10/28(月)
卒乳5日目。
昨晩は3回くらいもぞもぞしたが
いちども泣くことなく、朝になる。
卒乳してから眠りが深くなった。
今日はスイム。
これまでのげつようびは、
軽くさんぽに行ってから
10時過ぎから1時間ほど昼寝をし、
スイムに行き、
13時半からお昼ごはん。
夜は早め(19時ちょうどくらい)に就寝、
というスケジュールだった。
でも午前の昼寝はたぶんしないだろう。
けれども念のため、
これまでと同じスケジュールで動きつつ、
午前の昼寝をしなかった場合、の動きも決めておく。
朝のさんぽは近くのすみれ公園へ。
滑り台をすべったり、
きのこを見つけて棒でつついたり、
追いかけっこをしたりする。
帰宅後、やはりお昼寝はせず。
ねないー!と主張するため、
11時過ぎにはいえを出て、
11時半前からジムのベンチで早おひるごはん。
今日もスイムで楽しそうに過ごしている。
終了後、抱っこひもを持っていったら、
抱っこして5分もせずに眠る。
1時間ほどお昼寝。
目覚めてから総武線と山手線を乗り継いで
高田馬場へ行きたい、というので
リクエストにこたえ、出かける。
行きも帰りも殆どの道のりを歩き、
しかも「はしる!」と言って
かなり長い距離を走り続けていた。
やるなあ。
体力を消耗したせいかどうか
夜、寝かしつけて10分もせずに眠る。
今日はいちども、ことばに出して授乳を求めなかった。
ふとんを干したので気持ちがいい。
10/29(火)
卒乳6日目。
昨晩も2回ほどもぞもぞするだけで
朝を迎えた。
朝の目覚めもだんだんとすっきりとしてきている。
昨日と今日は、結局、いちども
飲みたい、ということはなかった。
ああほんとうに、卒乳したんだな。
うれしい気持ちと
淋しい気持ちとが
それぞれある。
子どもが巣立ったときって、
こういう気持ちになるのだろうか。
それともまた別の感懐?
午前中にお昼寝をすることはもうなさそうなので
朝から午前中いっぱいをさんぽタイムとし、
これまで13時だったひるごはんを
11時半に繰り上げ、
ごはんのあと、13時前後から
昼寝をする、ということにひとまずしてみる。
朝のさんぽは平和の森公園へ。
公園までくるまで行きたい、というので
久しぶりにコンビカー登場。
おとなの足で20分かかる公園まで
ずうっとコンビカーで激走していく。
公園は寒さのせいと
時折降る小雨のせいとで
特にプレイジムコーナーはだれもいない。
どんぐりを拾い、お店屋さんごっこをしているうちに
ぱらぱらと子どもがやってくるのだが
みんなすぐにもう帰ろう、と帰っていく。
1時間半ほど遊ぶうちに
思いのほか雨脚が強くなったので
近くのスーパーマーケットに退散。
11時過ぎにポーコアポーコさんへ。
ランチをいただき、
1時間弱遊んでから帰宅する。
抱っこひもに抱っこすると、
3分もしないうちに龍晴は眠る。
お昼寝は1時間半。
ほんとうはもっと眠りそうだったのだが
あまり眠ると夜の就寝時間に差し支えそうなので
それとなく起こしてみる。
寝たいだけ寝させたら
どれくらい眠るのだろうか?
そして夜の就寝時間に影響はしないのだろうか?
午前中から昼寝をしていたときは、
長くて3時間は昼寝をしていた。
13時から3時間眠るとなると、
目覚めたら16時になってしまう。
起きてから龍晴のリクエストで
ホームセンターへ。
雨が降っていたのでちょうどよい遊び場所である(ごめんなさい、でも買物ももちろんしています)。
寝転んでいいよ、と書いてあるベッドに寝転んだり、
ソファに座ったり
カートを押したりと龍晴は楽しそうにしている。
ちいさなパキラをどうしても買いたいというので
買っていく。
その後、寄る予定の、小田急のチケットセンターのお姉さんに
パキラを見せたかったらしい。
しかしチケットセンターのお姉さんは残念ながらお休みであった。
が、代わりに応対してくれたお兄さんに絡んでいた。
駅のそばの駐輪所を探検したり、
スーパーマーケットに寄ったりしてから
帰宅する。
10/30(水)
卒乳7日目。
早朝、覚醒のなかで龍晴は
私の胸をなんども手でこすっていたが
飲みたい、ともいわないし
泣きもしなかった。
ああこれが卒乳なんだな。
龍晴のなかで授乳、というものは
どのように記憶されていくのだろうか。
いまどう思っている?
もう忘れちゃった?
聞きたくてもそれは聞けない。
ぜったいに聞けない。
まったく忘れているとは思えない、
龍晴がだいすきだった時間のこと。
午前中は新宿の高島屋へ。
龍晴の髪を切りに行く。
お子さんひとりで大丈夫そうなら、
お母さんはお買い物でも、と促され、
だいじょうぶ?と、
だいじょうぶじゃないと言われる前提できくと、
だいじょうぶ!と言うではないですか。
・・・ほ、ほんとう?
