丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

丸市珈琲~銀座駅前の隠れ家カフェ~

おしゃべり好きな銀座のコーヒー屋店長が、仕事では伝えきれないコーヒーについての思いやうんちくや、たまにコーヒーとは関係ないネタ話などをアップします。
コーヒーとアソブ楽しさ、みなさんに届きますように。

2024年は地震から始まり、飛行機事故など悲しいニュースが続いています。

本当に、今年の暗い話題はこれで終わりで、これからは明るい話題が続いてほしいものです。

 

あれだけ連日暖かかった東京ですが、1月半ばごろから寒い日が続いています。

いつもは扉を開けっ放しで営業しているのですが、近頃はあまりの寒さに扉を閉めていることも多いです。

いつも通り営業中のなので遠慮なく入ってきてくださいね。

 

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【店長のうんちくコラム その27・コーヒーの「香り」とは?入門編】

この1月に多く質問をいただいている中で一番多く聞かれているのが今回のテーマ「コーヒーの香り」について。

その入門編として、実際にお客様にお答えしたコーヒーの香りについての事例をいくつかご紹介したいと思います。

 

〇コーヒー豆の説明書きの香りはあくまで「生豆特性」

とあるお客様からこんなご指摘が。

コーヒーの説明が書かれているポップを指し、「本当にこんな香りがするの?」

 

コーヒーの専門店に行って商品案内を見ると、いろんなフルーツの香りやら、花の香りやらが書かれていることが多いと思います。

かくいう当店も「紅茶のような…」「マスカットのような…」などの文言を多用しています。

 

これらはもちろん本当に感じられることもありますが、巷では実際にそういう香りが感じられるコーヒーの方が少ないのです。

なぜかというと、このような特徴は「焙煎前のコーヒー豆」が保有しているもののため、火を通すことによって香りに変化があったり、消失したりすることも多くあるからです。

良心的な店ほど、焙煎後のコーヒーから感じられる香りをそのまま記載するのですが、それを全てのコーヒー屋ができるかというとそうではないのが現状です。

ちなみに、浅煎りに仕上げれば生豆特性がそのまま残ることが多いのですが、浅煎りだけを扱うというのも難しい問題です。

 

また、当店のコーヒーの表現はかなり良心的な方ですが、そのうちのだいたい7割程度しかプロである我々も感じ取ることができません。

ということは、残り3割は…。

 

〇「かつてのコーヒーの香りがしない」問題

特に60代以上の方から聞かれることが多いこの問題。

昔のコーヒーは今のコーヒーと香りが違った、というものです。

その中でも特にキリマンやモカ、ブラジルについてよく聞きます。

 

昭和の時代では特にそうだったのですが、コーヒー豆は現在のような農園単位で出荷されることがとても稀で、国単位の銘柄が大多数でした。

日本におけるJAのような農業組合が各生産国にあり、その団体が国内のコーヒー豆をいったん全て買い受け、それらを混ぜこぜにして海外に出荷することも多かったのです。

そのために起こったことが2つ。

「品質が安定していた」ことと、「コクが強かった」こと。

出来・不出来にかかわらず国中のコーヒー豆をブレンドすることにより年間を通して品質が安定していたため、香りもまた「いつものあの香り」と一定の認識をされることが起きていました。

また、どの店で飲んでも銘柄(生産国名)が同じであれば同じコーヒー豆であることが多く、味わいが共通認識されやすかったのです。

現在ではほとんどの高品質コーヒーは農園単位で出荷されるため、より繊細で特徴的な香りがある反面、かつての「あの香り」の再現がほぼ不可能になっています。

 

余談ですが、なぜかつてのコーヒー豆はコクが強かったかというと、同じ国内で採れた豆とはいえ品種や味わいに差があるものをブレンドするため味わいが複雑になっていたからです。

 

〇「モカ」の香りとは?

