研修センターは賑やか
一年生は冬の時期、訓練校で技能照査の訓練があります。
今年は土曜日や祝日の訓練校がない日、池田先輩がコーチとなって一年生を指導してくれていたのは過去ブログでお伝えしましたね。
3月6日に技能照査の実技試験がありました。
結果、2人が最高得点、1人が次に高い点数という結果でしたーーー![]()
私も試験終了後現地に結果を見に行きましたが、どの課題が誰のかまったくわかりませんでしたが、
さらーーーっと見て、これとこれとこれが良いなーーと目をつけたのがなんと嬉しいことに当社の3名の架台でした。
よく出来ましたーー![]()
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池田コーチのお陰です![]()
池田コーチありがとう
これからも後輩の指導よろしくお願いします![]()
この訓練を行なっているとき、センター1階の左官ラボでは、たくさんのサンプルを作成していました。
まずはテラゾーカウンターのサンプル。
下の写真のような具体的な指示が来ており、その配合をゼロから考えます。
石の種類は何が良いか?
テラゾーのバインダーの色も具体的に色指定されているので、それを合わせるのがまずはひと仕事
なのです。
一口に緑といっても、たくさんの種類があります。
当社にある緑の顔料は5種類。
その中からお客様の指定に合いそうなマインをピックアップして、マインの配合量も何種類も作ります。
茶色も同じように色合わせを行いますが、テラゾーカウンターは最後にコーティングを施すので、
コーティングを施した状態で色を合わせるのがまたひと苦労なのです。
このようにしてバインダーの色をある程度決めた後は、テラゾーに入れる石の選定です。
バインダーは好きなように色を変えることができますが、石は色を変えることができません。
なので、お客様から頂いた写真をじーーーっと見て、石の選定を行います。
石の種類はもちろん、大きさも大事な要素です。
石が詰まりすぎてダメーーーさらに石の種類も違うなーーー![]()
これも大きな石が多すぎだし、緑の細かい石を入れたのが黒っぽく目立ってこれもダメーーー![]()
石の密度はまぁまぁ良いけど上と同様に緑の細かい石がダメだねーーー![]()
テラゾーのサンプル作成が難しいのは、材料を塗りつけてから乾燥させて表面を研磨しない限りサンプルと比較ができないこと。
なので、今までの経験による配合を活かしながら、勘で配合を決めていくのです。
こうして、細かい配合を変えながらたくさんのサンプルを作成して改善に改善を重ね、お客様のご要望に近づけていくのです。
ここまでのこだわりが中屋敷左官工業です。
そしてお客様に承認いただいたものがこちらです。
上半分がコーティングを施した完成状態です。
先ほどの写真比べても良い感じになったのが、お分かりいただけると思います。![]()
ここまでのプロセスはなかなか苦労するのですが、この準備作業がなにより大事なんですよねーーーー
そしてこの徹底的にこだわるプロセスが当社の新しいノウハウに蓄積され当社の成長につながっていくのです。
研修センターの価値
当社の左官技能研修センターも早いもので建設から8年半が経ちました。
ほんと早いなーーーー
建物もまぁまぁの大きさなので、こないだ初めてのお客様にご挨拶させていただいたときにも「あー石狩の会社ね?」と言われてしまい「いえ、あれは職人育成のための研修施設で会社は札幌なんですー」とお伝えしましたが、研修センターが会社だと思われている方もいらっしゃるんですね。
確かに本社より研修センターの方が大きいので勘違いされてもしょうがないですね。
研修センター建設当時は、周りから聞こえてきた声の中には「人材育成にそんなにかけてどうするの?」なんて言葉もありました。
当社にとっては大きい投資でしたし、今でこそ研修施設を作り始めている専門工事業者も増えてきましたが、当時は全国見てもほとんどなかったですもんね。
ですが、
今思うと、もし研修センターがなかったら・・・・当たり前ですが今の当社はありません。
なぜそこに踏み込めたのか?と振り返ると、過去ブログでも書きましたが、「どこを見て企業を運営するのか?」という一言に尽きると思います。
今ももちろん大事なのですが、それと同じくらい大事なのが5年先、10年先を見ることだと私は思います。
私は未来を見ていたからこそ、あの当時に研修センター建設に踏み込めたのだと思います。
今振り返ると、もし研修センターがなかったらと思うとぞっとします・・・![]()
技能検定のトレーニング
さまざまな社内技術研修
土間研修
補修研修
モルタル研修
技能五輪や競技大会のトレーニング
などの技能者の育成はもちろんのこと
サンプル作成や新しい材料の試験施工
家具もたくさん作りましたねーーー
この10年間でどれだけ作ったでしょうか?
扉などもここで作っておければ、現場で取り付けるだけで完成!
