「プロトンポンプ阻害剤とガンのリスク」 2024/03/28

 

 

概要

 

プロトンポンプ阻害剤 (PPI) は、

一般的に胃酸逆流、胃食道逆流症 (GERD)、

および消化性潰瘍の治療に使用される

長時間作用型の薬として処方されているが、

最近、特に PPI の長期使用とガンの発生との関連 により、

その安全性について懸念が生じている。

 

 

 

背景:

 

複数の包括的な研究は、

長期間の PPI 使用と、胃ガン、食道ガン、結腸直腸ガン、すい臓ガンの

発症リスク増加との間の注目すべき関連性を一貫して示唆しているが、

正確な根底にあるメカニズムは依然として解明されていない。

 

 

 

方法:

 

まず、ガンと PPI の複雑な関係を調査する広範な研究をレビューいる。

次に、ProTox-II ウェブサーバーでプロドラッグ構造を使用して、

PPI 毒性を予測する。

最後に、各薬剤の PubMed 引用数とガンに関連するキーワードを使用して、

各 PPI のガンの相対リスクを予測する。

 

 

 

結果:

 

私たちのレビューでは、

PPI の長期使用(3か月以上)は、ガンのリスク上昇と有意に関連している

短期間の使用(3か月未満)では、

リスクが比較的低いようであることが示されている。

 

私たちのレビューは、

pH とマイクロバイオームの変化、ビタミンとミネラルの吸収不良、

高ガストリン血症、エンテロクロム親和性細胞増殖など、

提案されている さまざまなメカニズムを網羅しており、

ProTox-II はアリール炭化水素受容体の結合も示唆している。

 

PubMed の引用数は、

PPI のオメプラゾールとランソプラゾール(どちらもPPI)が、

パントプラゾール(PPI と同等の働き)やエソメプラゾール(PPI )よりも、

ガンと関連している可能性を示唆している。

 

比較すると、

H2R ブロッカーであるファモチジン(ガスター)は、

PPI よりもガンとの関連性が低い可能性があり、

3 か月を超える期間の より安全な代替治療として、機能する可能性がある。

 

 

 

結論:

 

PPI に関連する発がんリスクは十分に確立されているにもかかわらず、

これらの薬剤が 3か月を超える期間にわたって広く処方され続けていることは、

注目に値する。

 

したがって、臨床医と患者にとって、

医療管理に関して情報に基づいた決定を下す前に、

PPI の長期使用の潜在的なリスクと利点を慎重に評価し、

代替治療法を検討することが最も重要だ

 

 

 

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