ぴいなつの頭ん中 -13ページ目

ぴいなつの頭ん中

殻付き。そにっくなーすが言葉を地獄にかけてやる

「朝起きられない  対処」という内容でGoogle検索するほどに朝起きられない女がいた。

寝入りもひどくて、昨晩は踵が千切れて足底と脚部が分断されるというイメージから離れられずに「怖い、怖い」と泣き叫びながら布団の上で大暴れしていた。違うものを想像すると一時的に収まるのだが、おさまったということを意識しだすとまたイメージが戻ってくる。
泣き叫びながら大暴れした彼女の体は深夜に消耗しきって、朝は全く起きることができない。全身がだるいのだ。
こんな日が続いているという。

誰でも朝はつらいものと誰もが言う。
戦闘機の離陸の時と同じくらいのGがかかっていると考えてもおかしくないと、彼女の担当の看護師は言った。女の家はいつも週3回くらいのペースで看護師が訪れる。看護師はいつも嘘ばかりついている、唇の厚いいやな女だった。看護師はいつも女の苦しみを軽んじる。誰でもそうだとしきりにいう。みんな大変なのだから頑張りなさいと、考え方を変えないといくら薬や医者を変えても何も変わらないと繰り返す。
女は次第に医者に行くのが怖くなった。看護師に会うのもいやになった。いやな看護師と、やたら声の小さい自信なさげな看護師が交互に、たまに初対面の全然知らない看護師が意気揚々と自分の話をしながら家に上り込むので、女はそんな看護師たちに信頼感を持てるはずもなかった。

昼間に思い出したくないからと踵のイメージは言わないでおこうと決めていた。踵のイメージは昼の方が怖くなかった。夜に思い出すとなんでこんなにも怖いのだろうと疑問に思うほどだった。とらわれるとどうしようもないのだ。逃げられないのだ。恐ろしくてたまらないのだ。

ある日、声の小さい看護師が言った。
「あなたの一番怖いものはなんですか?
わたしは蝉が怖いんです」
あやうく、女は涙をこぼしそうになった。怖いイメージ、踵のイメージが目から飛び出て決壊を起こした。
女は夜の闇が襲ったかのように大きな声で泣き叫び暴れ出した。女の母親が驚いて部屋に見に来たくらいであった。心が揺れないように常に注意を払っていた女が、うっかり心を揺らしてしまった瞬間だった。女は声の小さい看護師に踵のことを漸く打ち明けた。看護師が女の家に入って来てから実に1年半くらいのことだった。

声の小さい看護師は黙って女の暴れる様子を見ていたが、そのうち耐えかねたのか一緒に泣いてくれた。
「打ち明けてくれてありがとうございます。夜ごとにそんな怖いイメージが頭の中に去来するなら、朝には相当疲れているはずです」
看護師は手際よく医師に連絡をし、女は処方を変えられた。
それ以来、踵をイメージしてもすぐに振り払えるようになったという。
こんばんは。

先日読書会のために名古屋に行きましたので、美味しいご飯屋さんをツイッターで募ってみたところたくさん教えてもらったので、備忘と拡散を兼ねてここにのっけておきます。

はんさんの台湾屋台らーめん

https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/aichi/A2301/A230101/23033602/top_amp/


屋台ラーメンていいよね。それだけでそそる何かがある。好きなタイプ


WAVES BURGER

http://wavesburger.jp


the corner

http://saloon-thecorner.com/shopinformation/


ふたつとも、名古屋が地元という某詩人よりオススメいただきました。詩を読んだらハンバーガー食べる彼。ちなみにわたしはタマゴサンド。


矢場とん

http://www.yabaton.com


矢場とん有名みたいですな。みそかつ!!!!行きの新幹線でカツサンド食べたし名古屋は味噌カツの国。


山本屋本店 味噌煮込みうどん

http://yamamotoyahonten.co.jp/storeguidance/


読書会の会場から本屋に流れたのだけど、近くだったのとツイッターでだけでなく読書会のメンバーからもお勧めいただいたので行きました!美味しかった。おこめあるとますます進みそうだったけど食い過ぎなるで我慢しました。


ベトカフェ ビンヤン

http://vietnam9cafe.com/#addbox03


ここもめっちゃ行きたかった!しかしちょうどお休みだったので行けなかった。チェー飲みたかった(チェーは飲み物か?おしるこみたいなものだよね)


以上!

名古屋めしなにもかも美味しそうなのでまた行くよ!近いし!