これによりどれだけ現場の工期短縮に役立ったでしょうかーーー
難しい工事のモックアップ
モックアップに実際に使われる照明を当てて、設計事務所様にプレゼンしたり
大きな壁をたくさんの人数で仕上げるため皆、同じテクスチャを出せるように練習架台でトレーンング
採用のための塗り壁体験会ができなければ今のように採用も出来なかったでしょう![]()
近年では左官組合の仲間を集めて特殊講習会も開催しています。
こうしてあらためて見てみると、研修センターの価値は非常に大きなものですが、
先日お伝えした住友林業さんの視察で大きな刺激を受け、研修センターの価値を今一度洗い出して、さらにもう一段レベルアップをしよう思っています![]()
「目指せ、研修センターのレベルアップ
」
オーストラリア視察 その②
今回のオーストラリア視察では、職業訓練校に視察に行くことができました。
ここは私が興味深い場所。
伺ったこちらの訓練校は政府系の職業訓練校です。
こちらの学校では建設業だけにのみならず、オーストラリアの調査で特定された15の最重要技能不足分野のうち12分野をカバーしており、ホスピタリティや美容師などもあるとのこと。
この日私たちは建設業の部門を視察しました。
実習場、でかーーーーい![]()
まずは大工さんのトレーニングエリア
住友林業さんもそうでしたが、こちらも小さい住宅のモジュールを作ってそれで実習を行なっているそうです。
下の写真のように同じ課題がたくさん並んでいました。これだけの課題を生徒一人一台やれるのはいいですねーー
こちらは木工の作業所。
家具を作る実習もあるそうで、
図面も黒板に書かれてありました。
この教室も大きく広々として実習が出来て羨ましいーーーー![]()
こちらはドライウォールアンドプラスターのエリア
技能五輪の国際大会と同じ枠組みですね。
やはり世界標準はドライウォールとプラスターはセットなのかな?
天井周りにはモールディングが取り付けてあり、これもプラスターの仕事。
つづいてこちらはタイルのトレーニングエリア。
タイル屋さんは防水まで一緒にやるそうです。
当社も流しや浴室、浴槽をやるときは防水までやるので、似ているかな。
でも、やはりここのトレーニング課題もしっかりしていますね。
このぐらいのスペースがないとやはりきちんとしたトレーニングは難しいかも・・・
続いては基礎工事のエリア。
型枠も鉄筋も一緒に施工します。
オーストラリアは住宅産業向けの実習が多く、大規模ビルディング向けの実習はなかったですね。
しかし、どのエリアを見ても実習場がとても充実していると感じました。
公共の学校だからこそ、この規模で出来るのかな・・・
民間でこれだけの学校を運営するのは難しいと思いました。
オーストラリアの人口は2,800万人ほど。
日本と比べても圧倒的に少ない国なのに、人材育成にこれだけの施設とお金をかけていました。
かつてはものづくり大国日本と呼ばれていたのですから、もう一度日本が復活するためにも、教育に予算をもっとかけても良いのではないでしょうか。
教育も学校教育ではなく、社会に役立つ職業教育に是非もっと予算をかけてほしい
そんなことを強く感じたオーストラリア視察でした。
オーストラリア視察 その①
住友林業の視察を終えた私はそのまま次の場所へ。
その場所とはなんと!
オーストラリア![]()
一般社団法人 建設産業専門団体連合会、通称「建専連」という私たちのような専門工事企業の集まりの組織があります。
その建専連が毎年行っている海外視察がありまして、今までお声かけをいただいておりましたが参加できず、今回初参加させていただきました。
みなさん、大工さん、鉄筋屋さん、鳶さん、圧送屋、塗装やさんなどの業界の社長さんばかり。
その他、国土交通省の方やCCUSの建設業振興基金の方、さらには大学教授も交え総勢30名を超える大所帯でのツアーです。
22日日曜日の夜22:45羽田発の飛行機に乗り、シドニーに向かいましたーー![]()
無事にシドニー空港に到着したのは23日の午前10;30
シドニーとの時差はおよそ2時間。
空港に到着後入国手続き等を無事に終え、バスに乗り込み向かうは首都キャンベラ。
シドニーからはバスでおよそ3時間半
オーストラリアは夏![]()
飛行機で10時間、バスで3時間半の長旅を終え、ホテルに到着したと思ったら「30分後にホテルの会議室集合でーーーす
」
Tシャツに短パン?と思いきや、なんとなんと、スーツにワイシャツ、ネクタイなんですーーー![]()
到着早々、いきなりオーストラリアのお役所の方々との会議がスタート![]()
午後17:30に会議を終え、視察団の会食でこの日は終了。
翌日も朝9時からホテルで会議からスタート![]()
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この日は建設業の元請け団体との会議。
オーストラリアもインフレや人件費高騰などによりこの5年間で建設コストが1.5倍になったそうです。
世界中、同じなんですね。
この建専連の視察の目的は、建設業のさまざまな問題点を日本の中だけではなく、世界の国々の建設業を知ることで、新たな解決策を知る。そんな風に私には感じられました。
