【3197】すかいらーくHD/配膳ロボット活用等による生産性向上が想定超、更に上振れ圏。 | なちゅの市川綜合研究所

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【3197】すかいらーくホールディングス(東証プライム)  NT

現在値   2,200円/100株  P/E 125.14  P/B 3.09  12月配当優待 6月優待

「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」等のファミレスの運営。
配当金は12月末に年6円のため、配当利回りは約0.27%となります。

すかいらーくは株主優待として6月末・12月末の単元株主に対し、2,000円分のお食事券を年2回進呈しているため、優待利回りは約2.09%となります。なお、1,000株までは持株数に応じた優待券がほぼ正比例で追加されます。

業績は下記の通りです。IFRSとなります。  

■2020年12月期 売上高 2,884億円、営業利益▲230億円 EPS▲87.2円

■2021年12月期 売上高 2,645億円、営業利益 182億円 EPS 40.7円 

■2022年12月期 売上高 3,037億円、営業利益▲55.7億円 EPS▲28.0円 

■2023年12月期 売上高 3,550億円、営業利益 100億円 EPS 17.5円 ce修正

□2023年6月2Q 売上高 1,697億円、営業利益 28.5億円 EPS 2.4円

□2023年9月3Q 売上高 2,635億円、営業利益 99.5億円 EPS 19.9円(11/10)

2023年6月中間期の売上高はYoY+19.9%の1,697億円、営業利益はYoY+52.7億円の28.5億円となり、予想比は無いものの増収増益となりました。予算前提SSSを2019年比98%(総日商)としていたところ、“巣ごもり”需要剥落によるデリバリー等の減少や、物価高騰によるヤングファミリー層の手控えもあり、実績92.1%に留まりました。他方で利益面については、期初から値上げ効果が寄与したほか、水道光熱費や人件費も想定以下となり、食材原価高騰を打ち返して増益を確保しています。


なお2023年12月期の通期見通しは中間時点で修正しており、売上高がYoY+16.9%の3,550億円(期予:UNCH)、営業利益はYoY+155億円の100億円(期予:60億円)に増額しています。深夜営業再開やインバウンド受入再開等もあり、3Q期間以降も前年比SSSは110%前後で推移しており、着実な回復がみられます。出退店は出店40~50店&転換30~40店を見込む一方、ネット退店超で純減50店の計画です。利益面については、DXによる生産性向上や各種改革の進捗のほか、水光熱費想定以下で増額後もなお上振れ公算が高い状況です。

 

この事業年度も中計の公表は見送られており、2025年~迄の“ロードマップ”の公表で代替されています。①第Ⅰ期:2020~2021年を既存店強化徹底期間、②第Ⅱ期:2022~2025年を通販・外販強化と海外本格出店期間、③第Ⅲ期:2025年~をMA活用による外部成長と中食・内食の取り込み強化期間、という位置付けながらも、各フェーズ毎に業績の数値目標は設定されていません。

 

進行期はこの②第Ⅱ期にあたり、セルフレジの導入推進のほか、ネコ型の配膳ロボットの導入についてが目標の3,000台に達しており、顧客満足度向上と人件費削減に効果を発揮(歩行数▲42%)しています。このほか、インフレ対策として①取引先購買交渉(▲11億円)、②MD改革(▲8億円)、③メニューミックス変更(▲11億円)等で年▲35億円の原価低減を実現しており、最終的に年▲50億円レベルを目指しています。

 

新業態はバーミヤンと共通MDの点心食べ放題「桃菜」を出店しており、南関東ドミナントで年20店出店するほか、蕎麦業態の「八郎そば」の全国ロードサイド展開を目論みます。「八郎そば」は人口高齢化に合わせたシニア向け業態としての側面と、スタミナメニューと広い駐車場を配し、山岡家やゆにろーずが成功している物流従事者の取り込みを図ります。他方、既存の「ガスト」については、半額クーポンや一部商品値下げ等の価格訴求により、改めて家族層の取り込む方針です。

 

財務面については、2021年の海外公募増資(144A)で426億円の巨額調達を済ませているほか、多額の助成金受取もあり、目下の自己資本比率は38.5%と高水準を維持しています。そのため、進行期は期初より年3年に復配予定だったものの、既に年6円への増配を公表しており、着地上振れ幅の如何によっては追加的な増配もあろうかと思われます。

*参考記事① 2023-05-31 1,864円 NT

【3197】すかいらーくホールディングス/戻り鈍いが最悪期は脱した印象、好財務で復配。

 

*参考記事② 2022-12-03  1,591円 NT

【3197】すかいらーくHD/生活防衛で地方圏は想定超の苦戦、各種原価増も響き営業赤字転落も。

 

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