ピラミッド農法では、生態系の循環を利用して失われた元素は動植物から補給するが、さらに効率よくもう一つの窒素供給ルートも利用する。マメ科の植物の根と共生して窒素源のアンモニアを作る「根粒菌」だ。マメ科の草はシロツメクサ、カラスノエンドウ、スズメノエンドウ、レンゲなどがある。マメ科は邪魔にならない限り抜かないほうが良い。
野菜のサヤエンドウ、インゲンなどつる性のものを草を抑えたい場所に種を蒔けば、地を這い、光を遮断、また草に巻き付きなぎ倒すのでマルチ効果がある。それでも頑張る強い雑草は支柱代わりにして立ち上がるが、それはそれで豆が出来て結構なことだ、有難く収穫すれば良い。また、そのまま種にしてはじけさせ、鳥のエサにすれば根の窒素分と鳥のフンが手に入り、残った豆はまた翌年芽を出す、つまり 一石五鳥と言う事にもなる。 同じようにつる性ではないエダマメ、エンドウマメも適当に分散させて他の野菜と共存させておいて、根こそぎ抜かずに根元からカットすれば土の窒素分を増やしてくれる。群生した枝豆は虫の猛攻を受けやすいが、分散、混生させれば虫に対してもカムフラージュになる。どちらにせよ適材適所で活用すれば良い。
写真は群生させた小型のサヤエンドウ豆で互いに絡み合い丈夫な「生垣」を作っている。光を奪うので下の草が生長出来ない。収穫は最盛期で面白いように採り易い「豆ブッシュ」だ。収穫が終わると抜かずに刈り、根を残す。そのまま次の野菜が出てくるようになっている。土は柔らかく肥料分も豊富だ。不耕起のうねにはスズメのエンドウなど小型マメ科の草は大歓迎している。