なちゅの市川綜合研究所

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「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

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【9010】富士急行(東証1部) NT


現在値 4,630円/100株 PER--.-  PBR10.3 3月配当優待 9月優待

富士山麓周辺で別荘・リゾート施設等を展開。富士急ハイランドが主力。バスに強み。
配当は3月末一括の6(~10)円配当のため、配当利回りは約0.13%となります。

富士急行は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の年2回、単元株を保有する株主に対して、遊園地フリーパスなどとの交換が可能な電車・バス・観光共通優待券を5枚進呈しておりますので、1枚500円換算した場合の配当優待利回りは約1.20%となります。

業績を確認をしていきます。
■2017年3月期 売上高 517億円、営業利益 48.5億円 EPS 49.6円 

■2018年3月期 売上高 526億円、営業利益 52.9億円 EPS 49.9円   

■2019年3月期 売上高 544億円、営業利益 61.7億円 EPS 39.0円   

■2020年3月期 売上高 529億円、営業利益 44.9億円 EPS 29.7円  

■2021年3月期 売上高 322億円、営業利益▲23.9億円 EPS▲42.9円 ce修正 
□2020年9月2Q 売上高 126億円、営業利益▲34.0億円 EPS▲45.9円(11/4)

 

2020年9月中間期については、期初予算との比較はないものの、売上高が前年同期比57.5%減の126億円、営業利益は同赤転の▲34.0億円で着地しました。運輸事業において、前期にJR線乗入れの「富士回遊」増発や、乗合バス事業におけるシステム向上等の施策を実施したものの、元よりインバウンドや観光客といった定期外収入の多い当社は、これら施策が全て裏目に出る形で新型肺炎による影響を他社比で色濃く受けました。また、レジャー事業におけるハイランドについても、5月下旬から山梨県民限定での営業となったほか、全面的に受け入れを再開した書入れ時の夏場についても国内感染者数が再拡大傾向になったことから、極めて低調に推移しました。

 

2021年3月期の通期見通しについては、中間決算時点で開示に踏み切っており、売上高は前期比38.3%減の322億円、営業利益は同赤転の▲23.9億円を予想しています。上期実績を織り込むとともに、直近の状況(見通し策定時期は10月とみられる)を反映して下期の前提を組んでいるため、赤字幅が縮小するという数字感的にも緩やかな回復基調を前提としている可能性が高く、足許の冬場の感染拡大までは織り込んでおらず、既に未達の蓋然性が高い状況と判断されます。なお上期に雇用助成金8億円(対になる休業手当は▲6億円)を計上しており、下期も同水準の“入れ繰り”が営業外で発生すると思われます。


今期は3年中計の最終年度となっており、この2021年3月期にも累計売上高を1,553億円から1,667億円へ(年35億円程の増収)、累計営業利益156億円を183億円へ(年9億円程の増益)引き上げる計画でしたが、足許における新型肺炎による影響が甚大であり、過年度2年間の数字を考慮すると、累計営業利益は目標の半分以下となる80~90億円で着地するものと判断されます。リスクイベントであった2018年のハイランドの入場料無料化を通過し、国内中高年客の増加など想定を超える成果があったものの、韓国との関係悪化、米中摩擦、そして今次新型肺炎禍によりインバウンド及び国内客まで蒸発してしまったため、強力な“簿外”観光資源である富士山や、ハイランドへの依存度が大きい当社は打撃が大きくなっています。

 

当社個社の経営努力でどうにか出来る状況ではなく、新型肺炎の沈静化やワクチンの早期開発、政府による強力な観光業振興策といったマクロ環境改善の方がはるかに業績に寄与するものの、昨春に新アトラクションの導入を公表しています。当社の代名詞でもある大型のコースターに約36億円を投資する計画であり、これは既設コースター3種(FUJIYAMA/ドドンパ/高飛車)の投資額が各30億円、ええじゃないかが36億円だったことを踏まえると過去最大級に並ぶ投資額となります。なお、開業予定時期は2022年夏を予定しているため、足許よりはマクロ環境が改善している公算が高いと思われます。

 

なお財務状況については、自己資本比率が22.6%まで低下しており、現中計上で目標としていた有利子負債500億円水準までの借入削減はもはや困難となりました。かような状況もあり、株主還元についても絞ってきており、微増配を予想していた期初計画から一転して前期の半分以下となる「6~10円」配当を予想していますが、おそらくレンジ下限の6円での配当に落着するものと思われます。

 

*参考記事① 2020-08-25  3,120円 NT

【9010】富士急行/ハイランドや定期外の収入多く、新型肺炎影響は深刻。

 

*参考記事② 2020-02-04 3,745円 NT

【9010】富士急行/台風と新型肺炎が直撃、下方修正後もなお過大。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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【3153】八洲電機(東証1部)  NT

