TODAY'S
 
昨年的中率50%以上の紅白予想

 

 9月27日に正式に開催を発表された第74回NHK紅白歌合戦。紅白ファンはその発表にホっとした人も多いだろう。

 今年は、言わずもがなだが、色々と注目されている番組であり、正に以前示した「社会を映し出す鏡」となっているだろう。今回は終盤にそのことを触れながら、より正確な紅白出場歌手・曲目予想を行う。

(※出場歌手の的中率が53.8%だったことを見出しでは言っている)

 

第74回NHK歌合戦

【放送日・時間】令和5年12月31日(日)19:20~23:45(途中ニュースあり)

【テーマ】ボーダーレス ‐超えてつながる大みそか‐

【司会】有吉弘行、橋本環奈、浜辺美波(50音順)、高瀬耕造アナウンサー

↓↓公式サイト↓↓

 

↓↓調査結果↓↓

↓↓【4月公開】紅白予想↓↓

↓↓【6月公開】紅白予想↓↓

↓↓【9月公開】紅白予想↓↓

 

  実施方法(以前と同様)

 今回は、できる限り実際と近づけるために以下の事柄を重視して行った。

  1.NHK制作の音楽番組への出演回数

  2.今年が「○周年」(5周年や30周年等)の歌手

  3.独自に行った出演予想調査での一般的な注目度

 この他に一般的な流行情報なども含めて実施した。

 

  1.NHK制作の音楽番組出演回数

 NHK制作の音楽番組は多くある。今回は「うたコン」「SONGS」「The Covers」「Venue101」を中心に出演回数を調査した。この他には「NHK MUSIC SPECIAL」やドキュメンタリー番組出演などは「その他」に含まれているが、「NHKのど自慢」のレギュラー放送は視聴者が主役のため含めれていないが、「チャンピオン大会」はNHKホールで歌番組さながらで行うため審査員・ゲストは含んでいる。また、「新BS日本の歌」等は放送回数が多く再放送と本放送が入り混じっており収集が困難になるため含んでいない。

簡単に分類すれば、

 ・「うたコン」→全世代向け

 ・「SONGS」→中高年代向け(Jpopだけでなく演歌・歌謡曲も出演している)

 ・「Venue101」→若年層向け

 ・「The Covers」「SONGS」「NHK MUSIC SPECIAL」→音楽ファン向け

のように捉えれば全世代の注目歌手の出演並びにNHKへの貢献度も伺えるだろう。

 1月から10月7日までに発表または放送された番組(再放送・アンコール放送を含まない)からの各歌手の出演回数は下のようになる。

 最も出演回数が多かった歌手は7回の純烈、坂本冬美、郷ひろみ、星野源、6回のLittle Glee Monsterと続いている。約9ヶ月間で出演した歌手(出演者)は297名、前回(9月)に比べ32名多くなった。内訳を見ても公共放送として、多くの世代に向けた音楽番組を制作していることがわかる。

 

  2,3.周年歌手と出場予想調査

 1年間の活躍の中で、○周年の歌手は活動がより活発になるだろう。ここで、注意したい点はそれ以外にも毎年活躍している歌手は山のようにいる。しかし、それを言っては際限がない。実際に、○周年の節目に紅白に出場する歌手は多い。Music Life調べでの今年○周年を迎えるアーティストは下のようになる(更新版)。

 これだけで、紅白の選考は到底できない。しかし、ファン・世間どちらからの注目度は高いことから予想の参考とする。

 

 また、紅白歌合戦が他の音楽番組との大きな違いは視聴者への調査も行って出場歌手を決めているところだろう。Music Life が出場予想をより正確に行うために独自調査を行った。詳しい内容は下のリンクよりブログ記事で確認してもらいたい。尚、調査は10月1日終了した。沢山のご協力大変感謝しております。

↓↓調査の詳細↓↓

 改めて、調査へ参加された方への感謝を申し上げる。誠にありがとうございます。全回答数は310票・82歌手、最も多かったのは「山内惠介」だった。これは、毎回ブログ記事に調査告知を貼り付けおり、好評度が高かった記事が「山内惠介」だったからだろう。しかし、山内惠介をはずして考えても歌謡曲からJpopまで幅広い年代の歌手への出場予想が届いた。この調査からも紅白歌合戦と言う歌番組が全世代から支持・期待されている番組と言うことがより鮮明にわかるようになった。

 

