長らく、新型コロナウィルスワクチンの接種のスピードが先進国の中で遅いと言われ続けていた日本。ところが6月以降、接種のスピードが少しずつ早まり、今週からは職場や大学での接種が本格的に始まりました。これまで、医療従事者や65歳以上の高齢者への接種の進み具合が不安になっていたワクチン接種が、64歳以下にも門戸を広げられたということもあり、感染拡大の落ち着きが少しずつ、見え始めたように感じられます。
新型コロナウィルスの感染拡大が日本で始まったのが2020年3月。この頃、日本中の全ての学校の一斉休校が行われ、遊興施設や百貨店が全て休業するようになるなど、人や経済の動きがストップするという事態に直面しました。様々なイベントの開催も中止や延期を余儀なくされましたが、この影響は、あの新幹線の最後の花道にも及びました。
その車両とは、700系新幹線。
16両編成の車両が、3月8日に運行される東京発新大阪行きの臨時『のぞみ』を以て、全ての運行を終える計画になっていました。前年12月のうちに『こだま』での定期運用が終わり、2月末までに全ての臨時『のぞみ』での運行を終えてからは2月28日と3月1日の団体臨時列車の運行へ充てられ、その後、8日の最終運行を迎える予定になっていました。
ところが、最終運行は突然中止に。東海道新幹線での16両編成の運行は3月1日の団体臨時列車を以て終了となってしまいました。最後の花道で使われる予定になっていた車両とその予備車は、3月11日と12日に続けて浜松工場へ廃車回送され、ひっそりと役目を終えました。
因みに、16両編成そのものの最終運行は3月13日の朝、山陽新幹線の新大阪発博多行きの定期『ひかり』で実施されました。