「一般的に処方される薬は

 認知症のリスクを高める可能性があると、

 新しい研究が発表」

 2019/06/24

 

 

英国国立健康研究所によって資金提供され、

英ノッティンガム大学の専門家たちによって実施された研究は、

55歳以上で、

毎日、強力な抗コリン薬を使用していた患者たちは、

認知症のリスクが ほぼ 50%増加した ことが見出された。

 

認知症のリスクを増加させる要因

 

 

 

takanohara-ch.or.jp

 

高の原中央病院で処方している抗コリン薬

 

 

 

 

抗コリン作用を持つ薬の一部

 

・かぜ薬(PL顆粒)

・抗ヒスタミン薬の一部

・ベンゾジアゼピン系の抗不安剤や睡眠導入剤の多く

・抗うつ剤の SSRI

・その他の抗うつ剤の一部

 

 

 

このような抗コリン薬が

認知症のリスクを上げることは わかりましたが、

一体どういう機序ではてなマーク

 

 

 

 

「いくつかの一般的な薬は、認知症と関連している」

 Epoch Times 2024/01/26

 

 

 

認知症は加齢によって引き起こされることが多いことは

よく知られているが、

しかし、薬剤が原因で起こる場合もある。

 

神経内科医で神経外科医の故 K.K.ジェイン氏は、

薬剤性認知症は、一般的な神経変性疾患とは異なる

可逆性認知症の一種であると書いている。

 

いくつかの薬剤は認知症のリスクを高めるが、

最も顕著なものは、

抗コリン薬、抗てんかん薬、腫瘍治療薬、鎮静催眠薬だ。

これらはすべて、高齢者には一般的に処方されるものだ。

 

近年、抗うつ薬 が、

認知症のリスクとの関連性があることも指摘されている。

 

 

 

 認知症と一般的な薬物の関係

 

精神薬理学に関する数冊の論文を書いている

精神科医のピーター・ブレギン博士は、エポックタイムズに対し、

市販されている ほとんどの薬には、ある程度の神経毒性があり、

認知的および神経学的副作用を引き起こす可能性があると語った。

 

全員が薬物の神経毒性の影響を受けるわけではないが、

高齢者や脳に欠陥がある人たちは、より脆弱になる。

 

高齢になると、さまざまな病気が表面化し、

それぞれの症状を治療するために多くの薬が処方されるため、

高齢者は認知機能を損なう薬を処方される可能性が

最も高いコホートとなる傾向もある。

 

たとえば、パーキンソン病の治療に処方される多くの薬は、

抗コリン薬と呼ばれているもので、

これは、患者の震えや突然の動きを防ぐ手段として、

脳内のアセチルコリンをブロックするため、

認知症のリスクと関連している。

アセチルコリンは、認知機能も促進する神経伝達物質だ。

 

逆流性食道炎に伴う胸やけの治療などに処方されることが多い

プロトンポンプ阻害剤(PPI)も、

認知症のリスクを 44%増加させることが研究で示されている(論文)。

 

文献上、認知症を誘発する

最もよく知られた種類の薬剤は、抗コリン薬だ。

 

抗コリン薬は、アセチルコリンの放出をブロックする。

すでに 1977年には、抗コリン薬のスコポラミンを使った実験で、

薬を投与してから 40分後に、

20代の若い医療ボランティアが認知症のような症状を示し、

学んだばかりのことを思い出すのが困難になること

が示された(論文)。

 

抗コリン薬は、自律筋の動きや さまざまな身体機能をブロックし、

さまざまな臓器の痙攣に対して処方されることがよくある。

それらは、鎮静剤としても機能する。

 

医学と精神医学の博士号を持つ

神経科学者のダヤン・グッドエノウェ氏は、

エポックTVの番組で、

アセチルコリン系は、

認知症で損なわれる2つの主要な機能である

認知と運動性を制御するシステムと同じである と説明した。

 

加齢や薬物の影響により

ニューロンがアセチルコリンを放出できなくなると、

他のニューロンとの接触が減少する。

その後、ニューロンと脳が縮小し始める。

 

これは、医学神経科学の博士号を持つ

インディアナ大学教授シャノン・リザッチャー氏が

発表した研究でも、観察されている。

彼女は、抗コリン薬を服用している人は、

脳全体の容積が、より大きく縮小していることを発見した。

 

「代替療法が利用可能であれば、

 顕著な抗コリン作用を持つ薬剤の使用は、

 高齢者では おそらく控えるべきだ」

と、リザッハー氏と その共著者らは、

JAMA に発表された研究で述べている(論文)。

 

抗コリン薬の例には、

ベナドリルの活性化合物であるジフェンヒドラミン

(日本では、レスタミンコーワ錠)、

タイレノール (日本では、アセトアミノフェン)、

およびアドビル (日本では、イブプロフェン)が含まれる。

 

ベンズトロピン、トリヘキシフェニジルなどの

パーキンソン病の一般的な薬も含まれる。

 

アセチルコリンは加齢とともに自然に減少するため、

グッドエノウェ氏と彼のチームは、

脳機能全体を損なうことなく、

脳のアセチルコリンレベルを高める治療法を

見つけようと試みている。

 

