スズメガ幼虫飼育のために野外採集したヤブガラシ。毎回葉っぱをパパッと34枚取ってくると、葉裏に何かのスズメガの卵が付いていることがしばしば。

 

卵を採って来ても既に寄生蜂(タマゴクロバチ?)に寄生されていて生まれてこないこともしばしばなので、今回も「また卵ついてたけどどうせタマゴクロバチに寄生されてるんだろうな」と、たかを括って写真を撮らずにいた。

 

採ってきたその日の寝る前に卵の様子をチラッとチェックしてみると、なんと既に生まれていた!オイオイ、卵の中に幼虫の顔が透けて見えてなかったから、ノーマークだったよ!

卵から孵化したばかりのセスジスズメ1齢幼虫

 

 

生まれてくるとやはり嬉しい☺️

 

生まれたての1齢幼虫だとブドウスズメ・コスズメ・セスジスズメはどれも似たような色・姿をしているので、よほどのツウじゃなければその3種を見分けることは難しいと思われる。

 

まだこの子が誰なのか分からないけれど、一応記録として写真を残す。

 

 

そして次の日

セスジスズメ1齢幼虫後期

 

この眼状紋の並びは!絶対に絶対に、セスジスズメ!

1齢幼虫でも、後期になると斑紋がハッキリ出て来るのか。

私たちは、期せずしてセスジスズメを卵から育てていたのだ。そして長い間疑問だった「いつ緑色から黒色に変わるのか?」の疑問にも、答えが得られた。

 

 

翌朝。

セスジスズメ2齢幼虫

脱皮し2齢幼虫になり、体色は黒色に変わっていた。

 

 

こうして、セスジスズメの全てのライフステージにおける姿を記録に収めることが出来た。うん、夏休みの自由研究の集大成っぽくて良い☺️

 

以下、これまでの通算5匹のセスジスズメ飼育記録から、各ライフステージの姿をまとめます。

 

 

卵→写真無し魂が抜ける 

 直径1mm強の、緑色のやや楕円の卵です。

 

 

卵から孵化したばかりのセスジスズメ1齢幼虫

↑ 1齢幼虫、生まれたて。体長5mm程度。

 

 

セスジスズメ1齢幼虫

↑ 1齢幼虫後期。眼状紋がクッキリ。体長1cm。

 

 

セスジスズメ1齢幼虫

↑ 1齢後期にして既に美しい容姿。

 

 

ヤブガラシについたセスジスズメ1齢幼虫の食痕

↑ 1齢幼虫の食痕

 

セスジスズメ2齢幼虫

↑2齢なりたて。

 

セスジスズメ2齢幼虫後期

↑2齢後期。体はパンパン。

 

 

セスジスズメ3齢幼虫

↑3齢。尻尾の先に白い斑紋が出現。

 頭から背中にかけての斑点が増えてクッキリ見える。脱皮直後は眼状紋は全部黄色。時間が経つと後ろの方の眼状紋は橙色を帯びてくる。

 

 

 

 

セスジスズメ3齢幼虫

↑ 3齢中期。体長は約2.5cm。

 

 

セスジスズメ3齢幼虫

↑ 3齢後期の脱皮直前。体はパンパン。

 

 

脱皮直後のセスジスズメ4齢幼虫

↑ 脱皮直後の4齢幼虫。3齢と何が違うの?と言われると言葉に窮するが、側面の白い点々がゴージャスになって天の川みたい。3齢では星の数は天の川まではいかない(と私は思う)。

 

セスジスズメ4齢幼虫の眼状紋

↑4齢になると、眼状紋の白目・黒目の区分がよりハッキリして、個体によっては黒目の部分に光が反射しているような白い線まで入っていて芸が細かい。

4齢から、体長の増え幅がグンと上がって、見るたびに大きくなる。

 

