【3246】コーセーアールイー/竣工端境期で大幅減、福岡エリアの仕入難化で雌伏期が続く。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3246】コーセーアールイー(東証スタンダード/福岡) OP

現在値 724円/100株  P/E 26.3  P/B 0.75 1月配当株主優待

福岡都市圏中心にマンションや投資用ワンルーム開発・分譲。
配当金は1月末一括の年24円配のため、配当利回りは約3.31%となります。

コーセーアールイーは株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続している単元以上の株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.00%となります(※2単元までは配当優待利回り維持)

業績から確認していきます。

■2022年1月期 売上高 112億円、経常利益 12.7億円 EPS 86.6円 

■2023年1月期 売上高 109億円、経常利益 18.4億円 EPS 124.0円

■2024年1月期 売上高 101億円、経常利益 18.2億円 EPS 124.3円 

■2025年1月期 売上高 92億円、経常利益 4.1億円 EPS 27.4円 ce

□2024年4月1Q 売上高 12.7億円、経常利益 0.0億円 EPS 0.0円(6/10)
□2024年7月2Q 売上高 35.0億円、経常利益 1.0億円 EPS 6.9円 四e

2024年1月期の売上高はYoY▲7.6%の101億円、経常利益はYoY▲0.8%の18.2億円となり、売上は未達ながら利益は予算超過となりました。資産運用型は一括売却に切り替えた博多ウォーターフロント(247戸)が寄与し、YoY+199戸の396戸と大幅増となりました。他方、ファミリー型物件については大橋駅前(83戸)、高見馬場(42戸)、箱崎九大前(37戸)、長府侍町(40戸)のうち一部を販売したものの、YoY▲103戸の78戸の引渡しとなりました。なお、管理戸数についても、売却影響でYoY▲32戸の3,572戸へと続落しました。

進行期である2025年1月期の売上高はYoY▲9.5%の92.0億円、経常利益はYoY▲77.4%の4.1億円と減収減益を見込んでいます。資産運用型の期初契約残はYoY▲251戸の22戸と非常に低調な状況のほか、ファミリー型についても高見馬場(42戸)、百道三丁目(24戸)、春日原駅前(25戸)の引渡を予定しているものの、期初契約残はYoY▲20戸の38戸に留まっています。利益面についても、竣工端境期のため翌期販売費用の先行支出が嵩み、減収幅以上に減益幅が大きくなる見通しです。


進行期は2026年1月期を計画終期とする3年中計で、業績目標額を売上高109億円→110億円、経常利益は18.4億円→10.8億円で計画しており、マイナス成長を見込んでいます。生活防衛意識の高まりや金利の先高感による顧客の購入心理悪化により売上鈍化が想定される一方、原価は資材・エネルギー・工賃といった建築原価高騰影響にくわえ、ベースアップによる人件費増が重しとなります。

 

当社が拠点とする福岡は、政令指定都市の人口増加率が7年連続の首位をマークしているものの、在京の大手デベ(MAJOR7)の本格参入もあり、競合激化が鮮明な状況です。他方で域外に出る形で、首都圏で年2棟程度の仕入れを目標とし、情報入手強化のため東京支店を神田美土代町からお茶の水のワテラスに移転させています。

 

今次中計がマイナス成長目標になったのは、そういった用地仕入難と原価高が背景があり、この3年は数字を作るよりも仕入れを優先し、長期的な成長原資を確保する意図があるものとみられます。なお直近では、福岡市港湾空港局が資材置き場として利用していた石城町の市有地(502坪)を6者競合ながら8億4,500百万円で落札しています。


財務状況については、2017年の東証一部指定変更時のPOで約24億円(@1,291円)を調達しています。足許の株価水準はこのPO価格を大幅に割り込んでいるものの、自己資本比率は69.7%と健全な水準を維持しています。株主還元については、配当性向30%基準ながらも12円減配となる年24円(配当性向87.3%)を予想しています。


*参考記事① 2023-06-19  767円 OP

【3246】コーセーアールイー/3年中計はマイナス成長、“MAJOR7”の福岡本格進出が脅威。

 

*参考記事② 2022-06-20  636円 OP

【3246】コーセーアールイー/福岡で大手デべ競合が激化、仕入難で横ばい続く。

 

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