リョウブの木肌 ツルツルで サルスベリそっくり
山にはサルスベリそっくりの木肌を持つリョウブが自生している。
菜飯には昔からヨメナ飯、クコ飯、ウコギ飯などがあるが、違いは草か樹木の新芽。
3月から4月にかけて野人も毎年食べているが、海岸近くに自生するものは生育が早く、標高が高くなるほど遅くまで食べ頃が続く。
十数年前、県の非常勤講師も兼務していた頃、負の遺産となった施設の再生に派遣された。
大量に自生するリョウブを活用した「リョウブ飯」を道の駅で売り出そうとしたのだが、地元のおじさん達は揃ってこれを絶対「サルスベリ」だと主張する。
リョウブの花は地味で、花が綺麗なサルスベリは山に自生していないが仕方ない。
「そこまで言うならサルスベリ飯で行け」
猿も滑りそうな頭をしたおじさん達にそう言った。
何事も柔軟な対応が必要だな。名前などどうでもよい。
博識な村の長老がそう決めて、子供の頃からサルスベリと信じ続けて来たのだからサルスベリが一番よい。
思い込みの常識の壁には敵わん。
一念を貫けばリョウブもサルスベリになる。
売れるかどうかはわからんが、不味そうな名だな。
5cmまでの柔らかいリョウブの新芽を30秒ほど塩茹でして刻み、むー塩をふりかけご飯にまぶして食べれば、山の香りが漂いコクのある旨味が広がる。
おにぎりにしても美味しい。
毎年これを一回は食べないと春が来た気がしない。
見かけたら食べて見るとよい。 類似毒草はないし、木肌とピンと上を向いた葉先で判断すればよい。
ムー行者の 「リョウブ飯」
https://ameblo.jp/muu8/entry-10856903094.html