先日の話になりますが、
長女が学校でおにぎりを食べて来たそうです。
聞けば5年生のお兄さんお姉さんが育てたお米を収穫した物との事。
同じく小学校5年生の頃・・・
奈々氏の学校でも飼育小屋の隣にささやかな水田がありまして、
そこでお米を育てておにぎりにして食べるという伝統がありました。
長女と違うのは、育てたお米を食べられるのは育てた5年生だけの特権だったという点です。
前日に皆で刈り取ったお米を、当日当番の生徒が早朝から登校して丹念に洗い、
炊飯器をセットして、頃合いに先生がスイッチを入れ、
午後、家庭科室に集合し、みんなでおにぎりを握って食べる。
滅多にできる経験ではありません。
自分達で育てたお米です。
それも相俟って
おにぎりのおいしい事おいしい事。
「これまでに食べたおにぎりの中で一番うめー。」
「ほんと、ほんと。」
「だって私たちが育てたんだもの。」
朝早くからがんばってくれた当番の通称たーし、に
みんなが
「ありがとうな!」
「おまえのおかげでおにぎりが一層うめえ。」
「お疲れ様ー!」
慰労の言葉が飛び交う。
と、突然たーしが起立したかと思うとそのまま机に上半身を突っ伏して、
大泣きしたのです。
たーし「みんなごめんな!」
たーし「俺、今朝実は遅刻して、お米の用意が間に合わなくて
パニクってさ・・・
隣の飼育小屋の鳥のバケツでお米を洗ってそのままセットしたんだ!」
さらに、たーしの泣きが加速します。
たーし「俺・・俺さ、黙っておこうと思ったんだけど、
あまりにみんながおいしそうに食べるから、耐えられなくなった・・・」
ゴクッ。
たーし「みんな!嘘を付いて、ごめん!」
みんなは一瞬静止し、俯いたまま
「たーしは悪くないよ・・・」
「やっぱりおにぎりうめえ・・・」
「だよな、だよな・・・」
と、もそもそとおにぎりを食べ続けます。
たーし「みんな・・・こんな俺を許してくれるの?・・・ありがとな!」
奈々氏も
「たーし・・・気にすんなよ・・・」
と慰めながらも、心中では、
(嘘を貫き通して欲しかった・・・)
と鳥の出汁を感じながらおにぎりを飲み込みました。