ブログの移転が完了したような感じがします!
というわけで、ここはもう更新しません!
しかし跡地としては残しておきますね。
それでは皆様、10年間このブログと管理人をありがとうございました!
絶賛(?)夜更かし中です。
そしてブログの移転を決めたので、移転作業中です。
このブログもちょうど10年目になるので、節目の時期で移転するのもちょうどいいかな、と。
いや、前々から移転はしたかったんですけどね。
というわけでそんなお知らせでした。
Twitterにてエアの設定(以下略)


エア基本データ
【エア基本データ】
正義がちょっと低いのは完璧じゃつまらなかろう、ということで…。
あと酔って本性出すと冷静さがっつり減ります。
エア
【エアデザイン】
アプスーから奪い取った衣装とかそんな設定だったはず。
エアその他
【エアその他】
酔って本性出すと鱗生えてきます。普段は魔力で鱗とか髪とか抑えてます。
杖は80cmくらいと書いたけどもうちょっと小さいかも?その辺は適当ですね!

↓こっから文字のみ↓
【エア】
メソポタミアの知恵と淡水と魔法の神。
アヌの息子で、妻は大勢いる。
性格は飄々としていて掴み所がない。またかなりのナルシスト。
が、酒に酔うと本性が出てしまい、粗野で笑い上戸のドスケベになる。
常に冷静だが、酒を飲むとその冷静さは嘘のように消えてしまう。
エンリルのストッパー役であり、人類の味方。
「家族構成」
父:アヌ
母:ナンム
弟:エンリル
妻:(今は)ダムキナ
息子:マルドゥク
「対神関係」
アヌ:もっとしっかりしてほしい
ナンム:よき助言者
エンリル:ソリは合わないが、からかうと楽しい
ダムキナ:いい妻
マルドゥク:かわいい息子
イシュタル:苦手(美神なんだけど性格がなぁ)
「戦闘」
「戦闘は苦手ですね…」というのは本人談。
しかし実際は強力な魔法を何発もブチかますようなお方。
単体攻撃から全体攻撃まであらゆるタイプ、あらゆる属性の魔法を使いこなす。
ただし防御力と体力が貧弱なため、少し攻撃を食らうだけですぐダウンしてしまう。
まあ、それを補えるだけの素早さがあるので、戦闘はかなり強い方である。
「その他」
好きなもの:淡水、人間、女の子
嫌いなもの:海水
好きな食べ物(飲み物):魚、ビール
嫌いな食べ物:特になし
趣味:飲酒、女の子と遊ぶこと
夢:ちょっとビールの川作りたいとは思ってる
「見た目」
見た目年齢:29
髪色:青、本性を出すと青系三色
眼の色:水色、本性を出すと暗い青



というわけで、エアさんはこんな感じですね!
wikiに「彼は道化師でも奇術師でもない」って書いてあったけど、
うちのは奇術師的な性格です。ごめんなさい!
※物騒な単語とHな単語あり
Twitterにて「ネルガルの設定資料ください」と言われたので、作りました。

ネルガル基本データ
【ネルガル(共通)基本データ】
警察署長のくせに統率力0でございます。
神話ネルガル
【ネルガル(神)デザイン】
メソポタミア版。妻のエレシュキガルも同様ですが、白黒です。
灰と赤がアクセントに加えられてるけど。
悪魔ネルガル
【ネルガル(悪魔)デザイン】
悪魔版。神話版と同じく白黒灰赤ですが、黒多め。警察イメージ。
ネルガルその他
【ネルガル(共通)その他】
わりと適当に描いたから、おかしい所ある気もするけど!
武器は神・悪魔ともに大剣ですー。大きさは身長の半分くらいですー。

↓こっから文字のみ↓
【ネルガル(神)】
メソポタミアの戦いの神兼太陽神兼疫病神兼冥府の王。
エンリルの息子で、エレシュキガルを妻とする。
性格は一言で言うと俺様。とにかく自分勝手で理不尽な行動が多い。
戦闘狂であり、殺すのも大好き。特に一度に大量に殺るのはスカッとしてたまらない。
そしてヤる方も大好き。攻めで受けでも。ただし妻一筋。
「家族構成」
父:エンリル
母:ニンリル
兄:シン
 アダド
弟:ニンギルス
「対神関係」
エンリル:信頼している。理由は殺しの機会を与えてくれるから。
しかし尊敬しているかと言うと微妙で、いささかうざったいとすら思っている
ニンリル:母親と思ったことはない
シン:少し苦手
アダド:どうでもいい
ニンギルス:うざい
エレシュキガル:精神的にも肉体的にも愛している
ナムタル:便利
ウトゥ:いじ…かわいがっている
タンムズとイシュタル:煙たがっている
エア:なんか怖い
アヌ:よく知らない
マルドゥク:好きじゃない
「戦闘」
大剣と魔法(火属性と闇属性)で行う。
物理攻撃も魔法攻撃もその威力は強大で、一撃で大勢の敵を蹴散らす。
また、動物の姿をした14の病魔を従えており、彼らも攻撃に加わる。
そのこともあって、基本的に大勢の敵を倒すことに特化している。
だが、一騎打ちも戦いの神というだけあって得意であり、
戦闘面に関して言えばメソポタミア最強を誇る。
「その他」
好きなもの:エレシュキガル、戦争、殺し
嫌いなもの:束縛(ただしエレシュキガルにされるのは別)
好きな食べ物:肉
嫌いな食べ物:冥界の食べ物
趣味:セックス、殺し、ウトゥをいじ…かわいがること
夢:夢なんてくだらない
「見た目」
見た目年齢:24
髪色:銀
眼の色:赤
【ネルガル(悪魔)】
地獄の警察署長兼ベルゼバブ配下のスパイ。
ネルガルが地獄の扉をくぐり、悪魔となった姿。
基本的なことは神であった頃と何一つ変わっていない。
ベルゼバブの部下でありながら、よくベルゼバブの動きを監視しては彼の情報を外に漏らす。
警察署長としてはいるだけで低級悪魔に恐れられるので、それなりに役に立っているようだ。
同じメソポタミア出身悪魔のタンムズやネビロスによく絡まれており、うざがっている。
「対魔関係」
ベルゼバブ:友達的なノリの上司
タンムズ:うざがってはいるが嫌いではない
ネビロス:好きじゃない
ベリアル:結構気が合う
プルトン:変なやつ
「戦闘」
「最近殺ってなくて腕が鈍ってきてる」というのは本人談。
スパイになったので、投げナイフを服に仕込むようになった。




と、いうわけで!ネルガルはこんな感じです。
ネルガルが悪魔になった経緯についてはあまりにも長すぎたので、
小説として別に書こうかな、と思っております。いつ書くかは知らないけど!



アダドがエンリルの末子設定など無視だ無視!
定期的にやるツイ禁中です。
本当はアカウント消したいくらいなんだけど、消したら絶対後悔するからやりませんが。
で、ツイ禁中なのでブログに愚痴愚痴。

今日、久しぶりにデジタルで全身絵描いたら、
全然描けなくなっててかなり落ち込んだ。
あるキャラの資料用に描いたんだけど、昔描いたやつの方が資料に向いてるくらいには下手。
まあ、描いたからには使うんだけども…。
でも本当、人に頼まれたのにあんなんで申し訳ない…。
…やっぱ描き直そうかなぁ?

