【7172】JIA/高水準のオペリース在庫は1Qから消化進み通期増額が確定的、中計も超意欲的。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー(東証プライム)  OP

現在値 1,377円/100株 P/E 16.8  P/B 0.73  12月配当優待 6月優待 

航空機リースが柱。航空機エンジン売却・旅客機から貨物機への改造、太陽光発電商品も。
配当は6月末・12月末の年2回・合計16円のため、配当利回りは約1.16%となります。

ジャパンインベストメントアドバイザーは株主優待を導入しており、12月末に単元株を保有する単元株主に対して、保有期間に応じて日本証券新聞のデジタル版購読券を進呈しています。また1年超・2年超・3年超保有で別途クオカード進呈もあり、各500円分・1,000円分・3,000円分となるため、その場合の配当優待利回りについてはそれぞれ約1.52%・約1.88%・約3.34%となります(現行の株主優待制度が維持される前提)。

業績を確認していきます。 

■2021年12月期 売上高 141億円、最終利益 29.2億円、EPS 97.0円   

■2022年12月期 売上高 180億円、最終利益 44.1億円、EPS 146.1円   

■2023年12月期 売上高 218億円、最終利益 23.5億円、EPS 78.1円  

■2024年12月期 売上高 277億円、最終利益 43.0億円、EPS 75.6円 ce  

□2024年3月1Q 売上高 90.1億円、最終利益 40.8億円、EPS 67.5円(4/30)

□2024年6月2Q 売上高 145億円、最終利益 27.2億円、EPS 44.9円 ce


2023年12月期の売上高はYoY+20.9%の218億円、最終利益はYoY▲46.5%の23.5億円となり、増収減益ながらも予算比では上振れました。主力の航空機オペリース事業については、組成時調達環境改善により商品出資金残高は465億円に大きく回復していたほか、年末の需要活発期にJOL/JOLCOの品揃えを用意出来ていたことが奏功しました。また、1機単位のトレーディング収益の一段増や、利益貢献僅少ながらパーツアウト事業も寄与しました。他方、前期の為替由来の一過性利益54億円の剥落で、利益は大幅減となりました。

 

進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+27.3%の277億円、最終利益はYoY+82.2%の43.0億円を計画しています。航空機オペリース事業はトレーディング収益こそ一服するものの、旺盛な投資家ニーズを背景とした商品組成が進んでおり、商品出資金期初残高はYoY*2倍の942億円と大幅な在庫増を確保しています。そのため、上期段階からこの高在庫の販売が進捗しており、4月30日に公表済の1Qは売上高90.1億円&最終益40.8億円と既に通期計画利益の殆どをカバーし、通期増額が確定的な情勢です。

 

当社は昨年7月に2026年12月期を最終年度とする新中計を公表しており、向こう3ヵ年で売上高を218億円→694億円に、最終利益を23億円→250億円に引き上げる計数となっています。会社側では後述するAirbusとの案件増や、祖業でもあるコンテナ商品の拡充など既存複数ドメインの拡大だけである程度目算が立つ旨コメントしており、新規ドメインは計数に含んでいないとしているものの、かなり“野心的”な計数のため、実現確度は不透明です。

 

中計のメインドライバーとなる航空機オペリース事業は事業環境の好転が進んでおり、当社単独事業分だけでなく、Airbusとの合弁出資で設立した航空機リースプールファンド運用のBleriotも順調に推移しています。Airbus出資分のレバレッジが効くほか、一機売りといった転売案件もAirbusから直接下りてくるようになるため、トレーディング収益の拡大がも期待されます。

 

これら航空機リース以外では、コンテナや船舶、再エネ(太陽光)に商品群を多様化させるほか、利益率の低い退役航空機の部品バラ売りである“パーツアウト・コンバージョン”、個人投資家向けの相続ニーズ獲得を睨んだ不動産小口化商品の取組(一号案件は渋谷・神南)を開始しています。また、PE事業についてはIPO接近でExitしやすいレイターステージ以降の案件を拡充させる方針です。

 

財務面に関しては、本年1月にライツ・オファリング(大和証券による一部コミット付、行使代金@357円)で約103億円を調達しており、自己資本比率は27.0%まで回復しています。なお株主還元については、ライツ希薄化考慮で横引きとなる年16円配当を予想しています(配当性向は21.1%)。今次中計においても配当性向は現状維持となる「20%以上」を据え置いており、業種がら資金需要もおう盛なことから、株主還元を充実させる意図はなさそうです。


*参考記事① 2023-05-16 595円(*ライツ行使調整後株価) OP

【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー/オペリースBS計上影響は軽微、底入れとなろう。

 

*参考記事② 2022-06-14 695円(*ライツ行使調整後株価) NT

【7172】ジャパンインベストメントアドバイザー/航空機オペリース依然低調も、為替差益で下支え。 

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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