不覚にも焼きニンニク食って鼻息が荒くなった野人は「ム―の境地」で修行中だ。
煩悩を振り払い、済みきった摩周湖のような心に戻るにはこれしかない。
修験者達が食べていた「りょうぶ飯」だ。
春には毎年このりょうぶ飯を食べるようにしているのだがつい忘れがちになる。
リョウブは何処にでもあり、簡単に判別出来る。
幹の表面がツルツルで、登ろうとした猿も滑ると言う「サルスベリ」に似ているのだ。
サルスベリは野山には自生していないからそのような木を見かければリョウブだ。
数年前に県から講師で派遣された山に囲まれた町で、皆が口を揃えてこれをサルスベリだと言い張った。
その昔、物知りの長老がそう判断して以来定着したらしく納得しないのだ。
そこで・・・
「この木の花はどんなだ 派手か?」と聞くと・・
「いや・・あまりパッとせんなあ」と言う。
「じゃあ サルスベリの花は?」と聞くと・・
「赤や白で綺麗じゃなあ~」とのたまう。
「じゃ サルスベリではなかろうが~ 」
「そげんこつ言っても 子供の頃からずっとサルスベリじゃったし・・」
「わかった 死ぬまでそれで通せ サルスベリでもハゲスベリでもかまわん」
まあそれくらいわかりやすい木なのだ。
春の柔らかい新芽を1分ほど塩茹で、細かく刻んでムー塩で和え、熱いご飯に乗せて食べる。
菜めしには他に、精の付くクコ飯、ウコギ飯、万葉のヨメナ飯などがあるが、どれも季節を感じる素朴な御馳走だ。
しかしその精の付くことを忘れていた・・・
木の芽は成長エネルギーの塊、リョウブ飯も行者が精を付ける為に食べていた。
精を何処に使うかはその人次第、行者のように体力と精神力に使えば良いのだ。
とは言っても・・・
ニンニクの前日は猪・・その前はナマコ・・鹿食ったし・・野生の蛋白質ばかり。
その前は生卵5個一気飲み・・
ロッキーのように体力も精神力も有り余り、脳ミソにも十分行き渡っている。
トドメの「ムーにんにく」のパワーは凄まじい、さすが強精農法の産物、それに山のリョウブが追い打ちをかけた。
仕方ない・・残された手段は・・・
「色即是空」「空即是色」~~ マグマ大使しかない。
チキュウのへーわの為に・・
非常食「リョウブ 令布」 の由来 りょうぶ飯の味
2008年 3月 テーマ森の食卓
香りの高いリョウブ飯
http://ameblo.jp/muu8/entry-10079522655.html