大きく違うので単純比較はできませんが、少なくとも英国よりは多少なりとも関心が高いのかもしれません。
<Lauer C (Red.):Welt Atlas.RV Verlag,Stuttgart,Deutschland,2000,p.53>
そして、今年で発行が停止されるワールド・ラジオTVハンドブックです。自治政府として独立していた時代の1980年代にはベラウ(共和国)として掲載されていました。
ここでは商業放送局であるWSZBの1局が出力5KWで中波放送を行っているとされています。
<Sennitt AG (ed.):World Radio TV Handbook.BiLLABOARD Ltd,London,UK,1984,p.249>
【Hope Radio】
ここから、ようやく今日の本題です。
パラオから東南アジアを中心的なターゲットとし、「イェス・キリストの福音」を届ける目的で、2020年から放送しているホープ・ラジオ(Hope Radio)という放送局があります。
プロテスタント系の「聖書復帰運動」とも連動しているのではないかと思われるのですが、そのあたり、私は詳しくないのでよくわかりません。
この局を米国に加えようか、パラオの局としようか迷ったのですが、局自体がパラオからの放送であることを強調しているので、パラオ、すなわちオセアニアの局として捉えました。
番組は短波およびインターネットで送信していて、24時間放送ですが、時間帯で短波とインターネットを使い分けています。
日本方面への短波放送はAngel5という送信機を使い、9,965 kHzで、曜日によって多少違いますが、日本時間で夕方に放送しています。
受信状態は概ね良好と思われますが、宗教に関心のない私自身が聴く(聞く)ことはあまりありません。
放送は英語(米国英語)で行われ、内容は聖書からの「ことば」や、音楽で、宗教に関心がなくても、ゴスペルの好きな人は楽しめそうです。
私は昨年春、とりあえず、「良く聞こえますよ」という報告をしました。
その受信報告に対しては米国から受信証が郵送されました。
送信所、本部、発送郵便局の地域がそれぞれ異なるのは面白いですね。
<オフィスはウェストバージニア、消印はピッツバーグ、送信はパラオ>
受信証には良質の紙が使われています。
<Hope Radioの受信証(QSLカード)>
放送内容が聖書のことばや音楽だけでなく、かつてのETLFなどのように、地域の話題もあると、もっと聴きたくなるのですが・・・
次はいつになるかわかりませんが、順次追加していきます。
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