今回初参加の海外視察。
もっとゆる〜く、楽しい感じの半分旅行的なものかと勝手に思っていたのですが、4日間の滞在中、ほとんど会議や視察で、
自由時間は最終日の午後の半日だけでした。
正直びっくりしました。
さらに、参加者の皆さんが大変勉強熱心だったこと。
会議の間、ほとんどの方がメモをとっていました。
この業界の先頭を歩いている人たちはさすが皆、勉強熱心でした![]()
今回の視察でオーストラリアの役所、元請け団体、住宅産業協会、政府系職業教育訓練施策NPO、などとの会議において
共通していたこと。
①技能者不足
若者の多くは大学を卒業するので、技能者になろうと思う人間が少ない。
若者は手を動かして仕事をすることに興味を持たない。
日本と同じように技術者の人材不足、担い手不足。
外国人労働者は20%
職人不足で工期が長くなっている
若者にとって魅力的な業界にしなければならない。
②建設コスト増
規制が増えているので、生産性が落ちる。
ライセンシングがコスト増につながっている。
オーストラリアの建設業は資格要件がさまざまあって大変らしい。
建設業は人材不足と生産性が低いことが顕著である。
大学などの高等教育を受けたものより、職業教育訓練を受けた子供を増やしていかなければならない。
今後A Iが増えていくことで、仕事の内容が変わっていく。
このようなことが私の心に残った内容でした。
建設業はオーストラリアでは3番目に高い年収らしいのですが、それでも技能者が増えないそうです。
建設業の技能者不足は世界共通なのですね。
続く・・・
技能教育の難しさ
先週は住友林業建築技術専門校を訪問したお話しでした。
技能五輪国際大会の視察。
見学している時のこと。
遠藤先生が訓練施設を案内してくださったのです。
校舎から車で移動して到着した訓練施設がこちら。
でかーーーーーーーーい![]()
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小さめの実物の家を何棟も作ってるんですーーーー![]()
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屋根までしっかり作ってあるし、窓枠サッシも本物が付いているし、徹底していました。
一棟づつに生徒さん数名がついて作業を行っていました。(下の写真の右端に写っているのが訓練生)
そして、緑のヘルメットをかぶっている方が教官と呼ばれる方で、
教官は施設内に1人だけでなく、あちらこちらにいて、若手の教官の方もいらっしゃいました。

「そうだよなーーーー」と呟く私。
このくらいまでやらないと技能者の本当の教育は難しい。
札幌の訓練校が4月からまた始まりますが、私個人的にはここ数年、今の訓練校の施設では限界を感じていたところなんです。
ここに来たのはやはり必然なのかな・・・。
下の写真は基礎工事の型枠です。写真では見えづらいかもしれませんが、基礎の鉄筋まで組んであります。
型枠はもちろん、鉄筋まで自分たちで組み上げるそうです。
ここまでしっかり教育出来れば、現場に出てもうまく馴染めると思いました。
聞くところによると、以前は一棟だけだったそうですが、樋口校長に変わってから「こんなのではダメだ!
」と何棟にもなったそうです。
ほんと、おっしゃる通りです![]()
下の写真が左官エリアです。
壁と開口部があって、出角のコーナーがあって、下がり壁があって、この木の下地にラス金網を固定してモルタルを塗るのです。
開口部周りもあり、基礎周りのモルタルも練習できるようになっています。
足場がかかっている場所もあり、足場上での作業もしっかり練習でき、
安全対策も学べます。
ほんと、ほんと、羨ましい限りです。
でも、ここまでのことは住友林業さんのような大企業だからできる施設です。
私たちのような専門工事企業単独ではここまでは出来ませんし、今私が携わっている札幌左官高等職業訓練校でももちろん出来ません。
技能を習得させるためには、実習が何より大事です。
実習を行える環境が必要ですが、それには大きなお金がかかります。
デスクワークの職業訓練であれば、教室とパソコンさえあればなんとかなるでしょうが、
技能者を育成するにはこのぐらいの施設がなければやはり難しい。
昭和の技能者がまもなくいなくなり、早急に未来の建設技能者の担い手を作らなければ、建設業の未来が危うい今の日本。
行政とコラボして何か出来ないのかな?
例えば、休校になった校舎を活用させてくれるとか・・・
住友林業さんの施設を見させていただいて「今のままではいけない
」とビンタを張られた気分でした。
偶然見つけた、ある大臣の国会での発言の中に「当たり前ですが、人材に投資できる仕組みにしていくことで、経済の好循環が生まれます。」とありました。
果たして、人材に投資できる仕組みとはどんな仕組みにしてくれるのだろう?
今日本に足りない、職業教育に投資してくれると良いな。
色々深く考えさせられた視察でした。
ありがとうございました![]()
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