後半戦のスタートです!
お盆休みも昨日まで。
今日から後半戦のスタートです
7月に入ってから急激に忙しくなり、お盆前に引き渡さなければならない大きな工事もあり、バタバタでした〜
最近の特徴として、SNSとかにもアップできないお仕事が多く、ブログで紹介できないのが本当に残念なんですーーー
もう少しするとお店もオープンするのでいくつかアップ出来ると思いますので少々お待ちください。
今朝、お盆明けの社内会議があったのですが、お盆明けからさらに忙しさが加速する予想で、これからさらに厳しい労務状況が予想されています。
みんなで協力しあって乗り切るしかない
今日はこの秋の施工に向けて、今までで一番難しい研ぎ出し工事のサンプル作成の様子をご紹介します。
まずはサンプル板に材料を塗りつけます。
そして表面を研磨し研ぎ出します。
こうして何種類ものサンプルを作成して、色や種石が決まりました。
と、ここまではなんてことない作業なのですが・・・
今回の研ぎ出しの形状がこんな形をしているのです。
「U」字型
現場と同じU字型のモックアップを作成し、試験施工をしています。
通常、研ぎ出し工事を行うときの使用工具はダイヤモンドカップサンダーにて研ぎ出し作業を行うのですが、
上の写真のように、まっ平らな面を作るにはダイヤモンドカップサンダーは大変役立つのですが、
今回のU字形のような内Rの形状では鉄製の平らなダイヤモンドカップサンダーでは研ぐことが出来ないのです。
そこでありとあらゆる研ぎ出しに役立つ工具を調べ、いろんなものを試しているのですが、いやこれがほんと、なかなかうまくいかない。
今の所、内丸の形状に馴染むサンドペーパーで研ぎ上げるしかないかなと。
しかしここで問題が出ます。
サンドペーパーはダイヤモンドカップサンダーより圧倒的に表面が弱いので、うまく削れないという問題が発生。
夏場気温26度で塗りつけ、24時間後に研磨をしようとしても、セメントの強度が出過ぎてサンドペーパーでは削ることができない。
そこで、塗りつけ後研磨までの時間をさらに短くし、17時間、12時間といろいろテストして、なんとかサンドペーパーで削れるタイミングを研究中なのです。
さらに塗りつけ材料の配合も、骨材比率や骨材の粒度分布までいろいろ試して、ようやく少し光が見えてきました。
でも、まだまだ施工モデルが決まるまでには時間がかかりそう・・・
挫けず頑張ります
あの技術が再び!
弊社の左官ギャラリーのお茶室です。
国宝茶室「待庵」
お茶室の前には路地があり、飛び石、そして沓脱石があります。
さらにお茶室の足元は差し石があり、それらがまたお茶室の雰囲気を素晴らしいものにしてくれています。
飛び石や沓脱石は本物の待庵とかなり近い大きさや配置になっています。
本物の待庵と同じ大きさや形の石を見つけるなんてはっきり言って無理です。
だって同じ形の石なんてそうそうあるものじゃないですもんね。
ではうちの待庵でそれが出来るのは何故か?
左官ギャラリーは木造建築の2階にあります。
本物の石なんて乗っけたら、床が抜けちゃいます。
でも飛び石や沓脱石のないお茶室なんてお茶室とは言えません。
それを可能にしてくれるのがこの擬岩の技術なのです。
下地はスタイロフォーム。
その上にモルタルを塗りつけ、石の形に造形し色を付けていきます。
下の写真、右が本物、左が擬岩です。
この色付けをしてくれたのが、原たかおさんというこの仕事の超エキスパートの職人さんでした。
これなんてどうみても本物の石にしか見えません。
原さんの技術は本当にすごく、真似してみようという気にもならない圧倒的な技術なのです。
その素晴らしい技術を今回、こちらの現場で再び見られることになったのです
今回、原さんに札幌まで来ていただきました。
お客様から送られてきたご要望のイメージ写真がこちらです。
果たしてあの白い壁がこんな仕上がりになるのでしょうか?
