出演者を誰か知っているとか、そういうわけで7は無いんですが、予告を見て面白そうだったので、
借りてみました。
R15らしいですよ。
まぁ、このブログでも散々書いてきましたが、映倫のR指定、PG指定の基準はいまいちよく分からないけどw
面白いと良いなww
学校で少女が誰かを滅多刺しにしている。
そんな場面から映画は始まる。
1日目。
誰もいない教室で少年が目覚める。
外へ出ようとドアを開けると、同じ状況下の6人が入ってくる。
誰も何故自分がここにいるのか、誰に連れてこられたのか、どういう状況なのか把握していない。
そして自己紹介を始める。
スギウラレイジ;大学生
イサカユキトシ;新聞記者
タイチ
トシオ
アカネ;キャバ嬢
アキヤマユミ;大学生
ミチカ
年齢も職業もバラバラで、共通項はなさそうだ。
誘拐か、拉致かという言い争いをユキトシはニヤついて見ている。
そして出口を探しに行くが、ドアはすべて封鎖され、窓は鉄板で塞がれている。
閉じ込められた7人は、所持品をすべて奪われていた。
その様子はおそらく監視カメラで観察されている。
校内を探索する7人。
そこで見つけた「特別教室」
床一面にビニールが敷かれ、部屋の中央の机には大きな寸胴鍋と鎖でつながれた包丁が置かれていた。
そしてそこにはデジタル表示で時間がカウントダウンされていた。
その期間7日間。
ユキトシはこの状況を楽しんでいる。
そして「蠱毒」を知っているか、他の6人に尋ねる。
蠱毒とは古代から伝わる呪いの術。
毒虫をたくさん一つのツボに閉じ込め、共食いをさせる。
最後に残った1匹が強力な呪いを持つと考えられている。
そしてこれを模したゲームが世界各地で行われているという。>
そのゲームの名前は「蠱毒」
「蠱毒」のルールは罪を背負った7人がそれぞれ殺しあう。
そして最後に残った一人が勝者。
ただし7日間を過ぎても複数人生き延びていれば、全員が死ぬという。
……ちょっと人狼ゲームに似ているような、似ていないような…ww
ユキトシはこのゲームに一番詳しそうだが、主催者については諸説あり、わからないという。
2日目。
身体を執拗に拭いているユミ。
潔癖症というのではなく、アカネに「私臭いでしょ、気持ち悪いでしょ、ごめんなさい、離れますね」と言っている。
そんなユミにアカネはそんなことは無いと言い、抱きしめてあげた。
3日目。
「蠱毒」の主催者からは何の指示も出ない。
そして登場人物たちも特に目立った何かをしている様子もない。
そして何も起こらないまま3日目は過ぎた。
4日目。
食べ物は無く、あるものは水だけ。
さすがに思考能力も落ち、意識レベルも低下し始める頃だろう。
夜中、ユミがトイレで身体を拭き終ると、トシオがユミを屋上の踊り場へ連れて行き、激しく殴ってレイプした。
ユミの悲鳴を聞いて駆け付けたアカネとレイジのことも、トシオは激しく殴りつける。
2人を助ける為、ユミは外されたブラジャーでトシオの首を締め、踊り場から身を投じるが、
レイジがトシオの身体を抑えた為、ユミは落下を免れた。
(ブラジャーの強度がすごいのと、よく手が離れなかったな、という突っ込みはしてはいけない、多分w)
そして、トシオはそのまま死んだ。
その現場にユキトシが現れる。
寝泊まりをしている部屋で、ユミはアカネに「私、頑張ったよね」と言っているが、
気になるのは、アカネに向かって話をしているにも関わらず、「先輩を傷つける人は私が許さない」と言っている事。
アカネはユミの先輩などではない。
ユミもまた正気を失ってしまったようだ。
レイジとユキトシは特別教室にトシオを運ぶ。
5日目。
「蠱毒」の運営者からは未だに何の指示も無く、時間だけがただ流れていく。
レイジがトイレに入っていると、アカネが頼れるのはレイジだけだ、と話しかけてくる。
そして、レイジとアカネは個室でSEXをする。
ユミは付き合っていた女性の先輩と良い雰囲気になっていた夢を見ている。
しかし、その先輩に首を絞められたところで起きた。
ユミのトラウマなのだろう。
そしてアカネがいないことに気が付き、探しに行く。
最初は「アカネさん」と呼んで探していたが、いつの間にか「先輩」に呼び方が変わった…
アカネはレイジに両親が早く亡くなり、弟の入院費を稼ぐため、自分は絶対にここから生きて出なくてはいけない、と言う。
トイレから出てきたレイジの事を、階段に座ってユミが待っていた。