なんでだろうなー、やだなー。
このまま下手なのが続くと困っちゃうな。
本気で落ち込んでるよ…。

愚痴失礼しました。
Twitterにて「うちの子まとめいるー?」と聞いたら「いるー」みたいな感じだったので。
うちの子全員まとめたいと思います。神話も悪魔も一次創作もごっちゃ。
絵(あるキャラのみ)と名前と一言紹介のみですが。
神話勢と悪魔勢はまとめきれないと思うので、とりあえずメインと小説に出てるのだけ。
少しずつ増やしていきます。

【神話創作】
「天地の輪舞曲(ゾロアスター)」
キャラ紹介用別記事
「反逆のファンファーレ(ウガリット)」
エル:大神。バアルたちの父。なさけない
アーシラト:エルの妻。バアルたちの母。強い
攻略対象
バアル:雷神。短気だけどノリがいい
ヤム:海竜。バアルの弟。性格は俺様なツンデレ
モト:死神。バアルの兄。常識人
アッタル:バアルたちの弟。生意気なガキ
アナト
アナト:バアルの妹であり妻。バアル大好きなヤンデレ
アスタルテ
アスタルテ:バアルの妹で正規ルートでは彼の嫁。パラレルワールドではヤムの嫁に。
シャパシュ(左)とコシャル(右)
シャパシュ:太陽女神。バアルの味方。姉御肌
コシャル・ハシス:鍛冶神。バアルの味方。変態
ホロン:死神。シャパシュの娘を娶る。ナルシスト
「創造の三重奏(インド神話)」
ブラフマー
ブラフマー:創造神。知り合いには傲慢だが、実は超人見知り
シヴァ
シヴァ:破壊神。妻が大好き。暴れん坊
ヴィシュヌ
ヴィシュヌ:維持神。敬語毒舌キャラ
インドラ(左)とヴァーユ(右)
インドラ:最高神。酒が大好き。兄貴肌
ヴァーユ:風神。インドラ、シヴァとは友達。子供っぽい
ヴァルナ(左)とミスラ(右)
ヴァルナ:ミスラの双子の兄。マイペース
ミスラ:ヴァルナの双子の弟。酒好きの牛好き
ナーサティヤ(左)とダスラ(右)
ナーサティヤ:ダスラの双子の兄。いたずら好き
ダスラ:ナーサティヤの双子の弟。兄よりも口が悪い
アルヤマン:歓待の神。楽しければなんでも良いタイプ
バガ:盲目の神。常識人
アグニ:インドラの弟。お化けが苦手(神なのに)
サラスヴァティー:ブラフマーの娘にして妻。夫はなんだかんだで好き。毒舌
パールヴァティー:シヴァの妻。夫大好き。天然
「只今、喧嘩中!(メソポタミア神話)」
エア、アヌ、エンリル
エンリル:嵐の神。尊大。エアが大嫌い。
エア:知恵の神。飄々としていて掴み所がない。
アヌ:天空神。息子たちの喧嘩を呆れながら見てる。
シン
シン:エンリルの息子で月の神。冷静沈着だが、自分の計画通りに進まないとイライラする
アダド
アダド:エンリルの息子で雷神。父や兄弟に振り回される苦労人。
ニンギルス
ニンギルス:エンリルの息子で戦神。ものすごい馬鹿で派手好き。
ウトゥ、ネルガル
ネルガル:エンリルの息子で疫病神。エレシュキガルの夫。俺様。
ウトゥ:シンの息子で太陽神。父と妹に弱い。
イシュタル(左)とエレシュキガル(右)
エレシュキガル:シンの娘で冥府の女王。ネルガルの妻。一途。
イシュタル:シンの娘で愛の神。夫はタンムズ。だが、他にもたくさんの恋人がいる。
マルドゥク
マルドゥク:エアの息子で最高神。体はでかいがまだまだ少年で、好奇心旺盛。
タンムズ:イシュタルの夫の牧羊神。恋多き妻に辟易している。
「今日も明日も破壊活動!(エジプト神話)」
ラー、アテン
ラー:太陽神にして最高神。ボケじじい。
アテン:太陽神。なんかふよふよと浮いてる物体。
オシリス
オシリス:冥府の神。セトたちの兄。イシスが妻で息子にホルスとアヌビス。天然。
イシス
イシス:魔女。オシリスの妹にして妻。息子はホルス。恐ろしい方。
セト
セト:嵐の神。ネフティスの夫。意外と真面目。
ネフティス
ネフティス:夜の神。セトの妹にして妻。息子にアヌビス。ツンデレ。
アヌビス(左)とホルス(右)
ホルス:太陽神。オシリスの息子。騒がしいアホ。
アヌビス:ミイラの神。オシリスとネフティスの息子。寡黙。
バステト(左)とセクメト(右)
バステト:猫の神。気まぐれだが優しい性格。
セクメト:戦闘狂。血を見ると興奮するタイプ。
トト(左)とコンス(右)
トト:月の神で知恵の神。冷静且つドライ。
コンス:月の神。優しくてノリが良い一方で残酷さも持ち合わせる少年。

【悪魔創作】
透過はメンドウナノデス!
「七つの大罪」紹介用別記事
ベリアル
ベリアル:無価値なもの。嘘が大好きな俺様
バエル
バエル:ベルゼバブの片割れ。寡黙だが、王冠の猫とカエルはよく喋る
猫:バエルの王冠の猫。その正体はモト
カエル:バエルの王冠のカエル。その正体はヤム
アドラメレク
アドラメレク:サタンの衣装係。だがベルゼバブを慕う
モロク
モロク:無慈悲な魔神。なにかと燃やしたがる
ベリト
ベリト:嘘つきな拷問官。ドS
ケモシュ
ケモシュ:悪魔になる前はアッタル。ベルゼバブとバエル(の王冠コンビ)によく絡む
ネルガル
ネルガル:地獄の警察署長。ベルゼバブの部下。よく主人の情報を漏らす
プルトン
プルトン:地獄の懲役総監。ギリシャの冥界神ハデスの分身。やたらと愚痴を言う
リリス
リリス:不思議な女悪魔。魔女っ子を自称するお姉さん
メフィスト
メフィストフェレス:サタンの養子。中二っぽい。ベルゼバブを慕っている。

【創作アーサー王】
ヘタレ王と残念な騎士団
アーサー(左)とケイ(右)
アーサー:国王。ケイの義弟。真面目
ケイ:国務長官。アーサーの義兄。毒舌
ルーカン(左)とベディヴィア(右)
ルーカン:執事。ベディヴィアの兄。言うことははっきりと言う
ベディヴィア:親衛隊長。ルーカンの弟。ケイを慕っている
ガウェイン
ガウェイン:立派な騎士。真面目な熱血漢

【創作三国志】
曹操
曹丕
曹叡
曹芳(左)、曹髦(真ん中)、曹奐(右)


【ファンタジー創作】
勇者探しの旅
キャラ紹介用別記事

【霊創作】
悪霊たちのから騒ぎ
ウィル
ウィル:ウィル・オ・ウィスプ。生前は鍛冶屋。意外とドライ
ジャック
ジャック:ジャック・オ・ランタン。ウィルの弟。酒好き
エリック
エリック:ファントム。しかし生前の記憶を失っている(名前も覚えていない)
エリュディン
エリュディン:ヴァンパイア。エリックの双子の弟。穏やかで人当たりがいい
ロイ
ロイ:ポルターガイスト。貴族の幽霊。家族思い
レウフィース
レウフィース:ユニコーン。古代の魔導師。処女厨
エディ(左)とマティアス(右)
エディ:レッドキャップ。残酷。カタカナで喋る
マティアス:狼男。悪霊に支配されている。人殺しの詐欺師
ナイトメア
ナイトメア:夢の中で人を殺す悪霊。夢の中で殺された人は現実でも死ぬ。

