プリンセス・プリンシパル 第5話 感想 斬鉄剣継承者チセ | ながめせしまに@無為

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第5話 case7 Bullet & Blade's Ballad

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|.....||__|| (     )  首の改造は大事
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レビュー&感想

 今回はCASE7。前回がCASE9だったので、時系列は前回より前の話。チセとアンジュらコントロールの出会いとなるエピソード。どのような意図を持って時系列を逆にしたかは良く分からない。何かしら意味があるように思うが、妥当な理由は推測できず。

 

今回のチセを見ていると拳銃の弾を軽くいなしたり、まさにルパン三世における石川五ェ門そのものであった。少し皮肉なことにアクションやバトルが売りと思しき作品の数々より、よほどまともにアクションしている。

 

お飾りの空気姫とジョーカーの姫

 現在は何の権限もなく、王位継承順位も低いプリンセス。日本の使節団の出迎えを任せられる。王国の日本へのもてなしを見れば、いかに日本が相手にされていないか分かる。また、それとは別に、暗殺に巻き込まれる恐れがある中で出迎えを命じられるなど、王国内におけるプリンセスの地位が低いことも窺える。

 

しかし、コントロールとしては苦労して手にいれたカード、プリンセスというジョーカーを暗殺騒動で失うわけにもいかず、プリンセスの命を死守しなければならない。

 

 

ノルマンディー公の胸の内

 プロットはあまり進んでないように思えるが、ノルマンディー公がプリンセスを隙あらば殺そうという意思を持っているのは明らかになった。ただし、対象がシャーロット(アンジェ)なのか、あるいはプリンセスのどちらなのかは確定したとは言い難い。この事は重要な情報としても解釈しえる(後述)。

 

 

チセ VS 藤堂十兵衛

 父親の仇として、藤堂十兵衛を討ち果たす事を懇願したチセ。激闘の末見事宿願を果たすが、藤堂十兵衛はチセの父であった。政府軍から反政府軍へと寝返ったとする父は、もはや自分の父にはあらず、家の名誉にかけて汚名を雪ぐつもりだったようだ。

 

 

チセとアンジェ

 チセは現政府側の人間。幕府を倒幕した側の人間である。すなわち革命軍側である。アンジェはもともとは王国の姫であり、共和国革命で両親を失った王国側の立場である。

 

チセとアンジェの構図は正反対にある。また自分の父親を手にかけたチセと、図らずも両親を殺されたアンジェ。家族関係を取って見ても対照的である。 この二人がコントロールという借り家で一緒に活動することは意味深なものを感じるが、現状はどう転ぶか予測できない。

 

日本

 幕府が結んだ不平等条約の解消をするため、現政府が派遣した特使が堀川公でありチセが従っている人物である。この作品のプロットにおいて、日本の役割はまだあまり高くないように思うので、重要性が上がるまでは掘り下げる必要はないように思う。

 

 

時代考証あっている?

 使節団の特使が衆目の前で簡単に土下座をしているが、そのような記述が残された文献でも残っているのだろうか。さすがに違和感を感じるのだが、この時代の日本=土下座の単純なイメージで演出しているのだとすれば、あまり好ましくない演出に思う。

 

 

基本スペックチート VS アイテムチート

 重量遮断装置という超科学を持ってる国と、いまだ刀を武器としている日本。アンバランスな感じだが、ノリで楽しめて面白い。 重力遮断したら慣性の法則はどうなるのかとか、重力ベクトルを逆向きにして超加速してるのだろうかとか謎の多い便利アイテムだが、そこはフィクションなのでノリさえよければOK。

 

 

サディスティックプリンセス

 プリンセスの身を案じチセを遠ざけようとうするアンジェだが、プリンセスは立場を利用し、チセと組むように命じアンジェを困らせる。提案自体は合理的だが、まるでアンジェを困らせることを楽しんでいるようにも見えて、やや腹黒いようにも見える( ´艸`)

