胃の具合が悪いと、
「プロトンポンプ阻害剤 (PPI)」を、よく処方されます。
タケプロンは、国内で2番目のプロトンポンプ阻害薬(PPI)であり、
この系統は、他のどの薬よりも強力に胃酸の分泌を抑えます。
難治性の潰瘍にも優れた効果を発揮することから、
胃潰瘍や逆流性食道炎の治療に
第一選択されることが多くなりました。
しかし、アメリカの科学サイトには、
そのプロトンポンプ阻害剤の長期服用が
「胃ガンの発症を倍増させる」という記事が出ていました。
※プロトンポンプ阻害剤は、ピロリ菌の除去にも使われます。
◆プロトンポンプ阻害剤の長期間の服用で、
胃ガン発症リスクが 250%増加
◆毎日服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 4 .5倍に
◆3年以上服用していた人たちは、胃ガン発症リスクが 8倍に
オーストラリアのハドソン医学研究所の胃腸感染症研究者である
リチャード・フェレロ博士は、こう言います。
「他の胃酸の抑制剤(H2ブロッカーなど)の長期使用では、
このような胃ガンとの関係性は見られないのです。
ここからは、胃酸抑制剤という存在そのものが
胃ガンと関係しているというわけではないことを示しています」。
滋賀医科大学消化器内科の医師らによると、
「酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害剤の長期使用が、
腸内細菌叢に影響し、
クロストリジウム・ディフィシレ菌感染症が
発症しやすい環境になる」といいます。
プロトンポンプ阻害剤の長期服用は、
腸内環境を悪くする可能性があるようですね。
また、6月の日経メディカルに、
「プロトンポンプ阻害剤の長期使用は、
死亡リスクを上昇させる」という記事がありました。
PPIの使用は、
心血管疾患、急性腎障害、慢性腎臓病、認知症、肺炎、
胃癌、クロストリジウム・ディフィシル感染症、
骨粗鬆症性骨折といった有害事象と関連すると
報告した研究も、いくつかあります。
とりあえず、腸内環境は改善したいですね。
そうすると、胃の調子も良くなってくるようですから。