現在値 980円/100株 PER 12.8 PBR 1.05 3月配当 9月株主優待

日立系商社。工場や企業向けに電気機器の納入・設置工事を一括提供。
配当は3月一括の年20円配当のため、配当利回りは約2.04%となります。

 

八洲電機は株主優待を導入しており、9月末現在の100株以上保有の株主に対して、500円分のジェフグルメカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.55%となります。なお、1年以上保有を継続する株主に対しては500円分が追加されますので、配当優待利回りは約3.06%となります(※2単元の場合は変則優待:2,000円分、1年超で2,500円分、3年超で3,000円分)


業績を確認をしていきます。
■2017年3月期 売上高 756億円 経常利益 16.8億円 EPS 46.3円 

■2018年3月期 売上高 735億円 経常利益 21.7億円 EPS 72.4円 

■2019年3月期 売上高 698億円 経常利益 25.2億円 EPS 85.0円 

■2020年3月期 売上高 701億円 経常利益 26.5億円 EPS 64.6円

■2021年3月期 売上高 630億円 経常利益 24.5億円 EPS 76.5円ce
□2020年9月中 売上高 241億円 経常利益 0.4億円 EPS 0.2円(10/29)

2020年9月中間期の売上高は、前年同期比19.4%減の241億円、経常利益は同75.8%減の0.4億円となり、期初予想との比較はないものの2桁の減収となりました。主力の産業機器・交通事業については、新型肺炎禍で設備投資意欲が後退した鉄道系顧客からの列車運行システムや受変電設備更新工事の受注減少に見舞われたほか、機械系メーカーの生産減少や再開発遅延にともない空調機器納入が減少したことから、一部好調だった医療系を除いて軒並み減となりました。一方、プラント事業については、鉄鋼分野における老朽化施設の更新案件が順調に推移したほか、石油・エネルギー等分野についも石油精製設備の大型案件が順調に進捗したため、当該セグメントは増収増益を確保しています。


2021年3月期通期の見通しについては、1Q決算時に開示に踏み切っており、売上高は前期比10.2%減の630億円、経常利益は同7.8%減の24.5億円を予想しています。当社は系列である日立製作所絡みは社会インフラ事業における官公需が大きいため、業績は下期に大きく偏重する傾向がありますが、今期も特に4Qに数字が集中することが見込まれています。交通事業の鉄道系顧客の設備投資意欲減退や、産業機器向けも全般低迷が見込まれるものの、需要が堅調なプラントが下支えします。なおトップラインの減少(▲80億円)については子会社売却が主要因であり、期初時点の受注残高は前年同時期比2.9%増の426億円、2Q時点でも468億円と高水準をキープ出来ていることから、会社側予算は走破圏にあるものと捉えています。

 

通常3年スパンで開示している中計については、電子デバイス事業を手掛け、通年で売上高80億円・経常利益1億円程度の業績寄与があった子会社の八洲電機ソリューションズを昨年立花エレテック(8159)へ売却したことにともない、全社事業再編成のために2020年3月期をインターバル期間として対象外として“一回休み”としています。そのため、この2021年3月期を始期とする向こう3年間の新中計を昨年7月に開示していますが、新型肺炎禍で合理的な計数が出来ないことから、業績目標については一旦ブランクとしています。

 

本中計における定性的な取組事項としては、引き続き日立のメーカー商社からの脱却を志向し、エンジニアリング会社としての色を打ち出すべく、単なるユニットからエンジニアリング統括本部に格上げして、産業・交通事業とプラント事業の上に位置付けて横串し強化を図ります。当面の事業環境としては、日立が得意とする鉄道系インフラの更新需要が新型肺炎禍でスタックしてしまったのが痛いところですが、5G設備投資や防災対策、プラント関連更新需要などの需要は底堅く推移すると考えられるため、当面は概ね横ばい水準の業績確保が期待されるところであります。

 

財務面については、7億円ほどの借金をネットしてなお80億円超の手元現金を抱えています。好財務のわりに株主還元が渋かったため、自己資本比率も依然40%弱と商社としては高水準をキープしています。そのため、配当金は年20円を予想していますが、据置ながらも通期着地の如何によらずそのまま配当される公算が高いものと考えております。

 

*参考記事① 2020-01-25 926円 NT

【3153】八洲電機/電子デバイス事業売却も、リストラ効果の発現期待は高い。

 

*参考記事② 2019-01-24  751円 NT

好財務を原資に増配基調が定着、足許では優待拡充も・八洲電機(3153)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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【3965】キャピタル・アセット・プランニング(東証一部) OP