そして「先輩には私がいるの、あなたはふさわしくない」と言って、襲ってくる。
その最中にユミは先輩の幻を見る。
先輩はユミと付き合っていたが、ユミを疎んじ始め、別の女の子と付き合い始めたようだ。
そしてその現場を見てしまったユミは、別れたくないと言うが、先輩は「気持ちが悪い」と突き放す。
逆上したユミは外階段の踊り場から先輩を突き落とし、殺害。
その追体験は今閉じ込められている学校の屋上の踊り場で行われていた。
先輩を目で追ったように、踊り場から下を見るユミを誰かが後ろから突き落とした。
そしてユミは転落死する。
その場に現れたのは、特別教室に隠れていたレイジ、下から上がってきたユキトシ、タイチ、アカネ。
転落した際の衝撃音を聞いて、この場に現れたのだ。
この4人にはユミを突き落すことは出来ず、消去法でそれが可能なのはミチカということに今のところはなる。
そしてユミは特別教室に寝かされた。
この状況でユキトシは大事なのは「誰が殺したか」では無く「2人目の死者が出た」事だという。
「蠱毒」は順調に進んでいる、と。
そしてこの状況を楽しんでいるかのように笑うユキトシをアカネは責めた。
この時、ユキトシはアカネとレイジがSEXしていることに気が付き、ユミにそれを告げた事を告白。
ユミは扉一枚しか隔てていないところで2人の行為に聞き入っており、そしてレイジを襲ったのだ。
ユミは「蠱毒」というゲームを利用したユキトシの罠に引っかかり、命をおとしたのだ。
廊下で項垂れているレイジの為に、ミチカが水を汲みに行った。
しかしタイチが現れ、ミチカが襲われている所をレイジが助けに入った。
何も我慢することなく、自分の欲望のままに行動し続けているタイチを責めるレイジだが、
タイチはこの状況下だからこそやりたいことをやって何が悪い、と悪びれる様子も無く言い放ち、立ち去った。
そして長かった5日目が終わった。
6日目。
廊下で会ったレイジとアカネ。
またしても2人はトイレでSEXを始める。
しかし鈍い音が響き渡り、2人は特別教室に向かった。
特別教室ではタイチがトシオとユミの遺体を切り刻み、鍋で煮ている。
しかし臭みが取れない為、新鮮な肉を求めてアカネを襲う。
レイジの見ている前でアカネはタイチにキスをし、タイチの動きが止まった隙にその腹をかっさばき、
脳天から何度も包丁を振り下ろすアカネ。
アカネの行動を目の前で見たレイジ、そしてそれを見ていたユキトシ。
ユキトシは、「蠱毒」を確実に遂行しているのは君たちだ、と告げ、この状況においてなお笑顔を浮かべる。
そして声を上げて笑い始めるユキトシ。
茫然自失の状態で部屋から出ていくアカネとレイジ。
その夜、アカネはユキトシの部屋を訪ね、これが本当に「蠱毒」だとして、皆殺ししか助かる道はないのか、と問う。
ユキトシは他にも方法はあると言うが、その方法を言わない。
そのユキトシにアカネは色仕掛けで迫り、「妹」の入院費を稼ぐために帰らなくてはいけない、という。
ここへきてアカネのウソが発覚。
ユキトシの部屋にやって来たレイジは、アカネのウソを知らされる。
ただ生き延びる為にレイジは利用されたに過ぎない、と。
敵意をむき出しにユキトシに向かうレイジの表情がまた良いと言うユキトシ。
ここは蠱毒の壺の中。
彼らは我々が毒を吐き出しあうのを待っている…
そしてユキトシはレイジをトイレに灯きづって行き、暴行を加える。
自分の役目は参加者に毒を吐き出させることだと理解した、と言って。
しかし、レイジの反撃にユキトシは意識を失ってしまう。
そして排水管に紐で縛られ、拘束された。
アカネを拒否し、部屋で落ち込むレイジの元にミチカが現れる。
ミチカはレイジにあなたは何も悪くない、と言い、そんなミチカを抱きしめてレイジは泣いた。
そして、その日、2人は同じ部屋で眠った。
7日目、最終日。
アカネはユキトシの元を訪ね、本当に皆殺し以外の道はないのかと尋ねる。
ユキトシは監視カメラに音声を拾われない位置までアカネを呼び、
この「蠱毒」というデスゲームが人体実験だという説によると、集められた7人の中には必ず研究所側の人間がいる。
そしてそれはミチカだと推理しているという。
根拠としてユミが転落死した時、上から降りてくるミチカを見た、と言う。
そしてこのまま自分が殺し合いをしなければ、ミチカは必ずなんらかの行動を起こす。
今回の「蠱毒」はミチカの毒を強めるために行われているのではないか、とも考えたらしい。