もともとはコーヒーを出荷する港町の名前でしかなかった「モカ」。

その後コーヒー全般を指すようになり、今では品種名としても広く認識されている言葉です。

よく「モカは香りがいい」というのを耳にします。

とはいえ、どんな香りを「モカ」と認識しているか、多くのお客様に聞いてきたところ実は大別して2つに分かれるのが分かってきました。

 

ちなみにコーヒーの発祥地といわれるイエメンとエチオピアの広い地域で収穫されるコーヒー豆のほとんどが「モカ」を名乗ることができます。

そのため、特に香りが異なる「イエメン産のモカ・マタリ」と「エチオピアの地場種(昔からの自生種)」の2つが印象に残りやすいみたいです。

イエメン産コーヒーでモカの香りを記憶している人は「独特なベリーのようなフルーティーさがあり、お酒のような印象もある」と認識していることが多いです。

反対に、エチオピアのコーヒーの場合は「アールグレイ(紅茶)のような華やかで柑橘に似た香りと、時にマスカットのような印象」が特徴だととらえています。

 

言葉に出してしまえば短い「モカの香り」もよく調べてみると意味合いの幅が広く、知ってみるととても面白いです。

遅ればせながら2024年初めての投稿になります。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

飲食・物販業界は1月の松の内が明けるとプチ閑散期に突入するのですが、当店も年末年始の忙しさが嘘のような静かな平日が訪れます。

この間にLINE公式アカウントや通販サイトをしっかり整備したいと思います!

 

↑今年の年賀状イラストも、例年通りN.NOBUKIさんでした。

店長の体系をいつも実際より多少細く描いてくれてありがとうございますウシシ

 

 

【店長のうんちくコラム その26・「コーヒーにちょい足し」を考える・お酒編】

ちょい足しシリーズ第三弾は、意外と日本人に馴染みのない「お酒」です。馴染みがないその原因はおそらく、日本の営業許可証には「飲食店営業」と「喫茶店営業」の2種類あり、「喫茶店営業」を取得したお店はお酒の提供が禁止されていることからだと思われます。

実は海外では普通にカフェで様々なお酒入りコーヒーを楽しむことができます。その代表例と、今店長が一番はまっている「コーヒー+お酒」のアレンジをご紹介したいと思います。

 

〇コーヒー+ウィスキー

淹れたてのコーヒーにリキュールを垂らす、そんな飲み方が海外では多いのですが、その中でもウィスキーを好む方はとても多いです。コーヒーの焙煎による香ばしさと、ウィスキー特有のスモーキーさがとても相性が良いからだと思われます。

代表例としては有名な「アイリッシュコーヒー」。

温めたグラスに砂糖を入れ、コーヒーを入れて砂糖をよく溶かし、ウィスキーを少量加え混ぜ、最後に生クリームを浮かべたものです。

実はアイリッシュウィスキーではなくスコッチウィスキーを使えば「ゲーリックコーヒー」に、バーボンを使えば「ケンタッキーコーヒー」になります。

体がよく温まるレシピなので、寒い季節にはオススメのカクテルです。ちなみにアイスコーヒーで冷たく作っても美味しいですよ。

 

〇コーヒー+ラム酒

ヨーロッパで大人気、コーヒーとラム酒のドリンクです。ラムはスイーツ作りでも頻繁に用いられるくらい甘さや芳醇な香りがあるため、コーヒーとの相性は抜群です。

その代表例は「コーヒーグロッグ」。

もともとグロッグとはラム酒の水割りを指すのですが、「コーヒーグロッグ」はラム酒のコーヒー割り全般を指します。

バーなどで提供されるカクテルでは、温めたグラスに砂糖を入れ、コーヒーを入れてよく溶かし、ラム酒を少量入れ混ぜてから、最後にバターを加えます。バターの代わりに生クリームでも美味しいですよ。

 

〇コーヒー+ブランデー

甘さとフルーティーさが楽しめるブランデー。コーヒーとのカクテルはかなりの数があるのですが、凝っていて贅沢なレシピが比較的豊富です。日本に住んでいるとあまり実感がないのですが、海外ではブランデーは大衆的なお酒でなく贅沢なものなのでしょうか。

あまりお目にかからないコーヒー+ブランデーのドリンクですが、たまにこだわりの純喫茶で見かけることがある「カフェ・ロワイヤル」は、出会うことがあればぜひとも試してほしい一品です。

作り方が難しいため今回は記載しませんが、一言でいうと「角砂糖が燃えているコーヒーです」。スプーンに入れた角砂糖にブランデーをかけ、着火させてから提供されるこのドリンクは、見た目からとても楽しいです。そして目の前でできあがるブランデーシロップはコーヒーとの相性抜群です。

 

〇店長イチオシ!コーヒー+ビール

とあるサイトの記事で、今スペインのバルでは「カフェ・コン・セルベッサ」(直訳でコーヒー+ビール)というものが大流行りしているとあったので、先日早速試してみたのですが、あまりの相性の良さに現在店長が大ハマリしております。