と出かかったものの、
じゃあ母さん、あっちにいるね、とさらりと流し、
受付で待つことに。
私が隣にいなくても
ひとりで椅子に座り、
機関車トーマスのDVDを見ながら
髪を切ってもらっていた。
成長したなあ。
ブリオのコーナーでひとしきり遊び、
カフェタバサで新宿駅に乗り入れる電車を見ながら
お昼ごはん。
龍晴は持参したうどんと肉団子。
私はサンドウィッチをいただく。
そして卒乳となったので
晴れてカフェインを摂取!!!
ロイヤルミルクティを飲んじゃったもんね。
妊娠して以来、ずうっと我慢していたのだ。
ごく稀に、うす~いものを飲むことはあっても。
何しろ毎日、珈琲を3杯は淹れて飲んでいた私が
ピザにはタバスコをがんがんにふりかけ
サブウエイではトッピングのハラペーニョを多めにしてください!とお願いし
柚子胡椒と辛子と山葵が大好きな私が
3年以上、ほぼカフェイン断ちと辛いもの断ちをしてきたのだから。
12時過ぎにお店を出て、
抱っこをして帰るから、ねんねんしようね、というと、
新宿駅の構内に入る頃にはもう眠っていた。
そのままいえまで抱っこをしたままで帰宅。
13キロ弱の息子を抱っこし、
おおきなバッグに着替えやらおむつやら保温できるお弁当箱やら(もちろん重い)を持って歩く私。
どう考えても力持ちである。
1時間ちょうどお昼寝。
目覚めてからポーコアポーコさんへ。
昨日、伺ったばかりなのだが
今日はきものを持って行く。
来週末に、大学時代の大親友の結婚式があり、
龍晴と一緒に参列することになっている。
きもので行きたいなあと思っていたのだが
ちょうど日中のお式で授乳時間と重なるため
きものは断念していたのだが
なんとまさかの卒乳。
もしかしてきもの、着れちゃうかも!?ということで、
ポーコアポーコさんの常連さんのMさんに着付けをお願いすることにし、
(だってもうすっかり、着付けなんて忘れてしまったのだ)
さらに着付けをお店でさせていただけることになったのである。
来週、ずうっと雨だときものを持っていけないので
今日、持っていくことにし、
やわらかものや帯や襦袢や小物などを
わさわさ持参する。
お店で暫く遊び、
(ここでもロイヤルミルクティをいただく。至福!)
平和の森で1時間ほど遊ぶ。
今日もどんぐりをひろってお店屋さん。
ちいさな子がいて、
龍晴は滑り台の滑りかたやプレイジムの遊びかたを教えてあげたり
どんぐりをひろってきてプレゼントしてあげたりしていた。
かわいいなあ。
龍晴はストライダーに乗ったり歩いたりしながら
帰宅する。
ばんごはんのあと、
となりのトトロの主題歌の「さんぽ」を
ふつうの歌詞でひとりでうたっていて驚いた。
ところでいまでこそ
jazzやclassicをより多く聴く私であるが
過去にはrockもたくさん聴いている。
私にとっての音楽は
そこにあって当たり前のものであり
ジャンルを問わず、よいものはよいし
好きなものは好きだと思えるものである。
そういう意味で、
本と同じだ。
本を読むこと。音楽を聴くこと。
私が日常的に読んでいるブログは
大学時代の恩師のO教授のブログと
あとはその恩師のブログと話から知った、
大学の後輩にあたる女性のブログのふたつだ。
その女性のブログに、
私のブログの記事のことが出ていて驚いた。
だからといって別に持ちあげていうわけではないが
私はその女性の書くブログをなかなか気に入っている。
だいたい気に入っていなければ
ブログを定期的に読んだりはしないのだけれども。
彼女はまるで少女みたいな文章を書く。
少女の、という表現があっているかはわからないのだけれども
私が思うところの、
少女みたいな情熱で。強さで。熱さで。ひたむきさで。
若い、という意味ではなく。あくまで。
それが私にはときに眩しくときに切なく
そうして彼女が私の文章をやはり同じように・・・つまり少女の、というところではなく、
同じような角度から読んでいてくれたことがわかり
うれしく思う。
彼女はロックンロールを愛している。
彼女がもっとも愛しているロックンローラーは
私が高校生のころによく聴いていたバンドのひとたちで
だから彼女の言わんとすることや
彼女の彼らやロックンロールというものに対する情熱が、
わかるよ!うんわかるんだよ!!
と肩を叩きたくなるときがたくさんある。
もちろん彼女のように造詣は深くないから
肩を叩くだけで終わってしまうだろうけれども。
そうしていま私が彼女に伝えることがあるとするならば
あなたもきっとたくさん愛されて育っているということ。
それは親からというだけでなく
誰からというだけでなく
愛しかたはたくさんあって
愛する温度もたくさんあるのだけれども。
いつか。
私にものごとを「考えて話す」という時間がとれるようになるいつか
ロックンロールと
愛について
語ってみたい相手である。
10/31(木)
卒乳8日目。
もう龍晴のなかでは
私の授乳は必要のないもの、あるいは過去のもの、
あるいはなかったもの、になったようである。
夜、とても深く眠るようになったし
朝、とてもおなかが空いているようである。
これまでは5時から6時のあいだに目覚めてから
8時すこし前の朝食までふつうに過ごしていたのに
いまは6時過ぎに起きて7時にはもう半泣きだ。
いちにちの眠りのリズムもつかめてきた。
ねむくない~!と本人が言い張ったとしても
13時前には昼寝をするし、
19時半には眠くなってくる。
もともと規則正しい生活なので
授乳をしようがしまいが
規則正しさには変わりがないらしい。
朝のさんぽは久しぶりの新井薬師。
お寺でおまいりをしようと境内でぶらぶらしていると
知らないおばさまが
これあげるわ、と龍晴に、トミカのスポーツカー、
しかも新品の箱入りを2台もプレゼントしてくれた。
え。え?