アカネはこの話が嘘だったらユキトシを殺す、と宣言し、ミチカを追い詰める。
逃げる途中でミチカのウィッグが外れた。
ミチカはホルモン異常により、見た目がある一定以上から変わることなく、年を取り続けるという病気だった。
こんな自分だから、恋を諦めていたが、レイジに恋をしたのだという。
そしてレイジを襲ったユミを殺したことを認めた。
そして、レイジに「もう一度一緒に眠ろう」と言うが、レイジはそれを拒否。
失意の中、ミチカはウィッグを止めていたピンで喉を切って自殺した。
アカネとレイジはユキトシを拘束している場所に向かうが、そこに彼はいなかった。
そしてアカネは、ユキトシは自分たちにただ殺し合いをさでたいだけだと。
あいつを殺さない限り、自分たちはここから出ることは無い、と言い、レイジに一緒にユキトシを殺すことを提案。
しかし、レイジはそれを断り、トイレにこもってしまった。
残り15分。
バラバラに刻まれた遺体の置かれた机の前にユキトシは立っている。
そしてそこにアカネが現れ、2人の死闘が始まる。
勝ったのは…ユキトシ。
蠱毒の完成をどうしてもこの目で見たい、と言い、隠れているレイジに出てくるように呼びかける。
その声を聞き、個室から出てきたレイジは監視カメラに向かい、命乞いを行う。
すると、すべての電球が点滅を始めた。
残り時間3分。
レイジが特別教室に入ったところで、電灯の点滅が収まった。
そしてユキトシにより一方的なリンチが始まる。
「蠱毒」にとって必要なのは憎しみと憎悪。
しかしレイジはいつまでたっても、そういう感情を見せないことにユキトシは苛立ちや怒りを感じている。
それらを曝け出せ、とレイジに迫る。
そしてレイジが反撃を始め、レイジとユキトシによる殺し合いが始まった。
勝ったのは…レイジ。
やっと「蠱毒」の完成を見る事が出来たと言い残し、ユキトシは死んだ。
時計の表示が0になっても何も起こらない。
するとかろうじて生き延びていたアカネがレイジに襲い掛かるが、冷静にアカネの首を切って殺すレイジ。
時計が0になっても2人生き延びていたのに何もなかった。
最後の1人になっても何も起こらない。
「蠱毒」の運営者の真意はどこにあるのか…
数日後、レスキュー隊が見たモノは凄惨な殺人現場とバラバラの遺体、そしてそれを食べたと思われるレイジの姿。
しかし、本当の地獄はここから始まる。
実は現実世界ではマグニチュード9を超える直下型地震に襲われており、
レイジ達はいた場所は緊急避難場所だったという。
そして7人を運びこんだところで防御システムが誤作動を起こし、レイジ達は閉じ込められてしまった。
そしてイサカユキトシは新聞記者などでは無く、ネットで殺害予告を繰り返し、指名手配をされているという。
つまり、ユキトシの快楽の為の嘘に他の6人は巻き込まれ、必要のない殺し合いまでしたのだった。
特別教室は作りかけの食糧庫で、デジタル表示されていた時間は予備電源の残り時間だった。
そして刑事はレイジに証拠として設計図を見せてくれた。
しかしレイジは信じることができない。
あれは「蠱毒」でなくてはいけないのだ。
人間を殺めた罪悪感に囚われて、自分自身の精神が壊れないように…
あれは「蠱毒」で、自分が殺めたのは「ドクムシ」でなくてはいけないのだ…
僕は悪くない、これは「蠱毒」だと叫んで映画は終了。
結局レイジはこれから独りで、独りだけの世界で生きていくのだ。
「蠱毒」
音だけだと「孤独」と同じ。
「蠱毒」により「孤独」になったレイジ。
だからこの映画のタイトルは、これほど強調されている「蠱毒」ではなく、「ドクムシ」なのだろうか。
最初は人狼ゲームのパクリか?と思ったけど、まるっきり違った。
この映画が描いているモノは人の心の弱さだ。
極限状態の中で、人をどこまで信じることができるか。
状況に適応してしまい、正常な感覚を失ってしまうのか。
状況に適応出来ず、現実から目をそらし、正常な感覚を失ってしまうのか。
自分自身の心を見失うことなく過ごすことができるのか。
どんな状況でも生き延びようと必死に策を練るのか。
自分の欲望に負けてしまうのか。
善良そうな人の中にも、様々な「毒」があるということを描いている。
人間とは、強くて、弱くて、美しくて、醜くて、はかなくて、しぶとくて、脆くて、愚かで、賢くて、そして馬鹿である。
それが人間…
そんな人間の本質を見せつけた映画であった。