【3246】コーセーアールイー(東証一部/福岡) OP
現在値 646円/100株 P/E 8.71 P/B 0.86 1月配当株主優待
福岡都市圏中心にマンションや投資用ワンルーム開発・分譲。
配当金は1月に一括の23円配当のため、配当利回りは約3.56%となります。
コーセーアールイーは株主優待制度を実施しており、1年以上保有を継続している単元以上の株主に対して、500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.33%となります(※2単元までは配当優待利回り維持)
業績から確認していきます。
■2018年1月期 売上高 128億円、経常利益 17.5億円 EPS 132.7円
■2019年1月期 売上高 121億円、経常利益 15.4億円 EPS 100.3円
■2020年1月期 売上高 90.5億円、経常利益 6.4億円 EPS 41.9円
■2021年1月期 売上高 93.7億円、経常利益 8.3億円 EPS 57.1円
■2022年1月期 売上高 112億円、経常利益 10.7億円 EPS 74.1円 ce
□2021年7月中 売上高 76.9億円、経常利益 7.7億円 EPS 51.9円 ce
2021年1月期の売上高は前期比3.5%増の93.7億円、経常利益は同30.5%増の8.3億円となり、売上高・利益ともに期初予想を上回って着地しました。計画では資産運用型の完成戸数(販売予定戸数ではない)602戸、ファミリー型は同52戸を予定したいたため、前期比169戸増える想定だったものの、実際の引き渡し戸数は其々268戸・110戸と概ね前期並みの戸数となりました。それでも前期はセグメント赤字だったファミリー型の販売が好調だったため、販売経費削減等により黒字化しています。物件的には当社設立以来の最大物件となる資産運用型の千早4丁目の2棟(合計504戸)が寄与しました。なお管理戸数については、537戸を積み上げて期末時点で3,980戸となりました。
進行期である2022年1月期の売上高は19.8%増の112.3億円、経常利益は27.7%増の10.7億円と、2割程の増収増益を予想しています。資産運用型においては千早のウエスト棟分(252戸分)を一棟売りに切り替えていることから、期初時点で既に6.5倍の262戸もの契約残高を繰り越しており、事実上通期の契約がほぼ終わっているような状況となっています。単価の張るファミリー型物件については、南浦和(24戸)・高取1丁目(39戸)の竣工を予定しており、あとは実績期の積み残しの完成在庫を捌いて数字を作るものとみられますが、全社の契約残高は千早ウエストを除けば期初時点で20戸分程度しかなく、見えががり上はスタートダッシュが想定されるものの、期中にも相当数の契約を積み上げる必要があります。
当社は2019年度で子会社において顧客のローン申請にかかる書換えの不祥事が発生し、内部統制・コンプライアンスの強化に注力する必要が出たため、現状の中計は従来実績水準をも下回る極めて保守的な計画値を置きなおししています。具体的な業績目標としては、最終年度の2023年1月期に売上高105億円(CAGR5%)、経常利益は7.9億円(CAGR7%)を目指すこととしていますが、中間年度である今2022年1月期の予算でこの数値を上回る単年予算を出してきていることから、実態としては目標から1年前倒しで進捗しているような状況です。
当社拠点である福岡エリアは本邦屈指の人口成長エリアではあるものの、昨今は大手デベロッパーの参入もあり他社競合が熾烈を極めているため、福岡を抜け出して首都圏をはじめ域外での仕入れ、販売を進めており、実際に立川や浦和等でも小規模に展開しています。然しながら、棚卸資産は年100億円程度で殆ど増えておらず、業績的には横ばいのような状況が続いており、全国的な競合激化による仕入難が推察されます。そのため、資産運用型の買取のような中古再販や、管理業で地味に数字を積み上げて“仕入れ時期”を待っているような印象を受けます。
財務状況については、2017年の東証一部指定変更時のPOで約24億円(@1,291円)もの調達しています。足許の株価水準はこのPO価格を大幅に割り込んでいるものの、自己資本比率は36.4%と健全な水準を維持しています。なお株主還元については、配当性向30%基準により8円増配となる年23円(配当性向31.0%)を予想しています。
*参考記事① 2020-06-04 590円 OP
【3246】コーセーアールイー/不正問題が尾を引くも、新中計はしゃがみ過ぎの印象。
*参考記事② 2019-05-28 752円 OP
会社側の様子見姿勢目立ち、全体的に手詰まり感も・コーセーアールイー(3246)。
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