現在値 1,153円/100株 PER30.7 PBR 2.10 9月配当株主優待 3月配当

生命保険の販売支援システムとコンサルが主体。相続対策システム育成中。
配当金(実績)は3月末・9月末合計20円配のため、配当利回りは1.73%となります。

 

キャピタル・アセット・プランニングは株主優待制度を導入しており、9月末に単元株を保有する株主に対して、1,500円相当のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りはおよそ約3.03%となります(2単元以上の場合は2,500円分のカタログギフト)。

業績を確認していきます。
■2017年9月期 売上高 60.1億円、営業利益 3.4億円 EPS 43.2円 

■2018年9月期 売上高 65.4億円、営業利益 5.0億円 EPS 53.2円

■2019年9月期 売上高 72.9億円、営業利益 6.2億円 EPS 76.3円

■2020年9月期 売上高 68.8億円、営業利益 1.6億円 EPS 15.7円(11/17)

■2021年9月期 売上高 70.0億円、営業利益 3.4億円 EPS 37.5円 ce
□2021年3月2Q  売上高 32.8億円、営業利益 1.5億円 EPS 17.5円 ce

2020年9月期の売上高は前期比5.6%減の68.8億円、営業利益は同72.9%減の1.6億円となり、対前期・対予算ともに大幅な減益となりました。主力の生保向けシステムについては、期初時点における受託開発の受注残は前年より4割強少ない8.2億円でのスタートとなったほか、新型肺炎禍の深刻化にともない2Q・3Qに納品する予定だった開発案件についても遅れが生じました。また、システム開発体制の在宅移行コストや、納期委外注先変更により原価が膨らんだ結果、トップライン以上に利益が圧迫されました。なお、大口顧客であるソニー生命より、リモートでの生保ペーパレス申込システム(一部)の受注・引渡しがあったため、4Qに大きく持ち直す形で数字を仕上げています。

 

進行期である2021年9月期の予算に関しては、売上高が1.7%増の70.0億円、営業利益は2倍となる3.4億円を予想しています。期初における受託開発の受注残高は1年前と比べて倍の17.0億円を確保しており、売上依存度41.7%(前期46.2%)を占める大口相手先であるソニー生命や、同10.0%(前期11.2%)を占める三井住友海上あいおい生命等に対して、ライフプラン、生保設計書、申込書作成といったシステム提供や改変開発、クラウド移行に関する受注が堅調に推移するとみられます。非生保領域については、相続市場の拡大によりメガバンク・証券会社・IFA・会計事務所向けの資産管理システムのライセンス課金が伸長する見通しですが、構成比が低く寄与度は限られます。なお、会社側のアナウンスによれば、生保会社の今年度(FP21)の開発予算の割当判明までは保守的に組んでいるとのことです。

 

当社は2016年10月のIPO企業であり、先端領域事業である(自称)フィンテック企業ながらも何故かJQS上場だっただめ、成長可能性資料は開示されておらず、中長期的な業績の定量目標等も示されていません。ただ、成長のための定性的な取組みは3点示されており、①サラリーマン向けのスマホ用ライフプランニング・アプリ、②富裕層向けのファンドラップを含めたアグリゲーションシステム、③企業経営者向けの事業承継・相続システム、3点の拡充・拡販により、現在のソニー生命高依存モデルからの脱却を図る方針です。

 

2018年末には生損保業務に特化したSIerであるインフォーム社(年商5億円、利益僅少)の株式を追加取得しており、同社顧客である損保向けへの新規拡販を狙います。また、上流工程に特化した同社を傘下に収めることで、生保システムの上流から下流まで一貫開発することが出来るようになるため、外注費軽減といった原価面でのメリットが期待されます。また、目下注力中の商品である「Design Your Goal」システムをリリースしており、俗に“ゴールデザイン”と言われる逆算型資産運用システムを証券会社等のファンドラップ営業用に拡販し、ストック型のライセンス料の積上げを図ります。こちらは団塊コア世代が75歳を迎える大相続時代に迎合した商品となりますが、まだ売上の柱になるような商品に育つには時間がかかる見通しです。

 

財務面に関しては、2018年の二部指定替え時にPO(@2,731)を実施して11億円強を追加で調達していることもあり、ネット無借金に近い財務状況となっています。そのため、足許の55%近い自己資本比率を考慮すると、未定となっている配当も据え置かれる公算が高く、据置の年20円配位であれば十分に配当可能であると考えています。

 

*参考記事① 2020-02-12  1,312円 BY

【3965】キャピタル・アセット・プランニング/特定顧客へ高依存だが、指定替えの要件満たす。

 

*参考記事② 2019-01-30 1,250円*分割遡及修正済 OP

実績期はキッチリ予算守るが、今期は成長一服。キャピタル・アセット・プランニング(3965)。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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