国家戦略会議・岩田一政さん・経済社会構造に関する有識者会議・日本創成会議 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

国家戦略会議・岩田一政さん・経済社会構造に関する有識者会議・日本創成会議

秘書です。
国家戦略会議は、中長期ビジョン策定の大平研究会方式から、再び、重要な政策決定の司令塔に戻りつつあるようですね。
TPPもやる、そして、社会保障と税の一体改革もやる、と。
この「決心変更」の裏には、国家戦略会議を司令塔にしても、この司令塔をグリップできる裏司令塔があるから安心、ということがあるのか。
だとすると、国家戦略会議の司令塔(ペーパーが書ける人)は誰か?
ペーパーを書くのは事務方ですよ、そこを確保したから議題が幅広になったんですよ、というのでは国家戦略の名がすたりますね!


国家戦略会議、月内に初会合へ
(17日20:01)TBS
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4853792.html
 政府は、重要な政策決定の司令塔と位置づける「国家戦略会議」の準備会合を開き、今月中に初会合
を開催する方針を確認しました。
 「政策の方向をリードしていく、そういう役割を担っていくことになると。大きな枠組みの中で大きなスコープの中で、国家の重要政策について取り扱うことになろうかと」(古川元久国家戦略相)
 新たに設置する「国家戦略会議」について、古川国家戦略担当大臣はこのように述べ、国内外の重要政策の司令塔として重要基本方針をとりまとめるとともに、中長期的な国家ビジョンの構想も行うとの考えを示しました。
 メンバーは、議長を務める野田総理のほか、藤村官房長官や古川大臣ら閣僚6人と民間の有識者数人で、月内の初会合の開催を目指しています。国家戦略会議では今後、年内の作成を目指している「日本再生戦略」の議論を行う予定です。
 また、一時、藤村官房長官が国家戦略会議では扱わないとの考えを示していたTPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉への参加問題や社会保障や税の一体改革についても議論する見通しです。
 ただ、重要政策の決定プロセスについては、すでに党の政策調査会を経て政府民主三役会議で決定する仕組みがあり、国家戦略会議がどのような役割を果たすのかは、はっきりしていません。

→昔、経済財政諮問会議発足前、宮澤喜一蔵相が「経済財政諮問会議はお茶でも飲みながら大所高所、骨太の議論をしてもらえばいい」といって、竹中経財相は、この「骨太」を逆手にとって、骨太の方針をつくりましたが、古川発言はどうでしょう?

国家戦略会議発足へ 財政・エネルギーなど議論
(10/18 05:53) ANN
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/211018002.html
政府は、重要政策の司令塔として新たに置く国家戦略会議のメンバーを固めました。今月中に初会合を開き、エネルギー問題など中長期的な戦略がテーマとなります。
 会議は野田総理大臣をトップに、財務大臣や外務大臣、経済産業大臣ら6人の閣僚のほか、日銀の白川総裁や経団連の米倉会長、連合の古賀会長ら6人の有識者が加わります。また、議論の対象には、内政や外交にまたがる重要政策を中心としていて、財政健全化やエネルギー問題、新成長戦略などが協議されます政府は今月中に初会合を開く予定ですが、これまでの政府の会議との住み分けが不明確で、どこまで司令塔の機能を発揮できるかが課題になります。

→中長期ビジョンなら、白川日銀総裁は出席する必要がないでしょう。それは時間の浪費というもので。日銀総裁が出る以上は、「円高・デフレで増税したらどうなるのか」「円高・デフレでTPPに入ったらどうするのか」を労働界も含めて議論していただかないと!

国家戦略会議 TPPも議題に
10月17日 20時55分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111017/t10013323861000.html
野田総理大臣らは、総理大臣官邸に創設する「国家戦略会議」の準備会合で、当初扱わないとしていたTPP=環太平洋パートナーシップ協定や社会保障と税の一体改革について、一転して国家戦略会議の議題とする方針を決めました。
野田内閣は、重要政策を統括するための司令塔として、国家戦略会議を近く創設する方針で、野田総理大臣のほか、藤村官房長官、古川国家戦略担当大臣、玄葉外務大臣ら6人の関係閣僚が、17日、準備会合を開き、会議の枠組みについて最終的な調整を行いました。その結果、会議のメンバーについては、野田総理大臣を議長とし、政府側から6人の閣僚が参加するとともに、民間からは閣僚と同じ程度の人数を起用する方針を決めました。また、会議の役割については、日本の再生戦略を年内に取りまとめることを第一に位置づけたうえで、当初扱わないとしていたTPPなど諸外国との経済連携や社会保障と税の一体改革も、一転して会議の議題にする方針を決めました国家戦略会議を巡っては、藤村官房長官が先の記者会見でTPPや一体改革も主要テーマになるといったん発表したあとに撤回し、17日、再び復活させるなど、政権の方針が定まらない状況が続いています。これについて藤村官房長官は、記者会見で「国家戦略会議はまだ発足しておらず、途中経過でいろいろ議論があるということだ」と釈明しました。

→民間メンバーでペーパーが書けるのは誰?