こんな良いもの、よろしいんですか?
と、既に立ち去りかけている婦人にたずねると、
いいのよ~と言って颯爽と自転車に乗って去っていく。
龍晴は不意のくるまのプレゼントに興奮し、
むんずとつかむや開ける!とおおきな声で言っている。
お寺の階段に座り、
龍晴はひとしきりくるまで遊ぶ。
放っておくとこのままくるまを転がして終わりなので
それではいえにいるのとなんら変わらない。
龍晴を促して、公園へ移動。
児童館で貸し出している三輪車に乗る。
龍晴の今日の目当てはなんといっても三輪車なのである。
三週間ほど前に来たときは
まだ漕げたり漕げなかったりだった三輪車だが
もうすいすいと乗れるようになっていた。
とてもうれしそうに三輪車で走りまわる。
どんぐりをたくさん拾い
乗ってきたコンビカーのポケットにしまってから
砂場で遊び、
滑り台で遊び、
うんていのような遊具や鉄棒で遊んでから
帰宅する。
お昼ごはんのあと、お昼寝。
今日は1時間半。
夕方、いくつか買物。
龍晴リクエストでこれまた久しぶりにボーリングを眺める。
どうも体調が優れない。
頭痛もするし寒気も。
風邪?
今日は早めに休もう。
11/1(金)
箱根旅行。
ポーコアポーコさんの店主のPさん、
お店の常連の葉山在住のダイちゃんとそのおばあちゃんであるUさん(こちらは中野在住)、
龍晴と私、という
総勢5名、なんだか不思議な取り合わせである。
箱根に旅行いいこうか、という話に
突然、お店でなったのが夏のころ。
まさか本当に実現するとは、というふうに
少しづつみんな、思っていたのではないかと思う。
龍晴は葉山のダイちゃんと旅行に行けることを
とても楽しみにしていて
ロマンスカーは隣の席に座るんだ、と前からずうっと言っていた。
小田急線の新宿駅ホームで待ち合わせ。
みんなでいそいそとロマンスカーに乗り込み、
はじめこそ私の隣にいた龍晴は
すぐにダイちゃんの隣の席に行く。
ダイちゃんはダイちゃんで
龍晴との旅行を楽しみにしてくれたようで
うれしく思う。
それぞれ持ってきたおべんとうを食べながら
いざ箱根。
平日にもかかわらず
ロマンスカーは満席で、
箱根湯本から乗り換えた箱根登山鉄道も
ぎゅうづめである。
龍晴は箱根登山鉄道のなかで
抱っこひもでお昼寝をしつつ
彫刻の森美術館へ。
私ははじめて行く場所なのだが、
子どもにもおとなにも楽しめる素敵なところだった。
Uさんは画家なので、
彫刻や絵画の説明つきで見られるのもうれしい。
龍晴とダイちゃんは、目玉焼きのかたちのオブジェで
トランポリンのように遊んだり、
網のピラミッドのようなところで
走りまわったり網によじのぼったりして
おおいに楽しむ。
葉山のダイちゃんはひとりっこなのだが
龍晴を弟のように思いはじめているそうで
今日はベビーカーをずっと押すんだ!と
坂道のおおい美術館のなかを
頑張って押してくれていた。
(ベビーカーはPさんが、お知り合いから今日のために借りてきてくれていた)
半日近く遊び、
ふたたび箱根登山鉄道に乗り、強羅へ。
今日の宿はUさんが予約してくれた、
新宿区の保養所である、つつじ荘、というところ。
だれも新宿区在住、在勤がいない一行なのだが、
予約がいっぱいでなければ区外のひとでも泊まれるのだそう。
私は保養所というものをはじめて利用した。
龍晴は宿に着くや、
おなかが痛い、といいはじめ、
酔うような距離を移動していないので
おかしいなと思う。
部屋に入ると、抱っこして、といい、
そのまま眠ってしまう。
ますますおかしいと思う間もなく
そのうち熱も出始める。
結局、晩ごはんを食べることなく
いちど目覚めたものの
また吐いてしまい、
きれいにしてあげるとまた眠る。
晩ごはんは私もなしでいいわ、と思ったのだが
Pさんが眠った龍晴をみていてくれることになり、
ありがたく甘えることにする。
龍晴は夜のあいだ、何度も高い熱が出る。
11/2(土)
朝4時45分、龍晴が目を覚ます。
すっきりしたかおで、おなかが空いた、という龍晴。
それでもまだ微熱はある。
夜におなかが空いてはかわいそうだと思い
持ってきたおべんとうをあたためておいたのだが、
龍晴はそれをすこし食べる。
が、ほんのふたくちみくちで
もう食べられない、という。
やはりまだ熱があるせいだろう。
それでも昨晩に比べたら
だいぶ良くなっている。
フロントのそばにある
子ども向けのプレイルームで龍晴と遊びながら
みんなが目覚める時間を待つ。
龍晴は葉山のダイちゃんを探しに行く!と
仕切りにいう。
朝ごはんの時間に
ふたたびみんなと顔をあわせ
みんなで朝ごはんを食べることができた。
龍晴も食欲が回復し
いつもの朝食並みに食事。
ああ食欲が出てきたのならひとあんしんだ。