ジスズメ終齢幼虫

↑終齢(5齢)。節と節の間にクッキリと白い線が出る。終齢幼虫の色彩変異は多様らしく、私はまだ緑色タイプは見たことが無い。





↑濃いセピアの地色に真紅の眼状紋が、あまりにカッコいい色合い。So cool !! なんか、トビムシみたいのが背中に乗ってら。

 

 

セスジスズメ前蛹

↑前蛹。終齢幼虫からだいぶ縮んで(半分くらいの大きさになる)S字にクニャッと曲がっている。

 

 

セスジスズメ蛹化直後の蛹

↑ 蛹なりたて。頭部は緑色。

 

 

セスジスズメ蛹

↑蛹化後ちょっと経つと褐色になる。

 

 

羽化の半日前の蛹

↑ 羽化の半日前の蛹。

 

羽化の数時間前の蛹

↑ 羽化の数時間前の蛹。

 

 

セスジスズメ成虫(飼育羽化)

↑成虫。雌雄不明。

 

 

セスジスズメ成虫(飼育羽化)

↑ 両手で鉄棒にぶら下がっているみたいなポーズ。

 

セスジスズメ飼育羽化成虫

↑ なんじゃこりゃ。あざと可愛い😍

 

 

哺乳類のような顔をしたセスジスズメ成虫

↑哺乳類のようなモフモフの毛に覆われたお目目クリクリの激カワcreature。ほら、ナウシカの肩に乗ってるあの生き物に似てない?

 

 

 

あー、最高だった、セスジスズメ飼育。

私たちにトキメキと学びを与えてくれた幼虫たち、ありがとう❣️

また会おうね飛び出すハート

↑ 終齢幼虫のスベスベなめらか触感がたまらなく、唇でスベスベを楽しむ5歳児



 

都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
Tokyo aozora lab (とうきょう あおぞら らぼ)が主宰する親子自然観察会に参加してみませんか♪

http://www.instagram.com/tokyo_aozora_lab

 

 


お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
→shigizo0.0omusshi@gmail.com

 

9月。最高気温が久々に30度を切った、涼しい晴れの日。

 

娘の幼稚園のお迎えに行ったら、園児たちに「もみちゃん、これ何?」と聞かれて指さされたもの。

土の地面のそこかしこに淡黄色の疎な長毛に覆われた黒い毛虫が這っていた。

モンクロシャチホコ幼虫

 

 

これはッ!!昆虫食にトライしている私が、level 1.イナゴ→level 2.クロスズメバチ、と来て、次のlevel 3で食べてみたいと思っていた「モンクロシャチホコの幼虫」ではないか!

 

 

 

モンクロシャチホコはその幼虫がサクラやモモ、ウメ、リンゴなどバラ科の植物の葉を食べる蛾で、世間一般ではサクラを食害する害虫として扱われているようだ。

このthe•毛虫といわんばかりの姿から毒があるのではないかと恐れられがちであるが、毛も含めて無毒なんだそうだ。

 

で、なぜこのような毛虫を食べたいと思っているかと言うと、サクラの葉を食べたモンクロシャチホコ幼虫は桜餅の香り成分「クマリン」を体内に溜め込むので、食べると桜餅の香りがして美味しいんだそうだ。

 

サクラの木の上からモンクロシャチホコの幼虫がどんどん降りてくるのは、910月に土中で蛹化するためなんだそうだ。

 

 

兼ねてから食べたいとは思っていたものの、実際に実物を目の前にすると、あまりの毛虫っぷりに食べようという意欲がものすごく萎える。これはどう見ても食べ物じゃないだろう⁉︎

 

1回発生なので、このタイミングを逃すと次に食べるチャンスが巡ってくるのは来年の秋である。

 

娘に、「これって食べられる虫で美味しいらしいんだけど、食べたい?」と聞いてみると、「食べたい食べたい♪」と言う。

 

