ムル☆まり同盟 -262ページ目

不機嫌

 昨日から何がどうなったのか、急に好きなときに餌がもらえなくなった。おもしろくない。食べ残して置いといた分までどうこう言われるわけじゃないけど、午後3時過ぎから次の餌までが長いっ!だいたいねぇ、朝にもらった餌なんてお皿に残っていたってもう匂いが飛んじゃってておいしくないわよ。まったく人間ふたりで結託して何を考えているのかしら。

 今日の夕方なんて30分も鳴いたりきてぃの手をつついてみたり、足元に寝転んでおねだりしたりしてみたのに、ぜーんぶ無視された。感じ悪~ぅ。昔から犬にとって飼い主はご主人様だけど、猫にとっては召使だって言うじゃない。そういう自覚、ないのかしら?

 午後7時。餌場の近くで聞いたことのある音楽が鳴ったから全速力で走って行ったら、きてぃは何だかとってもうれしそうにカメラを構えていた。何が嬉しいのよぉ!!!【ムルカ】

 

ふてくされ アップ

灯りの消えた部屋の片隅でふてくされて眠るムルカ(右はそのアップ)



パブロフ猫しつけ始まる

まだ?

「まだぁ~???」

      

  今朝も夜明け前に「女王様ごっこ」の襲撃を受けた。しかも2回。確かにしばらく仕事で忙しく構ってやれなかったのはかわいそうだったが、「もうちょっと」のところで起こされるとこちらも気分が悪い。

 そういえば、最近は食生活も乱れている。こちらに来てしばらく経った頃、食べたものを繰り返し吐くことが数日続いたので、食事の時間を待って一気に食べるのがよくないのではないかと考え、子ねこから習慣づけていた「お食事タイム」を無くし、欲しがったらいつでも食べさせるようにしたのだ。最初は吐かなくなるまでのつもりだったが、人間も猫も同じ、習慣を身につけるのには時間がかかるが、一度失った習慣を取り戻すのは至難の業だ。ということで、だらだらと3ヶ月以上も「いつでも食べたい時に」食べる習慣が続いてきた。

 食生活についてはずっと気になっていたのだが、今日テレビの「ペットの悩み相談」で、食べすぎや運動不足で身体が余計な脂肪を蓄えると生活習慣病の危険性が高まったり心臓への負担が高まったりするのはペットも人間もまったく同じだと話していたので改めて気になり始めた。

 ということで、「しつけ」をすることで女王様きどりを反省させ、規則正しく健康な生活をさせる第一歩として、今日からムルカに食事を与えるのは午前・午後7時の2回のみにすることにした。「食事の前にはいつも同じ音を聞かせると、その音が聞こえるまで待つようになる」という夫の提案により、携帯のアラームをその時間に設定した。(「トルコ行進曲」にしてみた☆)

 こうして、我が家での猫版パブロフの実験は始まった。果たしてその成果は・・・。

 怒っ!!!

食事時間直前超不機嫌なムルカ

 

呪術が支配するカレリアの生活

村  

知人のFさんはロシアの民間伝承を研究している。趣味ではなく「人類学」として研究している。そんなFさん、約2年前にカレリア地方に約1ヶ月のフィールドワークに出かけ、この地方の呪術を調査し、その成果を論文にまとめこの春発表した。帰国後、食事をご一緒する機会があったので、私もそのレジュメを1冊いただいた。

 以前、サンクトペテルブルグからカレリア地方を川と湖沿いに船で下る5泊3日のツアーに参加したことがある。そのとき私に植え付けられたこの地方の印象は「おとぎの国」だった。川沿いには広大な自然が広がり、単調な風景が何時間も何時間も続く。ときおり村に差し掛かると、そこはまさに「昔話」の世界で、女性は川で洗濯をしているし、子どもたちは真っ裸で川に飛び込んで遊んでいる。昔ながらのかわいらしい木造住宅が点在している。そして、その誰もが、通りかかる船を見つけるとさっと立ち上がり、大きく手を振ってくれるのだ。なんてのどかなところだろう、なんて純朴そうな人たちが平和に暮らしているのだろう、とモスクワから来た私はただただ感動したものだった。

