10月25日(水)N響第1994回定期公演(10月Bプロ定期初日)を聴きにサントリーホールへ。

























前半は、レイフ・オヴェ・アンスネスソリストに迎えてのベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

アンスネス実演に接したのは、確か2016年11月N響第1848回定期公演に於けるデーヴィッド・ジンマンとのシューマン/ピアノ協奏曲以来の筈ですが、

何と云っても印象に残っているのは、2011年9月N響第1707回定期公演でのブロムシュテットとのラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番名演で、

今回再びブロムシュテットとの顔合わせ今度は「皇帝」が聴けると云うことで(2010年4月N響第1671回定期公演に於けるルドルフ・ブフビンダーブロムシュテットによる「皇帝」素晴らしかった)、

大いに期待していたのですが。


さて、尾高さん&N響による第1楽章冒頭変ホ長調主和音総奏豊かで迫力ある響き、そしてそれに続くアンスネス明瞭なタッチで奏でるカデンツァ風楽句美しさからして惹き込まれました

オーケストラのみの提示部のとりわけ後半雄渾さソロが加わっての提示部に於けるアンスネスが奏でる第1主題・第2主題繊細さ展開部中程アンスネス&尾高さんの醸し出す緊迫感カデンツァ部分第2主題アンスネスデリカシー

第2楽章静謐さ精神性第3楽章躍動感

1996年10月N響第1301回定期公演に於けるゲルハルト・オピッツ&ホルスト・シュタイン、そして上述N響第1671回定期公演に於けるブフビンダー&ブロムシュテット等と並ぶ、ソリスト指揮者オーケストラ三者揃って充実した素晴らしい演奏だったと思います。

ソリスト・アンコールブラームス/幻想曲集Op.116~第6曲「間奏曲」がまた、「皇帝」とは趣を異にしたブラームス晩年の諦念の世界を、さらりとしつつも陰翳を以て表現した素敵な演奏でした。


 

後半は、ブラームス/交響曲第3番

第1楽章冒頭F-As-Fの音型とそれに続く第1主題響き充実ぶり展開部陰翳

第2楽章の特に後半の木管群絡み合い美しさ

有名第3楽章主部憂愁

第4楽章展開部後半から再現部冒頭にかけての凄愴さ

そしていずれも静かに閉じられる各楽章の終結美しい豊穣な響き…。


ブロムシュテット来日中止とても残念だけれど、アンスネス清冽な音楽性と、尾高さんのますますの円熟と深化感じられた公演でした。







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