仮に今回、私の意気地が無いせいでモンクロシャチホコを食べなかったとして、来年また娘に一緒に食べてくれるかどうか聞いてみるとしよう。6歳になった娘は、もしかしたら「は⁉︎食べるわけないじゃんキモッ!」「何言ってんだ、このババァ!?」とか言うかもしれない。天使の笑顔で無邪気に「食べたい食べたい♪」と言ってくれるのは今だけかもしれない。そうすると、私は永遠にモンクロシャチホコを食べられないかもしれない。

 

そこまで想像して、やはり今しかない、今日食べよう、と決心したのである。

 

 

園児たちは、毒がないと知ると興味津々で触る。

 

モンクロシャチホコ幼虫に群がる幼稚園児たち

 

モンクロシャチホコ幼虫を撫でる5歳児

 

 

私も娘と一緒に触ってみると、淡黄色の長毛は予想に反して柔らかく、イモムシの表皮はスベスベ。逆撫でしても毛の流れが邪魔をしないのでスベスベ。まるでふにゃふにゃの体の長毛種の若い女子猫ちゃんのような触り心地。

 

娘は「きゃー かわいい〜❤️」と言っている。6匹つかまえられたので、私と夫と娘で2匹ずつ食べようね、と言って持ち帰った。

 

 

家に帰ってからも娘は可愛い可愛いと言って撫でている。情が移るからあんまり可愛がらない方が良いんでないかい?

モンクロシャチホコ幼虫を撫でる5歳児

 

 

モンクロシャチホコ幼虫を手に這わせる5歳児

 

 

私もなんだかこれを食べる気にはなれず、食卓の上に虫かごを置いたまま、調理に取りかかれずにいた。でも、置いといたってどうにもならない。自分で調理するしかないのである。

「あー かわいそう。。。どうしよう。」

とか言ってると、娘は「でもさー、食べるために採ってきたのに食べないで放ったらかして死んだらかわいそうだよー」と言う。

うん。でも、放っておいてもこの子たち、あとは蛹になるだけだから死なないんだけど。

 

「猫ちゃんみたいで可愛い❤️」と言うのに「早く天ぷらにして食べたい」と言う娘の気持ち、一体どういう気持ちなんだろう。

 

 

意を決して調理に取り掛かった。

ネット情報では素揚げがシンプルで食べやすそうだったので、素揚げにすることにした。サッと揚げるとクマリンの香りが残って、桜餅の香りとナッツのような味が絶妙にマッチしてとてもやみつきになる味なんだとか。

砂糖をまぶして食べると緑茶に合う和菓子の味に、塩をまぶせば桜の葉の塩漬けのようで相性抜群なのだという。

ざざむし。https://zazamushi.net/より

 

 

 

 

どっちも美味しそうなので、3匹は砂糖がけで、3匹は塩をまぶして食べることにした。

 

娘が「私もやりたい!」と言うので、足台に登ってもらい、揚げ鍋にイモムシを投入してもらった。

そうしたら、案の定なのだが、イモムシの水分が爆ぜて揚げ油が娘の腕に飛び散った。

娘はもうパニックである。

私も娘の応急手当てに必死で、鍋からイモムシを引き上げるのがだいぶ遅れてしまった。

 

引き上げたイモムシは、爆ぜてオレンジ色の中身が飛び出していて、スプラッターすぎて心の底から食べる気が失せる出来栄えだった。

モンクロシャチホコ幼虫の素揚げ

 

 

モンクロシャチホコ幼虫の素揚げを食べる5歳児

 

 

でも、命を奪った以上は、感謝を込めて戴かなければならない。

私が食べる気が失せているのを悟られないように気をつけながら、「さ、食べましょ♪」と食卓へ持って行く。

「これはかりんとう、これはかりんとう」と心の中で呟きながら、エイッとかぶりつく。

揚げ過ぎたせいか、私の大好きな桜餅の香り、クマリンの香りは皆無だった。ちょっと硬い皮と、中がスカスカでちょっとナッツっぽい風味の虫体。

私がかぶりついたのを皮切りに、娘もパクパクと躊躇なく食べ始めた。

そして、私と娘で3匹ずつ食べて平らげた。

美味しくはなかった。

 

