先日第2045回

第2046回引き続き

10月25日(土)98歳(!)桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテット指揮によるN響第2047回定期公演(10月Cプロ定期2日目)聴きにこの日丁度90回目の誕生日を迎えた母を伴いNHKホールへ。













スクランブル交差点渡った先ビルデジタルサイネージ広告には、"NHK Classic Fes.2025"PRが。




































今回は、オール・ブラームス・プログラム

第2045回定期第2046回定期は、チケット完売と言われつつもホールに入ってみればちらほら空席が見受けられたのですが、今回ほぼぎっしり


前半は、レイフ・オヴェ・アンスネスソリストに迎えてのピアノ協奏曲第2番

アンスネスブロムシュテット&N響と云うと、やはり2011年9月の第1707回定期公演に於ける、

安易な甘い感傷に堕した演奏とは一線を画した清冽な抒情性に充ちたラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番の超名演が思い起こされるところであり(その後2023年10月の第1994回定期公演に於いてベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」での協演も予定されながらブロムシュテット来日中止:尾高忠明が代わりに指揮した同公演もそれはそれで悪くはなかったのだけれど)、

そのアンスネスとブロムシュテットが、古今東西のピアノ協奏曲の中でも技術的至難さとスケールの巨きさそして内容の品位の高さ・奥深さに於いて最高峰に挙げられ得べきブラームスの2番の協奏曲再協演するとあって、発表時からそれはもう楽しみに・・・・。

第1楽章冒頭の、今井首席ホルンのソロによる第1主題の提示寄り添うアンスネスのピアノの、何という期待どおりの水際立った美しさ!その後のカデンツァ風楽句力感を満たしながらも造型感をも併せ持った演奏。そして改めてのオーケストラのみの提示部に於けるブロムシュテット&N響の、第1主題の宏壮さ第2主題の一抹の哀愁の表出素晴らしさピアノが加わっての再びの提示部ますますの宏大さ充実した展開部、そしてその終盤から再現部冒頭にかけてのアンスネスのソロのデリカシー壮大に締め括られたコーダ此処迄既にこの作品を聴く歓びに満たされました

その独特の拍節構造の故にしばしば破綻が起こりがちなスケルツォの第2楽章でも、アンスネスブロムシュテットと息を合わせつつ構造感と運動性を打ち出した充実した演奏を展開中間部オーケストラの総奏が一段落した後のこの楽章のいわば一番の「鬼門」である "sotto voce" "legato" と指定されたピアニッシモの両手オクターヴのパッセージも、アンスネス落ち着いてその指示に相応しい演奏を聴かせていました

第3楽章冒頭辻本首席による美しいチェロのソロに続くアンスネスのソロの密やかさ中間部ほの暗い情熱を経て、主部が回帰する部分での辻本首席のソロを彩るアンスネスによるオブリガートは絶品でした。

"Allegretto grazioso"一見(一聴)軽やかながらその実オクターヴや重音のパッセージの連続する、この曲の最後の難関の第4楽章も、主要主題第2副主題アンスネスのまさに "grazioso" なソロ第1副主題ブロムシュテット&N響哀愁漂うラプソディックな表現により、充実した形で締め括られました

これ迄に接したこの曲の実演と云うと、2013年1月N響第1746回定期公演に於けるエレーヌ・グリモーデーヴィット・ジンマンによる名演

そして何といっても1994年11月のN響第1245回定期公演に於けるアンドラーシュ・シフとウォルフガング・サヴァリッシュによる超名演が脳裏に浮かびますが、

漸く今回それに比肩する名演に出逢うことが出来ました

ソリスト・アンコールは、(初日もそうだったようだが)ショパン/24の前奏曲~第8番嬰ヘ短調。どうせならブラームスの晩年の小品のいずれかにして欲しかったけれど、24の前奏曲の中で私が好きな曲の一つである第8番を、アンスネスの繊細かつ端正な佳演で聴くことが出来たのは、眼福ならぬ耳福でした。



後半は、交響曲第3番
ブロムシュテット指揮のもとによる、第1楽章冒頭の和音に続く第1主題の下降音型の力強い勢いによる提示、そして第2主題の提示の素朴さと後半の弱音のデリケートさの表出小結尾の情熱を経て一層の力強さを以ての提示部の反復更に情熱を増して突入した展開部前半のうねるような凄まじさ再現部後半の凄絶さ穏やかなコーダ
第2楽章第1主題の素朴な雰囲気第2主題物哀しさ、そして全体をつつむ親密さ表出
第3楽章主部有名な主題のやや速めのテンポながらも憂愁を充分に感じさせる演奏と、中間部深沈とした趣
第4楽章冒頭の、あたかも地底をうごめくような不気味な第1主題の提示その後の爆発雄渾な第2主題の提示展開部後半から再現部にかけての嵐のような凄絶さ、そして静穏に閉じられたコーダ懸念していたフライング・ブラヴォーやフライング拍手で余韻が台無しにされることもなく無事終了
ブロムシュテットの指揮この曲聴いたのは、2019年11月N響第1925回定期公演以来記憶していますが、疲れを感じさせないでもなかった前回に比べ、

98歳での今回の演奏の方がずっと気力の充実した若々しく情熱に充ちた名演でした。
この曲の実演と云うと、1994年11月N響第1244回定期公演に於けるサヴァリッシュ壮絶としか例えようのない超名演、そして2013年9月N響第1761回定期公演に於けるブロムシュテット自身名演思い浮かびますが、

今回の演奏も、それらと並んで記憶に残るものとなりそうです。

今回の公演、単に98歳のブロムシュテットが・・・・といった次元を超越した、普遍的な意味そう滅多に出逢えることのない素晴らしい名演だったと思います。充分満足したようでした
















ソロ・カーテンコールは、

・・・・2回!








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