コーヒーはできれば深煎りの香ばしいアイスコーヒーを、ビールはラガーのようなコクのあるタイプを用意してください。

がっつり系が好きでしたら黒ビールもありですよ。

作り方はとても簡単で、グラスにアイスコーヒーを注いから、ビールを静かに注いで軽く混ぜるだけ。

割合は1:1がおすすめです。

コーヒーの苦みとビールの苦みがこれほど相性良いなんて知らなかった…。

もし冷蔵庫にアイスコーヒーとビールがあればぜひ試してほしいおすすめのちょい足しレシピです。

 

もっと多くのコーヒーとお酒のレシピを知りたい!という方はぜひAGFさんのページを見てみてくださいね。↓

https://lounge.agf.ajinomoto.co.jp/www/recipe/menu/cocktail.php

私にとってはコーヒーのレシピ探しのバイブル的なサイトです。

 

 

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すっかりご無沙汰な更新になってしまいましたえーん

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【店長のうんちくコラム その25・「コーヒーにちょい足し」を考える・ミルク編】

日本人にとってコーヒーに「ミルク」といえば、植物性油脂を使用したコーヒーミルク(ポーションに入ったものも多い)をイメージする方が若干多数派を占めるようですが、一方普段からカフェオレを飲んでいる方は牛乳を想像されるかもしれません。

そんな「ミルク」は、広義では「乳成分・もしくは乳成分に似せたものの入った商品」ということになるため、上記の牛乳やコーヒーミルク以外の乳製品もいくつかここに入ってきます。

軽いものから順に書き出すと、「スキムミルク」「牛乳」「コーヒーミルク・生クリーム」「バター」「エバミルク・コンデンスミルク」になります。

 

なぜコーヒーにミルクを入れるようになったのか、その起源は17世紀のフランスといわれており、もともと苦くて飲みづらかったコーヒーを飲みやすくする目的で当時の医師が牛乳を入れたそうです。

コーヒーにおけるミルクの役割の1つめはこのような「苦みの軽減」があります。

そしてもう一つ、意外と知られていないのが「酸味の軽減」です。

ざっくりとした説明になりますが、乳脂肪分(油脂分)が多いものをコーヒーに添加すると、酸味であれ苦みであれ、強い味わいを中和してくれるという効果があります。

また牛乳由来のたんぱく質は香りやうまみが豊富に含まれるため、苦みや酸味とのバランスをとる働きもします。

 

1.スキムミルク

健康のために普段から飲んでいる人も多い「スキムミルク(脱脂粉乳)」。

乳脂肪分を抜いて作られているため酸味や苦みの軽減効果が低く、さらにコーヒーの味わいを薄めてしまうことがあります。

そのため酸味・苦みが極端ではない中煎りくらいでしっかりとしたコクのあるコーヒーと合わせるのがおすすめです。

スキムミルク自体にほんのりとした甘みはあるのですが物足りないことも多いので、砂糖を加えてもとても味わいのバランスが良くなります。

特に未精製糖(カソナードや粉黒糖)と合わせると物足りなさがなくなり、バランスよく美味しく飲めますよ。

 

2.牛乳

カフェオレやカフェラテなどとして広く親しまれているコーヒーのパートナー「牛乳」。

コーヒーにちょい足しする乳製品の中では比較的ライトな味わいのため、使用するコーヒーの量よりも少ないと味わいがぼやけてしまうことがあります。

そのため牛乳を全体の50~70%程度使用すると美味しくなります。

使用するコーヒーは甘みがほしいときは中煎りのコクのあるもの、ビターな味わいが好きな場合は深煎り豆がおすすめです。

普段通りの抽出でも問題はないのですが、牛乳を多めにする場合は濃い目に淹れるのがおすすめです。

その際、2倍の濃さ強すぎるので、1.3~1,5倍ほどコーヒーを増やして入れると良いです。

ちなみに、カフェオレの起源とされているフランスでは、現在はあまりカフェオレが飲まれなくなってきているそうです。

 

3.コーヒーミルク・生クリーム

少量の使用でもコーヒーを薄めることなく、バランスよく味わえるものとして濃度調整されている油脂分豊富なコーヒーミルクは、コーヒー豆の煎り具合は浅煎りから深煎りまで何にでも使える万能ミルクです。

植物性油脂100%のものから、乳脂肪分を多く使用したものまで幅広くありますが、乳脂肪分を使用したものの方がよりミルクらしい香りが立ち、美味しく飲める傾向にあるそうです。