【人外創作】
人外の町へようこそ!
人外創作
画像参照






記事作成日…2015-02-08
更新…2015-02-11 悪魔創作にリリスとメフィスト、霊創作にナイトメア追加。
   2015-02-26 神話創作にメソポタミア、エジプト、創作三国志に曹家の画像だけ追加。
2月6日はブログの日♪今日はブログを書こう!ブログネタ:2月6日はブログの日♪今日はブログを書こう! 参加中
今日はブログの日らしい。
いささかむりやり感がするが、とにかくそうらしい。
というわけで、ブログに関して語ろうと思います。

まず、ブログを始めたきっかけは
HTMLを覚えるのが面倒だったからです。
最初は普通のwebサイトを作ろうと思って奮闘したんですが、うまく行かずにブログに逃げました、はい。
ちなみに、茶釜っていうHNはwebサイトを作ってた頃から使ってます。
本当は今でも普通のwebサイトに移行したいんだけどねー。
やっぱりレイアウト考えたり、HTMLの勉強が面倒でねー。

次にブログの歴史。
このブログ、「絶対自由」になってもう長いですが、最初はいろいろと名前変えてました。
「絶対自由」にしたのはサガがきっかけで、メインジャンルをスクウェア系に移行したので。
とはいっても、今じゃすっかり神話・悪魔系の創作ブログですが。
最初のジャンルは無双でした。
10歳からやってますが、しばらく年齢隠して高校生のお姉さんたちと付き合っていました。
最初の頃は意欲的に更新してましたが、しばらく経つと不定期更新になって3ヶ月に一回とかの更新になりました。
その後もいろいろありましたが、pixivで新田さんと出会ってバトン再開したりして今に至ります。
ファンタジー創作始めたのは2008年らしいです。自分でびっくりだよ!
悪魔創作の設定だしたのと神話創作で小説を書き始めたのが2012年、これは最近ですね。
小説自体はブログ始めた当初から書いてましたが。
絵が残ってるのは2006年からかな?
まあ、もちろんその前からいろいろ描いてました。

最後にブログに対する思い入れ。
さすがに10年やってりゃ、愛着もわきます。
…そのわりには8周年、9周年記念絵描いてないけど!ごめんなさい!
このブログをやってていろんな人に出会えたし、いろんな人と別れました。
別れるのは寂しかったですが、出会えたことは素直に嬉しいです。
だからブログをやっててよかったと思います。


というわけで、このブログは今年で10年目になります。
ありがたいです。これも読者の皆さんのおかけです。
これからも続けていきたいと思うので、
どうかよろしくお願いします!2月6日はブログの日♪今日はブログを書こう!
2月6日はブログの日♪今日はブログを書こう!
自分で探すのがめんどくさくなったので、とりあえずまとめておきます。

(テーマごとに)下に行くほど新しいかもしれないし、違うかもしれない。

○●○●○
資料
●○●○●
グランドフィナーレ(悪魔創作)
七つの大罪
世界観設定
キャラ紹介ーバアル関連
キャラ設定ーニスロク
悪魔の設定絵
キャラ紹介ーアザゼル一派
表情差分ーバアル関連
天地の輪舞曲(ゾロアスター創作)
キャラ紹介ーアエーシュマ
キャラ紹介ー全体
善側一人称・二人称
反逆のファンファーレ(ウガリット神話創作)
バアル兄弟の設定的な
各神界の料理事情

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
読み物
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
グランドフィナーレ(悪魔創作)
悪魔たちの晩餐会
登場キャラ:バアル系悪魔、ケモシュ、ネルガル、プルトン
内容:ある晩、ベリアルの呼びかけで悪魔たちが一堂に集まったNEW
天地の輪舞曲(ゾロアスター創作)
双子の兄弟~ズルワーンによる創造~
登場キャラ:ズルワーン、アフラ、ミスラ、暴風トリオetc.
内容:アフラたちの出生
悪神との遭遇
登場キャラ:スラオシャ、アーリマン、アムルタート、アフラ、ミスラ
内容:アーリマンが対戦相手を変更したいと申し出てくる
ラシュヌの疑問と解決策
登場キャラ:ラシュヌ筆頭に善側オールキャラ(一部除く)
内容:ある日ミスラたちに「ひねてる」と言われたラシュヌは…
ダエーワの異常
登場キャラ:ダエーワオールキャラ+α
内容:アカたちがおかしい原因を探るアーリマン
正義と一緒
登場キャラ:アシャ、アムルタート、ハルワタート、アフラ(ミスラ、アールマティ)
内容:会議で騒いでて追い出されたアムルタートとアシャは人間界へ繰り出す
出会いの日
登場キャラ:スラオシャ筆頭に善側オールキャラ(一部除く)
内容:暇なアフラは増員のため、かつて神だった少年の元を訪れる
正義について語ろう
登場キャラ:ウルスラグナ筆頭に善側オールキャラ
内容:ウルスラグナが突然「正義とは何か」と言い出した
ヴァーユの幸せ子育て計画
登場キャラ:ヴァーユ、インドラ、アーリマン、アカ
内容:ある日ヴァーユが卵を見つけてくる
反逆のファンファーレ(ウガリット神話創作)
【よくわからない!バアルの物語】
登場キャラ:エル一家、コシャル、シャパシュ
内容:バアルの物語を自己流に解説
弓と泪と男と女―アクハトの物語―
登場キャラ:エル一家、ダニエル、アクハト、プガート、ヤプタン(コシャル)
内容:戦いの女神アナトと不運な狩人アクハトをめぐる物語
蛇な彼女
登場キャラ:ホロン、シャパシュの娘、モト、バアル、バアル・ぺオル
内容:想い人に告白したが振られてしまったホロンと彼の不能をめぐる話
海の王子
登場キャラ:ヤム、バアル、エル、アスタルテ
内容:ヤムの視点から綴るバアルの物語の一説
エルの愛し子
登場キャラ:モト、バアル、アナト(エル、ヤム、リタン)
内容:モトの生涯(BAD END)
創造の三重奏(インド神話創作)
鏡が映しだすものは
登場キャラ:ブラフマー、サラスヴァティー
内容:サラスヴァティーの誕生とブラフマーの恋
初恋、そしてに二度目の恋
登場キャラ:ルドラ(シヴァ)、サティー(パールヴァティー)、ダクシャ(ヴィシュヌ、ブラフマー)
内容:ルドラに恋をしたサティー。しかしそれを父は認めず…
ヘタレ王と残念な騎士団(アーサー王創作)
アーサーと不思議な森
登場キャラ:アーサー、ケイ
内容:幼いケイとアーサーが町外れの森を探検する話
失ったもの
登場キャラ:アーサー、ケイ、ベディヴィア(ルーカン、ガウェイン)
内容:ベディヴィアとケイが絆を紡いでいく話
アーサーと不思議な剣
登場キャラ:アーサー、エクター、ケイ、ウーサー、マーリン(タリエシン)
内容:タリエシンが語るアーサー出生の秘密と王になった次第
混合
最高神様は早急に仕事をしてください
登場キャラ:日本、中国、インド、オリエントの最高神と周りの面々
内容:各地の最高神の仕事ぶりを覗いてみよう

▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
その他
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲
北欧神話語り
イクシオン流行れ
アビリティ妄想
クズかクズじゃないか
インド・イランてどっちが先なの?
マジでどうでもいい話


かに座かに座
蟹座に関する資料
意味不コラム


バトンでもワイワイしてるよ!→バトン倉庫
バアル系悪魔がぐだぐだ喋る小説が書きたかった。ただしバールゼフォンはいないもよう。



※暴言言いたい放題
※ベルゼさんはかつての知りあいばっかなので比較的軽い口調
※ここでいう万魔殿は巨大な宮殿のイメージ。都市ではなく。
七つの大罪が住んでいて、それぞれが所有する区画がある。
他の悪魔は別に家を持っている。
※ベルゼバブは記憶ありのバアル・ハダドの分身で、バエルは記憶なしのバアル・ハダドの分身。
※何度も言うけどアッタル=ケモシュは完全オリジナル設定だから!