 

 

夫が帰って来る前に、全部片付けて証拠を隠滅した。アレが食卓に上がったことがバレたら、色々と禁止令が出そうだったからだ。イモムシの飼育でさんざん怖がらせているので、あのスプラッターなモンクロシャチホコの素揚げを夫が見たら悲鳴を上げたに違いない。

 

あの揚げ鍋を使ったことも、モンクロシャチホコを揚げた油を再利用して晩御飯を作っていることも、全部夫には内緒。娘も何かを悟ったのか、モンクロシャチホコを食べたことをパパには話さない。極秘のうちに、昆虫食level 3を終えたのであった。

 

 

 

教訓昆虫食は、自分で調理すると美味しく出来ないこともあるので、なるべく市販品や誰か得意な人によって調理されたものを食べるのが良かろう。

 

 

 

 

都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
Tokyo aozora lab (とうきょう あおぞら らぼ)が主宰する親子自然観察会に参加してみませんか♪

http://www.instagram.com/tokyo_aozora_lab

 

 


お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
→shigizo0.0omusshi@gmail.com

 

8月中旬、暑い暑い夏の日に、娘の縄跳び練習に付き合って最寄りの公園へ行った時に見つけたセスジスズメ幼虫たち。

セスジスズメ終齢幼虫を頭に乗せて喜ぶ5歳児

こちらは終齢幼虫のようで、立派な眼状紋をお持ちだ。

 

この子が居たヤブガラシの株に同胞が他に居ないか探したところ、スズメヤドリコマユバチ(寄生蜂)の繭を背負った幼虫を発見。別の株でも、繭の痕跡のある中齢幼虫を発見。

スズメヤドリコマユバチの繭を背負ったセスジスズメ4齢幼虫

 

 

あぁ何という寄生率。。。

 

 

そしてこちらには、可愛い尻尾がチラリと見えて発見した若齢幼虫(たぶん2齢)。

セスジスズメ2齢幼虫

 

 

寄生されていない2匹を連れて帰った。

セスジスズメ終齢幼虫と2齢幼虫

↑2齢と終齢でこの体格差。驚異的。

 

体長10mmのセスジスズメ2齢幼虫

↑体長1cm。2齢かな?

 

 

 

野外採集したヤブガラシにはヤドリバエの卵が潜入していることがあるというので(詳しくは下記の過去blogを参照)、自家栽培のヤブガラシで育てることにした。『コスズメ飼育日記②〜卵から室内で育てたのに寄生バエに寄生されていた話〜』コスズメが繭を作ってから6日目。そろそろ蛹の外殻も固まって触っても大丈夫になった頃かしらと思い、写真撮影のため繭を切り開いてみた。 ↑落ち葉を疎に綴ってあって…リンクameblo.jp

 

 

 

 

 

1ヶ月前から栽培しているヤブガラシの鉢植えに幼虫たちをくっ付けてあげると、ムシャムシャとそれはそれは美味しそうに食べ始めた。小気味良い食べっぷりで、いつまで〜も眺めていられるニコニコ

セスジスズメ終齢幼虫

 

 

しかしセスジスズメ終齢幼虫の食欲はハンパなく、自家栽培のヤブガラシなんて1日も経たないうちに食べ尽くしてしまった。

仕方なく、ヤドリバエの卵が潜入しているかもしれないリスクを冒して、ヤブガラシを近所からかき集めて与えた。

 

そして程なくして1匹目が蛹化。

その数日後、2匹目の超ちびっ子だった子も蛹化。

 

セスジスズメ蛹

 

しかし、2匹目の蛹には何やら皮膚に左右非対称の黒色斑があり、寄生バエが潜入しているのではないかと気になる

寄生バエ(ヤドリバエ)に寄生されているセスジスズメ蛹

 

 

そして娘の夏休みも終わりの8/31。先に蛹化したセスジスズメ蛹が色付き、羽化が近いことがうかがわれる。

羽化の半日前のセスジスズメ蛹

↑ 8/31 12:50

 

羽化直前のセスジスズメ蛹

 

↑ 8/31 22:30 

 

 

そしてその日の真夜中。ついにセスジスズメが羽化!!