原さんの仕事が始まりました。
今回何がうれしかったって、原さんの後ろ姿見てください
中屋敷左官工業のTシャツを着てくれているんですーーー
どんどん色付けされていきます。
2日目見に行くと、あらまーーーー
凄いことになっていましたーーー
原さん、黙々と色付けをしていきます。
オーナー様のチェックもいただき、ご要望にお答えして色の調色を行い、
そして、3日目にはこの通りーーーー
最初のイメージ写真と全く同じ壁が出来ちゃいましたーーーー
ほんと、これぞプロ
さらに追加仕事がもう一つ。
こちらはオーナー様がご自身で作られた石の下地で、当初はこれに着色して欲しいということだったのですが、
「やっぱりこういう丸い形の石にしたい」というオーナー様の突然のご要望にもお答えして、
当社の菊地さんがその場でモルタルにて擬岩の下地を作成することに
こんな形の石の下地が完成し、
ここから先は原さんにバトンタッチ
原さんの超絶技が再び炸裂
あっという間にオーナー様の要望通りの踏石が完成
この肌感どうですか
とにかく凄すぎ
中屋敷左官と原さんのコラボレーションばっちりはまりましたーーーーー
ちょうど仕事を終えた頃、私もアイスを持って到着し、皆でアイスを食べながらパチリ。
良い仕事をし終えて最高のひととき。
完成写真がこちらです
黒のモールテックスと洗い出しシートの扉と、新たに施された擬岩でエントランスの雰囲気が凄いことになっちゃいましたー
原さんありがとうございました
丸3年経った外壁の黒いモールテックス
今から3年以上前のお仕事
「こちらの白い外壁を黒のモールテックスにしたい」というお客様からのお問い合わせをいただきました。
既存のコンクリート外壁は至る所にひび割れが散見されており、お客様には「モールテックスの施工後、構造体が大きく動くことがあれば
ひび割れが出る可能性がありますが、できる限りのクラック処理を行います」とご説明。
低圧エポキシ注入を施した後、グラスファイバーメッシュを伏せ込み、最大限のひび割れ処置を施しモールテックスの施工にかかりました。
施工したのは8月1日もまさに真夏の真っ盛り。
モールテックスは非常に、非常に、乾燥硬化が早いのです。
しかし現場は日当たり最高の壁。
そこで外壁に直接日光が当たらないように全面ブルーシートで養生をして、大人数で一気に塗り上げました。
この工事、実は1回目塗り継ぎが見えてしまって、再チャレンジして仕上げました。
真っ黒のモールテックスは色を揃えるのも一番難しい仕上げなのですが、こうして無事に仕上がりました。
完成後、私には心配なことが二つありました。
一つ目は当初からのひび割れが再び出ないかということ。
二つ目は黒の顔料というのは紫外線で破壊されるので、色が褪せないかということと、雨や雪が直接当たることによるモールテックスの劣化。
こちらは1年後の写真。
ひび割れが再発することもなく、心配していた色抜けも出ませんでした。
この時、もう一つ仕事がありました。
「こちらの木製の玄関扉を洗い出し仕上げにしたいんです」というご要望でした。
この木製扉に特殊な下地処理を施し、洗い出しシートを施工しました。
こちらの扉は扉小口まで石を張り込みました。
木製の扉がこんな石貼りの扉に大変身ーーーー
これもなかなかの難工事でしたね〜
工事から3年が経ちました。
そんな折、お客様から「工事の相談があるんですが・・・」とご連絡をいただきました。
先日お伝えしたジョリパットの住宅もそうですが、うちをリピートしてくださるがお客様は多く、本当にありがたいことです。
早速お伺いすると、施工から3年経った黒モールテックスの外壁はひび割れもなく、塀の天端からの雨垂れで色が少し劣化した箇所は見受けれたが、オーナー奥様いわく「とてもいい感じになりました〜」とのこと。
経年変化がとてもいい雰囲気を出しているようでした。
今回、ご相談いただいた内容はいくつかあるのですが、その一つがこちら。
「玄関の石目調の白い壁を岩肌風の仕上げにしたいんです」というご要望でした。
お客様はこの白い石目調の壁を一度全部潰して、この上に新たに塗り直しをして、岩肌風に仕上げて欲しいとのことだったのですが、
これを全部潰してモルタルで塗り上げると扉が開かなくなってしまうので、既存の壁をある程度壊さなければならなく、
またお金もとてもかかるので、私の方から「この石目調をそのまま活かしてこれを本物の石の壁のように見せてはいかがでしょうか?」とご提案しました。
実はこちらのお客様、当社の左官ギャラリーをご見学されていて、その際に当社のお茶室の飛び石の擬岩の技術をご覧いただいており、
こちらの技術をご提案したのでした。
「ではそれでお願いします」となり工事がスタートしました。
果たして、お客様のご要望に答えることが出来るのでしょうか
つづく・・・
モールテックスは続く・・・
かれこれ7年前からスタートしたモールテックスですが、今もなお、ますますモールテックスが加速しています。
最近は残念ながらアップできない案件が多いんです。