読書会の課題図書は、サミュエル・ベケットの「モロイ」でした。

モロイの好きなシーンも引用しておきます。


日々辛い労苦に明け暮れるかれらには、もっと元気にしてくれるものが必要なのだーp36


ポメラニアンにとって便秘は健康のしるしーp14


わたしの夜に月なんか存在しない。それにもし私が星のことを喋ったりしたら、それは不注意のせいだ。ーp19



意味で凍りついた言葉が雨あられと私に降り注ぎ、世界もまた、卑怯にも重々しくも、名前をつけられて死んでいく。ーp48


特にポメラニアンの便秘可愛すぎてそこで少し読み止まるほどでした。顔埋めたい。あとは「私の際限のない人生のあいだに、それほどうんざりしなかったもの」の受賞リストのうちに入ることが、「角笛をならす」ことだったのもかわいい。

お腹が空いたのを誤魔化すために砂利(石ころ)をしゃぶるシーンが2回も出てくるんだけれども、気持ち悪いけど面白い。

あんまり難しく考えずに読むのがいいのかななんて思ったりもしながら読んでいました。


自分が主人公ではないって

自分には特殊能力はないって

みんなは何歳でわかったんですか


わかってからどうやって生きていくことにきめましたか


割り切ることができたとしても。


ステージの上では主人公のふりをさせられる。

主人公になりたかったから

すごく嬉しいのにすごく苦しい

一瞬だけの幸せだから

降りたらおしまいだから


5分間、

早く過ぎよと思えば思うほど長く長く時間は。

布団の上で過ぎよ過ぎよと

早く夜よ来いと思えば思うほど長く長く時間は。

夜が来ればこの萎えた体が動くかもしれないから。

頭だけが稼働する真実らしからぬ時間は。

頭だけが稼働して日本語も英語もサクサクと音読できても理解が届かない。

かなしくてばからしくて低い空をひたすらに飛ぶ時間は。

かみさまとサミット

天使の羽が蝶や鳩のようにちょっと黒っぽいところがあると安心してしまう。

パイプオルガンの音や厳かな主の祈りに泣いてしまう。

表現力が上がったとしても頭の中でしか動いていないのなら意味がない。

布団の中でごろごろしている脳と死のノート。

詩の神様はヴィデオテープを持ってこっちを見てた気がした。

老いたる女よ!なんのための言葉があるのか。

真実の女よ!なんのために芸術はあるのか。

目の前の景色一つ、忠実に伝えられないわがまずしき言葉は、鮮やかに彩られる魔法や空気にも至らぬしろものなのだろうか。


世界に対して常にわたしはカメラでいたいのに世の中がわたしに干渉してくるのでそうもいかない。わたしも世の中に干渉している。


美術館の中は噂話同士がいちゃいちゃとしていて落ち着かなかった。


嘘ばかりの人生。嘘だらけの人生。

本当は本当のことをもっと言いたい。


空が、あおくて
文鳥とふたりきりで
ながいながいおやすみを
していました。

プール日和だけどプールにはいかなかった。
お腹にあるこいつが気になっていたからです。
大きな袋。
わたしはこれに野菜を詰めてでかけます。

ゆるして下さい。
エアコンの下にはお札が貼られていた。
びっしりと。

いまだけはゆるして下さい。
わたしが語ることを。
いまだけは。
文鳥とふたりきりで、ろくにお菓子も出せませんけども、わたしの恋人は赤い嘴で煮干しを食べている。
あまいあまい想像の蝙蝠たちはいまどこにいるんだろう?逃げちゃったのかな。
ご飯あげなかったからきらわれた。
のかもしれない。
てんとう虫がたくさん入ってきて星が輝く星雲、雲の母、煮干しはいつだって死にそうな匂いをして、わたしはこうやって少しずつ少しずつ、肩を緩めて行って、誰かを愛せる時を待っている。

柔らかくて、

つよく触ったら壊れてしまいそうなのに震えるようにしかし強く、恐れなどなしていないように強く、鼓動している


すこしずつ距離がつまっていくにつれて触ったところがあたたかくなってゆく


真実があるから何も言えない


あなたの心臓の音さえも欲しくてたまらないくらいなのに


掌の上で簡単に眠ってしまうあなた

抱きしめたら潰れてしまうから

思いのままに愛を示せば壊れてしまうから

爪先の動きにすら警戒させてしまうから


そっと葉を差し出して愛を示そう