あるとき、ベリアルが言った。
「なあ?バアル系悪魔で集まらねぇ?」

悪魔たちの晩餐会

「俺はバアル系悪魔集まると聞いていたんだが…」
ベルゼバブはそう言ってテーブルを見回す。
テーブルは長方形で真ん中の北側にはベルゼバブ。真ん中の南側にはベリアルが座っており、
右側にはバエル、ベルフェゴール、モロク、ベリト。
そして左側にはアドラメレク。
と、何故か関係ないはずのケモシュ、ネルガル、プルトンが当たり前のように座っていた。
「何故関係ないやつらがいる!?ふざけんなよ、お前ら全員死ね!」
「オレはベルフェゴールやモロクと同一視されてるんだからいいだろ!?」
「あー?お前の料理食う機会なんて滅多にねぇじゃん。だから食いに来た」
「私の愚痴もたまには聞いてくれ…」
ケモシュとネルガルがほぼ同時に喋ったあと、プルトンがひっそりと呟いた。
「だいたいどこから漏れたんだよ!ベリアル、お前か!?」
「バカ言え。わざわざこいつろを呼ぶ必要がどこにある?」
ベリアルは心外だ、というふうに肩をすくめる。
するとネルガルが「フッ」と笑った。
「俺様はスパイだぜ?こんな情報、手に入れるのは簡単だったさ」
「お前また俺の話を盗み聞きしたな…。主人の行動を見張るな!」
「俺に気づかないほうが悪い。意外とそういうところ鈍感だよなぁ?」
「クソが死ね。まったく…、元太陽神のくせに気配を隠すのが上手いやつめ」
ベルゼバブは溜息をつくと、今度はケモシュの方を睨んだ。
「オレ?オレはあれだよ、この鼻で嗅ぎつけたのよ!」
「その鼻削ぎ落としてやろうか」
「えっ、ちょっまっ」
ベルゼバブが本当にそうするのではないか、と身構えるケモシュだが
鼻は削ぎ落とされなかった。代わりに炎が飛んできたが。
「あちぃ!あちっあちっ!」
「なに、そのうち消える。…で、お前は…」
そこまで言うとベルゼバブは思い出したかのように「ああ」と言った。
「…俺が話したんだったか」
そう言ってプルトンの方を見ると、彼はこっくりと頷いた。
「そうだ、お前に酒の席で愚痴られたのだ。いいではないか、私が来ても!」
「いや、愚痴っただけで『来い』とは一言も言わなかったがな…」
するとベリアルがベルゼバブに向かって「おい」と声をかける。
「俺を疑っておいてそれはねぇだろ。謝れや」
「…あー、悪い。忘れてたんだよ。だがまあ、お前だしな?疑われても仕方ないだろ」
「それは褒め言葉かな?わ~、嬉しいなー!ぶっ刺すぞ!」
「うるせぇ、俺の家貸してやってんだから文句言うな」
そう、会場は万魔殿の一角にあるベルゼバブの所有する大広間だった。
会場としてここが選ばれたのは「ここなら勝手にコース料理が出てくる」からだ。
「ま、料理は余計に作ってある。全員、俺の料理が食べられることを感謝するんだな」
「なんだよ、作り置きかよ。冷めてないのか?」
とモロクが文句を言うが、ベルゼバブは余裕の表情だ。
「安心しろ、俺の料理は決して冷めることがない。いくら経っても味は落ちんぞ」
ベルゼバブの不思議な技術に「おお」と感嘆の声があがる。
そしてすぐさま「早く持ってこいよ!」というような雰囲気になった。
ベルゼバブは「はぁ…」と溜息をつくと、厨房へと向っていった。
なんでも彼は召使いを雇わない主義らしい。自分の時間が邪魔されるから、ということだった。

彼が厨房に食べ物を取りに行ったる間、悪魔たちは今宵の肴についてで盛り上がる。
「いや~、俺、あいつの料理って初めてだわ。なんでもめちゃくちゃ美味いらしいな」
「オレも初めてだ。どれほどのものか確かめようじゃないか」
モロクとベリトが隣同士で盛り上がっていると、突然ケモシュが拳を前に突き出した。
「オレなんてもともとあいつの兄弟だったのに初めてだぜ!!早く食わせてもらわないとな!」
ケモシュはかつて金星神・アッタルと呼ばれていた。
アッタルは今はベルゼバブとバエルに分裂しているバアル・ハダドの弟だった。
ベルゼバブは神の頃から料理上手であったらしい。
「おうおうおうおう、今日食えるやつはいいよなぁ。俺らなんか一生味わえないってのに」
「そうだ!そうだ!オレたちだって兄弟なのによ!」
そうやって羨ましがるのはバエルの王冠に載る猫とカエルだ。
彼らはかつてバアル・ハダドの兄弟である死神と海神だったが、
諸事情でパペットになってしまい、その上バエルの王冠にくっついてしまったらしい。
ちなみにその王冠をいただくバエルもバアル・ハダドの分身ではあるが、
神の頃の記憶をなくし、そして食に対する興味も失い、簡単なものしか作らないそうだ。
「残念ですね、ヤム様、モト様。ベルゼバブ様のお料理は天にも昇る味ですのに」
「へー、そりゃマルコシアスにも食べさせてやりたいね」
アドラメレクが恍惚そうに言うと、横からネルガルが茶々を入れる。
マルコシアスは常日頃から「天使に戻りたい」と言っている堕天使だ。
「ネルガル様は意地が悪いですな。比喩表現でしょうに」
とアドラメレクが頬をふくらませていると、
今まで寝ていたはずのベルフェゴールの鼻がひくつく。
大きな扉が開いてベルゼバブが入ってくる。おまちかねの料理の登場だ。
「まずは前菜。そしてスープだ」
各々の席の前に色とりどりの野菜のシーザーサラダとポタージュスープが運ばれてくる。
サラダの器は透明で高級感があり、スープカップの持ち手には蝶が舞っていて美しい。
「で、これがメイン。鮭のムニエルだな」
最後にテーブルに置かれたのはメインである魚料理だ。
鮭のムニエルの周りには様々なきのこも盛りつけられており、それがまた食欲をそそる。
ベルゼバブが料理を運び終わってテーブルにつく前に、
皆フォークを手にとってその美しい料理を味わおうとするが、彼はそれを手で制する。
「いただきます、してからだろ?」
ベルゼバブは以前日本に行った際、
誰もが「いただきます」を言ってから食事を始めることに感銘をうけたらしい。
ヨーロッパは食事の前に神に祈るが、「いただきます」のような感謝の挨拶は存在しない。
神に祈るはずのない地獄では、当たり前のように無言で食事を始める。
ゆえに彼は日本の文化に感動し、自分もそれを倣うことにしたのである。
まあ、今回の場合は、食材に対しての「あなた方の命をいただきます」という意味よりは、
「作った俺に感謝しやがれ」という意味合いのほうが強いのだが。
さて、ベルゼバブが自分の席に座ると、参加者全員に「いただきます」を強要する。
ほとんどの者はしぶしぶといった様子だったが、バエルとアドラメレクだけは素直に従った。

