中屋敷左官工業(株)
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こんな所にも左官…!?

皆様こんにちは。牛しっぽ広報Ⓜ️です牛あたま

今月の訓練校の様子をご紹介します飛び出すハート

 

先月のブログでご紹介した トーテムポールのような物たち。

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こちらを左官技術であるものに大変身させていきますびっくりマーク

何を作っているのか予想しながら読み進めてくださいねウインク音譜

 

まずは形づくり。モルタルを塗っていきます。

まだまだ何かわかりませんね。

 

お次は、何やら線を書いています。

この作業、センスが問われるようで、

うーーん、、、。と悩んでいる様子の椋さん

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一方で、迷わず黙々と書いている弥月くん

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弥月君の脳内には何やら構想があるそうな!!

 

お次は、色塗りです。

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中には、こだわって自ら色の調合をしている人もいました。

今日の一年生は、左官屋さんというよりアーティストの顔をしていますカラーパレット

色が付くと、何を作っているか見えてきましたねニヤリ

天板には色粉を練り混ぜたセメントを塗り付けて。

木目を描いたら完成!

正解は丸太です🪵

 

公園のベンチやテーマパークなどで見かけた方は多いのではないでしょうか?

実は左官技術で作られているのですねびっくりハッ

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↓弥月くんが迷わず作業していたのは、エゾ松を作ろうと構想があったからだそうです。

それぞれの個性が垣間見れて面白いです照れラブラブ

 

2日目は、擬木板(擬板)の作成です。

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丸太と同じように形づくりから。

樹皮のところは小さい鏝でモルタルを塗り付けて再現していきます。

色を塗って、

木材の切断面となるところには、カラーセメントを塗り塗り〜ドキドキ

ここで、NEWアイテム スポンジとビニールビックリマーク

これを使い、樹皮を剥いだ木の質感を再現します。

鏝に拘らず、身近なものも道具にしてしまう発想力に感服です。

 

木の木目を一つずつ書いていきます。

ここでもアーティストの顔ウインク

無事完成ですビックリマーク

改めて、左官屋さんの仕事の幅の広さに驚かされました目

左官はまだまだ奥が深そうです爆  笑ドキドキ

スケートボードリンク

当社にはいつも面白い仕事がやってきます。

今回のお仕事は「スケートボードリンク」です。

 

皆さんご承知の通り、今年のパリオリンピックでは男女とも日本の選手が金メダルを獲得しましたねーーー

私的には、最後の最後で最高難度の技を決め大逆転勝利の堀米雄斗選手に感動しました

女子ではなんとビックリマーク

14歳の吉沢恋選手が史上最年少の金メダリスト照れ

本当に素晴らしーーーアップ

日本のスケボー人気はますます高まりそうですねーーーー

 

そんな中、現在札幌市内某所にてスケボーリンクを作っています。

当社としてもスケボーリンクは初めての仕事なので、モックアップを作成することに。

設計図に指定されている半径1メートルの曲線でスロープを作ります。

型板を作成して、それを定規にしてコンクリートを成型し、均します。

そしてコンクリートの締まり具合を見て、金鏝押さえ仕上げ。

モックアップはきれいに仕上がりました。

 

スロープの上に見える丸いパイプを「コーピング」というそうです。

このコーピングがどれくらい出るのか?しっかり元請さんから指示をいただき、定規を加工します。

さらにスケボーリンクというのはスロープが真っ直ぐではなく、内Rの曲線になっているので、平らなコテではコンクリートに当たりません。

この内Rの曲面をきれいに仕上げるためにどうすれば良いのかはてなマーク

いろいろ考え、R曲面に合わせた木ゴテを作ったり、

海外のコテを仕入れたりと、いろいろな工夫をしています。

 

そしていよいよ全部で6台あるスケボーリンクの1台目の施工です。

ドロドロのコンクリートを型板に合わせて丁寧に盛り付けていきます。

この型定規を使うことで、図面寸法通りの精度の良いコンクリート打設ができるのです。

コンクリートが固くなり始めたタイミングを見て、コテで丁寧に表面を整えていきます。

こうして無事に1台目のスケボーリンクが出来上がりましたーーー!!

