プリンセス・プリンシパル 第10話 感想 動き出す運命の歯車 | ながめせしまに@無為

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第10話 「case22 Comfort Comrade」

 

公式あらすじ

 かつて、ファームと呼ばれるスパイ養成所でアンジェとドロシーの同期生だった“委員長”。彼女は養成所時代、成績が2位から落ちたことのない優等生でもあった。今回、アンジェ・ドロシー・ベアトリスの3人に与えられた任務は、そんな彼女と共に海軍卿の居城から機密文書を奪取するというものであった。任務は無事に終了したかに見えたが、アンジェとドロシーにはもう一つの指令が与えられていた…。

 

 

 

 

走り書き・ちょいメモ

 

・ファーム。コントロールのスパイ養成学校。意外と人数が大規模。アンジェの拾われた経緯は不明

・養成学校時代の同期の内偵調査が本命

・表向きの調査対象は、王国の海軍増強計画を練っている

 

・ベアトだけ走りが素人ぽい感じが良く出ている。細かい。と思ったら委員長から指導w

・ベアト犬笛発動。有能

・アンジェは委員長を警戒してCボールを意図的に隠した様子

 

・チセとプリンセスはお留守番

・ドロシー何回乾杯してんだw ドロシーの酒豪ぶりがやばい。一応未成年配慮

・委員長の様子がおかしい。病気?ドラッグ?

 

・隙をついて委員長の部屋を調べるアンジェとベアト。お抱えベアト欲しい

・過去回想。試験を放り出して移動遊園地に遊びにいくドロシー

・アンジェの誘いに嵌まり委員長の黒が確定

 

・アンジェの追撃を振り切る委員長。委員長曰くアンジェは変わった

・アンジェの内心に気づかず苛立つドロシー

・ベアト事故w フィクションなので大丈夫

 

・委員長の憧れはドロシー。そして遊園地の過去回想

・ドロシーの目の前で拳銃自殺する委員長

・L(エル)の左遷

・プリンセス暗殺指令

 

 

 

感想

 

 スパイは積極的に殺人をしないというジョーカーゲームの世界観が刷り込まれているせいか、積極的に殺人の指示がでると「スパイもの?」という違和感はあるが、作品も舞台も全く違うので切り離して考えねば。

 

今回のエピソードは最後の最後にてプリンセスの暗殺指令が出たことで、第一シリーズのクライマックスに向けて、物語が大きく動き出した。どう物語を締めるつもりか非常に気になるが、その前に今回のエピソードの感想から。

 

ファーム時代の三人

 コントロールのスパイ養成機関ファーム出身で、現在もスパイ活動をしているアンジェの同期はドロシーと今回登場した委員長の三人。その他の同期生で卒業できたメンバーの顛末は不明だが、ファームの同期生には結構な数がいた。生き残っているのが三人だとすれば、やはり過酷な世界である。

 

委員長は非常に優秀で、常にアンジェの次に良い成績を出しているまさしく優等生。そんな委員長には憧れていた人がいるとドロシーに語る。てっきり流れからアンジェの事だと思っていたが、実はドロシー本人だった。言われてみれば、自分にはないものを持っているドロシーが輝いてるように見えても不思議ではない。

 

遊園地の回想を見ると短いシーンではあったが、過酷な訓練を受ける少女がいかに胸に新鮮なときめきを持ったことか、その気持ちがダイレクトに伝わってくる。冒頭で委員長は「彼女は私が成りたくてなれなかった私」と言っていたのもドロシーの事を指した言葉であった。それだけに最後の結末は悲しく、この回想がより心に効いた。

 

 このシリーズを通して、どこか人の良さが垣間見えるドロシーは、ファーム時代から屈託なく笑える明るい女の子である。ドロシーの出自を思えば、こうして笑えるのは奇跡的なのかもしれないが、スパイとしてはその人の良さがいつか命取りになったりしないかと、見ていて不安を感じるキャラでもある。それこそパン屋の看板娘として働いてるドロシーを見てみたい、そんな愛嬌がある。

 

 

優しいアンジェ

 そして、今回の任務により委員長はどうも薬漬けとなっており、コントロールとしては処分せざるを得ない状況の裏付けをとったアンジェらは、委員長の処分を決断する。

 