『いただきます』
そう言うが早いか、モロク、ベリト、ケモシュはガツガツと食べ始める。
アドラメレク、ベリアルは優雅にゆっくりと食べ始め、
バエル、ベルフェゴール、プルトンは自分のペースで食べ始めた。
ちなみにネルガルはというと、意外にもベリアルたちと同じように優雅に食べた。
さすがかつては冥界の王だっただけあって、食事マナーは心得ているようだ。
プルトンも冥王・ハデスの分身のはずだが、あまりそのあたりは気にしていないらしい。
サラダは様々な野菜の食感が楽しく、スープは優しい味がした。
ケモシュは一瞬でサラダを完食したかと思うと、グラスを傾け一気にワインを飲み干す。
そしてそのグラスを高々と掲げて「ワインおかわり!」と叫んだ。
「目の前にあるだろうが!そんくらいは自分でやれ!」
とベルゼバブが答えながら、テーブルの真ん中を指差す。
そこには白と赤、そして様々な年代、地域のワインが綺麗に並べられていた。
「やーだね!だいたいオレ、どれがいいのかわかんねーもん!」
「仕方ありませんね、私がこの素晴らしい料理に合うものを注いでさしあげますよ」
ケモシュが駄々をこねると、
隣のアドラメレクが彼のグラスを引き寄せ、そのグラスにワインを注ぎ込む。
その光景を見ながらネルガルが言った。
「お前って料理のことはやたらとこだわるくせに、出す酒にはこだわんないのな?」
つまり「何故、その料理に合うワインを一種類だけ出しておかないのか」ということである。
「お前らだって好き勝手飲みたいだろ?それにこれは俺が厳選したワインだから外れはない」
「俺はビールのがいいね」
とモロクはそれとなく要求してみるが、ベルゼバブは「黙れそして死ね」と言うだけだった。
悪魔たちはサラダとスープを完食したあと、酒を嗜みつつメイン料理に手を付けた。
鮭のムニエルだ。これがメイン料理にふさわしい味で、
たっぷりとかけられたタルタルソースが鮭ともきのこともよく合っていた。

「さて、そろそろ本題に入らせてもらおうか」
そう言ったのはプルトンだった。彼はテーブルに肘をつき、手を組んでいる。
「行儀が悪いぞ、プルトン。ところで、本題ってなんだよ?」
ベルゼバブが訝しげに尋ねると、プルトンは「いやいや」と首を横に振った。
「本題とはもちろん私の愚痴のことだ。心して聞いてもらおうか」
「そんなことが本題だったのか、この集まり?そもそもお前、元々呼ばれてなかったのに?」
「俺はそんなことを本題にした覚えはねぇぞ」
プルトンがゆっくりと告げると、間髪入れずにベルゼバブとベリアルがツッコんできた。
「ええい!黙れ黙れ!私の愚痴を聞けー!!」
そう叫びながらプルトンはドンッとテーブルを叩く。
瞬間ベルゼバブが「おいお前ふざけんなッ!!」と声を上げるが、プルトンは気にしていない。
長テーブルに敷かれた赤いビロードの布がフワッと浮かび上がった。
テーブルを見ると、どうやら料理やワインは無事だったようだ。
ベルゼバブは安堵の息を漏らすが、直ぐに気を取り直してプルトンに怒鳴った。
「おい!俺のテーブルに好き勝手なことするんじゃねぇよ!!」
が、プルトンは謝らない。「いいから私の愚痴を聞け!」の一点張りだ。
仕方なく、ベルゼバブたちはプルトンの愚痴を聞くことにした。

「…で、それで俺たちにどうしろって?」
「いや?ただ愚痴を聞いて欲しかっただけだが」
プルトンの言葉を聞いて、彼を除く全員が呆れた、というような仕草をした。
プルトンの愚痴は「アラストルとアバドンにいつもからかわれる」という
ここに集まった悪魔たちには心底どうでいいことだった。
しかも本当に、ただ愚痴を聞いてもらいたかっただけらしい。
そんなことでテーブル叩くなよ…、と(プルトン除く)全員が思った。

「はー…。仕切り直しだ仕切り直し!次のメイン料理持ってくる!!」
ベルゼバブはそう叫ぶやいなや、テーブルを離れて厨房へと向っていった。
会場は未だ、微妙な空気に包まれている。
プルトンが「どうした?」と不思議そうな顔で言っているが、ツッコむのも面倒くさい。
彼らはベルゼバブが戻るまで終始無言だった。
やがて扉が開いた。次の料理の入場である。
「お次は仔羊のソテーだ」
自分の席の前に次の料理が来ると、彼らはパッと顔を輝かせた。
美しい肉の上にはバルサミコソースが格子状にかけられ、周りにはハーブが散りばめられている。
「それから、ここにチーズを添えていく」
金縁の白い皿の上にモッツァレラチーズが添えられ、更に見栄えが良くなった。
こうされるともう我慢ならない。悪魔たちは総じて肉好きなのだ。
彼らはチーズが置かれるやいなや、フォークとナイフで肉を切り出した。
ベルゼバブが傍らで「ああ…」と頭を抱えているが、そんなことは関係ない。
こうなっては仕方がないので、ベルゼバブも無言で席に戻り、食事を再開した。
さて、メインの肉料理のお味はというと彼らが肉好きなこともあり、今までの料理で一番美味かった。
肉は驚くほどに柔らかくそれでいてジューシーだ。
その上から甘酸っぱいソースをかけられたのではたまらない。
先ほどまでの微妙な空気が嘘のように、皆美味そうに肉を頬張る。
悪魔たちは至福のひとときを楽しんだ。

「いや、それにしても美味かった。噂以上だな」
全員が肉料理を食べ終わった頃、モロクがそう言った。
その隣でベリトが「まったくだ」と言うように頷いた。
「オレも初めて食ったけどめちゃくちゃうまかっ…」
「あー!あー!あー!聞きたくねー!」
ケモシュが言いかけると、突然バエルの頭上にいたカエルが叫んだ。
「お前ら、美味そうな料理を前にして食えないやつの気持ちも考えろよ!?」
「そんなところに載ってるほうが悪い」
「好きで載ってるわけじゃねー!!」
ベリアルが冷たく言い放つと、カエルは泣きそうな声で叫んだ。
まあ、実際にはパペットなので泣けないわけだが。
「やめろよ、バカガエル!なにを言っても俺たちは食えやしないんだ!」
そう言ったのは、意外にも王冠を挟んでカエルの隣にいる猫だった。
「だが、今日ここに集まったやつは全員呪う」
「おい!」
バアル・ハダドの兄弟たちが騒いでいる間も、プルトンはデザートを待った。
「早く持ってこい」と口には出さないがベルゼバブを期待の眼差しで見つめた。
しかしベルゼバブは自分の兄弟を呆れながら見つめていて、気づかない。
するとベリアルが「そろそろ甘いもんが食いてぇなー」と呟いた。
「ああ、デザートか?待ってろよ、俺様の自信作を持ってきてやる」
ベルゼバブは自信ありげにニッと笑って出て行った。
自信作、という言葉を聞いて会場がどよめく。
今まででも十分美味かったのに、自信作とはどれほどの味だろうか。
「一体何が出てくるんでしょうね!プリンでしょうか?」
「いやいや、和菓子系かもな。花の形を模したさ」
「あいつだったらケーキを持ってきてくれるに違いない!特大の!」
「オーソドックスにゼリーとか?」
などと勝手な想像をふくらませていると、ギィ…と扉が開く音がした。
皆は一斉に扉の方を注目する。

