空き地を放置すればどうなるか。
すぐに草原になり、やがてブッシュになる。
荒廃農地の初期も同じだ。
学術的に学ぼうとすればやたら専門用語が仕組みの理解の邪魔をする。
あまり本でお勉強しないお野人が野人用語で解説しよう。
草原はイネ科の植物を中心に構成される。
それは何故か・・ 難しく考える必要はない。
イネ科には他を圧倒する武器があるからであり、その単純な道理がわかればよい。
それがわかれば弱点もわかり、攻略法もわかる。
イネ科の武器とは茎と葉が同体で同時に育つことであり、根元まで光が届き、生長が早いことだ。
光合成による有機の生産効率が良く、茎、枝、葉と順を追う他の草を圧倒する。
あっと言う間に光を遮断されれば他の植物は大きくなれない。
その陸地の代表はススキで、草原にススキが多いのはそれが理由だ。
湿地の代表はヨシ、別名アシで、他を寄せ付けず群生する。
多年草ゆえに根を定着、大株になれば空間だけでなく表土をも占領、ますます他は住み辛くなる。
茎、枝を伸ばさず最初から葉攻撃で、茎と言えるものは葉の支柱と考えればよい。
このスタートダッシュからの光合成の猛攻に、他は歯が立たない。
ススキのように根元から葉を斜め上に出す種もあれば、ヨシのように途中から葉を斜めに出す種もある。
余計な枝葉を真横に出して下の葉の陽光を出来るだけ遮ることのないようにしている。
ヨシが途中から葉を出すのは根元が常に水没するからであり、葉が無駄になるからだ。
ヨシズに使われるように、ヨシの武器はススキと違い硬い茎と高さを保てることだ。
同じイネ科でも陸と水では攻略法を変えている。
つまり枝・葉の過程を踏む一般的な植物は歯が立たず、たまたま突破した種がまばらに生き残る。
灌木もなく、刈ればすぐに畑地になりそうで理想的とも思えるススキの草原は、理想的な生態環境とは程遠い創世記の表土なのだ。
草を刈り、耕しても条件が変わらない限りすぐにまた再生する。
表土の草を丸裸にする現農業はこの道理に気づかず、生涯草との戦いを強いられることになり、耕運機などの機械化がさらにその困難を容易にした。
本来なら必要のないものだろう。
畑にはススキの他、同じイネ科のチガヤなど人間にとって何ともならん大仏の天敵が居座っている。
何ともならんから刈り続け、根ごと耕し続ける。
他の方法は、除草剤やシートで覆い尽くすしかない。
しかしよく考えれば攻略法など簡単にわかる。
イネ科・ススキの武器・利点がわかれば弱点もわかる。
弱点をちょいといじれば状況は一変する。
何も根絶やしにすることもないし、可哀そうではないか。
早く野菜を大きくしようとせっかちな人間にはトラクターが必要かもしれないが、永遠にその労力を注ぎ込むことになる。
そうでなければまあのんびりとやればよい。
方法などいくらでもタラコでも考えられる。
笹竹同様に、戦わずして活用したほうが楽だな。
ススキに覆い尽くされた農地
多年草の仕組み 1 ・ 2
https://ameblo.jp/muu8/entry-11866628008.html
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