民間議員に緒方貞子氏らを内定 国家戦略会議
2011.10.18 00:16 産経新聞
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111018/plc11101800170000-n1.htm
 政府は17日、重要政策を議論する「国家戦略会議」の民間議員に、国際協力機構(JICA)の緒方貞子理事長、元日銀副総裁の岩田一政・日本経済研究センター理事長らの起用を内定した。21日に会議の設置を閣議決定、正式発足する。
 戦略会議は、野田佳彦首相を議長に、国家戦略担当相、官房長官、総務相、外相、財務相、経済産業相と民間議員で構成。民間議員には緒方、岩田両氏のほか、経団連の米倉弘昌会長、経済同友会の長谷川閑史代表幹事、連合の古賀伸明会長、日銀の白川方明総裁の起用も内定した
 一方、首相と関係閣僚が17日、官邸で準備会合を開き、戦略会議の対象外としていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や社会保障と税の一体改革も扱うことで合意した。

→経済財政運営では、岩田一政さんということになりますね。岩田さんは、小泉政権発足当初の内閣府第3政策統括官であり、「骨太の方針2001」の原案作成に大いに貢献した方です。その後、日銀副総裁、経済財政諮問会議民間議員を歴任。岩田さんがどういうスタンスにでるかが、日本の行く末を決めるかもしれないとっても重要なポジションです。

→この点で気になるのが昨日の下記の記事。


インフレで財政再建は無理=過大な税収増を否定-内閣府
(2011/10/17-19:49)時事通信
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2011101700754
 内閣府の経済社会構造に関する有識者会議(座長・岩田一政元日銀副総裁)は17日、インフレによる物価上昇によって名目成長率を高めて税収を増やしても財政収支は悪化する可能性が高く、財政再建はできないとする中間報告をまとめた。消費税引き上げ論議の際に民主党内などから出たインフレによる財政再建論をけん制する狙いがある。
 報告書は、名目成長率が1%高まると税収が何%増えるかを表す「税収弾性値」が2000年代以降は平均で4を超えていることについて、税制改正の特殊要因などが作用したためで、その影響を除くと実際は1強と指摘。わずかな名目成長が大きな税収増をもたらすとの考えを否定した。

→この報告書が国家戦略会議の経済財政運営の議論のベースになる可能性がかなり高いように思われます。国家戦略会議の発表と重なっていますからね。そして、座長は岩田一政さん。
http://www5.cao.go.jp/keizai2/keizai-syakai/k-s-kouzou/shiryou/k-s-3kai/k-s-3kai.html

→日本経済研究センター理事長としてのコラムでの注目発言は以下の通り。

9月20日 スイス中央銀行の無制限介入―国際通貨制度の大変革につながる可能性
http://www.jcer.or.jp/column/iwata/index.html

・・・

スイス・フランのユーロ・ペッグと目標相場圏
 今回のスイス・フランのペッグ制度への回帰は、国際通貨制度の大きな変革につながる可能性がある。すでにユーロは、急落局面に入っている。2001年には1ユーロが88円にまで低落し、日米欧の協調介入が実施された。
 他方、ドルの名目実効為替レートは、2002年以降、減価トレンドにあり、1970年以降の最低値を更新している。スイス・フランに対しても、2002年には1ドル=1.7スイス・フランであったが、足元では1ドル=1.1スイス・フランとパリティ(等価)水準近くまで低下している。
 ユーロ財政危機が、金融部門での危機へとフィードバックし、ユーロのみならずドルが、急落するようになれば、国際通貨制度全体の安定性を維持することが困難になろう。
 かつて日本は、1985年のプラザ合意以降の円急騰に対して、1987年2月にルーブル合意によって「為替レートの現行水準近傍」(ルーブル合意前日は、1ドル=153円)での安定を図ったことがある。また、2003年から2004年にかけての財務省による35兆円規模の大規模介入の際には、暗黙の目標レートは、1ドル=110-120円のレンジであった
 円の更なる急騰を回避し、国際通貨制度の安定性を確保するために、9月下旬のG20財務相・中央銀行総裁会合に向けて、為替レートの国際的な調整のための準備を開始すべきではないだろうか。目標レンジとしては、先陣を切ったスイス・フランとユーロの関係を出発点に、ルーブル合意での為替レートの現行水準近傍を見習うとすれば、「1ユーロ=1.2スイス・フラン=1.3ドル=105円」(1ドル=80円程度)となる。