ただし、乳脂肪分が多いミルクや生クリームは賞味期限が短いため、気軽に使用しにくい傾向があります。

植物性油脂と聞くと「トランス脂肪酸」の心配があると言われますが、実は現在コーヒーミルクやマーガリンなどの製品はトランス脂肪酸対策をして加工されているものが多く、それらはバターなどよりもトランス脂肪酸が少ないといわれています。

コーヒーミルクは生クリームの代用として料理やお菓子にも使えるので、とても便利な商品です。

 

4.バター

コーヒーにバター?と思う方も多いと思いますが、実は海外では意外と一般的だったりします。

数年前に流行ったバターコーヒーは健康飲料として紹介されていたものですが、それ以前からコーヒーのアレンジ方法として広く知られていました。

香ばしく苦みの比較的強めのコーヒーに、「無塩バター」と蜂蜜を合わせて入れると不思議と違和感が無い美味しいアレンジコーヒーが出来上がります。

余談ですが、これは九段下にある「ミエル」という老舗カフェの名物メニューでもあります。

 

5.エバミルク・コンデンスミルク

無糖のものはエバミルク、加糖のものはコンデンスミルクと呼称が分けられている、いわゆる「練乳」です。

煮詰めたミルクは味が濃く、普通に淹れたコーヒーだとなかなか太刀打ちできないため、しっかり深煎りにしたコーヒーと合わせるのがおすすめです。

特に「ベトナムコーヒー」として有名な飲み方は、深煎り豆をさらに濃い目に淹れて、コンデンスミルクをたっぷり入れます。

スパイシーな食事の後などにおすすめの飲み方です。

 

6.番外編

豆乳やアーモンドミルクなどもちょい足しによく使われますが、乳成分とは違いコーヒーと相性が決して良いとは言えないため、合わせるときには工夫が必要になります。

これらはどうしても独特の香りが強く、飲みづらさを感じるときはコーヒーを濃い目に淹れたり、深煎り豆を選んだり、甘味を足すようにすると飲みやすくなります。

健康志向で甘みを足すことに抵抗がある場合、オリゴ糖など体に優しい甘味料を使うと良いと思います。

ちなみに、豆乳はコーヒーと合わせるときは無調整よりも調整豆乳の方が合いやすいですよ。

 

朝から強い雨が降っている今日、今年一番暇な昼下がりです。

この機会にメルマガを編集したり、ブログを更新したりしているのですが、現在当店の公式LINEページを制作しているのでその作業にも没頭できそうです。

意外に使い勝手が悪くて今までLINEページを作ることがなかったのですが、そう判断したのはもう3年も前のこと。

今ではかなり便利になっていて驚きましたアセアセ

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【店長のうんちくコラム その24・コーヒー豆の保存について】

このうんちくコラムで「ちょい足し」シリーズを始めたばかりなのですが、今回は少し寄り道をしてコーヒー豆の保存について書きたいと思います。

というのも、お客様からのご質問がここ最近急増してきたので、一度ちゃんとした形で解説をした方がいいと思いました。

今回は短くコンパクトにまとめましたので、気になっていた方はぜひお読みください。

 

〇保存の際に気を付けること

水分を飛ばす焙煎をされたコーヒー豆は活性炭に近い内部構造をしているため、周囲のにおいを吸収する性質があります。

そのためどんな保存方法でも必ず外気が入らないもの(ジップロックや保存缶、保存瓶など)に入れてください。

直接容器に移すとコーヒーの油分で汚れるため、購入したときの袋ごと入れられるものが便利です。

直接入れ替える場合は、使い切るたびに容器を洗ってくださいね。

ちなみに当店のコーヒーは購入されてから2週間ほどで飲み切るのがおすすめですよ。

 

※店ではガラス瓶での保存をしています。保存容器の材質でおすすめなのは「ガラス」か「ステンレス」の、においがしないものですが、すぐに飲み切れる場合はそこまでこだわらなくても大丈夫です

 

未開封、もしくはしばらくの間飲まないコーヒーの保存方法

買ってきてもしばらく飲むことがない場合は、「冷凍庫」に保管してください。

コーヒー豆の内部は炭酸ガスで満たされているため、気体ができる限り収縮する低温がおすすめです。

炭酸ガスは酸化を抑えてくれる作用があるので、外に漏れ出さないことが重要です。

 

開封する際は、コーヒー豆が冷たいままだと暖かい外気との温度差で結露が起きて湿気を吸収してしまうため、冷凍庫から出して冷たくない状態になってから開封してください。

コーヒー豆は水分をほとんど含んでいないので、5~10分で常温に戻りますよ。

 

