連日、大分県豊後大野市三重町の文化財をご紹介!メンバーによる豊後大野市紹介コーナーなり♪
- 📝「市邊田八幡社」記事はこちら→https://ameblo.jp/nanairo-base/entry-12827857366.html
- 📝「磨崖クルス(キリシタン礼拝所跡)」記事はこちら→https://ameblo.jp/nanairo-base/entry-12827695181.html
- 📝「的場石幢」「有田石幢」記事はこちら→https://ameblo.jp/nanairo-base/entry-12827980832.html
今回も宮野地区が舞台。上記の2つの石幢を拝んだついでに、「宮尾神社(宮尾社)」を訪問⛩
こじんまりとした神社ですが、どことなく荘厳さを感じます⛩
訪問後に調べるに、この宮尾神社には2つの伝説があり、驚きました!
- 古代王朝ゆかりの神社という伝説
- 「血の出る岩」「辰のように大きな石」の伝説
壮大なロマンがあふれたり、インパクトが強かったりと(笑)、気になる神社ではあーりませんか!
今回は境内のスナップ写真に加え、2つの伝説をご紹介。
マニアックな長文ではございますが、一緒に歴史の謎に迫っていただければ幸いです🔍
▽大分県豊後大野市三重町「宮尾神社」紹介ティザー映像はこちら→https://youtu.be/_5GR7RvPN9M
(1)宮尾神社に初参拝&スナップショット|田園地帯の小高い丘が鎮守の杜
▽地図
▽田園地帯にある宮尾神社。
こじんまりとした丘にあり。それでも鎮守の杜という雰囲気で、荘厳さや存在感を感じます。
まるで古墳のようです。地元でも「古墳ではないか」という声もあり。
(↑Cf:大分市のたくまさまのブログ記事)
▽鳥居には額束(神社名を記した記銘板)はなし。石段を20段ほど登ると本殿へ。
▽石段を登った先にある手水鉢。
▽本殿。バランスのとれた社ですね⛩
▽本殿をぐるりと一周。夕日が差し込み、神聖な雰囲気も増します。
▽本殿内には、「護国春菰殿」の額束あり。
▽天井絵画も必見!どのパネルも巧みな絵ですね🖼
▽境内には複数の石造文化財もあり。摂社・末社もあるでしょう。
(2)2つの伝説がある宮尾神社|ウガヤフキアエズ王朝&岩
今回はツーリング中に偶然発見。何の予備知識もなく参拝。
帰宅後にインターネット上で宮尾神社を調べるに、なんと2つも伝説があるすごい神社だと判明⛩その伝説をご紹介いたします。
⛩伝説1「ウガヤフキアエズノミコトを祀る」|伝説の古代王朝
(※こちらの伝説も、大分市のたくまさまのブログ記事を参考にしておりますm(__)m)
祭神は、鵜葺草葺不合命 ( ウガヤフキアエズ ノ ミコト)という神様です。
ウガヤフキアエズ ノ ミコトとは|神武天皇の父
- 古事記&日本書紀では、「ウガヤフキアエズ ノ ミコト=神武天皇の父」とされます。
- しかし、『上記(うえつふみ)』という古代日本を記した書物では、「ウガヤフキアエズ ノ ミコト=ウガヤフキアエズ王朝の初代」とされています。神武天皇は、ウガヤフキアエズ王朝73代目にあたるとのこと。
『上記』とは|豊後国で発見の古代歴史書
『上記』は、豊後国(大分県)で発見された古代日本の歴史を綴った書物です。鎌倉時代の貞応2年(1223年)、豊後守護の大友能直公が編纂したと序文にあるも、それは事実ではないとされています。
また、『上記』に記されている歴史内容は偽物だと、Wikipediaでは紹介されています。
ともあれ、古事記・日本書紀なども真偽は不明ですし、歴史記録は記録者の裁量によるものです。
逆に、真偽や正しい視点が分からないからこそ、歴史にはロマンがあり、様々な予想や研究をする面白さもあり✨
あくまでも『上記』によると、かつて豊後の国各地にウガヤフキアエズ王朝の都あり→「大野の都」という記載もあり。地名から推測するに、おそらく宮野神社もウガヤフキアエズ王朝ゆかりなのではと推測。
上記の古墳のエピソードも、このウガヤフキアエズ王朝のお墓ではと考察される研究者のいらっしゃるそうです。
『上記』という書物の存在を初めて知りました。まさか宮尾神社が上記の伝説にゆかりがあるとされているとは、面白いエピソードですね!