デザートは青みがかった器に盛り付けられていた。
その器は下は狭く上は広くなっていて、菱型が何個も重なってできている。
それは色の印象も相まってコキュートス(氷地獄)を思わせた。
中身の方はというと、下からバニラアイス、シリアル、チョコレートアイス、またシリアル。
そしてシリアルの上にストロベリーソースがかけられ、
その上にストロベリーアイスと板チョコレートが載ったパフェだった。
さすが自信作というだけある。それは悪魔たちを十分に惹きつけた。
「なんて…!なんて美味しそうなんでしょう!さすがはベルゼバブ様です!」
「フッ、我を讃えよ」
「ちょ、調子乗りやがって…!でもめちゃくちゃ美味そうだ、これ…!」
調子づくベルゼバブを見て、ケモシュが悔しそうに言った。
「美味そう、じゃなくて、美味いんだよ。ほれ、食べてみろ」
ベルゼバブが自信満々にスプーンを手渡す。
ケモシュはスプーンを受け取ると、一口分削りだし口に運ぶ。
口に入れた途端、彼は目を見張った。
そして凄まじい勢いでパフェを完食すると、目を輝かせながら「美味い!」と叫んだ。
「美味い!マジで美味い、これ!なんていうかもう、ヤバい!!」
ケモシュの言葉ではいまいち美味さが伝わらなかったので、
それぞれがスプーンを手に取り、まずは一口食べてみることにした。
最初の反応は皆、ケモシュと同じだった。口に入れて、まず目を見張る。
それからは各々が好きな様に食べた。
笑顔で「美味しい!」と言いながら食べる者や、ケモシュのようにかき込む者、
少しずつ食べて幸せを長く味わおうとする者、
「フーン…」と言いながら目を細めて食べる者、反応は様々だが皆、美味そうに食べた。
それは当然のことだった。なにせ美味いのだ。
下の段はもちろんだが、上の段がとてつもなく美味い。
板チョコレート、ストロベリーアイス、ストロベリーソース、シリアル、チョコレートアイス…。
その全ての個性が、でしゃばりもせずひっこみもせずに美しいハーモニーを奏でる。
それはパフェを食べたものにしか聞けない最高の音楽だった。

デザートを食べ終わると、ベリアルが「さ~て」と屈伸をする。
「それじゃ、そろそろお開きにしようかね」
「お?そうそかそうか、だったら早く出てけ」
ベリアルの言葉を受けて、ベルゼバブがしっしっと手を動かした。
「なー!もっと料理ないのかよ、ベルゼバブ!オレまだ食い足りねー!」
文句を言うケモシュを猫とカエルがキッと睨む。
ケモシュは一瞬怯んだが、負けじと彼らを睨み返した。
「ふざけんなよ、帰れ帰れ」
ベルゼバブは目を細めながら冷たく言い放った。
「…じゃ、俺は帰って寝るわ」
今までろくに喋らなかったベルフェゴールがそう言って立ち上がり、扉の方に向かった。
ごちそうさまの一言くらい言えよ、とベルゼバブは思ったが
ベルフェゴールに言ってもしかたがないことなので無言で彼を見送る。
他の悪魔たちは「美味かった」や「ごちそうさん」と挨拶して退場した。
最後にバエルとアドラメレクが残り、「片付けを手伝う」と申し出たので、
ベルゼバブ・バエル・アドラメレクの三柱は談笑しながら片付けをした。
こうして悪魔たちの集会は、意外にも平和に幕を閉じたのだった。


                             おわり


いやね、もっとぐだぐだした話を書くつもりだったんですよ?
なのになんで優雅に食事してんだ!?それもこれもベルゼさんのせいだ!!
…でもまあ、料理の描写は美味しそうに書けたので満足です。
ていうかパフェ超美味そうだから、ベルゼさん私にも作ってください!
リクエストを消化するという。年内にやれよ…。
というわけで沙羅茉さんからのリクエストで「インドラとヴァーユが共闘する話」です。



「お、なんだこの卵?」

ヴァーユの幸せ子育て計画

「なー、インドラー!おもしろいもん見つけたんだけど」
ここは地獄。インドラは広場で筋トレをしていた。
そこに天使であるはずのヴァーユがあいかわらず断りもなく入ってきて、悪魔のインドラに話しかける。
今日はなにかを見つけたのでインドラに見てほしいらしい。
「んだよ、なに見つけたんだ…って卵!?」
ヴァーユが見つけたものとはずいぶんと大きな卵だった。幼い子供くらいの大きさだ。
「どうしたんだよ、これ!いやそれよりも、今すぐ巣に返してきなさい!」
「んー、地獄散歩してたら見つけた。返すなんてやだぞ!」
ヴァーユがごねていると、何者かがこちらに近づいてくる気配がする。
「インドラよ!俺の卵を知らな…あっ!」
アーリマンだった。彼はヴァーユが持っている卵を見ると、すぐにそちらに駆け寄る。
「なんだこれ、アーリマンのだったの?卵放っておいちゃかわいそうだろ!」
というヴァーユの頭を叩くと、アーリマンは彼から卵を奪い取った。
「放っておいたのではない!置いておいたんだ!それを貴様が…!!」
(置いておいたってことは、放っておいたってことじゃねぇか?)
などとインドラが考えていると、アーリマンが「邪魔したな」と彼に声をかける。
そこをヴァーユが大声で呼び止めた。
「ってー!ちょっと待ってよ!卵を放っておくような奴に、そいつは任せられないな!」
「だから放ってはないと…。それに貴様、これがなんの卵だかわかってるのか?」
「いいや!全然わからん!」
堂々と言ってのけるヴァーユに、インドラは呆れて頭を抱えた。
(なんでこんなやつの親友してるんだ、俺…)
ということはさておき、ヴァーユの答えを聞いて悪神は「フフン」と鼻を鳴らす。
「聞いて驚け!こいつはトカゲ人間の卵だ!俺が丹精込めて創りだしたな!」
「トカゲにんげ…いや、それより創りだしたってことは産んだの!?」
「産んでない!!無から創りだしたのだ!!」
インドラはアホなやりとりに軽くめまいを覚えながらも、悪神に問うた。
「…で、トカゲ人間てなぁ、なんなんだ?」
アーリマンは「待ってました」とばかりに、顔を輝かせながら大声で言った。
「よくぞ聞いてくれた!こいつはすごい化け物だ!人間を恐怖に陥れるだろう!」
「トカゲ人間…って、そのまんまトカゲ型の人間?」
卵をじっと見つめながら、ヴァーユが不思議そうに尋ねる。
「いや、人間型のトカゲ…というか人間の大きさと知能を持ったトカゲだ」
「なんだ、それなら怖くないじゃん!トカゲって意外とかわいいし。
もっと人間の顔がついたトカゲとかだと思ったよ」
怖っ!!なんて恐ろしいものを想像するんだ!
そ、そんな恐ろしいもの、俺に創れるはずないだろう!!」
「…てか、『トカゲかわいい』発言って天使的にアウトじゃねぇの…?」
騒ぎ立てるアーリマンを横目に見ながら、インドラは小さな声で呟いた。
「なー!そいつ、俺が育てていい?ちゃんと世話するからさ!」
「なっ!?天使なんかに預けられるか!」
「んな細かいこと気にするなって!」
「細かくないわ!」
「そうだぜ、ヴァーユ。こいつはアーリマンのなんだ。親に育てさせて…」
インドラがそう言いかけると、「ピキッピキッ」となにかがひび割れるような音が耳に届いた。
卵を見てみると、案の定大きなひびが入っている。
「生まれるのか…!?」
アーリマンがそう言った瞬間、また「ピキピキピキッ」と音がした。
そして殻が全て割れたかと思うと、「パカッ」という音がして小さなトカゲ人間が現れた。
その顔はというと…
「えっ!俺!?」
ヴァーユの方を向いていた。トカゲ人間は彼に向かってゆっくりと歩み始める。
「わー!おいで!おいで!俺がお父さんだよ!」
「…っな!馬鹿な!ヴァーユを親と認めたとでも言うのか!?」
「刷り込みってやつか?」
「へっへー!やっぱこいつは俺に育てて欲しかったんだよ!」
「ば…馬鹿な…」
トカゲ人間にすり寄られ上機嫌なヴァーユとは逆に、悪神はひどく落ち込んだ。
アーリマンはガクッと膝から崩れ落ちると「完敗だ…!」と、低い声で呟いた。
「…いやいや、もうちょっと頑張れよ」
インドラはそんな彼を見て思わずツッコんだが、アーリマンにその声は届かない。
一方のヴァーユはというと、トカゲ人間を抱いて、撫でて、やる気満々だ。
こうしてヴァーユの子育てが始まった。