ドロシー本人は委員長から打ち明けられるまで気づいていなかったが、アンジェはドロシーに憧れる委員長の気持ちに気づいていたらしく、ドロシーには殺させたくない、そして委員長にも憧れたるドロシーに撃たれることがあってはならないと配慮し、アンジェにしては珍しく仕事を焦って任務を失敗する。アンジェの優しさが判断を誤らせてしまった。自らはそうした思惑を一切語らないアンジェに、アンジェの中に流れるシャーロット王女たる気高さや、どこまでも優しい性分が垣間見える思いである。

 

最後は結局ドロシーが委員長を追いつめる皮肉な結果になってしまう。委員長は今生の別れに、自身の本当の気持ちをドロシーに打ち明ける。そして、伝え終えると間もなく、自らの拳銃で頭を撃ち抜いて、ドロシーの目の前で死んでしまう。短いエピソードながら、三人の複雑な関係や背景、そして父を亡くしたばかりのドロシーの気持ちを思うととても悲しい物語であった。

 

ドロシーの精神ゲージが底をついて闇堕ちしないか心配になってしまう。パン屋の看板娘として笑顔で接客するそんなドロシーがいつか見たいんや・°・(ノД`)・°・

作品上、どのキャラも常に死と隣り合わせではあるが、ドロシーが幸せになることなく死んでしまったら本当に泣ける自信がある(´・ω・`) もちろん幸せになってるドロシーを見ても泣ける自信がある( ̄∇ ̄+)

 

 

 

今後の展望

 

Lの不在

 コントロールのリーダーL(エル)がなんと異動しているという不測の事態が生じている。官僚組織ではないのだから、こういう組織で人事が簡単に変わるというのは異常事態といえる。一体何が起きているのか非常に気になる。

 

プリンセスの暗殺指令(チェンジリング作戦の決行)

 そして、そんな異常事態の中くだされたプリンセスの暗殺指令。アンジェがプリンセスを殺すという展開は考えられない。とすれば、アンジェはコントロールと対決、もしくはスパイらしくコントロールを欺く気ではないだろうか。

 

そして、まずのその第一の壁がドロシーで、どう向き合うのかが重要である。アンジェとプリンセスの正体を知らないドロシーは、アンジェと違って立場上はこの指令を実行しなければならない。ドロシーにとってもプリンセスはターゲットというだけではなく、ミッションをともにした仲間という意識も持っていることであろうから、非常に厳しい指令といえる。

 

アンジェはドロシーをうまく懐柔して仲間に引き込むことができるのか、もしくは対立することなり互いに互いを殺し合わなければいけない状況になるのか、どちらの可能性も考えられる。後者のケースではアンジェにもドロシーにも、そして視聴者にとっても厳しい展開なので、前者かもしくはそれ以外の展開を希望するが、スパイという作品柄どうなるか大いに不安を感じる。

 

 

Lの目論見?

 プリンセス暗殺指示のタイミングで不在になるエル。普通に考えると、エルが何かの材料を掴みアンジェとプリンセスの関係を疑って、誘いだしているのではないかと思える。エルは兼ねてより、プリンセスの二重スパイを警戒していたことから、アンジェにとっては要注意人物である。ただ、アンジェとプリンセスの関係を仮に知ったとしても、殺してはアンジェの協力を得るのは難しくなるだろうから、いまいち辻褄があいそうな推測を立てることができない。

 

 どのような展開になるか分からないがサスペンス要素も加わり、クライマックスにむけてますます目が離せない物語へと加速している感じで非常に面白い。

 

 

画像で振り返る

 

委員長の内偵調査がくだる。この段階ではTOPはまだエル

 

 

王国の海軍の要人のとこに先に潜入している委員長

 

 

技量不足のベアトの描写が細かいシーン

 

 

委員長の過去回想と薬物中毒症状

 

 

委員長の黒が確定、逃亡と追跡

 

 

悲しい結末

 

 

Lの異動。新任にジェネラル。そしてプリンセスの暗殺指令

 

 

        ____
      /      \いよいよクライマックスか
     /  ─-  -─\
   /──( )─( )- \
    |       (__人__)    |  _______
   \      ` ⌒´  ,/  | |              |
   ノ           \  | |              |
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