塩の道 むー塩物語 5 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

 

これだけ広大な敷地と施設を持っても、勤務時間内に普通に1人でやって完成するむー塩は1日2kg強・・

最初の海水から作り始めれば1日では終わらない。

翌日・翌々日の分を濃縮しながら、前日濃縮した海水を仕上げるからやれる。

 

業務事情、天候もあり、毎日製造出来ず、月に30キロ出来れば良い方だ。

むー塩価格は百g当り千円強だから1日2万円強にしかならず、人件費・燃費・海水運搬費・諸経費をまともに換算すればほとんど残らない。

 

つまり会社事業としては困難であり、本来の仕事も出来ない。

完全を求めず、古来の製法で目一杯にがりを残して美味しい塩を作るなら、費用も労力もかからず、こんな楽なことはなく、この5倍は作れるだろう。

しかし「むー塩効果」はなくなる。

 

古来製法では完全なミネラルバランスとエネルギーを持つ塩は不可能。

空炊き、高熱に耐えて施設も労力も「無理」をしなければ出来ないのだ。

 

海水1リットルには30g弱のむー塩が含まれ、2キロ強の塩を作るには80リットルの海水を蒸発させなければならない。

1日150リットルの海水を濃縮、その半分を仕上げるのが1人で手一杯だが、注文に追われれば2人ですべて仕上げる。

 

濃縮釜、仕上げ釜は耐塩の特殊ステンレス鋼を用い高価。 安価な鉄を使えば大量の鉄分を含む塩になる。

数十万円の釜をもってもこれだけしか出来ない。

 

釜を増やすのは問題ないが、労力も増やさなければならない。

2キロの塩を3時間かき混ぜ続けるのは、女性にはキツ過ぎる上に持久力のいる力仕事だ。

まむし頭は手首を痛めてしまい、常時供給するならその方法しか残されていない。

 

これだけむー塩を必要とする人が増えた以上止めるわけにも行かず、生産制限するわけにも行かない。

お野人にはむー塩を世に出して常用させた責任がある。

 

さらに注文は増すばかりで、このままでは行き詰まる事が見えている。 嬉しいような・・・困るような・・

本業は塩屋さんではないのだよ。

 

効率が悪過ぎるこのむー塩・・最初はレストガーデンの自家用のみで販売の予定はなかった。

読者の希望で試験的に受注製造することにしたが、決めた価格は今の1,5倍だった。 つまり、2千円のむー塩は3千円・・それでも楽ではなく大変な作業になる。

 

日本一高価な塩になり、これでは注文が来ないだろうとタカをくくっていたら合わせて30キロ注文が来て冷や汗が出た・・

そもそもヒマな時間の片手間にサービスで作るつもりだったのだからそんなに作れるわけがない。

当時は濃縮釜も小さく仕上げも土鍋で、1日に700gしか出来なかったからだ。

 

業務の他、天候の影響もあり毎日1キロの塩は作れない・・しかも30キロなら20日かかる。

経費も出ないから濃縮にはタダの膨大な廃材を集めて来るしかなく、仕上げは土鍋だったからガス代も膨大。

 

同じ作るなら10人分の食事を作る方がはるかに楽ではないか。

 

切羽詰まったお野人・・

「言わなければよかった・・」と思っても後の祭り

言っちゃったものは仕方ない、苦肉の策で沖縄の塩作り名人に外注したのだが・・ これがまた大変だった。

 

続く・・

 

 

塩の道 むー塩物語1

https://ameblo.jp/muu8/entry-12244928344.html

塩の道 むー塩物語2

https://ameblo.jp/muu8/entry-12245282344.html

塩の道 むー塩物語3

https://ameblo.jp/muu8/entry-12245843457.html

塩の道 むー塩物語4

https://ameblo.jp/muu8/entry-12247316901.html

 

 

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