とはいっても、もちろん条件付きであった。
それは「地獄の中だけで育てること」
これはトカゲ人間を天界に連れ帰ると騒ぎになるため、アーリマンなりの配慮でもあった。
しかしヴァーユはそんなことも考えずに、この条件に不満を漏らしたが。
なんとかインドラが説得することによって事なきを得た。
というわけで今は、ヴァーユも毎日地獄に来てトカゲ人間を育てている。
「あー!あー!」
「おっ、どうした?ミルクか?おもらしか?」
「あー!あー!あー!」
「『あー』じゃわかんないだろ!ちゃんと喋れ!」
「赤ん坊に無理言うなよ…」
「…むー、しかし案外育てるのは大変だな。量産しようと思っていたのだが…」
「あー!あー!あー!あー!」
「まったくしょうがないなぁ、アカは

さて、トカゲ人間が“アカ”と名付けられたことにより、迷惑を被る悪魔がいた。
その名は「アカ・マナフ」悪思を司る悪魔である。
もちろんその長い名を呼ぶものはなく、普段は「アカ」と呼ばれている。
そう、トカゲ人間と名前がかぶっているのだ。
というより、ヴァーユは「なんか性格悪そうでアカに似てる!」といって名づけたのだが。
それを知ってか知らずか、「アカ」は“アカ”を恨んでいた。
皆が楽しそうに自分の話をしていると思うと“アカ”の話だったり、
自分が呼ばれたと思っていくと“アカ”が呼ばれているだけだったりする。
それにもう一つ苛つくところがある。“アカ”は「アカ」と違って愛されているのだ。
自分は気持ち悪がられたり怖がられたりなのに、同じ名前の奴は愛されている…。
それが「アカ」を非常に苛つかせた。
そして今日も“アカ”を呼ぶ声が聞こえてくる…。
「アカー!こっちおいで~!」
「アカ」は“アカ”のことだと知りながらも、嫌がらせでヴァーユに近づいた。
「大声で私を呼びましたか?」
するとヴァーユは露骨に嫌な顔をして、こう答える。
「お前なんて呼んでないよ!俺はトカゲ人間のアカを呼んだんだ!」
「アカ」は自分でやっておきながら、この言葉に非常にムカついた。
そして心のなかで誓う。
(覚えておきなさい、ヴァーユ!そして“アカ”!!必ず仕返ししてみせますよ…)

“アカ”もだいぶ成長し、体が人間の大人くらいになったある日のこと。
“アカ”が口を開いて何かを言おうとしているが、なかなか言葉が出てこない。
「どうした、アカ!?ついに喋るのか…!?」
そう、“アカ”は今まで「あー」としか言葉を発しておらず、皆心配していたのだ。
そしてついに“アカ”が喋る時がやってきた。
「ヴ…」
「ヴ!?」
「ヴァ…ユ…」
「ヴァユ!?ヴァーユ!?うん、ヴァーユだぞ!!俺、ヴァーユ!」
「ヴァユ!ヴァユ!」
「インドラー!アカが喋ったよー!やったー!!」
ヴァーユの大声に気づき、隣の部屋で“アカ”の食事を作っていたインドラがやってくる。
「そら『アカ』は喋るだろ…」
「ド…ラ…?」
「ん!?えっ!?聞き間違いか!?今、“アカ”が喋らなかったか!?」
「だからアカが喋ったんだって!ほら、お前の名前!」
「ドラー!」
インドラは“アカ”が自分の名前を喋ったことに気づくと、目から一筋の涙がこぼれ落ちた。
「お、俺…。ドラ、じゃなくてインドラだけど…。おまっ、喋って…」
「ドーラー!」
インドラは“アカ”に駆け寄り、思い切り抱きしめた。
「お前…!お前…!ついに喋ったんだな!やったなぁ…!!」
彼は“アカ”を抱きしめながら、「うおぉぉお」と男泣きした。
ヴァーユはそんな彼らの様子を見て「うんうん」と頷いている。
その後、ヴァーユたちは“アカ”を連れ回し、ダエーワ全員にトカゲ人間が喋る様を見せた。
もちろん皆喜んでその成長を祝ってくれた。
ただひとりをのぞいては…。

その翌日のこと。
ヴァーユが地獄へ来ると、“アカ”が苦しそうに寝ていた。
隣でインドラが心配そうに“アカ”の背中をさすっている。
「どうしたんだ!?」
「わからねぇ…、俺が起きたらもうこうだったんだ」
「どうしちゃったんだよ、アカ…!返事してくれよ!!」
ヴァーユがそう言うと、“アカ”はゆっくりと目を開く。
いつもは金色であるはずの瞳は、血のような赤へと変わっていた。
「!?お前、目が…」
「ヴァ…ユ…」
「なあ、アカ!大丈夫か!?」
「ヴァユ…ドラ…う、うおおおおぉぉぉおおお!!!!」
“アカ”は突然雄叫びをあげると、隣にいたインドラを突き飛ばそうとする。
「うぉっ!?」
インドラは咄嗟に腕を組んでガードして、なんとか倒れずにすんだ。
「インドラ!?アカ!どうしたんだよ!なんでインドラを…!」
ヴァーユが必死に呼びかけるが、“アカ”には聞こえていないようで
腕を振り上げ、あいもかわらず叫び続けている。
そして叫ぶのをやめたかと思うと、今度はヴァーユに向かって突進してきた。
「…!」
ヴァーユはすんでのところでそれを避ける。
“アカ”は目標を過ぎたとわかると、足を前に突き出し、そして止まった。
「アカ!アカ!俺たちがわからないのか!?こんなことやめてくれよ!」
ヴァーユは困惑しながら訴えるが、“アカ”の耳には届かない。

そんな様子を物陰から見ている悪魔がいた。
(フフフ…なにを言っても無駄ですよ)
「アカ・マナフ」だ。彼は口元を手で抑え、笑いを堪えていた。
(なんたってそいつはもう、悪の心に支配されてるんですからね!)
そう思うとつい大笑いしそうになるが、なんとか堪える。
(フフフフフ…私と同じ名前なのだからこうでなくては)
「アカ」はついに「フ」と声に出してしまうが、気づかれた様子はないようだ。
(ついでに能力の強化もしてさしあげましたよ。これで彼らも苦戦するでしょう…)
「アカ」は攻撃を避け続けるヴァーユとインドラを睨む。
(ま、せいぜいあがくことですね、ヴァーユ!!)

