【9160】ノバレーゼ/IPOローンチ時の予算割れ、ポラリス保有玉も多くややネガティブな印象。 | なちゅの市川綜合研究所

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【9160】ノバレーゼ(東証スタンダード) OP

現在値 282円/100株  P/E 7.48  P/B 0.89 12月無配・株主優待あり

ブライダル主力でゲストハウスやレストラン、ドレスショップを展開。
配当基準日は12月末ですが、実績・予想ともに無配となっています。

ノバレーゼは株主優待制度を導入しており、12月末現在の単元株主に対し、2,000円相当の特選ギフトのほか、レストランの飲食20%割引券を進呈しており、前者のみの優待利回り7.09%となります。

業績を確認していきます。当社は2023年の再上場銘柄です。

■2021年12月期 売上高 111億円、営業利益 8.2億円 EPS 15.0円 

■2022年12月期 売上高 172億円、営業利益 27.7億円 EPS 66.3円

■2023年12月期 売上高 182億円、営業利益 15.3億円 EPS 37.7円 

■2024年12月期 売上高 196億円、営業利益 17.1億円 EPS 37.7円 ce
□2024年3月1Q 売上高 36.9億円、営業利益▲3.3億円 EPS▲10.3円(5/15) 

□2024年6月2Q 売上高 86.5億円、営業利益 0.9億円 EPS ▲2.5円 ce 


2023年12月期の売上高はYoY+6.1%の182億円、営業利益はYoY▲44.5%の15.3億円で着地し、3Q時点の減額見通し(IPOローンチ時予想割れ)水準で着地しました。主力の婚礼事業招待ゲスト数や組単価の増加で増収こそ確保したものの、沖縄の新店の台風影響による開業遅れもあり、施工組数はYoY▲0.7%の4,629組と前年並みに留まりました。営業利益については、トップライン減少影響のほか、補助金剥落(▲5.6億円/IFRS要因)や水光費・食材費の高騰で一段と減少しました。


進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+7.2%195億円、営業利益はYoY+11.1%の17.1億円を予想しています。主力の婚礼事業の施工組数は、宮崎・沖縄の巡行化寄与も終わった期の受注低調によりYoY▲1.5%の4,558組に減少します。他方、少人数婚礼割合の減少や衣装着数の増加といった単価増によりトータルでは増収を見込みます。新店は式場2(仙台・福島)・飲食2(広島・大阪)を計画しており、5月15日に開示済の1Qの売上高は39.6億円&営業益は▲3.3億円で進捗しています。


当社は中期経営計画を公表していないものの、出店による外部成長策がメインドライバーであり、年間で3店舗程の出店(1店舗あたり売上は年5億円)により年15億円程の増収を見込みます。出店ターゲットは都道府県1店舗を基本に最大3店舗、大都市に限らず人口25万人以上をハードルとしており、会社側によれば対象が78都市ほど存在するため、向こう数年の出店余地は確保されている模様です。

 

内部成長策としては、既存式場の稼働率が依然として7割程度に留まっているため、修繕やリニューアル(CPX)投資により、これを8~9割程度に引き上げる方針です。婚礼業界の想定TAMは1.4兆円、目下の寡占率が上位9社で22%、当社のシェアはそのうち1%程となります。婚礼業界は人口減少と少子化で構造的縮小市場のため、上述の出店・改装以外では買収等に取り組む方針としています。

 

当社は2016年11月のポラリス・キャピタルによるTOBで上場廃止となったものの、本年6月末に再上場となりました。再上場時にポラリスは持分の半分を放出(IBJやアサヒビールが親引けで引き受け)したものの、依然として半分程が残っているため、中長期的な売り出しリスクを孕んでいます。財務状況については、自己資本比率は25.3%ながらTOB時に創設された112億円ののれんが存在しているため見えがかりよりも財務状況が悪く、配当は翌期以降になる見通しです。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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