セスジスズメ飼育羽化成虫

 

 

ブドウスズメ飼育から始まってスズメガ幼虫通算8匹目、セスジスズメ3号の快挙キラキラ

今回は勝手に放さず、娘が朝起きてくるまで待って、娘と一緒に歓喜ニコニコよだれ昇天

 

褐色のストライプ模様、見覚えがあると思ったら私が学生の頃気に入っていた上着の柄だ。20年前。セスジスズメ柄だったとは、今の今まで気付かなかったぜ。

セスジスズメ柄の茶色のストライプ柄のシャツ

 

 

 

お目目がとてつもなくでっかく、くりくり。

虫体は短毛に覆われ、まるで哺乳類のよう。

可愛い顔してるぅ〜

哺乳類のような顔のセスジスズメ成虫

 

哺乳類(テト)のような顔のセスジスズメ成虫

↑目ぇデカすぎじゃない?夜行性だからか。
 

 

どうしてもモフモフの背中を触りたくて飼育ケースの中に侵入する娘ちゃん。

触ろうとすると、セスジスズメ3号ちゃんは赤褐色のオシッコを出した。

飼育ケースの中に手を突っ込んでセスジスズメの背中を撫でる5歳児

 

 

 

 

時を同じくして、セスジスズメ4号の蛹を見ると、なにやらモゾモゾと動いている。あぁ良かった、生きてると思った私は次の瞬間、愕然とする。

セスジスズメ蛹からヤドリバエの幼虫が2匹出てきた

 

 

ヤドリバエの幼虫が2匹出て来ているゥゥゥーッッッ!!!驚き

蛹が動いていたのは、ヤドリバエの幼虫に揺すられて動いていたのだった。

 

野外採集のヤブガラシで育てたのでは、やはりダメだ。自家栽培しなければ

 

 

そして日が暮れてから、娘と一緒にセスジスズメ3号ちゃんが元居た公園に放しに行った。

虫かごから出した後娘の手にしばらく留まり、エンジンふかして温まってから「あばよ!」と一気に飛んでった。

 

 

セスジスズメ3号ちゃん、夏休みに最高のフィナーレを届けてくれてありがとう!君と過ごした2週間のことは、忘れないよ🥺

 

 

 

セスジスズメ3号、4号のために採取してきたヤブガラシに、コスズメ1齢幼虫と何かの卵が付いていたので、あぁまだ続くのかと若干ゲンナリしつつ、まだ見ぬコスズメ成虫を夢見て今日もヤブガラシを集めるのであった。。。

コスズメ1齢幼虫

 

 

 

 

 

 

都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
Tokyo aozora lab (とうきょう あおぞら らぼ)が主宰する親子自然観察会に参加してみませんか♪

http://www.instagram.com/tokyo_aozora_lab

 

 


お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
→shigizo0.0omusshi@gmail.com

 

 

蝶の飼育あるあるですが、飼育ケースの側面で蛹化してしまって他の幼虫の毎日の餌交換時に傷つけてしまうリスクのある蛹や、糸が切れて落下してしまった蛹などが必ず出てくるので救済措置として紙を三角錐状に丸めた三角コーン(通称蛹カップ)に入れて安全な場所に保管します。救済蛹の数が増えてくるとだんだん管理が大変になってきます。そこで!
 