騒ぎに気づいたアーリマンがヴァーユたちの元へやって来た。
見ると“アカ”がヴァーユとインドラを攻撃しているではないか!
どうやらヴァーユたちは攻撃できずにいるようだ。
しかしそれにしても“アカ”はすさまじい攻撃を繰り出し、彼らを追い詰めている。
「何故だ…!?あのトカゲ人間は、人間でもなんとか殺せるような能力だったはずだぞ!!」
「!アーリマン!?危ない!!」
戦闘風景に気を取られ、アーリマンは“アカ”の攻撃を許した。
尻尾を振り回して繰り出されたその攻撃は、とても重い一撃だった。
「ごふぅっ!!」
直撃した腹を抑え呻くアーリマンに、“アカ”はもう一度攻撃を加えようとするが
インドラが素早く悪神の前に立ち、その攻撃を防いだ。
「おい!大丈夫か、アーリマン!?」
「こ…こんな不具合があるのでは…」
「はっ?なに言ってんだ?」
使えないな
アーリマンの呟きにインドラは耳を疑った。
「…おい!使えないってなんだよ!?“アカ”をなにに使うつもりだったんだ!?」
インドラはアーリマンを問い詰めようとするが、“アカ”がそれを許さない。
トカゲ人間は背を見せたインドラを思い切り殴った。
「がっ…はっ…!」
「インドラ!平気か!?」
インドラは倒れそうになるが、なんとか堪え、その場に留まる。
「アーリマ…、てめっ、どういうことなんだよ…」
なおも問い続けるインドラに、アーリマンは目を伏せて答えた。
「量産して人間界に放つつもりだったのだ」
「人間界に…放つ…?」
「主な目的は人間を怖がらせるためだが、互いに殺しあってくれればいいと思っていた。
それであわよくば人間の数を減らせたらと。しかし、味方を攻撃するようであればだめだな」
アーリマンの言葉を聞いて、しばらく呆然としていたインドラだったが
少しすると怒りを露わにして悪神に掴みかかった。
「てっ…てめぇ…!!」
ヴァーユも“アカ’の攻撃を避けながら、アーリマンを罵倒する。
「そんな…!そんなことのために“アカ”を作ったのかよ…!この…悪魔…!!!」
「なんとでも言え。俺は悪魔…いや、それ以上の存在。悪神だ」
アーリマンがそう答えると同時に、インドラは悪神を“アカ”の方へと放り投げる。
「なっ!?」
アーリマンは抵抗できずに、そのまま尻尾の餌食となった。
「くっ、くっ…!なんてことをするのだ、インドラ!!」
「るせぇ!てめぇなんて…!てめぇなんて…!アカに食われちまえ!!」
やめろよ、インドラ!!
ヴァーユは大声で叫ぶと、やがてぽろぽろと泣きだした。
「…アカが…!アーリマンを…親を…!食うわけねぇだろうがぁ!!」
「…ヴァーユ…」
ヴァーユが泣いているのを見ると、インドラも誘われるように涙を流した。
「おい!攻撃が来るぞ!!」
ヴァーユとインドラが泣いていても、“アカ”は攻撃をやめない。
“アカ”はふたりの間を狙って尻尾を振り回し、風圧で彼らを吹き飛ばした。

「ああぅう…」
「ぐ…おぉ…」
吹き飛ばされたふたりは地面に突っ伏して呻き声をあげた。
「……イン…ドラ…」
なんとか喋れるまで回復すると、ヴァーユはインドラに呼びかける。
「インドラ…!インドラ…!聞いてほしいことがあるんだ…!」
「…な…んだ…。っまさか」
「…そうだよ、そのまさかだ。俺たちでアカを倒すんだ」
ヴァーユの非情な発言に、インドラは怒鳴った。
「なに言ってんだよ!!アカを攻撃できるわけねぇだろ!?」
だめなんだ…!
ヴァーユはよろよろと立ち上がると、ギュッと拳を握った。
「俺たちがやんなきゃ、だめなんだよ!!」
「ヴァーユ…?」
「あいつはもう、俺たちの知ってるアカじゃない。だから倒してやらなきゃ。
そしてそれは、俺たちがやらなきゃだめなことなんだ…!」
インドラはそうかすれた声でしゃべるヴァーユを見て、しばらく呆然としていたが
やがて首を縦に振り、少し悲しげに言った。
「…あいつへの…せめてもの手向けか…」
「…うん…」
インドラはすっと立ち上がると、ヴァーユと同じように拳を握る。
そして無言のまま、ふたりは拳同士を突き合わせた。
「…行こう、インドラ!これが俺の…俺たちのアカへの愛だ!!」
「っおう!」

ふたりが“アカ”のところまで戻ると、アーリマンが魔法でなんとか“アカ”の攻撃を防いでいた。
「ぐっ…!む、おいインドラ!!早くこいつを何とかしろ!」
「てめぇは黙ってろ!おーい、アカ!こっちにおいで~!」
インドラの声に誘われ、“アカ”は彼の方に体を向ける。
すると後ろから凄まじい突風が吹いてきた。
「ビュオーン!ビュオオーン!飛んじまー、えっ!」
その声と同時に“アカ”の体はインドラの方まで吹き飛んだ。
“アカ”の側にいたアーリマンがバリアを張りながら
「お、俺まで吹き飛ぶだろうがー!」と叫んでいるが、そんなことを気にしてはいられない。
インドラは飛んできた“アカ”を羽交い締めにすると、ガッシリと掴んで離さない。
するとそこへヴァーユが素早くやって来て、“アカ”に連続攻撃を叩き込む。
“アカ”の体は凄まじい連続攻撃に耐えられず、ボロボロになっていく。
「これでトドメ……ッ!」
ヴァーユが風を刃にしてとどめを刺そうとすると、“アカ”の口がわずかに動いた。
「…ヴァーユ…」
そう言った“アカ”の表情は、どことなく笑っているように感じられた。
「アカー!!ごめんよおおぉぉおお!!!」
ヴァーユは涙と鼻水を流しながら、“アカ”に最後の一撃を放った。

「…まったく、とんだ災難だったな」
“アカ”の死体の前で泣き続けるヴァーユとインドラをよそに、悪神は頭を抱えながら呟いた。
その呟きを聞き逃さなかったインドラは、アーリマンをキッと睨む。
「てんめぇ…!!」
「やめろよ、インドラ!!」
アーリマンに殴りかかろうとするインドラを、ヴァーユが大声で制する。
「なに言ったって、もうこいつは戻ってこないんだ…」
「…ヴァーユ…」
「あー、でも、俺も一発殴んなきゃ、やってらんないかも…」
ヴァーユは下を向いたまま、アーリマンの方へと歩いて行く。
そしてアーリマンの顔へと拳を突き出し…
「ッ!」
でこピンした。
アーリマンが額をさすりながらヴァーユの方を見ると、彼は顔をあげている。
「悲劇を繰り返さないでくれ」
「もうこんな悲劇…繰り返さないでくれよ…」
そう言った瞳は悲しげで、それでいて強い意志を宿していた。
「…わかった」
アーリマンは短く答えた。しかしそれは力強い返事だった。

その後、“アカ”は丁寧に埋葬された。
そして葬儀が行われる。その葬儀にはダエーワ全員が参列した。
その葬儀の最中、「アカ・マナフ」は心のなかで舌打ちした。
(チッ…案外弱かったですね…)
しかし、と思い皆に気付かれないようにほくそ笑む。
(これで復讐は成せましたよ、ヴァーユ…!!)



それからしばらくしたある日のこと。
今日も今日とて天使のヴァーユが悪魔のインドラのもとに遊びに来た。
「なー!なー!インドラー!人間界でおもしろいもん拾ったんだけどー!」
「おもしろいもの…?ってまさか!?」
「卵なんだけどな。多分、ひよこだと思うんだよ!!なっ、育てていーい?」
「今すぐ巣に返してこぉぉい!!」
今日もインドラの心労は絶えない…。

                          お・わ・り


というわけで、
自分で「悲劇を繰り返すな」と言っておきながら全然反省しないヴァーユと苦労人なインドラでした。
あんまり共闘してないね!ごめんね!
そして挿絵適当すぎィ!