ちなみに「冷凍保存でどれくらいもつか」の質問を多くいただくのですが、私の経験上1か月以上経つと味に明らかな変化が起きます。

と言っても、季節によっても、また日常生活で冷凍庫をどれだけ開け閉めするかでも大きく変わります。

正式な分析データがないのでなんとも言えないのですが、どちらにせよあまりの長期保存には向かないことだけは確かです。

 

開封後のコーヒーの保存方法

一度開封した後は、コーヒーを淹れる度に出し入れすると思います。

冷凍庫保存の場合は温度差からの結露の可能性が大きいため、常温との温度差が少ない「冷蔵庫」、もしくは冬場の場合は暖房がきかない場所での「常温保存」がおすすめです。

時間に余裕がある場合は密閉された状態で常温に戻ってから開封することをおすすめするのですが、1週間ほどで飲み切ってしまえる場合はあまり気にしなくても大きな問題はないです。

 

冷蔵(もしくは常温)保存の場合は、10日前後で飲み切るのがおすすめです。

 

〇番外編 1

とあるお客様のコーヒーの保存方法をご紹介します。

コーヒーを購入されて自宅に戻られた後、一度の抽出で使用する量をキッチンスケールで量って、小さめのチャック袋(100均でも売っているそうです)に全て小分けしてから冷凍庫に保存するそうです。

コーヒーを淹れる際はお湯を沸かす前にコーヒー豆を冷凍庫から出しておき、触って冷たくない状態になってから挽いて使用するそう。

ここまでこだわることができるのは稀だと思うのですが、ある意味理想的なやり方の一つでもあります。

 

〇番外編 2

実は私と焙煎士とでは保存のおすすめの仕方が若干異なります。

私は、冬場は常温保存を、夏は冷蔵保存をおすすめしているのですが、焙煎士は冬場こそ冷蔵保存、夏は常温保存をすすめています。

なぜこんな食い違いが生まれるのかというと、問題は「温度差」にあります。

冬場に暖房がきいていない保存場所(特に台所周りで)は無いことが多いのと、常温と冷蔵庫との温度差が比較的少ない季節だから冷蔵庫でも問題ない、という判断です。

それと同じ理由で、夏場に冷蔵庫に入れてしまうと常温との温度差が開いてしまうので常温が良いとの判断になります。

ただ一点欠点があるとすれば、夏の常温では豆の鮮度が落ちるスピードがあまりに早いため、すぐに飲み切らなければいけないところです。

 

というわけで、保存方法には完全な「正解」がないので、このコラムを参考にご自身に合ったやり方を見つけてくださいね。

先月からイートイン&テイクアウトメニューに登場した「マルベリーコーヒー」ですが、意外と20代の若い方がよく飲んでいってくれています。

甘酸っぱいマルベリー(桑の実)シロップにイルガチェフェの特殊水出しコーヒーを合わせたもの、という簡単な説明だけなのですが、最近の若者は面白そうなものはためらわずチャレンジする傾向があるのでしょうか。

嬉しい予想外でした。

販売は今月下旬くらいまでと考えていたのですが、今週末の寒さで今季休止するかもしれません。

ご注文はお早めに!

※「ベリーが入っているチョコレートのような印象ですよ」と説明すると伝わりやすいみたいです

 

 

【店長のうんちくコラム その23・「コーヒーにちょい足し」を考える・砂糖編】

コーヒーを美味しく飲むために、日本でも世界でもいろんなものをコーヒーに「ちょい足し」する文化があります。

ミルクや生クリーム、ラム酒などのリキュール類、最近ではフルーツジュースやハーブなどなど。

ちょい足し素材は多岐に渡りますが、その中でも代表格といえば皆さんご存じ「砂糖」です。

今回のコラムではその砂糖の種類とコーヒーとの相性をざっくり解説します。

 

そもそもなぜコーヒーと砂糖は相性がいいのでしょうか。

砂糖の主な役割は、糖分を接種したいという目的以外だと、「コーヒーの苦み軽減」がメインになります。

苦みのあるものに甘みを足すと、味覚でそれらが相殺しあうので、とても飲みやすくなります。

チョコレートと同じだと思うと分かりやすいのですが、カカオの割合が多ければ多いほど甘くなくなっていき、そして少し食べづらくなっていきます。

 

