GID学会第24回山梨大会に参加してきました | わたしの夢はどこに・・・

わたしの夢はどこに・・・

私ってなに?本当にGIDなんだろうか?まだまだ彷徨っています。
その中で多くの方のブログを見させていただいて、いろいろなことを教えていただきました。
このブログは自らの心の整理と、一つの事例として他の方の参考になったらお返しになるかな
と思って開きました。

今年は3年ぶりの現地開催です(^O^)

  わたしが初めて学会に参加したのは

  2013年3月の第15回大宮大会の時からなので

  ちょうど10年経ったことになります

 

この前年(2012)のGWに「勝手にRLE」と家を出て

  本格的にトランスを開始したのですが

  この年(2013)の6月にガイドラインに則っての治療を始めるにあたって

  このブログを開始しました

そういうわけで、この年はブログを始める前の大会参加だったので

  その参加した時に感じたことを感想記という形でブログにUPしました

 

その翌2014年は沖縄大会だったので不参加

  2015年の第17回大阪大会は、一人で参加

  2016年の第18回東京大会は、友達に上の子も一緒に参加

      この時は大会長が松永先生だったこともあって

      登壇して発表もさせていただきました(^O^)/

  2017年の第19回札幌大会は不参加

      本当は東京大会に引き続き上の子と一緒に行こうかな、とは思っていたのですが

      結局は行けませんでした(*_*;

  2018年の第20回東京大会は、友達と参加

  2019年の第21回岡山大会は、友達と参加

  2020年の川崎大会は、コロナ禍で中止

  2021年の第22回川崎大会は、オンデマンド配信で不参加

  2022年の第23回大阪大会は、オンデマンド配信で不参加

そして今年2023年の第24回山梨大会は

  今年は富士山の世界遺産登録10周年ということもあって

  大会長の百澤先生の

  「せっかく(アクセス的に)遠くまで来ていただくのだから富士山の麓で開きたい」

  という思いで、富士吉田市民会館ふじさんホールで開催されました

 

数年前だったら、近くに上の子が居たので前泊してそこに泊まったのですが

  残念ながら今はいないので、朝から車で出ます

朝6時に出るつもりで、いつもより一時間早い5時起きして

  早朝ウォークもせずに、準備して一度は家を出たのですが

  今回はお宿に直接の予約だったのと、ホテル名の再確認も含めて

  予約確認メールのスマホへの転送しておこうと

  一度お家に戻ったりしたので、結局は一時間遅れで高速に乗りました(^O^;)

 

途中まだ一度も走ったことのない新東名の新御殿場ICまでの延長部分を走りたくて

  途中で新東名に移りました

  最終的には東名の御殿場JC付近でも移れるはずなのですが

  今時点でどうなのか分からなかったので、念のため清水で移りました

結果からは、今でも東名から移れるのですが

  新東名からの分岐は、現時点では東名行きが本線なので

  新御殿場IC方面は、右分岐で抜けていくので要注意ですね!

 

お時間はお昼前で早かったのですが、取り敢えずホテルで宿泊手続きして

  会場の富士吉田市民会館ふじさんホールに向かいます

会場にはもうスタッフの方は来られていて準備はしているのですが

  なんにしてもまだ11時前、受付は12時過ぎということで

  隣の図書館に移って、早目のお食事に初めての吉田うどんをいただきながら

  ご本を読んで待ちました

目の前をフジサン特急が通り過ぎたりするので

  外も気にしながらでしたが、デザートもいただいてゆっくりとしました

お時間になって、受付です

  今回は事前に受付用紙をDLして事前記入した用紙を受付の方に渡して

  今年の年会費2000円に、大会参加費の3000円の計5000円支払いました

そして今年は、コロナのこともあり

  初日の夜に開かれる大会主催の懇親会と、当事者団体が開く全国交流会の

  いずれもが開催なし、ということでした

初日のプログラムは上記のようなので

  先ずは第一会場の大ホールで

  シンポジウム1「次の時代のGI医療に求められる精神科医」

    SY1-1:子どものLGBT対応の現状

    SY1-2:地方からのジェンダー治療への参入の試み

    SY1-3:新たなチーム医療としての関東ジェンダー医療協議会

    SY1-4:大学病院精神科におけるジェンダークリニックの位置づけは?

