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四国のサンゴ

 高知県の南西部に、竜串という観光地があります。黒潮洗う、温暖な四国の中でも最も暖かい地域です。小さい頃、何度か遊びに行ったことがありますが、海中展望台は印象深いものでした。


昭和の香りが・・・。

  竜串周辺の海水温はこの100年間ほどで1.25℃ほど上昇しました。これにより、最も寒い月の水温は16.8℃まで上昇。サンゴ礁を形成するような熱帯性サンゴの生育水温(18℃前後)にかなり近づいています。
 
2009年2月~2011年10月までの水温変化(左)、1900年以降の年間平均水温の推移(右)。
doi:10.1371/journal.pone.0054330より。

  実際に、竜串地区でサンゴが急拡大しているとのことです。報告によると、すでに竜串周辺の海底は約60%がサンゴに被覆されているとか(2003年は22%にすぎなかった)。60%という値は、インド太平洋全域の中でも高い部類に含まれます。水温以外の要素も大きいにせよ、すでに竜串周辺は立派なサンゴの生息適地になっています。
 むろん、竜串海域にはこれまでもサンゴは見られましたが、いわゆる高緯度サンゴ(最寒月水温13℃で生育可能)に分類されるものが中心でした。高緯度サンゴから造礁サンゴへと、明らかにサンゴの種類の変遷が起きているとのことです。

従来はこんな感じでしたが・・・。サンゴ礁生態系保全行動計画より。

 まあ、熱帯性のサンゴが日本近海で北上しているのはすでにあちこちで報告されていることですが(
これとか)、四国の海もそのうち造礁サンゴで満ちるようになるのかと思うと、なかなか不思議なものです。

温暖化を学ぶ本

10万年の未来地球史
 何度か書いているように、国連にしろ世界銀行にしろIPCCにしろ、地球温暖化問題はだいたい今世紀中に起きるであろうことを念頭に置いて行動しています。しかし実際には、人類が放出する温室効果ガスの影響は数万年以上にわたって地球環境に影響を及ぼし続けます(強力な地球工学的対応がなされれば話は別ですが)。
 本書は、数万年単位の視野を与えてくれます。数千、数万年後の未来はどうなるのか?それは過去の温暖化と何が異なり、何が同じなのか?かなり分厚い本ですが、読み通すだけの価値がある本です。
 一つ注文をつけるなら、どうも翻訳がぎこちない気がします。まあ、私の英語力でこんなこと言うのはおこがましいですが・・・。

正しく理解する気候の科学
 たまに変な本もある"知りたい!サイエンス"シリーズですが、これはいい本です。
 現在知られている知見が客観的かつ過不足無く記載されており、地球温暖化問題を詳しく学ぶための第一歩になると思います。これから勉強したい人にオススメです。

緑内障?

 緑内障かもしれないから精密検査を受けろと言われました。 こう見えても私、まだ三十路ですよ?何て年寄りっぽい。
 というわけで精密検査を受けてきました。
 精密検査のために、瞳孔が開きっぱなしになる薬を点眼します。「これがアトロピン!昔からファンタジーやミステリーでおなじみの、ベラドンナから精製するアルカロイド!マスターキートンにも出てたなあ。・・・おお、本当に瞳孔が開く!うおっ、まぶしっ!」
 とか一人で盛り上がる奇妙な患者でした。今も少しまぶしいです。
 おかげさまで異常なしでした、はい。

あけましておめでとうございます

 今年はもう少し頻繁に更新したいものです。

 百虎隊× 白虎隊○

 まあ百虎隊は単なる打ち間違いだろうとしておきますが、民主主義政体の政治家が「ならぬものはならぬ」とか言い出すのは、さすがにダメでしょう。言論の自由や思想・良心の自由の否定に即座に繋がるものであり、つまり日本国憲法の否定にも即座に繋がりうるものだと思います。護憲は社民党の最も重要な主張の一つのはずなのに。
 また、言うまでもないことですが、科学とは全く相容れない思想です。
 例えば育児や学校教育の現場においてこういう説が出てくるのは(個人的には好きではないけど)まだ理解できますが、それを政治にも適用するのはちょっと・・・。

 今の日本におけるカウンターバランスとして、社民党も重要な立場を占めて欲しいと思っているのですが、これはちょっとがっかり。がんばってください。
 という新年でした。

よいお年を


weather underground HPより

 年末はかなりの寒さになりそうです。みなさまお気をつけて。
 それと、年始の3日ごろは年末よりさらに寒くなりそうです。お気をつけて。


年始は四国も雪だ!