春期講習が終わるまでにやるべきことを予習編と復習編に分けて書きます。
まずは予習編です。その前に注意事項。
この記事に書かれていることは、いまSAPIXの算数偏差値50に到達していない生徒はやらないほうがいいです。
偏差値40台では、予習なんかしている暇はありません💦「基礎固め」が中心です。
SAPIXカリキュラムは夏期講習以降に多少ムダがあるなあと感じる問題は多いものの、冷静にみて「ついていけるならば」今のところどの大手塾よりもいいテキストだと思います。校舎からの指示にしたがって勉強しましょう。
さて、春期講習中にやるべきことは"切断の予習"です。
ただ、保護者が教えると悪い方向に進んでしまう危険性が高いので、このブログに書かれたとおりに進めましょう。立体切断は、超がつくほど点差が開く単元です。嫌いにさせてはいけません。入試問題本番では最後の問題として選ばれることが多いです。
難関校で切断のでない男子校はないと断言できます。女子校の切断問題も近年なかなか難しいです。昔は女子校では切断問題は少なかったのですけど。
①『立方体の切断の攻略』(エルカミノ代表 村上先生の著書)を使います。

ものすごく有名な本です。おそらく中学受験問題集としては「異例」ともいえる7万部というベストセラー。(ちなみに中学受験生は一学年が5万人しかいないのです)切断の本のなかでは、最高の本です。ご覧の通り、わたしの『展開図の攻略』の姉妹本ですが、エルカミノのような大規模な塾とわたしのような都内極小塾ではレベルがちがうので、なんだか恐縮です。
先月、わたしの本の出版とともに新装版となりましたが、中身の問題は変わっていません。

切断をうまく教えるのはプロ講師でもある程度の経験が必要です。巷には切断グッズがあふれています。立体切断マグネット(←某S塾で買うように言われる高いやつです 笑)やスマホで切断面をみるアプリも実際に使いましたが、これらは学習効果が薄いというのが20年間やってきたなかでのわたしの結論です。この本がベストです!
(塾から勧められて買ったけど、意味があまりない…)
まずはこれを用意。そして、つぎに・・・
②原田式算数プリントを使いましょう。
「これは無料でいいのでしょうか?!」という質の高いレベルのpdf教材がずらりと並んでいます。難関校でなければ、このサイトの問題を主軸にして、自宅受験も大丈夫なのではないか・・・?と考えられるほど豊富なプリントです。単元によっては、わたしの教え方と違うなあ、と思って使用していないのですが、図形はとにかくすごい!クリックしましょう。
ページをスクロールして、「立体図形切断 切り口の作図」というページをクリックしてダウンロード。かなりボリュームがあります。ちょっとページが多すぎて、普通はやりきれないので無理せず。
(原田先生のプリント。有料レベルの良質な"千本ノック"プリント)
③作図をしよう!
・・・と書きはじめて、筆が止まりました。
わたしは授業中に作図をしてもらいますが、家では無理でしょう。小6となると親子ケンカになりますからね💦
自宅ですから③のノート作りはあきらめて、①のエルカミノ「立体切断」のブックの練習問題あたりまでやり、②仕上げとして原田先生の教材をやるという流れになります。
ところで、予習としてなんでSAPIX生は切断を春期にやるの?という疑問が湧くでしょう。
実は、予習シリーズ生(早稲アカ生)は去年の秋~冬にもう切断の学習を終わっているのです。
写真は予習シリーズ5年下巻。しかも、問題はなかなか難しい。
・・・でも、大丈夫です!
新しい予習シリーズは四谷大塚がSAPIXを意識するあまり、過剰に内容をつめこみすぎて最上位の子しかついていけていない状況です。
切断は春からでも間に合いますよ。
安心するエピソードをひとつ。
SAPIXの夏期講習では、毎日毎日、立方体の切断のテストがあります。
去年、α1にいた生徒が8月にこの断面図を「正方形」と言い切りました(泣)
でも、第一志望の難関校に上位合格しています。
はやく習ったからといって、本番はわかりません。
それでは、後半をお楽しみに。
私がびっくりするほど、ものすごい勢いで売れております。ありがとうございます!自信作です!