このセッションでは、地方の新人精神科医の発表もあったりして

  わたしも同じ精神科医僻地にいる身として、彼女にエールを送るとともに

  新たにGI精神科診療を始めることの可能性をお聞きしました

  冗談抜きに彼女のように積極的に取り組もうとしている精神科医が

  わたしのお世話になっている聖隷浜松に来てくだされば

  現在の総合性治療科と一体になって、認定病院になることも可能なんだろうな

  と夢を見ちゃいました(^O^)

  この事業団は、日本初のホスピスを作ったり、自力でドクターヘリを飛ばしているのだから

  それだけの力もあると思っているのですが・・・

 

そして大学病院でクローズするのではな

  地域のクリニックも巻き込んでのチームGI医療を行うのに

  今全国で7つの地域別医療チームが出来ているそうです

このうちの関東ジェンダー医療協議会に入ることとなった経緯を

  一精神科クリニックの立場からお話がありました

  お話の中でもありましたが、各県に一つづつはむずかしいとしても

  必ず隣県にはあるレベルでの設置が出来るといいのですが!

 

でもこのセッションでの質問のおかげで

  精神科医と小児科医のお二人の先生方と名刺交換をさせていただきました(^O^)

 

次のセッションは特別講演「ヒト正常皮膚を用いた皮膚免疫細胞の検討」

  今現時点では、移植免疫のことはしばらくは良いのでしょうが

  この先技術的にも倫理的にもいろいろなことがクリアされてくると

  並行して免疫の問題が大きくクローズアップされてくるのだろうな思います

今回も別セッションでの妊孕問題で子宮移殖のお話も出てきましたが

  最終的に自己ips細胞による臓器再生移殖までは

  免疫の問題はずっと付いてくるのでしょう

 

そしてシンポジウム2「健康保険適用後のGID診断の現状」

  SY2-1:健康保険適用後の岡山大学病院におけるGID診療の現状

  SYS-2:性別適合手術保険適用後の札幌医大での対応状況

  SY2-3:当院における健康保険適用後のGID診療の現状と課題

  SY2-4:健康保険適用後のGID診療の現状

このセッションでは、2018年に認められた

  SRSの保険適用に関しての問題なのですが

  結果として、ホルモン接種と混合診療の絡みでほとんど実施されていない

唯一、ホルモン投与前のFTM乳房切除が

  かろうじて(手術時点での)危険性が少ないということで行われています

  このあたりのこともあって、2018年以降は

  圧倒的にFTMの手術が目立っているようです

ただこのように可能性のあるFTM乳房切除ですが

  ホルモン接種をしないまま(個人輸入という逃げ道はあるのですが)という

  心身両面にわたる危険性を考えると、保険適用の乳房切除はできない判断が

  岡大はじめあちこちであるようです

 

ようは混合診療というのは術時までだけというのではなく

  同一病名で自費診療が入ってくると、過去の保険診療も

  自費診療扱いに戻されて、返金要求されるのです

こうした時、MTFでのSRSは

  術前に、十分に男性ホルモン値を下げて起き

  術後には、きっちりと継続的に女性ホルモンを接取し続けなければなりません

戸籍の改性後には、(病名をどうするかは別として)保険扱で女性ホルモン接種が出来ますが

  SRSをしても改正前は、やはり自費治療です

  そして私のように未成年の子がいた場合には、SRSを含めてすべてが終わっても

  子が成人に達するまでは戸籍の改性するまでに、それなりの期間がかかります

 

よっぽど特殊なルートを通せば、ホルモン治療をほとんどせずにSRSを行い

  その後すぐに戸籍の改性に向かって、改性後に保険治療としてのホルモン投与

  ということは考えられなくもないですが

  実際には、この保険扱いでのSRSが出来るのはGID学会認定の病院でしかないので

  そのような病院が上記のような特殊なルートを通すことはあり得ません

 

ガイドラインでもホルモン療法をうたっているのに

  ホルモン接種を保険扱いにしていないことの不都合をなぜ厚労省は分からないのでしょね!

