【3246】コーセーアールイー(東証プライム/福岡) OP
現在値 636円/100株 P/E 6.67 P/B 0.79 1月配当株主優待
福岡都市圏中心にマンションや投資用ワンルーム開発・分譲。
配当金は1月末一括の年30円配のため、配当利回りは約4.72%となります。
コーセーアールイーは株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続している単元以上の株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.50%となります(※2単元までは配当優待利回り維持)
業績から確認していきます。
■2019年1月期 売上高 121億円、経常利益 15.4億円 EPS 100.3円
■2020年1月期 売上高 90.5億円、経常利益 6.4億円 EPS 41.9円
■2021年1月期 売上高 93.7億円、経常利益 8.3億円 EPS 57.1円
■2022年1月期 売上高 112億円、経常利益 12.7億円 EPS 86.6円
■2023年1月期 売上高 102億円、経常利益 14.1億円 EPS 95.3円 ce
□2022年4月1Q 売上高 13.5億円、経常利益 1.2億円 EPS 8.2円(6/9)
□2022年7月2Q 売上高 26.4億円、経常利益 1.4億円 EPS 9.5円 ce
2022年1月期の売上高はYoY+20.4%の112億円、経常利益はYoY+51.3%の12.7億円となり、売上高・利益ともに予算を上回りました。資産運用型は千早のウエスト棟分(252戸分)を早々に一棟売りに切り替えたほか、県庁前別棟・博多駅前プレミア・千早プレミアが全戸完売となり、YoY+209戸の477戸を引き渡しました。他方、ファミリー型物件については、南浦和(24戸)・高取1丁目(39戸)などのうち一部に留まり、YoY▲29戸の81戸の引渡となりました。なおストック収入となる管理戸数については、YoY▲162戸の3,818戸に減少しており、一棟売りや管理のリプレイスが影響したものとみられます。
進行期である2023年1月期の売上高はYoY▲9.6%の102億円、経常利益はYoY+11.0%の14.1億円と、減収増益を見込んでいます。資産運用型の契約残高は千早のウエスト棟分(252戸分)の剥落によりYoY▲91.8%の20戸に留まっており、名有り物件も11月完工の住吉(66戸)などに限られることから大幅減となります。他方、ファミリー型の契約残高はYoY41倍の116戸が契約済となっており、大橋駅前(83戸)・日吉(60戸)などを引き渡す計画ですが、大型物件である大橋駅前は期末完工のため、3Qまではかなり低調な進捗が見込まれます。利益面については、好採算のファミリー割合増加による販管費抑制で、減収ながらも増益を確保します。
当社は2019年に子会社で顧客のローン申請にかかる書換えの不祥事が発生し、内部統制・コンプライアンスの強化に注力する必要が出たため、中計の業績目標を減額した経緯があります。然しながら、社内体制の整備が進んだことから、今次本決算時のローリングで改めて増額し直しており、最終年度である2023年1月期の目標額を売上高102億円(従予:105億円)、経常利益は12.0億円(従予:7.9億円)とし、数字を置き換えています。
当社拠点である福岡エリアは、10代・20代の若者割合が政令指定都市の中で首位(22.08%)であるほか、人口増加率も同5位という本邦屈指の人口成長エリアではあるものの、その分大手デベロッパーの本格参入もあり競合が激化しています。そのため、仕掛用まで含めた販売用不動産は100億円をこえる水準で横ばいが続いており、仕入れ難化が鮮明となっています。会社側では福岡エリアを抜け出して、首都圏で年2棟の仕入れを目標としていますが、思うような仕入れが出来ていない印象であり、向こう数期は横ばい成長が続く公算が高そうです。
財務状況については、2017年の東証一部指定変更時のPOで約24億円(@1,291円)もの調達しています。足許の株価水準はこのPO価格を大幅に割り込んでいるものの、自己資本比率は52.8%と健全な水準を維持しています。なお株主還元については、配当性向30%基準により5円増配の年30円(配当性向31.4%)を予想しています。
*参考記事① 2021-05-31 646円 OP
【3246】コーセーアールイー/中計は1年前倒達成の勢いも、仕入の積上がりが弱め。
*参考記事② 2020-06-04 590円 OP
【3246】コーセーアールイー/不正問題が尾を引くも、新中計はしゃがみ過ぎの印象。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。