「天狗の台所」と「セクシー田中さん」
共に傑作ですが、作風の違いが際立っており、その対照ぶりが面白く、記録に残したくなりました。
先ず「天狗の台所」から。
ドラマの舞台は、都会から遠く離れた農村。
豊かな自然。
渓流。深い森。
水田。稲穂の波。
風景が非常に美しく、心が洗われます。
主人公たちの住む古民家も
昔話から抜け出したような佇まい。
家の内装も凝っており、
特に、タイトルにもなっている台所は、
細々とした料理道具や食器に至るまで、
美意識が行き届き、
飽きさせません。
当然、主演者の衣装や髪型も
作品の美意識に沿ったもので、
少年の瑞々しさ、青年のストイックさを
演技や台詞だけでなく
なんというか、上手く言えないのですが
年齢や容姿といった
主演者の今、この瞬間の身体で
表現しようと試みているように
感じられました。
このドラマの料理は、まさに私の好みで
胃袋をつかまれました
例えばお節・・・
お節の海老🦐
色合いが華やかになるので、よく使われています。決して不味くはないですが、残念ながら、美味しいと思ったことがありません。
その点、ドラマに登場したお節は、私のストライクゾーンを直撃!
他の料理も、外れなく、ハートを射止められられました
天狗の子孫という荒唐無稽な設定でも、
物語は、都会を離れた山里での
隠遁生活の一年を綴ったもの。
これほど美意識の高いドラマは珍しいのではないでしょうか?
12月7日に最終回を迎え、放送は終了しましたが、心に残るドラマでした。
https://ameblo.jp/naminko2021/entry-12825293441.html
これに対して
「セクシーに田中さん」は
台詞と、登場人物の個性で
魅せるドラマ!
録画していた第8話を見て、またまた感動しました。
朱里ちゃんのセリフが刺った!
『一つ一つは些細(な幸せ)だけど
たくさん集めれば、
生きる理由になるじゃないですか』
些細な幸せとは・・・
- ずっと来たかった場所にこられた。
- カフェで食べたケーキ🍰が美味しかった
- 好きな色のスカーフを見つけた。
- 知らない国の文化に触れた。
- 先週までどうしてもコツが掴めなかったフィギアエイトが、今日できた。
フィギアエイト以外、全部、心当たりがあります!
(フィギアエイト : ベリーダンスで腰を8の字に回す動き)
この『一つ一つは些細(な幸せ)だけど
たくさん集めれば、
生きる理由になるじゃないですか。』という台詞、
1つ前のブログで紹介した
小山薫堂さんの
「ワクワクする気持ちには
自分の春を巻き戻す力がある」
という言葉に、通じるものがありますね。
「幸せ上手な人」とは
些細な幸せを集めることが、
上手な人のことなのかもしれません。
また、8話では、朱里ちゃんに語りかける、メイクの仕事をしている女性の台詞も、刺さりました。
メイクを覚え自信がついて、わたしは社交的きなったの。好きな人にもちゃんと好きだと言えたわ!
わたしにとってメイクは、世界を広げるためのお守り、みたいなものかな?
自信って、本当に大切ですよね!
自己肯定感の揺れが社会的話題になる昨今、
的確に時代性を捉えている原作者の感性は鋭く、このドラマが面白いはずです。
このシーンを見ながら、下記の短編小説を思い出していました。
https://ameblo.jp/naminko2021/entry-12808299428.html?frm=theme
この短編小説では、
改造した肉体が、主人公の生き甲斐であり、お守りです。
わたしも小さなお守りを持っています。
誰にも、大なり小なり自信の源があり
それをお守りとして
世界に繋がり、
生きていこうと、懸命なのかもしれません。
「セクシー田中さん」次回が楽しみです。
https://ameblo.jp/naminko2021/entry-12830475247.html
https://ameblo.jp/naminko2021/entry-12828953914.html
https://ameblo.jp/naminko2021/entry-12825129913.html