  ただこのことはこの後の別セッションで、弁護士の方が言われていましたが

  ガイドラインとの不整合を突けないか、とのことでした

  ガイドラインは法律ではないのですが・・・

 

初日最後は一般演題5「当事者・法律・思想」

  O5-1:コロナ禍での異性化についての経緯と考察

  O5-2:パンセクシャル・アイデンティティ形成のプロセスにおいて

  O5-3:混合診療問題についての法解釈の可能性

  O5-4:仏教思想は性同一性障害を否定するのか

        「性染色体」としての男根・女根概念を中心に

  O5-5:GID診療における民間の生命保険商品活用と加入について

 

この中でSRS手術の保険支払いについては

  若干わたし自身の体験だったり、お友達の実績とは異なるものでした

  また術後での生命保険加入については、基本は加入できないので

  条件緩和型だと加入できるかも?とのことでした

初日のプログラムがすべて終わり

  一度ホテルに戻って、チェックインします

いつもなら夜は懇親会や交流会でお食事もとるのですが

  今回はいずれもないので、お外に出ます

多少は飲むかもしれないし、小雨も降っているので

  あまり遠くにも出かけられないので

  奥に見えている富士山駅の駅ビルに行って診ました

それほど大きなお店ではなかったのですが

  わたしの後の人は、予約が入っているとかでお断りされていました

フジザクラポーク角煮御膳に揚げ出し豆腐と梅酒のソーダ割で

  おいしいお食事を、のんびりとお腹いっぱいいただいてきました

 

翌日も雨、雨が降っていなければ大きく間近に富士山の威容が観られるのですが

  今回は二日とも一目も見ることが出来ませんでした(^O^;)

  朝食は無料で付いているので、混まないうちにと早くに食事会場に降ります

お食事終えて、チェックアウトの準備をしてから

  会場に向かうお時間までゆっくりします

会場に着いた時はまだ鎖がかかっていたのですが

  ちょうど係員の方が反対方向から来られて、鎖を外してくれました

  今朝も会場に入るには少し早くて

  お時間が来るまで、やはり隣の図書館のロビーで待ちました

  今日のメイン会場は、この建物3Fの小ホールなのです

二日目は一般演題を中心に聴いていきます

先ずは一般演題6「看護・教育」

  O6-1:性的マイノリティが子を持つために必要な支援

        支援者の視点から考える

    同性婚が認められて、異性婚の人々と同じ権利を有せばクリアされるのですが

      現時点では同性同士のパートナーでは里親/里子も難しくて

      連れ子がいるとか、婚姻状態ではないですがわたしの様でないと

      なかなか自分の子供を持つということは出来ませんネ

  O6-2:トランスジェンダー当事者の経験した性教育:その実態と意識

  O6-3:性同一性障害のある卒業生に対する大学卒業後アフターケアの可能性

    わたしのブログ記事で、今でも常に上位に挙がってくる過去記事に

      卒業証明書は「新名」で発行していただきましたがあります

    これは多くの大学では、卒業後に(トランスして)改名した時

      卒業時での名前でしか卒業証明書を発行してくれないのですが

      いくつかの学校では改名後の名前で発行してくれます

    わたしの卒業した大学では、HPにこそ”卒業時氏名での発行”となっていますが

      わたしの場合は新名で発行していただきました

      この経緯と、国立大学のみですがHPから発行状況を調査しました

    そこで新名発行を促すような動きがないのかを問いかけようとしていたのですが

      このテーマの内容が違ったのと、お時間がなくて質疑がカットされたので

      問いかけは行いませんでした

  O6-4:保育者養成学生を対象にした保育実戦に関する認識

        性の多様な家族に焦点を当てて

  O6-5:保育者養成学生の幼児教育における性多様性教育に対する認識調査

 

続けて一般演題7「社会学・調査」

  O7-1:トランスジェンダー男性の子を持つ父親の経験

  O7-2:世界におけるトランスジェンダーアスリートの実際

        英字新聞を用いた文献学的調査

      スポーツレベルを、世界大会/国内大会/地方大会/一般大会と分けた時

        トランス女性(MTF)は、多くの人でトランス前よりレベルが上がっているが

        トランス男性(FTM)は、一人としてレベルが上がっている人はいなかった

        とのことでした

      昨年の学会論文が載っている今年の学会誌は、未だ読んでいませんが

        多くのセッションで、トランスジェンダーと競技について記されています

      男性性身体の競技優位性は、競技種目によっては

        厳然たる事実としてあるのだと思うのですが

        「スポーツにおける公平性とは何か?」ということを考えつつ

        よりよい枠組みが試行錯誤しながらもできていくとよいですね!

