ごぶさたしております、古株のtakaです。日本の経済成長について世間では騒がれていますが、エンジニアとして、日本で開発をし、製造を続けていくためにどんなことができるだろう?と考えていた際に、仕事柄というのもありますが、少し思うことがありましたので、投稿しておきます。
周期表と聞いたときに、すぐにどんなものだったか思い出せる人はどれくらいいるのでしょう? そう、元素を原子番号の順番に並べた表のことです。 私の場合、そういえば高校の時に「水平リーベ、僕の船・・・(H, He, Li, Be, B, C, N, O, F, Ne)」などと覚えたなあと懐かしく思ったものです。当時はせいぜいこの続きをもうちょっと覚えていたくらいでした。
今の仕事に変わった際に、必要に迫られ改めてどんなものだったか覚えなおそうとしたところ、各元素がどんなところに使われているかをまとめた書籍などがいろいろ出ていることを知りました。 カラフルな図柄入りのものも多く、読んでみたら結構面白いものでした。レアアースを用いた高性能磁石や半導体向けの高精度研磨剤、LED向け蛍光体など、ハイテク産業分野で日本が優位性を持つためのキーテクノロジーとなっていることがよくわかりました。日本の競争力の低下が懸念されていますが、ぜひこのような技術で勝てる分野には積極的に投資をして競争力を保っていきたいものです。
私たちエンジニアにとっては、このようなハイテク素材や部品が豊富で容易に手に入る環境という点で、日本は優位な位置にいます。日本以外では売っていない、そもそも情報も入りにくいと言ったハイテク素材や部品というのは、私たち自身では気づきにくいですが、結構あるものです。いちエンジニアとしては、このようなハイテク素材や部品を生かしていくことが、競争力の源泉であり、また使命でもある気がします。日本で開発し、製造して雇用を守り成長していくための鍵は、結構こんなところにあるのではないでしょうか。
なお、元素をめぐる日本のちょっと明るい話題として、113番元素の命名権は日本に与えられる可能性があるというものがあります。ジャポニウムやリケニウム(合成に成功した理研にちなむ)などが挙がっているようです。この元素自体は、寿命が2ミリ秒程度とのことで産業利用はむりでしょうが、近い将来合成が認定された際に改めて話題になると思いますので、その際にでも改めて身近なところにある製品などに使われている技術などを考え直してみるきっかけにでもしてみたらいかがでしょう。
私自身は、日本のハイテク素材や部品を生かした製品開発を行うことで、日本で開発を続けることの意義を示し続けるとともに、日本の経済成長の鍵は、普段気づいていない金属の中に微量に含まれる元素が握っていると信じ、これらを活用しようとする方の一助になるような製品を生み出していこうと改めて思いなおしました。皆さんも、自分が生かせるものは何かないか改めて考え直してみませんか。