⛩伝説2「血が流れる岩&辰石」
続いては、「神社にある岩から血が流れた」というおどろおどろしい伝説です(笑)
こちらは、以前から交流のある豊後大野市の小鮒さまのブログから引用いたしますm(__)m(長文失礼いたします。)
江戸時代の中ごろのことです。
今の三重町東の方に宮尾村という村がありました。村の中に宮尾社という神社が祀られ、神社のまわりには鎮守の森がうっそうと茂っています。
森の南東の側に岩があります。村人のひとりが「この岩は水路の修理をするのにちょうどよい岩だ。小さく割ろう」といいました。村人は手に持っている鉄のつちでガーンと岩を打ちました。
すると驚いたことに、岩から血が流れ出てきました。
村人たちは岩を割る仕事をやめ、どうしたらよいか相談しました。
けれども、なかなか良い智恵がでません。
しばらく相談するうち、村人のひとりがいいました。
「この国でいちばんえらいのは殿さまだ。殿さまのお力を借りたらどうだろうか」。
すると、もうひとりの村人がたずねました。
「殿さまはここから東の方、七里(28キロメートル)もある臼杵の城にいる。殿さまが来てくださるだろうか。まさか、このような田舎に殿さまが来てくださるわけがない」。
このことばを聞いた村人たちは、また、考えこんでしまいました。
▽臼杵城
「そうだ。よい考えがある」と、もうひとりの村人が手を打って大声をあげました。
「殿さまの御紋をいただいて岩に彫りつけたらどうだろうか」。
このころ、武士も農民も、それぞれの家に先祖から伝わった家紋があり、家の蔵や着物などに描かれていました。
もちろん、臼杵にいる殿さまも家紋を用いていました。しかし、村人たちがかってに殿さまの御紋を描くことはできません。
村人たちは、殿さまの御紋を岩に彫りつけることを許してもらうことにしました。
宮尾村の庄屋さんは、このことを殿さまにお願いしました。殿さまも村人たちを助けるために御紋を用いることを許しました。
さっそく、村人たちは殿さまの御紋を岩に彫り付けました。
すると、これまで岩から流れていた血がぴたりと止まりました。
村人たちは殿さまの力の強さに驚くとともに、なぜ岩から血が出たのか不思議に思っていました。
その後のことです。宮尾社の鳥居の下に田んぼの水を引くための水路がありました。稲が大きくなるためにはたくさんの水がいります。
▽宮尾地区の田園風景
鳥居から西に五間(10メートル)ほどはなれた水路の中に四尺(1メートル20センチ)ほど突き出た辰石という大石があって、水の流れのじゃまをしていました。
このため、水路のおわりの方にある田んぼは水が足りずに困っていました。辰石は竜の形をしていることから付けられた名前です。
村人たちは、この辰石を割ってのけようではないかと相談しました。
けれども、昔、血が流れた岩のこともあったのでこわくなり、なかなか相談がまとまりませんでした。
毎年、水が必要な時期になると、辰石をどうするかという話し合いがくりかえされました。
村人たちは辰石を撫でながら、この石を小さくしてくださいと鎮守の神さまにお祈りしていました。
ところが、いつのころからか水路のおわりの田んぼの水が多くなって、稲も大きくそだつようになりました。
よくよく見ると、これまで水の流れのじゃまをしていた辰石が小さくなっているのです。
そして年がたつうちに辰石がなくなってしまいました。
村人たちは、これはきっと神さまが自分たちの願いを聞きとどけてくれたのに違いない、きっと宮尾村の神さまは竜神さまに違いない。
むかし岩を割ったときに血が流れたのも、鎮守の竜神さまの体を傷つけたからだろうと話し合いました。(三重町の神話より)
不思議な伝説ですね。岩も含めて神社=竜神さまそのものだったとは。臼杵藩のお殿様のご協力も大きいですね。
伝説文章の中に、今回訪問時の宮野の田園風景を掲載。夕方で黄金色の実りを感じました🌾
この伝説を知ると、宮尾神社の存在がこの地域では不可欠ではないでしょうか。
宮野地区の石幢記事で、「日常生活の中に当たり前にある宝物」の話題を紹介。
神社も、日本人の生活の中では当たり前に存在し、お参りされる方も多いです⛩
▽宮尾神社の参道(石段)
今回、宮尾神社にふらりと参拝。いわゆる一般的な神社だと感じていました。
しかし、2つの伝説があると知ると、一気にすごい神社だと感じ始めました(笑)人間の心理ってすごいですね(笑)
上記のとおり、伝説はあくまでも伝聞。真偽は不明です。
ただ、そのロマンや真実を追求するという面白さもあり。各地の伝説を知ることもおもしろいですね!
▽君も、歴史ハンターにならないか!?
散策することで場所そのものとの出会いもできますし、記事や動画制作を通じ新たに出会う学びもあり✎
『上記』の内容も気になりますね📚 恥ずかしながら、宮尾神社と出会わなければ知ることもなかった書物でしょう。
あなたもぜひ地元を探検&調査して、いろんな出会いを楽しみましょう♪
以上です(`・ω・´)ゞ最後までお付き合いいただきありがとうございましたm(__)m
「神社仏閣⛩」動画集→https://youtube.com/playlist?list=PLCP8H0iqHBwBN6zcqlWPYthJTkVIX3hsf
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<大分県豊後大野市青年団なないろベース>
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