こころからほうっとする。
食後は、Pさんがダイちゃんと龍晴とで
遊んでいてくれるというので
お言葉に甘えて、Uさんとゆっくり朝ごはん。
こんなにゆっくり食べたのは久しぶりだ。
うれしい。
しかしやはり龍晴の熱が平熱に戻らないこともあり、
ひとあし先に帰ることにする。
みんなの部屋にその旨、伝えにいくと
ダイちゃんはぷい、とテレビに顔を向けてしまった。
龍晴とふたたび箱根登山鉄道に乗り、
箱根湯本まで戻り、
予約していたロマンスカーの時間を早めて
帰宅する。
龍晴は強羅から湯本を出発するときまで
ずうっと眠る。
中野に着いたら雨が降りはじめていた。
夫に早めに帰宅してもらう。
龍晴は夫に、旅のことをたくさん報告していて
かわいらしい。
旅がとても楽しかったらしく、
なんどもいまからもういちど箱根にいく!と言っていた。
PさんやUさんからも何度かメールが来て、
龍晴の体調を心配してくださったり、
ダイちゃんが龍晴がいなくなったら
かなりしょげてしまっていたこと、などを聞いた。
そうか、あのときテレビを向いて
私たちを見なかったのはそういうことだったのだな。
PさんにとってもUさんにとっても
ダイちゃんにとっても龍晴にとってもそうして私にとっても
今回の旅はとてもよいものになったように思う。
ありがとうございました。
龍晴の熱は夜になって平熱に近くなってきた。
もうだいじょうぶだろう。
11/3(日)
熱が出ることなく朝を迎える。
これでもうだいじょうぶ。
ほうっとする。
しかし今日はだいじをとって
ゆっくり過ごすことにし、
朝のさんぽは近くのスーパーマーケットに行くにとどめる。
お昼寝は1時間半。
目覚めてからブロードウエイに行き、
龍晴は夫から機関車トーマスのちいさなお弁当箱を
買ってもらう。
すこしだけ別行動をしているあいだに、
龍晴はそのお弁当箱を見つけ、
どうしても欲しいと泣いて引き下がらなかったそうだ。
すこしさんぽをしてから
帰宅。
いえに帰り、龍晴は急に!という顔になり、
いつもは見向きもしない積み木を引っ張り出して
急に積み木で造形をはじめる。
なにをしているのだろう?と見ていると、
びじゅつかん!と完成したものを見ながら言っている。
なるほど。
一昨日、彫刻の森美術館へ行ったときに、
プレイコーナーに置いてあった積み木で
ダイちゃんが「美術館」をつくっていたのだが、
龍晴はそれを真似ているのである。
これまで私がなんどつくっても
殆ど壊すだけで見向きもしなかった積み木。
それが急にいろいろなかたちのものをつくっては、
これはうえののびじゅつかん!(上野の森美術館のこと)とか、
これはびじゅつかん!(彫刻の森のこと)とかいっている。
やはりすこしとしうえの子と過ごす、というのは
とてもよいことなのだろう。
ダイちゃん、ありがとう。
ルー・リードが亡くなって1週間が経つ。
ルー・リード。
ルー・リードは、とても好きなミュージシャンのひとりだ。
音楽史的なことは殆ど知らないし
書くつもりもないのだが
それでもヴェルベット・アンダーグラウンドとルー・リードは
私にとっての偉大なロックンローラーだ。
なんどもなんども聴いた音楽。
ルー・リードを私に教えてくれたひとは
私にローリングストーンズやパティ・スミスやザフーやジャニス・ジョプリンや
クラプトンやコステロやボブディランやブラーやダン・フォーゲルバーグを教えてくれて
(ダン・フォーゲルバーグのlonger thanより美しいメロディってなかなかないと思う)
そうしてそれから10年後にこの世を去って
そうしてそれからさらに10年が流れようとしている。
ルー・リードが亡くなって
当たり前のように私のあたまにはwildsideやsweet janeが流れたし
(まあこれはだいたい誰でもそうだと思うけど)
当たり前のようにSのことが浮かんだ。
S。
いまもまだSは
Sのたましいは
どこかの海を漂っているのだろうか。
Sをのみこんだ暗くてうつくしい海。
それでも私がだいすきな海。
ねえS。
私はもうあなたが亡くなったとしを
10コも越してしまうんだよ。
時間が流れるのはあっという間だ。
もしあのとき
Sのことを引きとめていたならば
出ていってほしいといわなければ
もう帰ったほうがいいといわなければ
Sは死なないで済んだのかな。
それとも結局Sは死んでしまって
私は最初にSをうしなって泣き続けたよりもずうっと長い時間を
泣きながら生きたのだろうか。
生きているのだろうか。
あなたが私にたくさんのことを教えてくれた大学時代。
Sは私のすべてだったよ。
ねえS。
いま私には子どもだっているんだよ。
私の腕のなかで眠るあたたかいちいさな子ども。
信じられる?