 

 

 うつ薬、その他の薬物、ポリファーマシー

 

抗うつ薬(論文)、抗てんかん薬、

催眠鎮静薬、オピオイドも、

認知症のリスクを高める ことが示されている。

これらには、抗パーキンソン病薬と同様に、

すべて精神活性作用がある。

 

抗うつ薬の主な機能は、

アセチルコリンの代わりに、

セロトニンなどの神経伝達物質をブロックすることだ。

しかし、これらの薬には、依然として強力な抗コリン作用があり、

他の抗コリン薬と一緒に服用すると、全体的な負荷が増加し、

せん妄や認知症の副作用を引き起こす可能性がある論文)。

 

認知症の高齢者には、

うつ病や発生する可能性のある攻撃性を管理するために、

抗うつ薬、抗てんかん薬、鎮静薬が処方されることが よくある。

 

しかし、皮肉なことに、

これらの症状を改善するために患者に処方された薬が、

病気を悪化させる可能性が非常に高いことを、ブレギン博士は強調した。

 

精神活性治療のために処方されていない薬も、

認知症と関連しているとされている。

 

例えば、アレルギーを制御するために処方される

ヒスタミンH1受容体拮抗薬は、

一部の人で認知症のリスクを高める ことが示されている(論文)。

ヒスタミンH2受容体拮抗薬と比較して、

一部の H1 遮断薬は血液脳関門を通過し、

アセチルコリンの放出を防ぐ作用がある(文献)。

 

さらに、患者に複数の薬を処方すること

(ポリファーマシーとして知られる行為)は、

累積的な副作用を引き起こす可能性がある。

 

老年医学教授のアラン・ムーア氏とショーン・オキーフ氏は、

薬物誘発性の神経学的影響について論じた論文の中で、

次のように述べている(論文)。

 

「抗コリン作用のある特定の薬を処方されたときに、

 患者が認知障害を発症するかどうかは予測できず、

 抗コリン作用を持つ可能性のある

 薬剤などの要因によって異なる」

 

「研究では、

 せん妄の発症を決定するのは、単一の薬剤ではなく、

 抗コリン薬の全体的な負荷であることが多いことが

 示唆されている」

 

 

 

 脳は複雑

 

市販されている多くの向精神薬は、脳を「修復」しようとするが、

ベースラインで脳がどのように機能するのかは、

ほとんどが謎のままだ。

 

向精神薬は、

脳の化学物質の不均衡を修正するために処方されることが多いが、

イェール大学のアブラム・ホームズ教授が 2018年のコメントで、

脳には「固定された正常な状態はない」と説明したように、

脳の正常な状態が、実際に どのようなものであるのかは、

研究者たちにも分かっていない。

 

「私たちが知らない神経伝達物質は何百もあり、

 おそらく数千の神経伝達物質があるでしょう」

とブレギン博士は言う。

「精神麻薬の影響を深く受けている患者は ほんのわずかですが、

 製薬業界の製薬会社が その費用を払っているので、

 研究できるのは、これらの患者だけです」

 

ブレギン博士は、

脳内の生化学的不均衡に対処することを目的とした向精神薬は、

実際には脳のさらなる不適応を引き起こすと主張する。

 

同氏は、セロトニンの除去を阻害することで、

セロトニンレベルを上昇させる SSRI の例を挙げた。

 

彼は、SSRI を服用している間、

脳が 2つの変化を経験していることを観察した。

それは、セロトニン生成の減少と、

セロトニン除去システムの力の低下だ。

 

 

---------------------------------------------------------------------------------------

 

 

この記事の中で、認知症を誘発する可能性がある薬 として、

以下が挙がっています。

 

・抗コリン薬すべて

 

・プロトンポンプ阻害剤 (PPI。胃潰瘍や逆流性食道炎などに処方)

 

・抗うつ剤(特に SSRI。今はパニック障害にも処方される)

 

・抗ヒスタミン薬 (花粉症、蕁麻疹などアレルギーなどに処方)

 

 

 

中でも、プロトンポンプ阻害剤 というの胃の薬は、

認知症以前に

「著しく胃ガンの発生率を高める」といいますから、

怖いですね。

胃酸は胃壁を守るものですから、

それを抑制すれば、胃は悪くなってしまうのでしょう。

 

 

 

 

「一般的な薬が

 胃がんのリスクを倍増させる可能性があることが判明」

 2019/09/29

 

 

・プロトンポンプ阻害剤の長期間の服用で、

 胃ガン発症リスクが 250%増加

 

・毎日服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 4 .5倍に

 

・3年以上服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 8倍に

 

 

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK538188/

 

「抗ヒスタミン薬」

 

 

一般的なアレルギーの薬である

第一世代の H-1 抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1受容体拮抗薬)も、

血液脳関門を突破して脳に入ることが書いてあります。

 

 

 

抗うつ剤「トリンテリックス」 2.7

 

SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)も、

自殺念慮と自殺企図という深刻な副作用がある薬 ですので、

ご注意を…。

 

 

 

いろいろなものが、脳に入る時代になってしまいました。