5月17日 年金の部分的民営化で世代間格差是正を-ジュネーブ報告会議で「政府債務」を議論
http://www.jcer.or.jp/column/iwata/index284.html
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2001年に発足した経済財政諮問会議は、経済審議会の発展形態であったこともあり、あくまで総理大臣に対する諮問の役割を担っていた。このため、実際の予算編成プロセスそのものを変革するまでの力はなかった。しかし、総理大臣がリーダーシップを発揮する場合には、かなり踏み込んだ政策を提案しうる機関であり、予算編成過程に関わる手続き上の透明性を格段に高めた。中長期の財政政策の枠組みに関しても、内閣府試算が財政諮問会議での議論の参考資料として作成されるようになった。しかし、あくまでそれは参考資料であり、現実の予算編成においては、財務省の中期財政フレーム(後年度影響試算)が用いられ、予算編成やその効果の検証など本来期待された役割を果たすに至っていない。
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ところで、賦課方式で運営される公的年金は、勤労世代が保険料を支払い、退職世代が給付を受ける仕組みである。これに対し、積立方式の場合には、個人が拠出した保険料が積立てられ、給付される。従って、賦課方式で運営される公的年金は、後世代に負担を先送りする赤字国債の発行と同じ機能を果たしていることになる。
日本は、個人の生涯を通じる財政上の負担と便益の大きさを示す「世代会計」が存在する国の中で、最も世代間格差の大きい国である。この世代間格差を是正する一つの有力な方法は、基礎年金を税方式に改め、報酬比例部分(二階部分)を積立方式に改めること(部分的な民営化)である。

3月17日 緊急事態対応-3月末までに5兆円規模の震災対策を
http://www.jcer.or.jp/column/iwata/index271.html
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政策対応
 金融面では、日本銀行が金融面で潤沢な資金供給を行っていること、35兆円の基金を40兆円に拡大していることもあり、円高を抑制するよう作用している。しかし、介入政策の備えは必要だ。
 日本経済の自律回復力はまだ脆弱であり、財政の対応力も低下している。IMFの見立てによれば、日本の「フィスカル・スペース」は、残念ながらゼロである。
 活用余地が限定された財政面での対応を工夫すべきだ。まず、第一段階として3月末までに、予備費と子供手当て・高速道路料金引き下げ・戸別農家所得補償など新規施策の廃止による歳出の組み替えによって総額5兆円規模の「経済復興補正予算」を与野党一致で作成すべきだ。その財源を被災地・被災者支援、インフラ整備、経済活動正常化、原発事故処理に充当すべきである。
 第2段階としては、同規模以上の「復興税」を化石燃料使用に臨時的な措置として課し、その財源を新たなエネルギー開発・創出および安全基準引き上げに伴う原子力発電所の整備に充当することによって、中長期的に日本の電力供給を確保する体制を整えるべきだ

→岩田一政さんには、中川の勉強会で講演をしていただいたこともありました。下記はその勉強会直後の当ブログです。

2011-03-17 11:26:56
岩田一政先生に緊急事態対応を学習しよう!
テーマ:秘書ひしょ
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10833061897.html
私はこの勉強会で、
①95年の阪神淡路大震災以後の「行きすぎた円高」がその後の非正規雇用拡大の原因
②国債については、EUの欧州金融安定基金のように政府と中央銀行が共管で国債買い入れ基金とするということが考えられる。
ということを学習いたしました。
これこそ、国家戦略会議で議論すべき大テーマですね。


→国家戦略会議には、もう一つ、司令塔(ペーパーを書けるところ)になりうるところがあります。今朝の読売新聞13面「論点」に、増田寛也・元総務相(安倍政権時代)が『「アジア電力網」検討を』と書いています。この文の中に「日本創成会議」の名が。そして増田さんのプロフィールには、日本創成会議座長と。

日本創成会議とは
http://www.jpc-net.jp/sousei/siryo4.pdf
座 長 増田 寛也 東京大学大学院客員教授
秋草 直之 富士通相談役
牛尾 治朗 ウシオ電機会長
大田 弘子 政策研究大学院大学教授

落合 清四 UIゼンセン同盟会長
古賀 伸明 日本労働組合総連合会会長
佐々木 毅 学習院大学教授
椎名 武雄 日本アイ・ビー・エム名誉相談役
數土 文夫 JFEホールディングス相談役
橘・フクシマ・咲江 G&S Global Advisors Inc. 社長
新浪 剛史 ローソン社長CEO
樋口 美雄 慶應義塾大学教授
薮中三十二 前外務事務次官・立命館大学特別招聘教授
主 査 野村 修也 中央大学法科大学院

→小泉構造改革に寄与されたそうそうたるメンバーが。そして、古賀連合会長は、国家戦略会議のメンバーでもあります。