あなたが生きられなかった未来を私は生きている。
そのことをときどき不図思うよ。
ねえS。
私はこれからも生きていく。
卒乳5日目。
昨晩は3回くらいもぞもぞしたが
いちども泣くことなく、朝になる。
卒乳してから眠りが深くなった。
今日はスイム。
これまでのげつようびは、
軽くさんぽに行ってから
10時過ぎから1時間ほど昼寝をし、
スイムに行き、
13時半からお昼ごはん。
夜は早め(19時ちょうどくらい)に就寝、
というスケジュールだった。
でも午前の昼寝はたぶんしないだろう。
けれども念のため、
これまでと同じスケジュールで動きつつ、
午前の昼寝をしなかった場合、の動きも決めておく。
朝のさんぽは近くのすみれ公園へ。
滑り台をすべったり、
きのこを見つけて棒でつついたり、
追いかけっこをしたりする。
帰宅後、やはりお昼寝はせず。
ねないー!と主張するため、
11時過ぎにはいえを出て、
11時半前からジムのベンチで早おひるごはん。
今日もスイムで楽しそうに過ごしている。
終了後、抱っこひもを持っていったら、
抱っこして5分もせずに眠る。
1時間ほどお昼寝。
目覚めてから総武線と山手線を乗り継いで
高田馬場へ行きたい、というので
リクエストにこたえ、出かける。
行きも帰りも殆どの道のりを歩き、
しかも「はしる!」と言って
かなり長い距離を走り続けていた。
やるなあ。
体力を消耗したせいかどうか
夜、寝かしつけて10分もせずに眠る。
今日はいちども、ことばに出して授乳を求めなかった。
ふとんを干したので気持ちがいい。
10/29(火)
卒乳6日目。
昨晩も2回ほどもぞもぞするだけで
朝を迎えた。
朝の目覚めもだんだんとすっきりとしてきている。
昨日と今日は、結局、いちども
飲みたい、ということはなかった。
ああほんとうに、卒乳したんだな。
うれしい気持ちと
淋しい気持ちとが
それぞれある。
子どもが巣立ったときって、
こういう気持ちになるのだろうか。
それともまた別の感懐?
午前中にお昼寝をすることはもうなさそうなので
朝から午前中いっぱいをさんぽタイムとし、
これまで13時だったひるごはんを
11時半に繰り上げ、
ごはんのあと、13時前後から
昼寝をする、ということにひとまずしてみる。
朝のさんぽは平和の森公園へ。
公園までくるまで行きたい、というので
久しぶりにコンビカー登場。
おとなの足で20分かかる公園まで
ずうっとコンビカーで激走していく。
公園は寒さのせいと
時折降る小雨のせいとで
特にプレイジムコーナーはだれもいない。
どんぐりを拾い、お店屋さんごっこをしているうちに
ぱらぱらと子どもがやってくるのだが
みんなすぐにもう帰ろう、と帰っていく。
1時間半ほど遊ぶうちに
思いのほか雨脚が強くなったので
近くのスーパーマーケットに退散。
11時過ぎにポーコアポーコさんへ。
ランチをいただき、
1時間弱遊んでから帰宅する。
抱っこひもに抱っこすると、
3分もしないうちに龍晴は眠る。
お昼寝は1時間半。
ほんとうはもっと眠りそうだったのだが
あまり眠ると夜の就寝時間に差し支えそうなので
それとなく起こしてみる。
寝たいだけ寝させたら
どれくらい眠るのだろうか?
そして夜の就寝時間に影響はしないのだろうか?
午前中から昼寝をしていたときは、
長くて3時間は昼寝をしていた。
13時から3時間眠るとなると、
目覚めたら16時になってしまう。
起きてから龍晴のリクエストで
ホームセンターへ。
雨が降っていたのでちょうどよい遊び場所である(ごめんなさい、でも買物ももちろんしています)。
寝転んでいいよ、と書いてあるベッドに寝転んだり、
ソファに座ったり
カートを押したりと龍晴は楽しそうにしている。
ちいさなパキラをどうしても買いたいというので
買っていく。
その後、寄る予定の、小田急のチケットセンターのお姉さんに
パキラを見せたかったらしい。
しかしチケットセンターのお姉さんは残念ながらお休みであった。
が、代わりに応対してくれたお兄さんに絡んでいた。
駅のそばの駐輪所を探検したり、
スーパーマーケットに寄ったりしてから
帰宅する。
10/30(水)
卒乳7日目。
早朝、覚醒のなかで龍晴は
私の胸をなんども手でこすっていたが
飲みたい、ともいわないし
泣きもしなかった。
ああこれが卒乳なんだな。
龍晴のなかで授乳、というものは
どのように記憶されていくのだろうか。
いまどう思っている?
もう忘れちゃった?
聞きたくてもそれは聞けない。
ぜったいに聞けない。
まったく忘れているとは思えない、
龍晴がだいすきだった時間のこと。
午前中は新宿の高島屋へ。
龍晴の髪を切りに行く。
お子さんひとりで大丈夫そうなら、
お母さんはお買い物でも、と促され、
だいじょうぶ?と、
だいじょうぶじゃないと言われる前提できくと、
だいじょうぶ!と言うではないですか。
・・・ほ、ほんとう?