なかなかすごい大きな物件も施工しているのですが、SNSはじめアップできないのがとても残念。
毎日毎日モールテックスは続いております。
今日は最近の施工例をいくつかご紹介していきます。
多いのが洗面カウンターのモールテックス。
洗面カウンターの場合は水がかかっても良いようにモールテックス専用の撥水コーティングを施します。
こちらはキッチン前のカウンターです。
天板は平滑度を大事にして施工。
立ち上がりや小口も塗ることで、コンクリートの塊のように見えます。
こちらも大きなシームレスのカウンターです。
このカウンターは床のモルタルに色を合わせて欲しいというオーナー様からのご要望に合わせ、
オリジナルカラーを製作しました。
立ち上がりのテクスチャもおとなしめな感じです。
最近は住宅の壁でも採用されることが多くなりました。
壁から天井までモールテックスを施工しており、ニッチ部分の窪みがなかなかカッコいいです。
最近、こんな展示カウンターも施工させていただきました。
こちらはベニヤ板を積み重ねて製作した下地にモールテックスを施工しています。
モールテックスを使えば、どんな形でも自由自在に施工することができます。
現在進行中の赤いモールテックス。
赤も顔料を色々変えて様々な赤をご提案しました。
そして決まったカラーがこちら。
黒のモールテックスもこだわりのお客様のご要望でちょっと赤が入っているんです。
モールテックスは形だけではなく色も無限の可能性があります。
この他にも現在進行中で大きな大きなモールテックスの工事が進行中なのですが、これも諸事情でアップすることができなくて
本当に残念
まだまだモールテックスは続いています・・・・
12年経って再び
こちらは12年前に外壁改修を施工させていただいた住宅です。
もともとはコンクリートに塗装を塗っていた住宅で、ホームページからのお問い合わせで「冬場の結露がひどくて困っている。なんとか治らないでしょうか?」という内容でした。
お客様にヒアリングをしてみると、冬場になると、朝窓に結露がひどくてビシャビシャになり、家の中も湿気って床にまで水が溜まるということで、売りに出そうか治そうか悩んでいらっしゃいました。
そこで当社がご提案したのが、外壁をそっくり断熱材で包んでしまうという「外断熱工法」でした。
外壁に厚み80ミリもある断熱材を貼り付けます。
そしてその上に特殊モルタルを塗りつけ、壁全面にグラスファイバーメッシュを伏せ込みひび割れ防止策を施しました。
そしてその上にジョリパットで仕上げて完成
この工事で今まで10年以上悩んでいた結露がピタッと収まり、お客様にも大変喜んでいただけた仕事です。
あれから12年が経ちました。
そしてお客様の方から、外壁も多少色褪せたり、傷んできているので見て欲しいとのご連絡をいただきました。
そこで2種類の改修工法をご提案。
①ジョリパットフレッシュというローラーでこの上にジョリパット系の塗料を塗りつける。
②今の外壁の上に、もう一度ジョリパットを新たに塗る。
①の方がコストは安いが、既存のジョリパットに薄く塗料を塗るだけなのでメンテナンス効果は限定的。
②の方はコストは高くなるが、既存壁の上に新たにもう一層ジョリパットが塗られるので、長期的に強くなる。
そして今回は②の新規ジョリパット塗りが採用され、工事がスタートしました。
足場がかけられ、まずは外壁洗浄を行います。
やはり12年も経つと表面の樹脂が劣化しているのがわかりました。
その後、全面にプライマーを塗布し、新たな材料との付着力を高めます。
そして外壁全面にジョリパットの下塗りを施し、既存外壁のパターンを一度全部潰します。
今回新たに塗るジョリパットは、色も柄も前回と同じものなのです。
お客様が今の色と柄を気に入ってくださっていて、今回の塗り直しも同じものにしたいとのこと。
12年経った今回の施工メンバーは前回とは違います。
リーダーの高辻建二さんは引退されてもういません。
したがってニュージェネレーションでの施工となりました。
そこで、最近の特殊工事のルーティンである技能研修センターでの外壁仕上げのトレーニングを行いました。
12年前の壁と色を同じにするのは同じ材料を手配すればいいだけなのですが、柄まで同じにするのはなかなか難しいのです。
なぜならそれはすべて手作業だからです。
完璧に同じにはならないにしても、そこを目指さなければなりません。
細かい抱き部分も作り、塗りつけそして柄付けとトレーニング。
そして外壁仕上げに入りました。
篠岡くんが若手が塗っているのを見守って、細かく指示を出していました。
今回は、柄が揃わなかったところも少しあり、塗り直しも行いましたが、それも良い勉強になったことでしょう
こうして12年ぶりの塗り直しが完成しました
今回のジョリパットの材料は新商品のジョリパットインフィニティという色褪せしにくい高耐候性タイプのものを使用しました。
一見依然と同じように見えるけれど、バージョンアップした外壁が出来上がりました。