・どこでも手に入る材料で作れる
・管理しやすい(並べ替えが簡単、羽化後の片付けが簡単)
・映える
・羽化を妨げない配慮
 
以上を全て兼ね備えたシステムを考えに考え、たどり着いたのがこの写真の蛹アパート。
ダンボール工作で作った蝶の蛹アパート

 

 
透明フィルムで作った三角コーンなら蛹を隠さないので蛹の全貌が観察出来ます。羽化間近の蛹の色の変化もこれなら見えるね✨
羽化間近のカラスアゲハの蛹が動く様子が見えますキョロキョロ

 

 
三角コーンに入れたら蛹のお尻の先端をボンドで固定。こうすることで、蛹が動いた時の落下事故を防げます。(三角コーンの先端は、入れる蛹のサイズや形に合わせて、お尻の先端が出るようにあらかじめ切り落としておきます)
蛹カップに入れた羽化間近のカラスアゲハ蛹

 

羽化時の足場となるように麻紐を蛹カップの内側に貼り付けました。
 
2mmのアルミワイヤーで作ったS字フックに蛹カップを取り付ければ、どこでも引っ掛けられて、「とりあえず場所が出来るまでどっかに吊るしておく」のに好都合。
そして羽化後の殻の除去や順番の入れ替えも簡単。
 
プラ板工作で作ったネームタグは、パンチで空けた穴が2mmのアルミワイヤーにシンデレラフィットしてネームタグの入れ替えも簡単。
 
 
アパート本体は羽化した蝶が羽を伸ばせるよう、壁をハングオーバーにしました。足が滑らないように、ダンボールの表面を剥いでデコボコ面を壁紙として使います。
満室の蛹アパート

 

S字フックを引っ掛けるために、ダンボールの切り口の穴を上手く利用。
 
あとは、天井に止まり木を渡せば完璧です。
(まだそれは着工していませんあせる)
 
 
昨年から運用していますが、管理のしやすさは抜群です。羽化不全率も減った気がします。
夏休みの工作にどースか、これ?
 
 
 

 

都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
Tokyo aozora lab (とうきょう あおぞら らぼ)が主宰する親子自然観察会に参加してみませんか♪

http://www.instagram.com/tokyo_aozora_lab

 

 


お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
→shigizo0.0omusshi@gmail.com

 

 

自然観察会やお散歩などで虫探しをしながら草木をじっくり観察していると、時々見つける何かの卵。

カメムシの卵

 

調べたところによると、これはカメムシの卵らしい。模様も無く、ただの白い丸い卵で何の面白味も無いと思って興味を持たなかった私。

 

 

だがしかし!

私が師事している樹木医兼インタープリターの瀬尾一樹さん

 

に道端の雑草を教えて頂いている時に、瀬尾さんがマツの枝に付いているカメムシの卵の殻を発見。「カメムシの卵ってフタがついてて、フタを開けるためのプルタブまで付いてるんですよ」と言う。

 

え!?プルタブ?

オイオイ何言ってんのこの子?

と思って一生懸命見るも、肉眼では小さすぎてよく見えない。瀬尾さんがオリンパスTG-6で写して拡大して見せてくれた。なんか、黒い三角形が卵のフタの縁に付いている。

卵蓋破砕器が見える、孵化後のカメムシの卵

 

ほぉぉぉぉ〜〜〜。

TG-6すげぇ。

いや、カメムシの卵すげぇ。

生物の進化は合目的的ではなく自然選択の結果であると専門学校時代に学んだが(目的論とダーウィンの自然選択説)、プルタブが自然選択によって出来た産物とは信じ難い。合目的的でなくあんな物が作れるわけ?