と出かかったものの、
じゃあ母さん、あっちにいるね、とさらりと流し、
受付で待つことに。
私が隣にいなくても
ひとりで椅子に座り、
機関車トーマスのDVDを見ながら
髪を切ってもらっていた。
成長したなあ。
ブリオのコーナーでひとしきり遊び、
カフェタバサで新宿駅に乗り入れる電車を見ながら
お昼ごはん。
龍晴は持参したうどんと肉団子。
私はサンドウィッチをいただく。
そして卒乳となったので
晴れてカフェインを摂取!!!
ロイヤルミルクティを飲んじゃったもんね。
妊娠して以来、ずうっと我慢していたのだ。
ごく稀に、うす~いものを飲むことはあっても。
何しろ毎日、珈琲を3杯は淹れて飲んでいた私が
ピザにはタバスコをがんがんにふりかけ
サブウエイではトッピングのハラペーニョを多めにしてください!とお願いし
柚子胡椒と辛子と山葵が大好きな私が
3年以上、ほぼカフェイン断ちと辛いもの断ちをしてきたのだから。
12時過ぎにお店を出て、
抱っこをして帰るから、ねんねんしようね、というと、
新宿駅の構内に入る頃にはもう眠っていた。
そのままいえまで抱っこをしたままで帰宅。
13キロ弱の息子を抱っこし、
おおきなバッグに着替えやらおむつやら保温できるお弁当箱やら(もちろん重い)を持って歩く私。
どう考えても力持ちである。
1時間ちょうどお昼寝。
目覚めてからポーコアポーコさんへ。
昨日、伺ったばかりなのだが
今日はきものを持って行く。
来週末に、大学時代の大親友の結婚式があり、
龍晴と一緒に参列することになっている。
きもので行きたいなあと思っていたのだが
ちょうど日中のお式で授乳時間と重なるため
きものは断念していたのだが
なんとまさかの卒乳。
もしかしてきもの、着れちゃうかも!?ということで、
ポーコアポーコさんの常連さんのMさんに着付けをお願いすることにし、
(だってもうすっかり、着付けなんて忘れてしまったのだ)
さらに着付けをお店でさせていただけることになったのである。
来週、ずうっと雨だときものを持っていけないので
今日、持っていくことにし、
やわらかものや帯や襦袢や小物などを
わさわさ持参する。
お店で暫く遊び、
(ここでもロイヤルミルクティをいただく。至福!)
平和の森で1時間ほど遊ぶ。
今日もどんぐりをひろってお店屋さん。
ちいさな子がいて、
龍晴は滑り台の滑りかたやプレイジムの遊びかたを教えてあげたり
どんぐりをひろってきてプレゼントしてあげたりしていた。
かわいいなあ。
龍晴はストライダーに乗ったり歩いたりしながら
帰宅する。
ばんごはんのあと、
となりのトトロの主題歌の「さんぽ」を
ふつうの歌詞でひとりでうたっていて驚いた。
ところでいまでこそ
jazzやclassicをより多く聴く私であるが
過去にはrockもたくさん聴いている。
私にとっての音楽は
そこにあって当たり前のものであり
ジャンルを問わず、よいものはよいし
好きなものは好きだと思えるものである。
そういう意味で、
本と同じだ。
本を読むこと。音楽を聴くこと。
私が日常的に読んでいるブログは
大学時代の恩師のO教授のブログと
あとはその恩師のブログと話から知った、
大学の後輩にあたる女性のブログのふたつだ。
その女性のブログに、
私のブログの記事のことが出ていて驚いた。
だからといって別に持ちあげていうわけではないが
私はその女性の書くブログをなかなか気に入っている。
だいたい気に入っていなければ
ブログを定期的に読んだりはしないのだけれども。
彼女はまるで少女みたいな文章を書く。
少女の、という表現があっているかはわからないのだけれども
私が思うところの、
少女みたいな情熱で。強さで。熱さで。ひたむきさで。
若い、という意味ではなく。あくまで。
それが私にはときに眩しくときに切なく
そうして彼女が私の文章をやはり同じように・・・つまり少女の、というところではなく、
同じような角度から読んでいてくれたことがわかり
うれしく思う。
彼女はロックンロールを愛している。
彼女がもっとも愛しているロックンローラーは
私が高校生のころによく聴いていたバンドのひとたちで
だから彼女の言わんとすることや
彼女の彼らやロックンロールというものに対する情熱が、
わかるよ!うんわかるんだよ!!
と肩を叩きたくなるときがたくさんある。
もちろん彼女のように造詣は深くないから
肩を叩くだけで終わってしまうだろうけれども。
そうしていま私が彼女に伝えることがあるとするならば
あなたもきっとたくさん愛されて育っているということ。
それは親からというだけでなく
誰からというだけでなく
愛しかたはたくさんあって
愛する温度もたくさんあるのだけれども。
いつか。
私にものごとを「考えて話す」という時間がとれるようになるいつか
ロックンロールと
愛について
語ってみたい相手である。
10/31(木)
卒乳8日目。
もう龍晴のなかでは
私の授乳は必要のないもの、あるいは過去のもの、
あるいはなかったもの、になったようである。
夜、とても深く眠るようになったし
朝、とてもおなかが空いているようである。
これまでは5時から6時のあいだに目覚めてから
8時すこし前の朝食までふつうに過ごしていたのに
いまは6時過ぎに起きて7時にはもう半泣きだ。
いちにちの眠りのリズムもつかめてきた。
ねむくない~!と本人が言い張ったとしても
13時前には昼寝をするし、
19時半には眠くなってくる。
もともと規則正しい生活なので
授乳をしようがしまいが
規則正しさには変わりがないらしい。
朝のさんぽは久しぶりの新井薬師。
お寺でおまいりをしようと境内でぶらぶらしていると
知らないおばさまが
これあげるわ、と龍晴に、トミカのスポーツカー、
しかも新品の箱入りを2台もプレゼントしてくれた。
え。え?