  O7-3:LGBTQ当事者に関連する法律や制度への大学生の意識

 

そして一般演題8「その他」

  O8-1:性別違和当事者サンプルをもちいたDNAメチル化プロファイル解析

      ある意味このテーマが、わたしにとって一番興味深かったものでした

        というのは、遺伝子そのものの配列に違いはなくても

        その遺伝子の変異というか修飾に

        DNAのメチル化ということがあるそうなのです

      そうした時、シス女性とトランス女性が同じ傾向を示し

        シス男性と異なる傾向を示す変異が

        プラス側に変移するものが60数個

        マイナス側に変移するものが十数個

        合わせて80数個あるそうです

      ただ今のところ

        この変異があるから女性性を自認するのか

        女性ホルモンに長期間暴露されていたから、そのように変移したのかは

        まだ特定できていないようですが

        もしこれが性自認に結び付くとしたら

        出産時の性別決定にこのDNA変異を調べるようになるのかしら??

        ※もちろん私は基本的な医学&生物学的な知見は皆無なので

          正しく理解しているかは、あやしいところがあります(^O^;)

      でも、上記の指標が正しいとしても

        旧GID中核群ならば、それなりに正しく判定されるのかもしれないが

        わたしのようなGID周辺群(性別違和者)は難しいのではないかなぁ~

  O8-2:20週間のレジスタンストレーニングによる身体変化がFTMの心理面に与える影響

  O8-3:トランスジェンダー当事者の競技スポーツへの参加に対する医療系大学生の意識

  O8-4:トランス男性のパートナーにおける性生活・性的満足度の実体

 

これら一般演題6~8の多くは、大学生や院生の研究なので

  突っ込みどころ満載で、内容の深みというか、検討の甘さが

  わたしでも感じる処がありました

先生方もコメントやサジェスチョンをされていましたが

  この先も継続研究して、もっともっと深く掘り下げていって欲しいですね!

 

この後ランチセッションとして

  教育講演2「DaVinciによる子宮卵巣摘出」

    EL2:性同一性障害の診察を通じての学び

  ランチセッションなので、先着100名にお昼のお弁当が出ます

    結果として、わたしが先頭になってしまって、しっかりとお弁当いただきました

  お昼は、初めて参加した大宮大会以来ですが

    その時はサンドイッチだったので、それなら食べながら聴いてもいいかな

    と思っていたのですが、今回はお弁当とお茶

    これだと音も出るし、においもね!

    演者にもどうかな?と思って、わたしは終わってから車で食べることにしました

  お話の内容は、のっけから手術画面が出てきて

    わたしは、これで食べるのはどうかなと思ったのですが

    みなさんは、しっかりと食べていらっしゃいました(^O^;)

 

  山梨大では、DaVinciの保険診療化に向けての実績確保に

    ほとんどが自費扱いになるSRSにDaVinciを使うことでクリアしたそうで

    うまい使い方があったのだなぁと思いました

総会の間車に戻って、配布されたお弁当をいただきました

  総会の終るころ最後のセッションで大ホールに戻りました

  総会の始まりが少し遅れたとのことで、まだ総会の質疑応答を行っていました

 

最後のセッションは、教育講演1「顔面女性化手術~男顔を女顔にする」

  要は、頭蓋骨(*_*;・・・・大きさと凸凹

    おでこの丸みとフェイスラインの丸み

    眉と目の距離に口と鼻の距離

  一か所百万単位と聞くと、生まれながらに良い素材をもらった方々は

    正直うらやましいですね

    GIDのわたしとしては特に!

    でも、そうは言っても、トータルとして私自身はそれなりに満足していますが・・・

これで今回のすべてのセッションは終わりました

  次回は沖縄大会だそうです

  来年の参加は難しそうですね(^O^;)

 

今回、いつもHRTでお世話になっているI先生は別の学会に参加でこちらは欠席

  セカンドでお世話になったC先生は見かけなかったので、欠席だったのかな?

  ファーストのH先生と、執刀医のY先生、上の子のお世話になったM先生には

  それぞれご挨拶させていただきました

 

これで帰途につきます

  26日は彼女(元奥さん)の誕生日

  家を出るまでは、毎年お花を買って渡していたのです

  戻ってからは、彼女の好きなお酒が多いのですが

  ここしばらくはあまり飲んでもいけないよう様なので

  途中のSAで、珍しい金目の味噌漬けと鮪の生ハムを買って帰りました

 

※青太字の部分は、過去記事にリンクが貼ってありますので

  よろしかったら補足にそちらの記事にも目を通してみてください