その反面、実は砂糖はそれ自体に酸味を持つため、特に酸味が強くさらに濃度が高いコーヒーほど砂糖を入れると飲みづらくなる傾向にあります。

その場合は酸味の中和性も持つミルクを入れるといいのですが、それについては次回「ミルク編」で書きますね。

 

砂糖は種類別に様々な名称(味)のものがありますが、ここではざっくり3種類に分けます。

 

1. 精製糖(分蜜糖)

白いグラニュー糖含め、ほとんどは精製されたお砂糖です。

原料の成分を結晶化させるまでの過程で“糖蜜”と呼ばれる成分を分離させているので「分蜜糖」とも呼ばれます。

糖蜜の特徴は、「原料(サトウキビやテンサイなど)の香りが強い」、「甘みは弱く辛味がある」、「黒くどろどろしており、濃度を増しても結晶化しづらい」という主に3つ挙げられます。

白い砂糖がサラサラしているのは、この糖蜜が除去されているからです。

 

また、「ブラウンシュガー」として売られている砂糖の多くは、精製糖に「カラメル色素(砂糖由来の色素)」を加えているものであり、未精製の砂糖ではないのです。

カラメル色素についてこれまで多くの質問を受けてきましたが、これは砂糖をそのまま熱するとできる色素成分で、うまく作ると「ほぼ無味・無臭」の「醤油色をしたもの」ができます。

これは中華料理ではよく煮込み料理(きれいな醤油色を付けたいときに)に使用するのですが、一般的に加工で使用されているものは「ほんのり甘く、ほんのり苦いもの」だそうです。

というわけで、茶色くても成分表に「カラメル色素」と書かれているものもほぼ精製糖になります。

しかし、味わい的にはまろやかさが加わることが多く、甘味が柔らかく感じる傾向にあります。

 

ちなみに、よく白い砂糖は「漂白されている」と聞くことが多いのですが、実際は精製過程で水酸化カルシウムが使用されているだけで、漂白剤は使われていません。

水酸化カルシウムは消毒に使われるくらいアルカリ性が強いのでどこかで誤解されたのかもしれません。

 

精製糖と相性の良いコーヒーは、クリアな味わいが特徴なものほど合います。

苦みの度合いは関係なく、シンプルですっきりとした、あまり複雑さや重さを感じないコーヒーがおすすめです。

当店でいうと「ブラジル樹上完熟」や「ドミニカ」がそれにあたります。

 

2.黒糖以外の未精製糖(含蜜糖)

個人的には「減蜜糖」と言いたいのですが、そういう言葉が存在しないので、ここでは黒糖以外の未精製糖とします。

含蜜糖というのは、糖蜜を含む砂糖のことで、その多くは糖蜜をある程度抜いて販売されています。

粉末黒糖ではない「キビ糖」や「和三盆」、フランスの「カソナード」がそれにあたります。

糖蜜が含まれているため、原料の香りが際立ち、甘さも柔らかく、ある程度糖蜜を抜いているため辛味もほとんど感じることがありません。

 

ミネラル分が豊富なので、コクや重さのあるコーヒーとの相性がよく、当店では「コロンビア」や「東ティモール」、「各種ブレンド」と合わせるのがおすすめです。

ブレンドは複数種類の豆を混ぜているため、シングルよりもコクが出やすいです。

 

ちなみに当店で販売しているフランス産の角砂糖「ペルーシュ」は茶色くても精製糖で、未精製糖はザラメ状の「カソナード」というもののみです。

そういえばカソナードはクレームブリュレの仕上げにカラメルとして使用されることで有名なので、口にしたことがある方も多いのでは。

 

 

〇黒糖・粉黒糖・黒蜜

これも含蜜糖ですが、その中でも糖蜜を分離させずに作った黒い砂糖が黒糖(黒砂糖)です。

特徴は何といっても原料の香りの強さと、味わいの複雑さ、控えめな甘みです。

糖蜜の特有の辛味を感じる人もいます。

それは黒糖100%の黒蜜を口に含むと分かりやすかったりします。

市販の黒蜜は黒糖にグラニュー糖をある程度混ぜて作りますが、黒糖100%のものも意外と多くあります。

 

しっかりコクのある砂糖のため、比較的焙煎度が高めのフルボディでコクのあるコーヒーやカフェオレと相性が良いです。

当店では「ケニア」や「こってりブレンド」、「タナ・トラジャ」がおすすめです。

塊の黒糖はコーヒーに溶けづらいため、その場合はお茶菓子のようにかじりながらコーヒーを飲むといいと思います。

しっかり溶かしたいときは粉黒糖がおすすめですよ。

 

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