 けれどもそれは、外国人と金持ちの勝手な妄想だったようだ。(ロシアでそんな長い船旅に出かける余裕があるのは、そこそこお金のあるロシア人か外国人だけだ。) 彼女の論文によれば、小さな村、少ない人口なだけに、人間関係は大変複雑で、ひとつ間違うととんでもないことになる。そして、それは都会のそれよりもずっと手に負えない。なぜならば、この地方には数多くの呪術師が住んでいて、憎しみや憎悪は「呪いをかける」という恐ろしい形で表現され、それにより、病気になったりけがをしたり、様々な不幸が降りかかってきたり、ときには命を落としたりという結果がもたらされるのだ。それが恨み恨まれ、何代にもわたって続く・・・。

 「おとぎの国」に見えたこの地方で、そのようにオドロオドロしいことが起こっていることを知り、少なからず衝撃を受けた。さらに彼女によれば、呪術に支配されているのはカレリア地方に限ったことではないそうだ。モスクワやペテルブルグのような大都会でも、現在の急激な社会情勢の変化に伴う人々の心の不安を反映してか、呪術の本の量は本屋でも露店でも急増中とのことだ。

 西側のものを積極的に取り入れ、必死で西側に追いつこうとするのもロシアの姿なら、昔ながらの呪術に支配されているのもロシアの姿だ。一つの国や民族を理解するということはそうたやすいことではないのだと、しみじみ思った。


船から

新しい芸に挑戦?

一歩一歩 新しい芸  

 気分転換のため、いつもと違う場所からお外を見せてもらった。ベッドの上にきてぃが立ち、高い場所からいつもと違う角度で見たお外には、見たことのない雰囲気の色や形の屋根、木立などが広がっていた。初めての景色を見てちょっぴり解放的な気分になっていたところ、きてぃが「ここ、登ってみるぅ?」と言って乗せてくれたのは、カーテンレールの上。

 ずっと前に一度乗せてもらったことがあったが、そのときは怖くてすぐに降ろしてもらった。でも、今日はちょっと違う。少し怖くもあるんだけど、何だかドキドキして心も少しはずむ。

 まず、前へ、それから、方向転換を試みたんだけどちょっと難しかったので、後ろ歩きで後ろへ。最後は自分でジャンプしてベッドの上へ飛び降りた。細いカーテンレールの上からちゃんと飛び降りる体勢を作るのは難しかったし、きてぃに「怖かったら降ろしてあげるよ」って何度も声をかけてもらったけど、頑張って自分で降りた。うふっ。

 もぐらたたきの箱を再び手に入れてから、眠っていた様々な本能や能力がよみがえる今日この頃。今日は、新しい芸習得への第一歩を踏み出した私だった。ふっふっふっ。。。【ムルカ】

季節感

 先日、このブログの「巨匠とマルガリータ」の記事で使う写真をネットで探していて気が付いた。今は夏真っ盛りなのだと。モスクワ市内の大半の劇場や音楽ホールが夏期休業中なのに気が付いたからだ。

 モスクワの夏ははっきりしている。文字通り街が「空っぽ」になる。

 ロシア人の多くは6月、子どもの学校が3ヶ月の夏期休業に入ると、「ダーチャ」と呼ばれる郊外の菜園付き別荘に行ってしまう。親の仕事が休みでなくても、たいていは祖父母が長めに滞在したり年中住んでいたりするので子どもだけ送り込まれたりもする。夏期休業が長いので、サマーキャンプなどの催しも多いようだ。こうして市内の人口密度はぐっと低くなる。

 外国人の移動はもっと身近に感じられる。外国人の多くが子どもを通わせているアメリカン・スクールとブリティッシュ・スクールが6月半ばで夏期休業に入るとすぐ、主婦と子どもたちのほとんどはさっさと帰国してしまうので、この時季、外国人の交流団体が行っている多くの活動がすべて休業状態になる。街を歩いていてもEnglish-speakingの人口密度はぐっと減って、閑散とした雰囲気を感じる。日本人は子どもを日本人学校に通わせている人が圧倒的に多いので、7月半ばの終業式後に激減する。大半の劇場や音楽ホールも6月半ばで長いお休みに入る。

 梅雨があり、鳴く虫や鳥の声に変化があり、日差しが目に見えて強くなり、がんがん暑くなっていく日本の夏の方が強烈だが、暮らしぶりだけを考えると、モスクワの方が他の季節との差が歴然としていたように思う。久しぶりに白夜のモスクワがなつかしくなった。