こんな良いもの、よろしいんですか?
と、既に立ち去りかけている婦人にたずねると、
いいのよ~と言って颯爽と自転車に乗って去っていく。
龍晴は不意のくるまのプレゼントに興奮し、
むんずとつかむや開ける!とおおきな声で言っている。
お寺の階段に座り、
龍晴はひとしきりくるまで遊ぶ。
放っておくとこのままくるまを転がして終わりなので
それではいえにいるのとなんら変わらない。
龍晴を促して、公園へ移動。
児童館で貸し出している三輪車に乗る。
龍晴の今日の目当てはなんといっても三輪車なのである。
三週間ほど前に来たときは
まだ漕げたり漕げなかったりだった三輪車だが
もうすいすいと乗れるようになっていた。
とてもうれしそうに三輪車で走りまわる。
どんぐりをたくさん拾い
乗ってきたコンビカーのポケットにしまってから
砂場で遊び、
滑り台で遊び、
うんていのような遊具や鉄棒で遊んでから
帰宅する。
お昼ごはんのあと、お昼寝。
今日は1時間半。
夕方、いくつか買物。
龍晴リクエストでこれまた久しぶりにボーリングを眺める。
どうも体調が優れない。
頭痛もするし寒気も。
風邪?
今日は早めに休もう。
11/1(金)
箱根旅行。
ポーコアポーコさんの店主のPさん、
お店の常連の葉山在住のダイちゃんとそのおばあちゃんであるUさん(こちらは中野在住)、
龍晴と私、という
総勢5名、なんだか不思議な取り合わせである。
箱根に旅行いいこうか、という話に
突然、お店でなったのが夏のころ。
まさか本当に実現するとは、というふうに
少しづつみんな、思っていたのではないかと思う。
龍晴は葉山のダイちゃんと旅行に行けることを
とても楽しみにしていて
ロマンスカーは隣の席に座るんだ、と前からずうっと言っていた。
小田急線の新宿駅ホームで待ち合わせ。
みんなでいそいそとロマンスカーに乗り込み、
はじめこそ私の隣にいた龍晴は
すぐにダイちゃんの隣の席に行く。
ダイちゃんはダイちゃんで
龍晴との旅行を楽しみにしてくれたようで
うれしく思う。
それぞれ持ってきたおべんとうを食べながら
いざ箱根。
平日にもかかわらず
ロマンスカーは満席で、
箱根湯本から乗り換えた箱根登山鉄道も
ぎゅうづめである。
龍晴は箱根登山鉄道のなかで
抱っこひもでお昼寝をしつつ
彫刻の森美術館へ。
私ははじめて行く場所なのだが、
子どもにもおとなにも楽しめる素敵なところだった。
Uさんは画家なので、
彫刻や絵画の説明つきで見られるのもうれしい。
龍晴とダイちゃんは、目玉焼きのかたちのオブジェで
トランポリンのように遊んだり、
網のピラミッドのようなところで
走りまわったり網によじのぼったりして
おおいに楽しむ。
葉山のダイちゃんはひとりっこなのだが
龍晴を弟のように思いはじめているそうで
今日はベビーカーをずっと押すんだ!と
坂道のおおい美術館のなかを
頑張って押してくれていた。
(ベビーカーはPさんが、お知り合いから今日のために借りてきてくれていた)
半日近く遊び、
ふたたび箱根登山鉄道に乗り、強羅へ。
今日の宿はUさんが予約してくれた、
新宿区の保養所である、つつじ荘、というところ。
だれも新宿区在住、在勤がいない一行なのだが、
予約がいっぱいでなければ区外のひとでも泊まれるのだそう。
私は保養所というものをはじめて利用した。
龍晴は宿に着くや、
おなかが痛い、といいはじめ、
酔うような距離を移動していないので
おかしいなと思う。
部屋に入ると、抱っこして、といい、
そのまま眠ってしまう。
ますますおかしいと思う間もなく
そのうち熱も出始める。
結局、晩ごはんを食べることなく
いちど目覚めたものの
また吐いてしまい、
きれいにしてあげるとまた眠る。
晩ごはんは私もなしでいいわ、と思ったのだが
Pさんが眠った龍晴をみていてくれることになり、
ありがたく甘えることにする。
龍晴は夜のあいだ、何度も高い熱が出る。
11/2(土)
朝4時45分、龍晴が目を覚ます。
すっきりしたかおで、おなかが空いた、という龍晴。
それでもまだ微熱はある。
夜におなかが空いてはかわいそうだと思い
持ってきたおべんとうをあたためておいたのだが、
龍晴はそれをすこし食べる。
が、ほんのふたくちみくちで
もう食べられない、という。
やはりまだ熱があるせいだろう。
それでも昨晩に比べたら
だいぶ良くなっている。
フロントのそばにある
子ども向けのプレイルームで龍晴と遊びながら
みんなが目覚める時間を待つ。
龍晴は葉山のダイちゃんを探しに行く!と
仕切りにいう。
朝ごはんの時間に
ふたたびみんなと顔をあわせ
みんなで朝ごはんを食べることができた。
龍晴も食欲が回復し
いつもの朝食並みに食事。
ああ食欲が出てきたのならひとあんしんだ。
こころからほうっとする。