でもこれ、6台の中でも簡単な形状なのです。

これからは複雑で難易度の高いスケボーリンクが待ち構えているのです。

どうか上手くいきますようにーーーーお願い

 

 

 

 

 

古くて新しい土壁

前回ブログでもお伝えしましたが、最近の私の注目は「土壁」です。

 

昨年、ある現場でその土地の土を活用し、土壁で仕上げるというお仕事がありました。

とても良い仕上がりなのですが、残念ながら公にお見せることが出来ないのです。

ですので、壁のアップだけシェアさせていただきます。

こちらは「塗り版築」

とても美しく仕上がりました。アップ

塗り版築仕上げは、塗り分け工法みたく見えてしまうことが多々ありますが、

当社の塗り版築は、一層ごとのテクスチャも本版築にかなり近づけてあり、砂の密度のグラデーションがとても美しいのです。

この仕上げを身につけるにはかなりの研究時間を要しましたが、本物の版築壁にかなり近づくことが出来ました。ちゅーちゅーちゅー

近々、この塗り版築工法で多色の仕事が待っています。

楽しみ、楽しみ。ラブ

 

続いて下の写真は土の引きずり仕上げです。

間接照明により、細かい土の凹凸が繊細な雰囲気を出しています。

この引きずり仕上げは日本の土壁の伝統工法によるものです。

 

続いて下の写真は土を塗りつけ、乾燥後に掻き落とした「土の掻き落とし仕上げ」です。

今回の描き落とし仕上げは、細かいスサや砂を使うことで、細かい目のスサや砂の粒子が美しく現れてきます。

材料は天然の土と、藁スサと、砂だけです。

この天然素材の組み合わせが実に美しいのです。

 

続いてこちらは、ちょっと変わった模様の仕上げです。

横線に凹凸が見えていて、土壁の上には長いスサが「投げスサ」という工法で埋め込まれています。

その投げスサが長いのあり、短めのあり、とランダムに配置されていてこれまた美しい。

こちらも使用している素材は、どこでも手に入る「土」「藁スサ」「砂」

このどこでも手に入る天然素材の組み合わせでこの仕上げのバリエーション、そして美しさを表現できるのです。

これが「土壁の魅力」と私は感じています。

 

最近、世界的にも日本の土壁は評価が高いようです。

世界のトップブランドのエルメス。

先月、銀座にあるエルメス銀座店でこんな催しが開催されていたので見に行ってきました。

スキル・アカデミー 夏のオープンクラス 「土に学ぶ、五感で考える」成果発表 

「スキルアカデミー」とはエルメス財団が2014年からフランスで実施してきたプログラムで、自然素材に光を当て、素材に関わるスキル(=職人技術や手わざ)の伝承、拡張、普及を目指している事業だそうで、2023-2024年のテーマが「土」。

 

イタリアの建築家、レンゾ・ピアノの設計によるこちらのビルは個人的に大好き。

ガラスブロックのカーテンウォールが美し過ぎる・・・

行ったこの日は昼間でしたが、夜のこのビルがまた美しいんですよねーーー

 

こちらの8階で開催されていました。

こんなオブジェ?がどーーん!とあり、木の扉の小さな入り口は日本でいうところのにじり口か?

この扉から中に入ることが出来るのです。

扉を開き中に入ってみると・・・

大迫力の土壁空間。

土を塗る前に縄をデザインして埋め込んで、その上に土を塗り、土の収縮で縄の凹凸が表面に出てきています。

実は先ほど当社の施工例にあった横線の凹凸壁も同じような仕組みで作られています。

土の極狭空間は草庵の茶室をも連想させるような・・・

時代の最先端を行く世界のエルメスが銀座のど真ん中に土壁。

でも使われている素材も工法も昔からある伝統工法を活用している。

まさに「古くて新しい土壁」

研究し甲斐のあるテーマです。

 

 

 