 

 

アンジェ一本とられる

 黒トカゲ星ジョークをチセに真に受けとめられドン引きするアンジェ。アンジェの珍しい表情が可愛い。トイレの神様発言で追い打ちを受け、さらに固まってしまうアンジェ。素直なチセはアンジェの天敵なのかもしれないw

 

 

ミスリードを誘うやりとり

女軍人「何故、藤堂十兵衛を支持するのですか」

ノル公「~略、暗殺騒ぎにあの女を巻き込んでくれればそれでいい」

ノル公「お飾りとはいえ王位継承権は四位。誰がいつ担ぎ出すか分からんからな」

 

素直に考えればプリンセスを指した内容であるが、ノルマンディー公だけがアンジェの真の正体を知っていると仮定すれば、シャーロット(アンジェ)に置き換えても通じる内容である。ミスリードで良く使われる手法であるため、ノルマンディー公はアンジェの正体を知っている可能性がある。

 

 

アンジェの両親を殺したのは本当に革命軍なのか?

 これまでのストーリーを素直に考えると、アンジェの両親は革命軍によって殺されたと推測するのが素直な解釈である。しかし、王位継承順位の低いプリンセスを排そうとするノルマンディー公の発言を加味すると、もう一つ別の可能性も考えられるようになる。

 

すなわち、ノルマンディー公が背後で糸を引いており、アンジェの両親を騒動のどたばたの中で手にかけた真犯人という可能性である。動機も自らが王位継承するというように考えれば、この仮定にも筋が通り十分な動機といえる。

 

現在は様々な仮説がたてられる状況にあり、ストーリーに幅があり面白い状況である。一時はアンジェはノルマンディー公の指示のもと、コントロールに潜伏しているスパイという可能性も考えていたこともあり、推理を楽しむ余地がまだまだ多い。

 

 

一時停止したら怖かった

 喉を改造手術していたので、首を斬りつけられてもセーフ!という演出なのは分かる(理屈では何故セーフなのかは分からないがw)。 

 

通常再生では速いので分からないが、一時停止してみたら、首ではなく顔半分を斬られているように描かれておりめちゃくちゃ怖かったw 顔面の手前半分がざっくりなくなる入射角にみえる。刃の角度はもう少しきちんと描いて欲しいが、普通は一時停止なんてしないだろうし問題ないな(*´σー`)

 

 

激突する親娘

 もしかしてこの作品、予算豊富なのかなと思ってしまうほどアクションシーンがまともに描かれており驚いた。アクションシーンが売りの作品より良く出来ているのではないだろうか( ̄ー ̄;

 

この一連のシーンで流れているBGMも良くてkalafinaの楽曲を思い出す素晴らしいものだった。絵とBGMがマッチすると段違いにテンションが上がる。

 

 

戦いの果てに

 藤堂を倒したチセ。藤堂が反政府側に回った理由は不明だが、もし裏でチセには現時点では知り得ない謀略があったのだとすれば切ない結末。スパイ物の作品だけに日本でも謀略がという展開はあってもおかしくはないと感じる。スピンオフでも無い限り描かれる事はないだろが。

 

予測しなかった娘の登場に腕が鈍ったかは分からないが、藤堂は最後の一瞬で娘として見てしまったのだろうか。最後に娘の頭に手を添えた父親らしい様子を見るとそんな想像をしてしまう。そして親を手にかけざるをえなかったチセの胸中はあまりに切ない。

 

 

そしてチセ加入

 ドロシーの手配によりコントロールと話し合いをつけた堀川公。CASE9では王国側と共和国側どちらにつくかまだ様子を見ている状況だったので、コントロール(共和国側)に完全に肩入れをしているわけではないだろうが、これによりアンジェらと行動をともにするようだ。

チェンジリング作戦の遂行に協力をするという事なので、プリンセスを女王にするべく活動をしていくという事だろう。

 

 

 

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