【3197】すかいらーくHD/メニュー刷新による実質値上げで既存店は一段増、通期上振れが濃厚。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3197】すかいらーくホールディングス(東証プライム)  NT

現在値   2,213円/100株  P/E 67.1  P/B 3.06  12月配当優待 6月優待

「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当金は12月末に年10円のため、配当利回りは約0.45%となります。

すかいらーくは株主優待として6月末・12月末の単元株主に対し、2,000円分のお食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約2.25%となります。なお、1,000株までは持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます。

業績は下記の通りです。IFRSとなります。  

■2021年12月期 売上高 2,645億円、営業利益 182億円 EPS 40.7円 

■2022年12月期 売上高 3,037億円、営業利益▲55.7億円 EPS▲28.0円 

■2023年12月期 売上高 3,548億円、営業利益 116億円 EPS 21.0円 

■2024年12月期 売上高 3,750億円、営業利益 150億円 EPS 32.9円 ce

□2024年3月1Q 売上高 955億円、営業利益 61.0億円 EPS 15.0円(5/15)

□2024年6月2Q 売上高 1,790億円、営業利益 70.0億円 EPS 14.9円 四e

2023年12月期の売上高はYoY+16.8%の3,548億円、営業利益はYoY+173億円の116億円となり、中間時点の通期増額見通しを上回って着地しました。当初は予算前提SSSを2019年比98%(総日商)としていたところ、2022年の値上げ効果の通期化やガソリン高騰一服によるロードサイド店の回復、ヤングファミリー層の来店増等により、出来上がりは実績118.4%と大きく上振れました。利益面については、食材高騰等のインフレ(▲130億円)・補助金剥落(▲109億円)が下押ししたものの、トップライン増勢で打ち返しました。


進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+5.7%の3,750億円、営業利益はYoY+28.3%の150億円を予想しています。昨年11月のグランドメニュー刷新効果や、割安な小皿商品の“ついで注文”が伸長し、予算前提SSS105%に対して、累計4ヶ月のSSSは111.4%と強含みの状況です。出退店は純増30店&転換70~80店を見込んでおり、利益面は追加的なインフレ影響を織り込むものの、増収効果で飲み込む計画です。なお、5月15日開示済の1Qは売上高955億円&営業益61億円で進捗しており、通期上振れが濃厚です。

 

当社は新型肺炎禍の影響で中計の定量目標の公表を見送って来た経緯があるものの、この度開示に踏み切っており、翌2025年~2027年の3年間で国内出店は年100店を目指す計画であり、本格的な出店増による外部成長を目論みます。出店に関しては人口動態の変化に対応し、ロートサイド型よりは都心のビルや商業施設への出店を進めます。なお、客単価成長率はインフレ負けしない程度の年2~3%&客数成長率は年1%でセットしており、此方は保守的な前提となっています。

 

既存店対策については、メニュー刷新による小皿商品とセットメニューの拡充による実質値上げの図るほか、非ファミレスの特化型業態である「しゃぶ葉」や「ステーキガスト」「ラ・オハナ」については、有料オプションや体験型デザート、季節性商材の導入等による単価アップを志向します。このほか、人気IPとのコラボやフェアメニューの拡充、アプリとクーポン活用によるターゲティング強化にくわえ、駐車場の導入看板の刷新といった梃入れを図ります。

 

海外にについては3年で100店の出店を計画しており、70店の既存店がある台湾は非常に好調に推移しているため、「横浜牛排」「むさしの森珈琲」といった業態を年10店ずつ積み増すこととしており、最終的には200店体制構築を目指します。このほか、北米やマレーシアの開拓を図るほか、その他の“飛び道具”として向こう3年で3件程度のM&Aを実施する方針です。


財務面については、2021年の海外POで426億円の巨額調達を済ませており、自己資本比率は38.1%と高い水準を維持しています。配当については、調整後配当性向30%をガイドしており、3円の増配となる年10円配当(配当性向30.33%)を計画しています。

*参考記事① 2023-12-13 2,200円 NT

【3197】すかいらーくHD/配膳ロボット活用等による生産性向上が想定超、更に上振れ圏。

 

*参考記事② 2023-05-31 1,864円 NT

【3197】すかいらーくホールディングス/戻り鈍いが最悪期は脱した印象、好財務で復配。

 

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