1244)三岐鉄道三岐線(2)東藤原から終点西藤原へ、ここに保存車両が2両 | 千葉の鉄道、そして Now & Then

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 の続きです。

 

 三岐線 東藤原です。12:52発の下り列車が入ってきました。

 もと西武車を三岐オリジナルカラーに塗り替えたクモハ102+クモハ101(←富田方)です。

 こちら側の線路には旅客列車が、向って右側の線路には貨物列車が発着します。

 

 発車すると、右側に太平洋セメントの工場につながる専用線(もう引込線か?) が並走しながら少し坂を下り、本線は左方向へと離れてゆきます。引込線は水平を保ったまま工場へ吸い込まれ、さっきのタキ列も見えます。

 本線の位置が下がり 工場を見上げる位置まで進むと、工場建屋の先の方にまで積み下ろし線が突き抜けて 水平に高く高く続き、印象的な光景が広がっていました。帰りに車窓から撮る気になっていましたが、帰路では雑木林から不意に現れる状況で 撮りそこなってしまいました。

 

 終点、西藤原。今でも機回し線は使えるのかな?

 ここは 昭和52年8月に藤原岳~御在所岳登山で降り立ったところ。

 駅前広場で友人と準備体操をして夜明けの頃に登山を開始した地点。アプローチは短く、じきに登りにかかった記憶があります。そして、当時から階段状に削られていた山肌を登山路左側に間近かに見ながら登って行ったのでした。それ以降の記憶はおぼろげ。山頂での写真しか無いし、一緒に登ったM君は若くして病気で亡くなってしまいました・・・。

 

 

 西藤原のホーム反対側には歴代の保存車両が。

 伊吹山のふもとの石灰石(セメント)工場で働いていた「いぶき502号」電機もかつてはここにいたそうですが、保々で解体されてしまったとのこと。・・・伊吹山の石灰石、かつて東海道本線を下って近江長岡へカーブしながら到着する際に、右手に数本(3~4本並んでいたか)の専用線があり、ときには貨物が並んで止まっていたものでした。無蓋車(トラ車かトキ車?)だったように思いますが、また見たい。と思って 通るときはたいてい目を凝らしていたのですが、S50年代に貨物は全く見なくなり、いつのまにか専用線も無くなってしまいました。

 

 ED22 は信濃鉄道が1926年と1927年に3両製造、戦時買収により国鉄へ、その後3両ばらばらに譲渡されたが、2017年現在、ED22 1が弘南鉄道で現役、ED22 3がアルピコ交通新村車庫で保存と 3両とも現存している。(文は 保存会HPから引用させていただきました)

 

 下車して反対側からもじっくり見たいものですが、時間が無かった・・・。

 

 

 1931年汽車会社製 E102号蒸気機関車
 三岐鉄道の開業時に用意された蒸気機関車、その後大阪セメント伊吹工場に移籍。
 そこでも セメント列車を引いていたそうです。

 

 折り返し発車する上り電車車内から。

 E102号を撮っていたら「時間になったら(上り電車は)発車しますよ」と催促されてしまいました。すいません。

 

 

 

 上り電車で撮影地を探しながら 貨物列車を撮ることにします。

 丹生川~三里間での、県道240号線が三岐線を超えるあたりが候補なのですが、駅間のちょうど中間点になります。上りで「線見」してから三里で下車して向かうことにしてしまったのですが、いや、これが間違ったようで、あとで苦難を迎えます・・・

 

 三里を発車してゆく近鉄富田行き(あと追い)。

 南側も北側も、西から東へ流れる川に沿った低地に はさまれた高台に位置します。

 

 その低地に広がる田んぼの区画や小川がある関係で、こちら側から向かうと大変な大回りにまることがわかり、がっかり。丹生川からならほぼまっすぐ向かえたのに・・・。

 

 しかたなくここで↓

 

 13:39 502レ 丹生川~三里 

 全くのどかな田園地帯に殿様列車登場!! バックに東藤原のセメント工場。

 ED457+ED459+ホキ1000形4車。

 ホキ1000形は 炭酸カルシウム&フライアッシュ輸送車。太平洋セメント所有、東藤原駅常備、35t積です。

 三岐鉄道では、JR貨物・衣浦臨海鉄道 との間で直通往復輸送を行っていて、三岐貨物の輸送量の25%がこの輸送だそうで。

 具体的には、愛知県碧南市にある石炭火力発電所から排出されるフライアッシュ(石炭灰)を衣浦臨海鉄道→JR貨物→三岐鉄道の三社経由で 太平洋セメント藤原工場まで運び、同工場でフライアッシュを取下ろした後、同貨車に炭酸カルシウムを積込み、逆経路で石炭火力発電所へ運ぶものです。

 これによって太平洋セメントで生産されるセメントの質が 強度や滑らかさの向上でいっそうよくなったり、火力発電所では 石炭などを燃やすときに発生する二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が大気汚染や酸性雨など環境破壊の原因になるところ、排煙脱硫装置を設置して亜硫酸ガスを除去しています。この亜硫酸ガスの除去に効果的なのが、石灰石を粉砕して出来た炭酸カルシウムとのこと。

  

 欧州諸国に批判されがちな環境問題(火力発電削減~廃止へ)への対応や 将来の新技術開発で、現在絶妙なWIN-WINの関係にあるこの相互輸送が今後どうなってゆくのか、もし廃止されてしまうとなれば 三岐鉄道の存廃にかかわるのではないか?など心配されることではあります。

 

 (以下、次号へ