非常に難しい予想

 完全版を考えるうえで、同じようなネットサイトや紅白に関するネット記事、これから示すセールスなども鑑みたが、最終的に難しくなっただけだった。さらに、昨今の状況でより難航しているように思える。昨年は上で書いたように的中率は高かったが今年はわからない。しかし、筆者としては世間の的を得ていると考えている。

↓↓Spotifyで予想曲目が聴ける↓↓

 詳しい選考理由は画像を確認してみていただきたい。NHKとしても公式に発表しているように、ジャニーズ事務所のタレントは選考から外している(詳しい内容は下で書く)。

 また、CDとストリーミングが合算されたオリコンランキングも参考にした。そのデータも公表する。

 これを見ても分かる通り、演歌歌手の名前はたった一人だ。このような状況で、多くの世代へ演歌を届けるためには「紅白」というものは重要なものとなるだろう。そのようなことを込めた選考も行った。

 

  ジャニーズ・K-pop...今年の紅白

 8月に公開した紅白世論調査や昨今の状況から今年の紅白で賛否分かれる部分について簡単に解説・言いたいことをこれから示す。

①ジャニーズ事務所への出演依頼

 9月7日、ジャニーズ事務所が記者会見を開き創業者の性加害を認めた。それと同時にテレビ局各社は間接的に容認してきたことを謝罪した。その後、所属タレントの出演するCMが切り替わる事態にも陥った。この時に、タレントへの人権尊重姿勢が欠けていると批判する方も多くいた。9月27日のNHK会長記者会見でも同じようなことを挙げていた人もいた。しかし、この問題に関する事務所の対応というのは完全に後手に回った。この1ヶ月でもそう感じることは多い。さらに、テレビ局は「共犯」とも言われる事態に陥っている。そのため、NHKが下した判断というものはこの状況からすれば相応しいものだと言えるだろう。

 タレントを出演させたときにおこる批判及び誹謗中傷と、不透明なまま進行を進めることで起こる批判及び誹謗中傷、タレントが感じる不安感など総合的にみるとハッキリとさせることでいわゆる2次被害を抑え、事務所側への対応を求める姿勢をとることは非常に重要だ。

 それに、この判断はそう簡単に下したものではないだろう。それは、これまで必死に活動してきた記録・エンタメ界を支えた記録が多く残っているからだ。それ故、この問題を明るい方向になるべく早く行うためにはこのような判断やファンを含めた国民運動として事務所側の移り変わりを見ていかなければならない。そして、納得するまでに至ったときに多くの人が事務所のタレントを盛り上げるべきだ。これが真に、タレントを第一に考える方法だと感じる。そのため、現在の状況を「良い・悪い」など一方向的な意見で見ることはあまり良くないだろう。

 また、日本のテレビ界はNHKを基準として成り立っている部分が往々にしてある。そのため、NHKが先んじて大きな方向転換というもはテレビ界を動かすことになる。この判断と言うのはこれからの指標となるものだろう。

②K-popのオンパレード

 ①に続いて紅白関連で言われたことは、「若者を引き込むためにK-pop歌手が増える」という憶測だ。事実、K-pop歌手は若者を中心に人気を博しており、昨年も出場していた。しかし、そこにはNHKなりの基準があるように思える。

 数年前から「紅白に出場して欲しい歌手」を若者に聞くと挙って「BTS」を挙げていた。NHKで放送されている音楽番組にも度々出演しており、ネット記事でも噂されていた。しかし、出場はしていない。昨年、出場したK-pop歌手を見てみると、必ずメンバーに日本人が所属している。今年もこの基準が適応されるかは定かではないが、それがあるのならば「New Jeans」や「SEVENTEEN」といった歌手は出場しないだろう。

 さらに、8月12日に放送された「夏の紅白」こと「ライブ・エール」では「日本を代表するアーティスト」と銘打って行った。このようなことからも、NHKがK-pop頼みという部分は少ないことが伺える。その理由の中には、「Venue101」から生まれたユニット「ハマいく」の存在も関係してくるだろう。