食後は、Pさんがダイちゃんと龍晴とで
遊んでいてくれるというので
お言葉に甘えて、Uさんとゆっくり朝ごはん。
こんなにゆっくり食べたのは久しぶりだ。
うれしい。
しかしやはり龍晴の熱が平熱に戻らないこともあり、
ひとあし先に帰ることにする。
みんなの部屋にその旨、伝えにいくと
ダイちゃんはぷい、とテレビに顔を向けてしまった。
龍晴とふたたび箱根登山鉄道に乗り、
箱根湯本まで戻り、
予約していたロマンスカーの時間を早めて
帰宅する。
龍晴は強羅から湯本を出発するときまで
ずうっと眠る。
中野に着いたら雨が降りはじめていた。
夫に早めに帰宅してもらう。
龍晴は夫に、旅のことをたくさん報告していて
かわいらしい。
旅がとても楽しかったらしく、
なんどもいまからもういちど箱根にいく!と言っていた。
PさんやUさんからも何度かメールが来て、
龍晴の体調を心配してくださったり、
ダイちゃんが龍晴がいなくなったら
かなりしょげてしまっていたこと、などを聞いた。
そうか、あのときテレビを向いて
私たちを見なかったのはそういうことだったのだな。
PさんにとってもUさんにとっても
ダイちゃんにとっても龍晴にとってもそうして私にとっても
今回の旅はとてもよいものになったように思う。
ありがとうございました。
龍晴の熱は夜になって平熱に近くなってきた。
もうだいじょうぶだろう。
11/3(日)
熱が出ることなく朝を迎える。
これでもうだいじょうぶ。
ほうっとする。
しかし今日はだいじをとって
ゆっくり過ごすことにし、
朝のさんぽは近くのスーパーマーケットに行くにとどめる。
お昼寝は1時間半。
目覚めてからブロードウエイに行き、
龍晴は夫から機関車トーマスのちいさなお弁当箱を
買ってもらう。
すこしだけ別行動をしているあいだに、
龍晴はそのお弁当箱を見つけ、
どうしても欲しいと泣いて引き下がらなかったそうだ。
すこしさんぽをしてから
帰宅。
いえに帰り、龍晴は急に!という顔になり、
いつもは見向きもしない積み木を引っ張り出して
急に積み木で造形をはじめる。
なにをしているのだろう?と見ていると、
びじゅつかん!と完成したものを見ながら言っている。
なるほど。
一昨日、彫刻の森美術館へ行ったときに、
プレイコーナーに置いてあった積み木で
ダイちゃんが「美術館」をつくっていたのだが、
龍晴はそれを真似ているのである。
これまで私がなんどつくっても
殆ど壊すだけで見向きもしなかった積み木。
それが急にいろいろなかたちのものをつくっては、
これはうえののびじゅつかん!(上野の森美術館のこと)とか、
これはびじゅつかん!(彫刻の森のこと)とかいっている。
やはりすこしとしうえの子と過ごす、というのは
とてもよいことなのだろう。
ダイちゃん、ありがとう。
ルー・リードが亡くなって1週間が経つ。
ルー・リード。
ルー・リードは、とても好きなミュージシャンのひとりだ。
音楽史的なことは殆ど知らないし
書くつもりもないのだが
それでもヴェルベット・アンダーグラウンドとルー・リードは
私にとっての偉大なロックンローラーだ。
なんどもなんども聴いた音楽。
ルー・リードを私に教えてくれたひとは
私にローリングストーンズやパティ・スミスやザフーやジャニス・ジョプリンや
クラプトンやコステロやボブディランやブラーやダン・フォーゲルバーグを教えてくれて
(ダン・フォーゲルバーグのlonger thanより美しいメロディってなかなかないと思う)
そうしてそれから10年後にこの世を去って
そうしてそれからさらに10年が流れようとしている。
ルー・リードが亡くなって
当たり前のように私のあたまにはwildsideやsweet janeが流れたし
(まあこれはだいたい誰でもそうだと思うけど)
当たり前のようにSのことが浮かんだ。
S。
いまもまだSは
Sのたましいは
どこかの海を漂っているのだろうか。
Sをのみこんだ暗くてうつくしい海。
それでも私がだいすきな海。
ねえS。
私はもうあなたが亡くなったとしを
10コも越してしまうんだよ。
時間が流れるのはあっという間だ。
もしあのとき
Sのことを引きとめていたならば
出ていってほしいといわなければ
もう帰ったほうがいいといわなければ
Sは死なないで済んだのかな。
それとも結局Sは死んでしまって
私は最初にSをうしなって泣き続けたよりもずうっと長い時間を
泣きながら生きたのだろうか。
生きているのだろうか。
あなたが私にたくさんのことを教えてくれた大学時代。
Sは私のすべてだったよ。
ねえS。
いま私には子どもだっているんだよ。
私の腕のなかで眠るあたたかいちいさな子ども。
信じられる?
あなたが生きられなかった未来を私は生きている。
そのことをときどき不図思うよ。
ねえS。
私はこれからも生きていく。