自分が主人公ではないって
自分には特殊能力はないって
みんなは何歳でわかったんですか
わかってからどうやって生きていくことにきめましたか
割り切ることができたとしても。
ステージの上では主人公のふりをさせられる。
主人公になりたかったから
すごく嬉しいのにすごく苦しい
一瞬だけの幸せだから
降りたらおしまいだから
5分間、
早く過ぎよと思えば思うほど長く長く時間は。
布団の上で過ぎよ過ぎよと
早く夜よ来いと思えば思うほど長く長く時間は。
夜が来ればこの萎えた体が動くかもしれないから。
頭だけが稼働する真実らしからぬ時間は。
頭だけが稼働して日本語も英語もサクサクと音読できても理解が届かない。
かなしくてばからしくて低い空をひたすらに飛ぶ時間は。
かみさまとサミット
天使の羽が蝶や鳩のようにちょっと黒っぽいところがあると安心してしまう。
パイプオルガンの音や厳かな主の祈りに泣いてしまう。
表現力が上がったとしても頭の中でしか動いていないのなら意味がない。
布団の中でごろごろしている脳と死のノート。
詩の神様はヴィデオテープを持ってこっちを見てた気がした。
老いたる女よ!なんのための言葉があるのか。
真実の女よ!なんのために芸術はあるのか。
目の前の景色一つ、忠実に伝えられないわがまずしき言葉は、鮮やかに彩られる魔法や空気にも至らぬしろものなのだろうか。
世界に対して常にわたしはカメラでいたいのに世の中がわたしに干渉してくるのでそうもいかない。わたしも世の中に干渉している。
美術館の中は噂話同士がいちゃいちゃとしていて落ち着かなかった。
嘘ばかりの人生。嘘だらけの人生。
本当は本当のことをもっと言いたい。