 

好奇心のスイッチが入った私。

プルタブの動きが気になって気になって文献を漁る日々。

プルタブってことは、支点・力点・作用点があって、力点の力をうまいこと増幅させて作用点に届けるっつーことだよね。

いなばの缶詰のプルタブ

↑暑くて火を使いたくない時の食事に持って来いの、いなばの缶詰。カメムシの卵にはこのプルタブが付いている…⁉︎

 

 

このカメムシのプルタブについてネット検索でHITした記事は難解で私の頭では理解出来なかったので、自分の目で確かめることにした。

 

 

そうしてカメムシの卵を求めて彷徨い歩く日々が始まった。しかし見つかるのは孵化後の卵ばかり。

なかなか無いもんだな〜と挫けそうになっていた時。娘がいつもお世話になっているシッターさんから、「我が家の朝顔の蔓に謎の卵があるので良ければ持って行きましょうか?」と連絡が。これこれ!探し求めていたカメムシの卵はコレですよ❗️

ナイスタイミングすぎない⁉️自分の子供のシッターさんからカメムシの卵もらう親ってこの世のどこに居るんだよ⁉️と思いながら「はい!欲しいです!」と即答。

 

そうして手に入れた、未孵化の卵たち。

未孵化のカメムシの卵

 

 

朝いただいた時は真っ白だった卵たち。仕事が終わって帰宅した時にはヒヨコみたいな模様が浮き出ていた。かわいいニコニコ

このヒヨコのくちばしみたいな三角形が渦中のプルタブだ。この三角形の構造物は「卵蓋破砕器」というらしい。

孵化直前のカメムシの卵

 

オオトリ様みたいな孵化直前のカメムシの卵

 

↑「千と千尋の神隠し」のオオトリ様がお風呂に入っている姿を連想させ、なんだかかわいい。

 

こりゃ〜、今日明日中には孵化するかもしれない。そう思ってこまめに観察すること一夜

翌朝、朝一のチェック時にはまだ未孵化だった卵たちが、朝風呂終えて出てきた時にはもう一斉に孵化が始まっていた。

ぎゃー煽り

カメラカメラ!

急いで動画撮影を開始。

肝心の卵のフタが開くところは見られなかったものの、なんとなく三角形の働きや、三角形と幼虫との位置関係が分かった。

 

 

 

どうやら、三角形は矢頭のような形をしていて、カメムシの幼虫がふにゃふにゃの柔らかい頭で三角形を押すと矢頭の先端の一番とんがっているところがフタのフチのミシン目に当たり、それで切れ込みが入って皮切りとなるようなのだ。

一旦切れ込みが入ると、そこからビリビリとフタのフチのミシン目的な線に沿って切れ目が広がっていき、フタが開いた隙間からカメムシの幼虫が出て来て体幹でフタを更に押し開けて最終的にフタは全開、ということのようだ。

カメムシの卵の卵蓋破砕器

↑黄色矢印の先が、卵蓋破砕器の矢頭先端のとんがったところ。

 

カメムシの卵の卵蓋破砕器

↑卵蓋破砕器を真上から見た写真。尖っているのが見えますかね?矢印がちょっとズレちゃいました💦

 

カメムシの卵の卵蓋破砕器

 

 

 

実際のサイズはこんなもん。超小せぇ。

カメムシの卵の大きさ

↑私の人差し指と比較

 

数時間後に見ると、カメムシたちに色がついていた。これは何カメムシだろう?

種不明カメムシ1齢幼虫

 

 

 

あぁ10ヶ月越しのモヤモヤが解けてスッキリ。

(正解かどうかは置いといて自分の中で結論が得られたのでOK)

 

 

しかし、これが自然選択によって出来た産物だとは。この世は、生き物は、不思議だらけでamazingだ。

 

 

 

 

都市公園のゆる〜いネイチャーガイド
Tokyo aozora lab (とうきょう あおぞら らぼ)が主宰する親子自然観察会に参加してみませんか♪

http://www.instagram.com/tokyo_aozora_lab

 

 


お問い合わせ・お申し込みはこちらまで
→shigizo0.0omusshi@gmail.com