飛濤亭

前回のブログでもお伝えしたように、土のサビは土の中の鉄分が反応して出てくるので、鉄分が含まれていない土壁はサビません。

しがたって、土壁がすべてサビるわけではありません。

書院造りなどの広間のお茶室は土のサビはタブーで、いつまでも美しさを保っていなければなりません。

 

京都に行くにあたり、今実際に見ることが出来るサビた土壁を調べました。

京都の有名なお茶室はなかなか現物を見ることが出来ないのです。

その中で一件、どうしても見てみたいお茶室がありました。

それは仁和寺にある飛濤亭(ひとうてい)というお茶室でした。

仁和寺のホームページを見てみましたが、やはり飛濤亭は見ることが出来なさそうでした・・・

そこでダメ元で仁和寺に直接お電話をさせていただき、私の思いをお伝えしたところ、

なんと!

見せていただけることになったのですーーーー爆  笑爆  笑爆  笑

 

というわけで仁和寺に到着し、お寺の方にご案内いただきました。

こちらが飛濤亭です。

外部は風雨に晒されるので、土壁がかなり傷んでおりました。

黒いサビが土壁に出ていて、スサが浮き出ていて、傷んでいても美しい・・・

さらに詳しく調べてみると、過去の修理の結果、茶室内外の壁に赤土を薄く塗った跡があり、天井や鴨居などの木部から

ベンガラと見られる赤い顔料が検出されたとのこと。

すなわち、土のままではなく、土に着色をして仕上げられていることがわかりました。

上の写真を見てもわかるように赤色の土が残っているのがわかります。

 

そしていよいよ内部の土壁を見せていただくことにーーーー

ところが、大変残念ながら、内部は写真撮影禁止でした。えーんえーんえーん

というわけで、みなさんには、内部の土壁の写真をお見せることが出来ません。

 

お茶室の障子を開け、内部の土壁を見ました。

写真で見てすごいなーーーと思っていましたが、正直、言葉になりません・・・凄すぎて・・・美しすぎて・・・

表現する言葉が見つからない壁でした。

この飛濤亭を紹介していたある本によると「壁は錆壁で塗られ、藁スサが露出し、西面や南面から夕陽が射して壁面が黄金色に見える」と書かれてありましたが、それがわかる気がする。

 

ただただ、じーーーーーーーっと壁を凝視し、目に、心に、魂に、その壁を焼き付けてきました。

 

この壁をモデルとして「美しくサビた土壁」を作る研究をしようと思っています。

 

 

土壁のサビ

ご無沙汰しておりましたー

中屋敷です。

 

久しぶりの私の投稿です。

最近の私のブームが「土壁のサビ」です。

こちらは京都にある蓑庵というお茶室の壁です。

なんか凄くないです?

私、過去に一度お茶室の外からでしたが、蓑庵の土壁直接見たことあるんですが、

それはもう、言葉では表現できない迫力と美しさでした。

この壁の色は、土の中の鉄分が酸化して表面に茶褐色や黒色になって現れるのです。

そして、土壁の中のすさは錆びないので、写真のようにスサが表面に浮き上がってくるように見えるのです。

 

この「土壁のサビ」については今初めて興味を持ったわけではありません。

今から6年前、当社の左官ギャラリーの中に待庵の写しを作りました。

久住章さんに札幌までお越しいただき、土壁のご指導をいただき

待庵の壁を再現すべく、

待庵の写真集を頼りに久住さんにご協力いただき、この壁を再現すべく様々研究しました。

待庵の壁のアップの写真

様々なサンプルを作成しましたが、

似て非なるもの・・・というべきか、「これだ!!」というものに辿り着けませんでした。

というわけで、うちの待庵の内壁は今なお未完成なのです。

これをなんとか完成させたいと思いながらも年月は過ぎ、あれから6年。

 

もう一度、チャレンジしようと動き始めました。

 

今までは写真を頼りに作っていたので、本物の待庵の壁を見るのが一番なのですが、

調べたところ、現在、待庵のお茶室は見られないそうです。

ざんねーーーん!!えーん

 

そこで、今見ることが出来る錆びた土壁を見て、まずは自分の美意識を高めよう!

ということで、京都に向かいました。

 

続く・・・

 

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