 また、テーマである「ボーダーレス」は国を超えることも含まれており、K-popだけを出場させるのはテーマに反しているように思える。

③演歌は増えるか

 6月の予想で筆者は「歌謡界が熱い!」と題して2人の歌手を紹介した。その後、出場予想調査や独自の調査でよりそれが色濃く見えた。

 丘みどりは再三書いているように、バラエティー番組にも進出し、より多くの年代から認知されており、今年は米米CLUBメンバー金子隆博からの楽曲提供だ。さらに、新浜レオンはアニメ「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」OP主題歌として書き下ろされた曲「捕まえて、今夜。」のサビのダンスが昨年末から今年にかけてSNSを中心に話題となった。演歌界から「踊ってみた動画」が生まれたことは大変意外性のあることだ。

 このように、新しいムーブメントを創り上げている歌手が今年多く見られた演歌界はより注目されるべきだと感じる。世代を超えた「ボーダーレス」の紅白には、このような歌手は出場するべきだと感じる。

④紅白ファンが求めること

 近年、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」が人気を博している。これは、歌手が一発本番で歌唱する。時には生演奏で歌唱している。テレビではNHK「うたコン」が毎週一定の視聴率を獲り、音楽番組の中でも上位に君臨している。この2つで言えることは、「一発本番歌唱」と「生演奏」というところだろう。しかし、相違点もあるそれは「生放送」ということ。そして「派手さ」ではないだろうか。YouTubeはライブも行えるがこのチャンネルは収録されたものだ。そして白い背景でマイク一本と歌手という極めてシンプルだ。一方で「うたコン」は歌唱に応じてセットが変わり、生放送と言う「リアルFIRST TAKE」という番組となっている。

 筆者が言いたいこと。それは「生放送」「生歌唱」「生演奏」で構成された紅白だ。近年は別スタジオで歌唱する歌手も増えている。また、生演奏で歌唱する歌手も少なくなった。だが、「うたコン」ではそれができている。すべてが一発本番という、よい意味で緊張感が伝わる音楽番組という紅白を行ってもらいたいものだ。

 現代社会はインターネットや電子機器などの発展で”人”が見えないものが多くなってきた。音楽の世界でもそれが感じられる。だからこそ、原点回帰の要素も必要だと感じる。

⑤今年の紅白

 紅白の前に音楽のジャンルの話からする。ロックやフォーク、スカなどは明確な区別がつく。しかし、クラッシックや歌謡曲、J-popは明確な区別はない。ピアニスト・清塚信也によれば「クラッシック」とは今でも有名な古い音楽が入れられる箱だと言う。一方、「歌謡曲」とは日本に伝わる様々な音楽と欧米の音楽の混合から生まれた流行歌の総称(広辞苑)であり、「J-pop」は「歌謡曲」に代わる括りとして生まれた。そのため、東京スカパラダイスオーケストラも米米CLUBもYOASOBIも「J-pop」であり「歌謡曲」と言えるだろう。即ち、「ボーダーレス」だ。

 洋楽ではそのような括りは少ない。「K-pop」として親しまれている音楽は「J-pop」を基にしてつくられた韓国の音楽を呼んでいると言っても良いだろう。何故なら、韓国(日本で言う演歌のような曲)や台湾、中国などでもヒット曲があり日本でも親しまれている曲はあるだろう。

 即ち、音楽的な区別と大まかな音楽の区別が混在しているのが現代の日本の音楽と言ってよいだろう。

 そんな現代日本でこの大まかな音楽の区別が一堂に会す音楽番組は「NHK紅白歌合戦」唯一と言ってよいだろう。言い換えるなら「多様性のある音楽番組」だろう。それをSNSなどで「事務所枠」や「○○はいらない」などと意見を出しているのは今の音楽界を軽視しており、それこそが「多様性がない」のではないだろうか。

 そして今年は日本の音楽界をけん引してきた事務所の問題が付きまとっている。昨今の状況からして、出場はできないだろう。だが、この多様な日本の音楽界・エンターテイメント界をいち早く希望を与える方向へ向かせる唯一の方策でもあると言えるだろう。そう考えるのであれば、今年の紅白は視聴率云々よりも日本の音楽史に刻まれる回となるだろう。

 

この記事を読んで膨らんだ意見は、記事のコメント欄ではなく同様にNHKへ出してほしい。

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【緊急】NHK紅白事前調査

 MUSIC LIFEでは「NHK紅白歌合戦」についてこれまでも調査を行ってきた。今回は「第74回NHK紅白歌合戦」の放送前に調査を行い、それを踏まえて11月、12月の紅白に関する記事につなげる。

尚、調査は11月11日(土)に終了しました。ご協力ありがとうございました。結果は随時ブログ記事にて公開されます。